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  • 発売日:2023/09/19
  • 価格:スタンダードエディション:8360円(税込)
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Lies of P
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印刷2022/11/19 19:00

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[G-STAR 2022]アートから見る「Lies of P」。アートディレクターのノ・チャンギュ氏によるセッションの模様をお届け

 NEOWIZが2023年に発売予定のアクションRPG「Lies of P」PC / PS5 / Xbox Series X|S)。本作は,童話「ピノッキオ」を原作とした作品で,フランスのベル・エポック時代(19世紀末から第一世界大戦が勃発するまで)をモチーフにし,機械人形の反乱などといったSF的な要素も合わさった世界観を舞台に,主人公「P」が人間になるための旅路を描いている。

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 11月17日〜20日の期間で開催されているイベント「G-STAR 2022」のNEOWIZブースには,本作の試遊台が50台設置されており,来場者が高難度のアクションを楽しんでいる。
 メディアに用意された試遊台でのプレイレポートは「こちら」で,またメディア合同インタビューも「こちら」に掲載しているので合わせて確認してほしいが,本稿では「Lies of P」のアートディレクターを務めるRound8のノ・チャンギュ氏によるセッションの模様をお届けしよう。

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 NEOWIZが2023年に発売予定のアクションRPG「Lies of P」が,G-STAR 2022の同社ブースで出展されている。童話「ピノッキオ」を原作とした,“ソウルライク”な作品で,高難度のバトルが楽しめる。会場でさっそく遊んでみたので,プレイレポートと印象などをお届けしよう。

[2022/11/18 13:22]
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 NEOWIZが2023年に発売予定のアクションRPG「Lies of P」。本作は,童話「ピノッキオ」を原作とした作品だが,なぜこれをテーマにしたのだろうか。また,ゲームにおける“嘘”でなぜ人間性を得るのか,さまざまに組み合わせられる武器は何種類くらいあるのかなど,気になる点を開発者に聞いた。

[2022/11/19 12:43]

 コンセプトアーティストとして19年ほどの経歴を持つというノ・チャンギュ氏は,日本でも知られる「BLESS UNLEASHED」などの制作に携わっている。「Lies of P」のプロジェクトは,2019年の夏ぐらいにRound8 Studioで新作に関する構想が始まった。内容は漠然とはしていたようだが,ホラー的な要素があるコンセプトを進めたいということで,ジャンルはソウルライクにすると決めていたそうだ。

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 19世紀のヨーロッパを背景にしたいという思いもあり,鉄仮面や錬金術師などといったシナリオを書いて,コンセプトを決めていった。
 ノ氏は個人的にSFが好きで「ブレードランナー」や「ウエストワールド」といった作品にハマっていて,そこで描かれる“人間の本質”を扱うプロジェクトをやりたいという夢があったのだとか。その中で,ピノッキオをダークに脚色したらいいのではないかと思いついたらしいのだが,そんなとき(ノ氏曰く,嘘のように)チェ・ジウォン氏がピノッキオのプロジェクトを持ってきた。

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 ノ氏は内心で「これは運命なんじゃないか」と思ったのだという。ノ氏は,チェ氏を熱量があり,ビジョンもある企画者であり,ストーリー作家としての能力が高い人物だと評する。それなら自身はイメージや画像をうまく表現したらいいと考えて,何が何でも(Lies of Pを)やりたいと考えたそうだ。

 原作であるカルロ・コロディが書いた「ピノッキオの冒険」は教訓的な内容で,皮肉や風刺もあり,人間のモラルに対して疑問を呈している面白くて偉大な物語だとノ氏は話す。ただ,これを脚色するには勇気が必要だったという。
 また,原作が童話であるため,どのように現代に合わせて表現するかを悩んだそうだ。原作では,ゴリラ判事や棺をかつぐウサギ,サーカスの団長,警察,猫やキツネといった面白いキャラクターが多く出てくるが,こうしたキャラクターを「Lies of P」のスタイルにどうやって解釈するのかが1つの課題だったとノ氏は話す。

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 そんな中,ノ氏らの心を動かしたのが「奇妙だが、美しい」という文章だったそうで,これがゲームのキーワードにもなっている。そこに19世紀のベル・エポックの時代を混ぜ始めたのだという。サイバーパンクなどを含めた,さまざまな作品を参考にしながら,最終的にはホラーとサイエンスを結合させた歴史のSFホラーゲームとして「Lies of P」を作り始め,これをベル・エポック・パンクと名付けたそうだ。

2019年に書いたキーアート。腕は人間を象徴していて,主人公「P」が流す黒い涙は人間の感情を表現しているという。手に持ったものは,機械の心臓を表現している
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 「なぜベル・エポック時代を選択したか」という質問を聞かれるというノ氏だが,それは一番美しい時代を象徴としたためなのだとか。ただ,モチーフはフランスのパリだが,ゲーム中の舞台は実際のパリではなく,あくまでヨーロッパのKrat Cityである話していた。

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 このKrat Cityの街並みは,オスマン様式,ロマネスク様式,バロック様式といった建築デザインが採用されているとのこと。その特徴である,柱やアーチを積極的に活用しながら,古典的な雰囲気を表現し,ホラーという冷たい雰囲気と建築の冷たさを同期しようと努力したのだという。

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 また,ベル・エポック時代は豊かな時代ではあったものの,その裏ではラッダイト運動のように機械に職を奪られることに対する運動もあったりと,いまと大きくは変わらない社会的な問題を持っていたという。
 ノ氏はゲームのホラー要素として,そうした19世紀の暗い部分まで導入しながら,全体的な雰囲気をアーティストとデザイナーと打ち合わせ,溶け込ませようとしたそうだ。


世界観をコンセプトアートから紹介


 ここからはコンセプトアートを交えて,ゲームの世界観やキャラクターをノ氏が紹介してくれた。

コンセプトチームで最初に作業したというゲームの舞台Krat Cityのコンセプトアート。雨が降っている駅,駅の内部,オペラ座などが描かれている
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機械人形の反乱で中止になったフェスティバルの会場。後ろにはKratホテルが見える。真ん中にいるのがボスモンスター「フェスティバルの案内者」だ
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博覧会も中止になっている。ここはかなりの時間をかけてデザインしたそうだ
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Pietaという場所はゲームの重要な場所で,天井のガラスが割れて,そこから雨が降っている。これをNEOWIZブースで再現したかったらしいが,できなかったと残念がっていた
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そのNEOWIZブースには,空から落ちてくる「P」らしき人形と,機械の心臓を持つ女性の像が設置されている
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トレイラーの最後に登場したオペラ座だ。ここでは,人形の王が登場するという
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Stargazer。世界観で重要な設定を持っている。こちらは初期のデザイン
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現在はこのデザイン。プレイレポートでも書いているが,これに触れることで死んだときの再開地点にしたり,キャラクターの強化などが行える
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金庫ゲートのコンセプトアート。機械人形の反乱が起きたKrat Cityでは,進入を防ぐために金庫のロック装置を扉に取り付けてゲートにしている。ピノッキオが操作するので気を付けてデザインしたとのこと
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主要なキャラクター


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主人公「P」。奇妙な世の中を生きる,美しい少年というのがコンセプトのテーマ。最初は20代半ばくらいのデザインだったが,まだ成長しきっていない少年であるべきだと思い,現在のデザインを完成させたそうだ
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ゼペット爺さん。主人公より背を高くしたかったとのこと。ノ氏はコンセプトアーティストということで,周りから人物に関するヒントを探すそうだ。ちなみに右上の円の中にいるのは自身の奥さんの父親で,直接会って身なりや印象などを参考にしてコンセプトアートを制作したという。また,青色のマフラーがゼペット爺さんを象徴すると考え,トレイラーの制作時にマフラーが風に舞うよう,動きにこだわって要求したのだとか
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NPCのVenigniは,ゲームの中で一番のお金持ちだそうだ。ノ氏はキャラクターデザインにあたって19世紀の服飾を研究しており,例えばこの時代になかったファスナーなどは取り入れていない
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Antoniaは,世界観をよく生かしてくれるキャラクターだという。原作ではゼペットの友人である男性のアントニオとして登場し,ゼペットに言葉を話す木切れを渡す。それがピノッキオになるのだ
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Sophia。青い髪の妖精(ブルーフェアリー)だが,ゲームに合わせて脚色したという。ゲームではどういった役割を持つのか気になるところ
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クリーチャー


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原作にも登場する犬を連れた警察官のキャラクター
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原作に登場する判事のゴリラをボスモンスターとして書いたもの
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サーカスの団長。原作では背中の籠にプレゼントを入れていたが,ゲームの中ではそこに死体を集めているという設定だ。一番最初にデザインしたキャラクターでもあるという
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原作に登場する,棺を背負うウサギをゲームに合わせて人間として表現している
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テクニカル的な表現


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煙やスチームに光源が影響するよう制作されている。画像では,中央の大きな機械人形が出す煙の一部に光が当たり,その部分が変色していることが分かる
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天気や時間によってさまざまな背景を準備しているという。ここまで19世紀のヨーロッパを表現したのは,韓国のゲームとしては初めてではないかとノ氏は話していた
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発売前にも関わらず世界中から届いたファンアート。アーティストとして大なり小なり悩んでいるそうだが,これに関してある程度は答えをもらえたとして,発売日まで最善を尽くして開発したいと述べた
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Q&Aセッション


 最後に,ノ氏へのQ&Aセッションが行われたので,それを記して本稿を締めよう。

Q:ベル・エポックがベースということですが,その期間は長く,アート的にはネオクラシズムやフォービズムなど,いろいろと花開いた時代だと思います。いま見た画像では,とくにアール・ヌーヴォー的なものは見られなかったのですが,これは意図的なのでしょうか。
A:公開された中では見つけられなかったと思いますが,おっしゃった美術のジャンルは,ゲームがリリースされたら見つけられるでしょう。お楽しみにしてください。

Q:オペラ座などが出てきますが,ゲームのマップとして使う上で,どこまで再現して,どこまでアレンジしているのでしょうか。
A:具体的にどれくらいアレンジしたかは言えないですが,(ゲームに)合うような建築物を探して採用したので,それも楽しみにしてください。

Q:実際にそこに行ったことがあるプレイヤーがいたら,ここだと分かるくらいの再現度なのでしょうか。
A:そうですね。行ったことがある人なら分かるくらいです。コロナ感染症の影響で実際にロケはできなかったのですが,現場の雰囲気や建築物を最大限に調整して表現しています。

Q:ピノッキオの原作はイタリアですが,なぜフランスのベル・エポックを選んだのでしょうか。
A:最初はイタリアも選択肢の1つでしたが,原作に従う必要がないと思ったので,Lies of Pにピッタリな時代背景としてベル・エポックを選びました。その理由として,雰囲気を出すためにゴシック様式を考えていたからだです。また,鉄の扉といった建築物も多かったので選択したという理由もあります。全体的に作品のトーンを合わせるためですね。

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