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[G-STAR 2022]アートから見る「Lies of P」。アートディレクターのノ・チャンギュ氏によるセッションの模様をお届け
11月17日〜20日の期間で開催されているイベント「G-STAR 2022」のNEOWIZブースには,本作の試遊台が50台設置されており,来場者が高難度のアクションを楽しんでいる。
メディアに用意された試遊台でのプレイレポートは「こちら」で,またメディア合同インタビューも「こちら」に掲載しているので合わせて確認してほしいが,本稿では「Lies of P」のアートディレクターを務めるRound8のノ・チャンギュ氏によるセッションの模様をお届けしよう。
[G-STAR 2022]「Lies of P」の試遊レポートをお届け。ソウルライクとしてのリスペクトが大いに感じられる,見逃せないタイトルだ
NEOWIZが2023年に発売予定のアクションRPG「Lies of P」が,G-STAR 2022の同社ブースで出展されている。童話「ピノッキオ」を原作とした,“ソウルライク”な作品で,高難度のバトルが楽しめる。会場でさっそく遊んでみたので,プレイレポートと印象などをお届けしよう。
[G-STAR 2022]嘘をつくのなら“彼”は人間である。「Lies of P」の気になる点について開発者に聞いたインタビューを掲載
NEOWIZが2023年に発売予定のアクションRPG「Lies of P」。本作は,童話「ピノッキオ」を原作とした作品だが,なぜこれをテーマにしたのだろうか。また,ゲームにおける“嘘”でなぜ人間性を得るのか,さまざまに組み合わせられる武器は何種類くらいあるのかなど,気になる点を開発者に聞いた。
コンセプトアーティストとして19年ほどの経歴を持つというノ・チャンギュ氏は,日本でも知られる「BLESS UNLEASHED」などの制作に携わっている。「Lies of P」のプロジェクトは,2019年の夏ぐらいにRound8 Studioで新作に関する構想が始まった。内容は漠然とはしていたようだが,ホラー的な要素があるコンセプトを進めたいということで,ジャンルはソウルライクにすると決めていたそうだ。
19世紀のヨーロッパを背景にしたいという思いもあり,鉄仮面や錬金術師などといったシナリオを書いて,コンセプトを決めていった。
ノ氏は個人的にSFが好きで「ブレードランナー」や「ウエストワールド」といった作品にハマっていて,そこで描かれる“人間の本質”を扱うプロジェクトをやりたいという夢があったのだとか。その中で,ピノッキオをダークに脚色したらいいのではないかと思いついたらしいのだが,そんなとき(ノ氏曰く,嘘のように)チェ・ジウォン氏がピノッキオのプロジェクトを持ってきた。
ノ氏は内心で「これは運命なんじゃないか」と思ったのだという。ノ氏は,チェ氏を熱量があり,ビジョンもある企画者であり,ストーリー作家としての能力が高い人物だと評する。それなら自身はイメージや画像をうまく表現したらいいと考えて,何が何でも(Lies of Pを)やりたいと考えたそうだ。
原作であるカルロ・コロディが書いた「ピノッキオの冒険」は教訓的な内容で,皮肉や風刺もあり,人間のモラルに対して疑問を呈している面白くて偉大な物語だとノ氏は話す。ただ,これを脚色するには勇気が必要だったという。
また,原作が童話であるため,どのように現代に合わせて表現するかを悩んだそうだ。原作では,ゴリラ判事や棺をかつぐウサギ,サーカスの団長,警察,猫やキツネといった面白いキャラクターが多く出てくるが,こうしたキャラクターを「Lies of P」のスタイルにどうやって解釈するのかが1つの課題だったとノ氏は話す。
そんな中,ノ氏らの心を動かしたのが「奇妙だが、美しい」という文章だったそうで,これがゲームのキーワードにもなっている。そこに19世紀のベル・エポックの時代を混ぜ始めたのだという。サイバーパンクなどを含めた,さまざまな作品を参考にしながら,最終的にはホラーとサイエンスを結合させた歴史のSFホラーゲームとして「Lies of P」を作り始め,これをベル・エポック・パンクと名付けたそうだ。
「なぜベル・エポック時代を選択したか」という質問を聞かれるというノ氏だが,それは一番美しい時代を象徴としたためなのだとか。ただ,モチーフはフランスのパリだが,ゲーム中の舞台は実際のパリではなく,あくまでヨーロッパのKrat Cityである話していた。
このKrat Cityの街並みは,オスマン様式,ロマネスク様式,バロック様式といった建築デザインが採用されているとのこと。その特徴である,柱やアーチを積極的に活用しながら,古典的な雰囲気を表現し,ホラーという冷たい雰囲気と建築の冷たさを同期しようと努力したのだという。
また,ベル・エポック時代は豊かな時代ではあったものの,その裏ではラッダイト運動のように機械に職を奪られることに対する運動もあったりと,いまと大きくは変わらない社会的な問題を持っていたという。
ノ氏はゲームのホラー要素として,そうした19世紀の暗い部分まで導入しながら,全体的な雰囲気をアーティストとデザイナーと打ち合わせ,溶け込ませようとしたそうだ。
世界観をコンセプトアートから紹介
ここからはコンセプトアートを交えて,ゲームの世界観やキャラクターをノ氏が紹介してくれた。
Stargazer。世界観で重要な設定を持っている。こちらは初期のデザイン |
現在はこのデザイン。プレイレポートでも書いているが,これに触れることで死んだときの再開地点にしたり,キャラクターの強化などが行える |
主要なキャラクター
クリーチャー
テクニカル的な表現
Q&Aセッション
最後に,ノ氏へのQ&Aセッションが行われたので,それを記して本稿を締めよう。
Q:ベル・エポックがベースということですが,その期間は長く,アート的にはネオクラシズムやフォービズムなど,いろいろと花開いた時代だと思います。いま見た画像では,とくにアール・ヌーヴォー的なものは見られなかったのですが,これは意図的なのでしょうか。
A:公開された中では見つけられなかったと思いますが,おっしゃった美術のジャンルは,ゲームがリリースされたら見つけられるでしょう。お楽しみにしてください。
Q:オペラ座などが出てきますが,ゲームのマップとして使う上で,どこまで再現して,どこまでアレンジしているのでしょうか。
A:具体的にどれくらいアレンジしたかは言えないですが,(ゲームに)合うような建築物を探して採用したので,それも楽しみにしてください。
Q:実際にそこに行ったことがあるプレイヤーがいたら,ここだと分かるくらいの再現度なのでしょうか。
A:そうですね。行ったことがある人なら分かるくらいです。コロナ感染症の影響で実際にロケはできなかったのですが,現場の雰囲気や建築物を最大限に調整して表現しています。
Q:ピノッキオの原作はイタリアですが,なぜフランスのベル・エポックを選んだのでしょうか。
A:最初はイタリアも選択肢の1つでしたが,原作に従う必要がないと思ったので,Lies of Pにピッタリな時代背景としてベル・エポックを選びました。その理由として,雰囲気を出すためにゴシック様式を考えていたからだです。また,鉄の扉といった建築物も多かったので選択したという理由もあります。全体的に作品のトーンを合わせるためですね。
[G-STAR 2022]「Lies of P」の試遊レポートをお届け。ソウルライクとしてのリスペクトが大いに感じられる,見逃せないタイトルだ
NEOWIZが2023年に発売予定のアクションRPG「Lies of P」が,G-STAR 2022の同社ブースで出展されている。童話「ピノッキオ」を原作とした,“ソウルライク”な作品で,高難度のバトルが楽しめる。会場でさっそく遊んでみたので,プレイレポートと印象などをお届けしよう。
[G-STAR 2022]嘘をつくのなら“彼”は人間である。「Lies of P」の気になる点について開発者に聞いたインタビューを掲載
NEOWIZが2023年に発売予定のアクションRPG「Lies of P」。本作は,童話「ピノッキオ」を原作とした作品だが,なぜこれをテーマにしたのだろうか。また,ゲームにおける“嘘”でなぜ人間性を得るのか,さまざまに組み合わせられる武器は何種類くらいあるのかなど,気になる点を開発者に聞いた。
「Lies of P」公式サイト
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