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第3弾は「大分・別府ミステリー案内 歪んだ竹灯篭」に決定。実写ドラマの試写会も行われた“ミステリー案内”シリーズの発表会をレポート
会場では,既報のとおり,シリーズ最新作のタイトルと発売日が発表されたほか,“ミステリー案内”シリーズのスピンオフとなる実写インタラクティブドラマ「川越ミステリー案内 閉ざされた桃源郷」(以下,「閉ざされた桃源郷」)の試写会および舞台挨拶も行われた。本稿では,発表会の模様をレポートしていく。
「『ミステリー案内3(仮)』 タイトル名&テーマソング発表会」出演者一覧
関 純治氏(ハッピーミール 代表取締役)
荒井清和氏(漫画家,キャラクターデザイン)
星守紗凪さん(タイトルテーマソング「あの未来へ」歌手)
岐部昌幸氏(放送作家,制作)
木村克幸氏(「閉ざされた桃源郷」プロデューサー)
高山康平氏(「閉ざされた桃源郷」監督)
井筒しまさん(「閉ざされた桃源郷」主演・由以佳役)
桐島ゆかさん(声優,MC)
発表会の冒頭には,関氏と岐部氏,新井氏,そして歌手の星守紗凪さんが登壇。続いてPVが公開され,最新作のタイトル名が「大分・別府ミステリー案内 歪んだ竹灯篭」(以下,「歪んだ竹灯籠」)で,Switch版が7月7日に発売予定であることが発表された。
関氏によると今回の舞台は,シリーズ第1弾が関西の伊勢志摩,第2弾が東北の秋田だったことから,第3弾は九州を考えていたそうだ。大分は,別府温泉のイメージがあり,旅情ミステリーにピッタリという観点から舞台に決定したという。
また偶然にも,大分は岐部氏の親御さんの出身地だったそうで,現地ロケもスムーズだったとのこと。ロケ中は「ここで殺人が起きたら面白い」といった,他人が聞いたら驚いてしまうような会話も飛び交っていたというエピソードなども披露された。
「歪んだ竹灯籠」では,別府の伝統工芸・竹細工にまつわるストーリーが展開される。タイトルは一度別のものに決まりかけたが,荒井氏から「固すぎる」「読めない,難しい」という意見が出て,変更することになったという。「歪んだ竹灯籠」に決まるまで半年以上かかったそうで,30以上の候補が挙がったことも明かされた。
星守さんによると,テーマソングの曲名が「あの未来へ」だと聞かされたのは,ごく最近だったとのこと。いつ決まったのかを問われた関氏は,「PVを作るとき」と回答し,やはりなかなか決まらなかったと語った。
歌の収録時について,星守さんは「ハモりが何パートかあり,コーラスもあって時間がかかった」とし,「普通のハモりと違っていて,聴き応えのある仕上がりになったので,機会があればぜひジックリ聴いてほしい」と話していた。関氏によると,作詞作曲の森 彰子氏らと相談した結果,今回は星守さんのボーカルを前面に押し出す形にしたという。
続いては,本作のキャラクターの話題に。今回,シリーズお馴染みの後輩刑事・開明寺ケンは,スーツの色が変更されている。これについて関氏は,新人っぽい紺のスーツを卒業することで,ケンが内面的に成長していることを示していると説明した。
本作のヒロイン・文花は新米クリエイターで,彼女の携わっていることが物語にも関わってくるという。またキャラクターデザインに,ゲーム本編に関わる仕掛けをしているそうだ。荒井氏は設定を聞いているうちに,クラウドファンディング募集にあたって描いたヒロインのイメージとまったく違う髪型になっていったと語った。
翠は2人めのヒロイン的な存在で,やはり物語の中心に位置するとのこと。荒井氏は,これまであまり描いてこなかったキャラクターだとし,「新鮮だと思って描いていた」と感想を述べていた。そして,芸術家の創一郎は,見た目どおりの気難しい職人だという。「オーダーどおり描いたらこうなった」と荒井氏は述べた。
初公開となる久枝は,関氏によると「誰かの母」。誰の母なのかは,ぜひ想像して楽しんでほしいとのことだ。また荒井氏は,「2時間サスペンスドラマに出てきそうな人」「着物の柄が最初は安っぽかったが,もっと高そうなものに変えてくれとリテイクが出た」と語った。
季子は,温泉旅館の仲居姿と私服姿の2パターンで登場する。荒井氏によると,双方のイメージにギャップが出るよう,とくに私服姿には細かい指定があったとのこと。
「歪んだ竹灯籠」のコーナーが終了すると,今度は「閉ざされた桃源郷」についてのコーナーに移り,プロデューサーを務める木村氏と監督の高山氏,主演・由以佳役の井筒しまさんが登壇した。本作は,埼玉県川越を舞台に,大学生の由以佳が,失踪した人気アイドル・桃沢セイナを捜索するストーリーが描かれるインタラクティブドラマである。
本来であれば,選択肢やキーワード入力などのギミックによって,ストーリーのエンディングや登場人物が変わるといった,アドベンチャーゲームライクなインタラクティブ性を楽しめるのだが,会場では数ある展開の中の1つを映像にまとめた特別版が上映された。
上映後のトークでは,井筒さんがインタラクティブドラマへの出演は初めてだったとし,選択肢などに合わせていろんなパターンを撮影するのが新鮮だったと感想を述べた。
井筒さんは,ミステリー系の映像作品だと犯人役として出演することが多く,謎を解く側は初めてだったという。精神的に病んでいる役も多かったので,今回は元気な役を演じられて楽しかったそうだ。
高山氏もミステリーのインタラクティブドラマを撮影するのは初めてだったそうで,制作にあたってはかなり混乱したとのこと。
インタラクティブドラマには可能性がありすぎて,楽しさを掘り下げ切れていないという。例えば,「閉ざされた桃源郷」では間違った選択肢の中にも情報を入れるといった試みをしているが,まだまだ手法はあると話していた。
インタラクティブドラマの台本を渡されたとき,どう思ったかを問われた井筒さんは,「どう読めばいいのか分からず難しかった」と回答した。また高山氏も制作側の立場から,「脚本が枝分かれしていくので,きちんと伝わっているのか疑問を抱くこともある」と語った。
イベントの後半には星守さんが,タイトルテーマソング「あの未来へ」の生歌を披露するコーナーも設けられた。歌い終えた星守さんは,コーラスなどが入った状態で歌ったのは初めてだったことを明かし,「いい経験だった」とコメント。また歌が2番に入ってから緊張してしまい,「1番は大丈夫だったのに,と思いながら歌っていた」とも話していた。
発表会のエンディングでは,登壇者達がそれぞれ来場者に感謝の意を示した。その中で岐部氏は,「歪んだ竹灯籠」では,サスペンスはもちろん旅情感にも注目してほしいとし,「大分の魅力が詰まっているので,ぜひ楽しんでほしい」と語った。そして関氏が,「歪んだ竹灯籠」の開発が大詰めに入っていることを示し,発売日に向けてコラボなどの情報を公開していくので期待してほしいと語って,発表会を締めくくった。
「大分・別府ミステリー案内 歪んだ竹灯篭」公式サイト
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大分・別府ミステリー案内 歪んだ竹灯篭
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