「クォンタムナイツ」，開発会社経営の悪化により開発中止

　LINE Gamesがゲーム関連のロードマップの中で，収益構造改善のために果敢な決断を下した。今年パブリッシング予定だった「クォンタムナイツ」（PC / Nintendo Switch / iOS / Android）の開発を暫定中止したのだ。


　「クォンタムナイツ」は，Space Dive Gamesが開発中のオープンワールドTPSのPCゲーム。LINE Gamesは，2023年10月10日から1週間にわたって「クォンタムナイツ」の体験版を配信したが，ジャンルの曖昧さと各種のバグにより，ユーザーから酷評を受けていた。
　開発会社のSpace Dive Gamesは，昨年135億ウォン（約14.85億円）の営業損失を記録し，年間304.4億ウォン（約33.5億円）のマイナスで資本を食い潰す状態となっていた。

　一方，Space Dive Gamesの株式の44.4％を保有しているLINE Gamesも，昨年の連結基準では営業損失を記録。Space Dive Gamesに，追加で資金注入をするのが難しい状況であるだけに，外部からの投資誘致が切実だが，これさえままならなかったものと予想される。

　そのためLINE Gamesは，Nintendo Switchの「The War of Genesis：Remnants of Gray」（創世記戦：灰色の残影）と，スマホ向け新作アプリ「創世記戦モバイル：ASURA Project」（iOS / Android）のサービスに集中するようだ。

　年内に韓国発売を控えている「The War of Genesis：Remnants of Gray」は，ReG StudioによってNintendo Switch用ゲームとして開発中で，既に開発終盤で発売目前。2024年には，グローバルでの発売に広げる計画だ。

　「創世記戦」のIPを使ったもう一つのタイトル「創世記戦モバイル：ASURA Project」は，LINE Games傘下のMeerkat Gamesによって開発中のSRPGだ。2023年11月27日から韓国で事前予約を行う予定で，12歳以上のプレイヤーなら誰でも参加できる。オリジナルストーリーと，新しいキャラクターを披露する予定だ。

　LINE Gamesは，創世記戦IPの2タイトルの発売を通じて，収益構造の改善に乗り出す方針になったのだろう。（著者：キム・テマン）