プレイレポート
第二次世界大戦がテーマの戦術ゲーム「ウォー・モングレルス」を先行プレイ。東部戦線が舞台の濃厚な物語,ステルス行動が重要となるゲーム性に注目
War Mongrels(ウォー・モングレルス)は,第二次世界大戦の東部戦線を舞台にした見下ろし視点の“戦術級”リアルタイムタクティクスゲーム。最大2人でのCo-opプレイに対応しており,シングルプレイはもちろん,ゲーム仲間とともに苛烈な戦場や,史実をベースとした重厚なストーリーが体験できる。日本では,Steamの日本語版のほかにも,EXNOAからDMM GAMES PLAYER(PC)版(2021年9月に発売予定)とPS5 / PS4向け日本語版(発売日未定)がリリースされる予定だ*。
※Steam版とXbox Series X / Xbox One版はDestructive Creationsがパブリッシングを担当)
「ウォー・モングレルス」の日本語版がPC向けに9月発売。第二次世界大戦のヨーロッパ戦線を舞台にしたRTS
EXNOAが運営するDMM GAMESは,第二次世界大戦のヨーロッパ戦線を舞台にしたRTS「ウォー・モングレルス」のPC(DMM GAMES PLAYER)日本語版を2021年9月に発売すると発表した。合わせて日本語版の公式サイトとトレイラーが公開されている。
今回は,そんな本作のメディア向け“世界最速プレイ”となり,試遊はPC英語版のビルドで行っている。単語やインタフェースの表記は正式リリース時と異なる場合があること,作品の性質上,記事に使用しているスクリーンショットのなかに流血表現などがあることに注意してほしい。
「ウォー・モングレルス」公式サイト
東部戦線を舞台とした濃厚な物語が特徴
“地道で緻密な計画実行”でミッション攻略を目指せ
ゲームは,EwaldとManfredという,ドイツ国防軍の兵士2人の物語で始まる。政府のプロパガンダに踊らされ,東部戦線で3年ものあいだ戦い続けた2人だったが,多数の残虐行為を目の当たりにしたことで,この悲惨で無意味な戦争によって命を落とす人をなくすため,ナチスに対抗する道を選ぶ。そうして軍を脱走した2人は,ゲリラ活動を行うことになるのだ。
ゲーム進行は,クラシックなモノクロ調のアニメーションの「シナリオパート」と,写実的なグラフィックスで戦場が描かれる「ミッションパート」で構成されている。題材が題材だけに物語は極めてシリアスで,ミッションパートの描写はリアルなだけにショッキングなシーンも頻出するのだが,シナリオパートのアニメーションや演出がスタイリッシュなため,物語やミッションの“生々しさ”をうまく緩和してくれる。
史実をベースにしている作品だが,主人公たちが置かれた状況が丁寧に描かれているので,ミリタリーモノや歴史にそこまで強くないという人でも物語の流れを掴めるだろう。
ミッションパートでは,シナリオの状況に応じた目標が提示され,それをすべて攻略することで次の物語に進んでいく。EwaldとManfredのほかにもさまざまなキャラクターが登場し,それぞれ口笛や格闘など,使えるスキルが異なる。場面に合ったキャラクターに指示を出し,さまざまなアクションや固有スキルを活かして難関を突破していくのだ。
EwaldとManfredは,異能を持つスーパーヒーローではない。敵に銃で撃たれてしまうと簡単にやられてしまう。一人ずつ倒すにしても,正面から行って先に見つかってしまうと,仲間を呼ばれて複数の敵からの銃撃を受けることになるだろう。
基本となるのが,発見されないよう敵の視界を確認しながらのステルス行動。敵を選択すれば視界の範囲が表示されるので,物陰に隠れながらどのあたりを警戒しているのかを確認し,気付かれないよう排除したり戦いを回避できるルートを進んだりして目的地を目指そう。
複数の敵が集まっている場所は,1人ずつおびき寄せて各個撃破を狙っていく。瓶を相手の視界内に投げ込んだり,口笛を吹いたり,わざと短い時間だけ姿を晒したりして集団から引き離し,ほかの敵に気づかれない場所で対処しよう。
本当にほかの敵に見つからない場所か。そこに隠れることができるオブジェクトがあるか。ステージの構造をしっかり確認して行動することが,効率よくミッションをクリアするうえで重要となりそうだ。
ステルス行動が基本となる本作では,“音”も重要な要素となっていた。
各種アクションを行う際に音が発生する場合があり,その音が聞こえる範囲内に敵がいれば,怪しんでこちらにやってくる。各個撃破を狙って見えない場所で片付けようとしても,その際の音によってピンチを招くかもしれないのだ。
例えば敵を倒す際,ナイフを使うと声をあげられてしまうが,格闘術で“寝かせて”しまえば無音のまま撃破できる。このあたりの“対処法”は,ほかの敵との距離や状況をみて選択しよう。
強力な攻撃方法として,銃を使った射撃がある。今回の試遊では,Manfredの銃撃は高威力かつ射程範囲も広めで,茂みに隠れて遠距離から敵を狙い撃つということも可能だ。強力な攻撃ではあるが,遠くまで音が響くのが注意すべき点だろう。射撃後はすぐにその場から離れないと,すぐに見つかってピンチになってしまう。
弾薬には限りがあり,補充するにはマップ内を探さなければならないというリスキーな部分も。銃を多用できないと心得ておかなければならない。使用する際も,狙う相手の周りにその仲間がいないか,倒してからすぐに隠せるかなども確認してからがいいだろう。
複数のキャラクターを連携させて動かしたい場面では「Planning Mode」が役に立つ。Planning Modeは,起動すると時間の流れが停止し,次に実行する行動を“予約”できる,複雑な連携行動を行う際に必須のモードとなりそうだ。
とても便利なシステムだが,敵の行動を予測したうえで使用しないと予約したアクションが成功しないので要注意。予想外のアクシデントが起こるかもしれないので,あらゆる事態に柔軟に対応できるようにしよう。
慎重に行動していても,どうしても複数の敵を1人で撃退しなければならないという状況に陥ることもある。そんなときは「Combat Mode」の出番。これは,キャラクターの操作システムが,マウスクリックでの目的地指定ではなく,WASDキーで移動+マウスで敵をクリックして銃撃というアクションゲームのような操作に変化するというものだ。
複数の敵を相手にするのはなるべく避けたいが,こうなった際はしかたがない。アクションを楽しみつつ,弾薬数に気をつけながら敵を倒して危機を脱しよう。
今回プレイできたのは,チュートリアルからゲーム前半までのほんの少しだったが,その硬派な世界観や物語,そしてゲーム性をしっかり堪能できた。前述したとおり,史実をベースに作り込まれた濃厚な物語は雰囲気あるアートスタイルとスタイリッシュな演出により,重くなりすぎず読み進められるようになっているのが印象的だ。
システムとしては,同じような見下ろし視点のステルスアクションである「Shadow Tactics: Blades of the Shogun」や「Desperados III」などに近いものがあり,それらよりさらに“地道で緻密な計画実行”が要求されるという印象受けた。オートセーブ機能が充実しており,ミスしてからのリトライが早い点も好印象で,何度も失敗しながらもゲームを攻略していく“喜び”を噛み締めたいプレイヤーに安心してオススメできそうだ。
複数人のチームになった際の操作感覚やCo-opモードは確認できなかったが,両方ともどのような作りになっているかも期待したいところ。ユニット間の連携と情報共有が重要かつ楽しいゲームなので,仕上がり次第ではそれらを一人黙々と実行したい人,友人やゲーム仲間とともに遊びたいという人どちらも満足できる作品となりそうだ。
ビルド版ということもあって進行不能となるバグを含む不具合が多かったのが気になったが,正式リリースはまだ先なので,それまでには修正されているだろう。今回は世界初披露というメディア向け試遊版だったが,これを機に情報公開も増えるはず。気になる人は今後の情報発信をチェックしておこう。
「ウォー・モングレルス」公式サイト
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