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マフィア梶田の二次元が来い!:第562回「流行り神を乗せてきたプラレールのバニシング・ポイント」
なんと本物のお寿司を載せて走ることができるこの商品。その性能を確かめるべく,わしゃがなTVではさまざまな実験を行いました。オモチャはイジってナンボ。これが提供案件なら絶対にできない遊び方をしているので,ぜひチェックしてみてください!
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「RADIO 4Gamer Tap(仮)」第175回では,日本一ソフトウェアの「真 流行り神3」(PS4 / Nintendo Switch)を特集。ゲストとしてプロモーション担当の岩﨑誠人氏をお招きし,ゲームの魅力を解説していただきつつ実際にプレイしてきました。
ホラー・ミステリーファンから根強い人気を誇る「真 流行り神」シリーズの最新作ということで,個人的にも注目していた本作。選択肢次第で事件の方向性が“科学”と“オカルト”に分岐するというシステムも健在で,都市伝説やネットロアを題材とした事件の数々は相変わらずホラーファンのツボを心得ている印象です。しかもレーティングは強気の“Z”指定。苦手でなければ,こだわりのゴア表現にも要注目です!
「真 流行り神3」公式サイト
前回の連載で購入の報告をした1970年式「ダッジ・チャレンジャー RT」。納車してからまったくトラブルなく,乗り心地も良好で,ヒマを見つけてはドライブに出かけております。
こういったアメ車に乗っていると,必ずと言っていいほど質問されるのが排気量や燃費について。ちなみに最初の愛車である2016年式「ダッジ・チャレンジャー SRT ヘルキャット」は,排気量が6200ccでECOモード走行ならリッター7kmほど走るクルマでした。最大700馬力を発揮するモンスターマシンでこの燃費なら上等というか,さすが現代車といったところですよね。
そして次に購入した1969年式「シボレー・カマロ SS」は排気量が5700ccでリッター5kmといったところ。当然ながら現代車とは比べ物にならないくらい燃費が悪いのですが,それでもリッター5km走るならマフィア梶田的感覚であれば,日常の足としてまったく問題なし。どこへ行くにも乗っていけちゃいます。
そのうえで,新顔の70年式チャレンジャーなんですが……なんと,排気量は3台目にして大幅に記録更新の7200cc。燃費に至ってはリッター3kmという未体験ゾーンに突入しました。感覚として,ガソリン満タンから2〜3時間も走れば残量はもう半分。1日がかりのドライブであれば,道中の給油だけで2万円近くが飛んでいくという,遠出するなら新幹線のチケットを買ったほうがマシなくらいの極悪燃費です。
でもここまできちゃうと,もうショックなんて通り越して感心しちゃいますね。大食いチャンピオンに飯を奢るような気持ち,とでも表現すべきでしょうか。ガソリンスタンドでハイオクをグビグビと飲み込んでいく様を眺めていると,ある種のマゾヒズム的な快感すら覚えます。
クルマを交通手段として考えている人間からすると,明らかに異常でしょうね。とくに都内では車体のサイズと小回りのきかなさが災いして,クルマとしての利点なんてほぼ無いですし,公共の交通機関を利用した方がガソリン代より安く済むとなれば,いよいよ理解し難いのではないでしょうか。
「なぜ古いアメ車に乗るのか?」という疑問に対する答えは,単純明快。「カッコいいから!」。これに尽きます。そもそもクルマ選びの基準として,利便性や性能は二の次三の次なんですよね。自分にとってクルマはファッションであり,トレードマークである革ジャンやサングラスと同じように自らのスタイルを公に示すためのものなのです。
……“スタイル”なんて表現をすると,少し気取った印象になりますが。その根底にあるのは極めてオタク的な思考。昔から一貫して,自分が目指しているのはアニメやゲームのキャラクターのように,アイコンとして完成された存在であり,だからこそ公私を問わずいつも同じような格好をしています。おかげで,今やマフィア梶田は誰が見てもマフィア梶田。それどころか,「巨漢でスキンヘッド」のキャラクターを見かけた人がマフィア梶田を連想するという,ミーム汚染をも引き起こしているあたり,想定以上に上手くいっております。
スキンヘッドの巨漢,革ジャン着て,サングラスかけて,マッスルカーに乗っている。よくマフィア梶田のことを個性的だと言ってくださる方がいますが,その実態は真逆なんですよね。冷静に見ると,マフィア梶田は類型的なアウトロー・タフガイのイメージをなぞっているに過ぎない。言わば人生まるごとコスプレをしているようなもので,生身の人間でありながら,限りなく二次元的なキャラクターでいるために,日常生活レベルで徹底した結果がマフィア梶田という存在なのです。
さて,そこでクルマの話に戻りましょう。70年式チャレンジャーというのは,そんなアウトロー的キャラクターの解像度をさらに高めてくれるクルマなんですよ。1970年に発売されて以来,ダッジ・チャレンジャーはフィクションの世界において「アウトローのクルマ」として活躍することが多く,そのイメージを鮮烈に決定付けたのが,1971年に公開された映画「バニシング・ポイント」でした。
70年式チャレンジャーを,コロラド州デンバーからサンフランシスコまで15時間で運ぶという無謀な賭けをした主人公が,警察の追跡を振り切りながら自らの消失点(バニシング・ポイント)を目指して走り続ける……。破滅を迎える瞬間まで何が彼をそうさせるのか理由も分からず,ただ一途に無軌道で刹那的なその生き様はひたすらに自由で,空虚で,切ない。アメリカン・ニューシネマを語るうえでは外せない1本です。
まさしくフィクションの世界をきっかけに不朽のストーリーと風格を備えたクルマであり,だからこそ燃費が絶望的だろうが,取り回しが悪かろうが,ファッションとして日常的に乗り回すことに意義があるクルマなのです。
ちなみに,この時代の“モパー”と呼ばれるクライスラーのマッスルカーは,今やすっかり希少車でパーツも少なく,投資対象やコレクションとして乗り回さずに所有しているオーナーも多いらしく……実際に自分が買った70年式チャレンジャーも以前のオーナーが大事に保管していた車両のようでコンディションは極上でした。
……が,元よりそんなことは知ったことじゃないマフィア梶田はグングンと走行距離を伸ばし,どんどんボンネットに飛び石の傷跡を増やしております。最初からリセールなんて考慮して買っていませんし,どうせ墓場まで持っていけやしないのに,ピカピカのまま乗らずに置いておくなんて俺にはナンセンスじゃないですか。とりあえず飽きるまで……あるいは,クルマと自分のどっちが先に寿命を迎えるのか,競うくらいの気持ちで付き合っていくつもりです。
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(C)2021 Nippon Ichi Software, Inc.
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