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重さ約580gの携帯型ゲームPC「ONEXFLY」が2023年秋に国内発売。Ryzen 7 7840U搭載で性能面では「ROG ALLY」を上回るか
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印刷2023/07/03 18:28

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重さ約580gの携帯型ゲームPC「ONEXFLY」が2023年秋に国内発売。Ryzen 7 7840U搭載で性能面では「ROG ALLY」を上回るか

 2023年6月29日,テックワンは,ONE-NETBOOK Technology(以下,ONE-NETBOOK)製携帯型ゲームPCの新モデル「ONEXFLY」を発表した。本製品は,ノートPC向けCPU「Ryzen 7000」シリーズの「Ryzen 7 7840U」と,最大リフレッシュレート120Hz対応のディスプレイなどを搭載することで,従来製品と比べて高いスペックを備えているのが特徴だ。
 ONEXFLYは,まもなくクラウドファンディングサービス「Indiegogo」で,キャンペーンを開始する予定で,日本市場では秋ごろの発売を見込む。テックワンによると,2023年9月の「東京ゲームショウ2023」での展示も行うという。価格は明らかになっていない。
 本稿では,同日に行われた製品発表会で語られた新製品の見どころをレポートしたい。

ONEXFLY。本体カラーはホワイトとブラックの2色展開となる
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テックワン 代表取締役の山田拓郎氏。「ONEXFLYを競争力のある製品と価格にしたい」と意気込む
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 携帯型ゲームPCの市場は,2023年6月にASUSTek Computerが「ROG ALLY」を国内発売して以降,これまで以上に注目されている。テックワンの代表取締役である山田拓郎氏は,「携帯型ゲームPCというニッチな市場に,突然,大手メーカーが参入して驚いた」と話す。そのうえで,「競争によって市場は盛り上がる。ONEXFLYは,競争力のある製品と価格で,競合製品と文字通り競合したい」とONEXFLYの発売に期待を寄せた。

 ONEXFLYは,既存の「ONEXPLAYER mini」シリーズと同じ7インチサイズのディスプレイを搭載する。ただし,解像度は既存の1920×1200ドットから1920×1080ドットに,最大リフレッシュレートは60Hzから120Hzに変更となっており,よりゲーマー向けの仕様に変わっているのがポイントだ。

ONEXFLYのディスプレイ。携帯型ゲームPCでも,最大リフレッシュレート120Hzの製品が増えてきた
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 公称本体サイズは,263.6(W)×98.25(D)×22.6(H)mmで,ONEXPLAYER miniの262mm(W)×107mm(D)×23mm〜35mm(H)と比べると,少し小さめといえるだろう。公称本体重量は未定とのことだが,ROG ALLYの約608gを下回る約580gを目指しているそうだ。

競合と目するROG ALLYとの比較。ただ,ONEXFLYは現在開発中なので,スライド内にある数値は変わる可能性がある
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ONEXFLYのサイズ感。片手でも持ち運べる
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 ONEXFLYの搭載CPUであるRyzen 7 7840Uは,Zen 4ベースの8コア16スレッド対応製品で,統合GPUとしてRDNA 3アーキテクチャを採用した「Radeon 780M」を備えており,高い性能を有するという。テックワンが行った検証によると,「3DMark」のTimeSpyにおいて,NVIDIAの単体GPU「GeForce GTX 1650 Ti」に迫るスコアを示したという。

ONEXFLYが採用するRyzen 7 7840U。携帯型ゲームPCの新たな定番になりそうなCPUだ
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Radeon 780Mの性能
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 Zen 4+RDNA 3という構成は,ROG ALLYが採用する「Ryzen Z1」シリーズと共通するが,Ryzen 7 7840Uには,機械学習処理用の推論アクセラレータである「Ryzen AI」を搭載する点が異なる(関連記事)。ただ,いまのところ,Ryzen AIの活用は,Windows 11に搭載する背景ぼかしやノイズ除去機能である「Windows Studio Effects」に留まっており,ゲームでの利用が進むかどうかは未知数だ。
 
 メインメモリはLPDDR5X-7500MHz,内蔵SSDはPCI Express 4.0といずれも高速のインタフェース規格を採用する。テックワンによると,SSDの逐次読み出し性能は7109MB/s,逐次書き込み性能は6318MB/sに達しており,ROG ALLYと比べて約2倍高速とのこと。

メインメモリとSSDに高速インタフェース規格を採用する
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 また,ONE-NETBOOKは,ONEXPLAYERや,ONEXFLY向けの周辺機器として,ノートPC向けGPU「Radeon RX 7600M XT」を内蔵した外付けGPUボックス「ONEXGPU」の投入も予定している。USB4でONEXFLYと接続することで,グラフィックス性能を強化できるそうだ。なお,ONEXGPUの発売時期や価格は未定だ。

外付けGPUボックス「ONEXGPU」。USB 3.2とHDMI 2.1ポートを備え,ハブとしても機能する。スライドにiPhoneが写っているのは,単純にサイズの比較用とのこと
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 ディスプレイ左右に搭載するゲームパッドは,既存製品と同じく,本体の左奥に左アナログスティック,右手前に右アナログスティックを備えたXbox純正ゲームパッド風のレイアウトを採用する。上側面にあるショルダーボタンの横に,独自の拡張ボタンを搭載するのが,既存製品との違いと言えようか。

ONEXFLYのゲームパッド
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 インタフェース類は,上側面と下側面にまとめられている。USB4とUSB 3.2 Gen 1 Type-Aポート,4極3.5mmミニピンヘッドセット端子を,下側面にはUSB4とmicroSDカードスロットを備える。

上側面
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下側面
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背面に吸気孔を備える
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 このほかにもハードウェア面の特徴として,筐体の塗装を,国内有数の塗料会社である武蔵塗料製の製品で行うことも明らかになった。一般的な製品発表会で,塗料を紹介するケースはほとんどなく,非常にニッチな情報だが,ONE-NETBOOKの品質に対するこだわりを示したものだそうだ。

武蔵塗料の製品は,PCやゲーム機,スマートフォンを始め,さまざまな分野で豊富な採用実績を誇るという
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Jack Wang氏。3年ぶりの来日になるそうだ
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 発表会には,ONE-NETBOOKのCEOであるJack Wang氏も登場した。Wangは,ONE-NETBOOKにとって,日本市場は売上の20%を占める重要な存在だという。
 Wangによると,新型コロナウイルス感染症で身動きが取れない3年間で,とくにソフトウェアの開発に注力したそうだ。既存のONEXPLAYERに搭載する独自の設定ソフトウェア「GAME CENTER」の設計を見直したとのこと。ランチャー機能が新たに加わったのに加えて,フレームレートなどPCの状態を画面上に表示する「RTSS Rivatuner Statistics Server」との連携機能も備えた。このほかにもさまざまな機能を追加していくとしている。

GAME CENTERは各種設定のほか,ゲームランチャー機能を備える
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TDPなどを設定できるメニューパネル(開発中の画面)
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 また,テックワンは,携帯型ゲームPC「ONEXPLAYER 2」用の周辺機器「ONEXPLAYERジョイスティックコネクター」を7月に国内発売することも合わせて発表した。本製品は,ONEXPLAYER 2のゲームパッドを本体から取り外し,単体のゲームパッドとして利用するためのアダプタだ。世界市場では6月18日に発売している(関連記事)。

ONEXPLAYERジョイスティックコネクター
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ONEXPLAYER 2のゲームパッドに装着した様子
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 テックワンによると,既存のONEXPLAYER 2の利用者に対するキャンペーンを実施する予定で,ONEXPLAYER 2のレビューを投稿すると,ゲームパッドを外したONEXPLAYER 2本体の側面を保護するカバーを無料で提供するとのことだ。

ゲームパッドを外したONEXPLAYER 2本体の側面を保護するカバー
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