企画記事
難解さがクセになる「ディスコ エリジウム ザ ファイナル カット」の始め方。どのようにゲームを進めていくのか,その“基本”を序盤リプレイで紹介
テーブルトークRPG風のシステムをベースとした,主人公の内面にある24種類の“人格を持つスキル”と話しながら物語を進めるゲーム進行,それらスキルの得意/不得意によって大きく変化する主人公の人格とストーリー展開などが特徴の,かなり独特の雰囲気を持つ本作。“人格を持つスキルと対話”と言われても,この説明では「どんなゲームか見えない,難解な作品なのでは?」と思う人も多いだろう。
事実本作は難解であり,独特なシステム故の入りにくさはあるのだが,しかし,序盤で始め方や遊び方を理解できればその“難解さ”がクセになり,ノンストップでプレイしたくなるような作品となっているのだ。
そんな本作の“入り口”をもう少し広げたい。ということで,どうキャラクターを作り,どのようにゲームを進めていくかの基本を,ゲームの序盤となる「1日目」の“リプレイ”という形で紹介しよう。
なお,本稿には選択肢の結果を含む序盤のネタバレが含まれているので,自分ですべての謎を解き明かしたい人は注意してほしい。お試し感覚で出だしに触れてから本格的にプレイする際や,ある程度進めたのちに「別のスタイルで遊ぶとどうなるのか」を確認するために読むのもアリだ。
「ディスコ エリジウム ザ ファイナル カット」公式サイト
自分自身の内にある“人格を持ったスキル”との会話で事件の謎を解く,かなり“尖った”ミステリーRPG
最初に軽く本作の基本設定と物語,システムを紹介しておこう。
本作はいわゆる刑事モノのミステリーで,プレイヤーは主人公を操作して事件の解決を目指すことになる。システムは前述のとおりテーブルトークRPGに近く,重要な選択肢ではダイスロールでその可否が判定される。
主人公には「知性」「精神」「肉体」「運動能力」という4つの基礎ステータスがあり,それぞれ6つずつ紐づけられた全24種類のスキルが存在する。ダイスロールでは,この主人公のステータスや取得しているスキル,スキルのレベルが成功率を左右するのだ。
そしてこのスキルの特徴が,それぞれに“人格”があること。主人公が推理したり,何かを考えたりするときに現れては話しかけてきて,状況に応じたさまざまな提案をしてくるのだ。
スキルによって提案の内容は大きく変化し,ときには複数のスキルから異なる助言を受けることがある。プレイヤーは彼らと“会話”しながら自分なりの答えを導き,物語を進めていくのである。そのほかの詳細は,8月20日に掲載したプレイレポートをチェックしてほしい(記事リンク)。
「ディスコ エリジウム ザ ファイナル カット」先行プレイ。自分だけの主人公像を作り上げ,“人格”を持つスキルと語り合って謎を解くミステリーRPG
スパイク・チュンソフトが2022年8月25日に発売する,コンシューマ向け日本語版「ディスコ エリジウム ザ ファイナル カット」のプレイレポートをお届けしよう。自分だけの主人公像を作り上げ,“人格”を持つスキルと語り合って謎を解く。そんな独特のシステムを持つミステリーRPGがついに日本語で遊べるのだ。
主人公像の提示〜ゲーム開始
共感力と想像力に優れた刑事のはずが,ネクタイと会話する変人に?
ではここからが本番だ。まずは主人公のステータスを設定し,“どんな人間にするか”を考えていこう。最初に4種類のステータスに割り振れるボーナスポイントは合計で8。せっかくなので特定のステータスを伸ばし,偏った特性を持つ人間にしてみることに。
描き出したイメージは“コミュ力刑事”。コミュニケーション能力に長け,豊かな話術や感情表現で他者に影響を与える人間だ。ということで,感受性と“心の知能”を表す「精神」を最大の6にして,余ったポイントを「肉体」「運動能力」に割り振った。
最初に覚えられる1種類のスキルは,もちろんコミュニケーションに不可欠な「共感」(精神)。スキルの説明を読むと,「高いレベルになると,文字どおり他人の立場で物事を考えられるようになる」といったことが書かれており,これはコミュ力刑事に欠かせない。
ただ,レベルが高いと他人に共感しすぎるのか,あまりに他人の気持ちに寄り添い過ぎて「より情緒不安定になる」とも書かれており,ちょっと不安でもある。
こうして主人公像が出来上がった。知性を犠牲にしたため「共感力や想像力に優れ,会話で人を惹き付けるが,論理的な思考は苦手」という,考えなしの直感型といった感じの人間になったが,ともあれコミュ力と想像力を武器に難事件に挑む物語を始めよう。
設定を完了してゲームを開始すると,荒れ果てたホテルの一室でパンイチのオッサン(主人公)が立ち上がる。彼はアルコールの過剰摂取で記憶障害を起こしており,ここがどこで何をしていたか,自分の名前も,どんな顔をしていたのかすら忘れてしまっているようだ。
周囲に散らばった服を拾い集める中,シーリングファンに絡まったネクタイを見つけると,「内陸帝国」(精神)が語りかけてくる。「あなたはこのネクタイが“友人”であるかのように感じています」と。
……? 「内陸帝国」(精神)は,直感や虫の知らせといった,視認できないものへの洞察,今後起こりうることへの予測を得意とするスキルだ。かなり個性的な表現だが,主人公にとって大事なものであることはなんとなく伝わった。
趣味の悪いネクタイだが,主人公の愛着の品だったようだ |
窓ガラスが割れている……誰がやったんだ? そんな場面では,仮想の犯罪現場を構築し,そこで何があったかを割り出すことを得意とする「視覚計算」(知性)の出番だ |
着替えを済まして部屋を出ると,そこには若いディスコダンサーが佇んでいた。彼女に話しかけてみると,自分(主人公)が刑事だということが分かる。3日前からこのホテルにいるようだが,ただ音楽を流しながら酒を飲み,暴れていただけだったという。このままでは体裁が悪い。なんとか取り繕って刑事っぽい振る舞いをすることにしよう。
ひとしきり会話したところで,さすがのコミュ力の高さといったところだろうか,彼女を口説く選択肢が出現した。要求スキルは「暗示」(精神)。言葉巧みに他者の思考や行動を操作するスキルで,コミュ力刑事の得意とする分野なため成功率も72%と非常に高い。ここで口説かないという選択はないだろう。
「この成功率ならば」と余裕をもって見ていたが,なんとスキルチェックで見事(?)失敗。二日酔いでパンパンに腫れ上がったオッサンの誘いは笑い飛ばされ,あげく「俺は黙示録刑事だ」などと意味不明な一言で誤魔化す羽目になってしまった。
得意分野のスキルチェックでも,その結果はダイスの出目次第。自信をもって選んだ行動であっても,必ずしも成功するとは限らない。こういった結果が,“人間らしさ”のある物語を構築していく。
かいた恥を忘れんばかりにそそくさとカフェテリアに降りると,そこでキム・キツラギという男にあった。彼は自分と一緒に事件の解決を目指す刑事,つまり“相棒”なんだそうだ。とは言え,キムは今まさにこのホテルについたばかりであり主人公とは初対面。仕方ないので記憶を失っていることを打ち明け,現状を教えてもらうことに。
ここで「内陸帝国」(精神)が,「これを機会に新しい名前を決めてそれを名乗ろう」と言ってきた。しかしそれを成功させるには,クリエイティブな考えを持つ「概念化」(知性)のスキルの高さが必要で,知性自体が残念な主人公はもちろん失敗する。
「名前をつけよう!」と発想するのは「精神」だけど,それを考えるのは「知性」の役割である。思い付いたけど成し遂げられなかった……なんともむなしさを覚える結末だ。
キムから得た情報によると,主人公とキムはRCMと呼ばれる警察組織に所属しているようだ。このマルティネーズ地区には管轄する警察組織が存在せず,2人は隣接する異なる地区から呼び出された格好になる。
現在マルティネーズ地区は,港湾労働施設のストライキと,働き口を求める労働者による“スト破り”が激突する労働闘争の真っ只中。被害者は闘争を制御するために外部から雇われた警備員で,通報があるまでの4日間,庭の木に吊るされていたという。
国が革命戦争に破れてから,マルティネーズ地区は危険な“流れ者”たちのたまり場となっていた。警察(RCM)からも見捨てられ,以降は地元の自警団が治安維持の役割を担っている。しかし,凶悪な事件の始末をつけられる組織が存在しなかったこともあり,ついに近隣地区の警察に通報が入る。そこで招集されたのが主人公とキムというわけだ。
アルコールの過剰摂取でぼろぼろの主人公に対し,「もっとひどいありさまの捜査官も大勢見てきた」と話すキム。その態度から,この世界における警察組織の現状が伝わってくる |
物静かな雰囲気のキム。親交を深めようとすると,「権威」(精神)から「こいつは並外れた権威の持ち主だ」と助言された。権力好きで威圧的な態度の彼がここまで言うのなら,その内には相当強烈なものを抱えているのだろう |
その後,主人公が泊まっていたカフェテリア兼ホテルの店長に聞き込みを行うことで,主人公の荒らした部屋の修繕代金を迫られつつも,裏手の庭に死体が吊るされているという情報を得る。
料金を請求された際,例の趣味の悪いネクタイが勝手に喋りだし,主人公のかわりにキレ散らかすというトンデモな展開に。と言ってもこれは「内陸帝国」(精神)によると自分自身の想像(妄想?)だったようだ。……ちょっと想像力が豊かすぎないか?
店長は主人公に怒っている様子。そりゃあそうだろう,捜査に来たはずの警官が3日間も飲んだくれ,さらに部屋をさんざん荒らしたわけだから。そんな店長相手にどうにか聞き込みをしている間にも,ネクタイは罵詈雑言を吐き続けている |
庭師に死体の場所を聞いている途中,「内陸帝国」(精神)が「これから死体を扱うには手袋がいる」と話しかけてきた。後に発生する出来事を想像するのが得意な彼らしいアドバイスだ |
思考の利用法〜港湾ルート
ひねくれた少年も,高い共感力で丁寧に対応。しかし運動は……
ようやく事件現場に到着したが,4日間放置されていただけあって,被害者の遺体は凄まじい腐臭を漂わせている。身体的な打たれ強さを表す「耐久力」(肉体)のスキルが高いと,この臭気に耐えて捜査を進められるようだが……とりあえずスキルチェックに挑戦しところ,成功率はわずか3%で当然失敗。あまりの腐臭に耐えかねて嘔吐してしまった。
この選択肢は再度挑戦できる「ホワイト・スキルチェック」なので,周囲を調べて成功率に補正がかかる情報を手に入れることができれば,成功率を上げたかたちでもう一度チャレンジできる。
キムの提案で臭いを抑える手段を試してみたが,そもそも成功率はわずか3%である。多少成功率が上がったところでその結果は変わらず再度嘔吐! またも現場を汚す結果になってしまった……。
どうやら覚悟が足りなかったらしい。2度の嘔吐にもめげずに挑む姿勢を見せたところ,新たな「思考」である「体積くそ圧縮機」を獲得した。ひどい名前でどういうものか分かりにくいが,ケツにギュッと力を入れる感じで我慢強くなる……といったところか。
しばらく街で聞き込みをして新たな情報を集めた後,ケツと胃と気を引き締めて再度遺体に向き合う。成功率は58%と相変わらず不安の残る数値だったが,それでも3%だったことを考えるとものすごい上昇っぷりだ。無事にスキルチェックを成功し,遺体の調査を開始する。
調査をしていると,「内陸帝国」(精神)によって“遺体との対話”が始まり,そこに趣味の悪いネクタイが口を挟んでくるという正気とは思えない脳内会話が始まった。
最初に「他人の気持ちに寄り添い“過ぎる”」と説明があったが寄り添うのは人間だけではなく,遺体やモノも対象だったということだろうか。
そんなこんなで調査を進めていくうち,どうにかこの現場で入手できる情報ある程度確保できたようだ。遺体を木から降ろそうとしたとき,ここで問題が発生した。遺体を吊るすのに使用されているベルトが強固で簡単に外せそうになく,また腐敗が進行しているため,無理に引っ張れば首と体がお別れしてしまう可能性があるのだ。
まずは遺体を下ろして,そのあとベルトを外すのがよさそうだが,キムと二人でこれをどうにかするのは難しい。あまり気が進まないが,この地域でもっとも力を持っている存在――労働組合に助力を求めることにした。
労働組合のトップが居を構える港湾は,現在ストライキの真っ最中で閉鎖されている。しかし,先ほどの街での聞き込みで侵入経路の目星はつけてあった。その道を教えてくれたのが,被害者の遺体に石を投げつけて遊んでいるイカれた少年クーノと,彼に声援を送る少女クーノースの2人だ。
クーノは,どうやら精神に作用するハーブでハイになっているようだ。しかし,どんな行動で大人を制圧できるかはよく理解しているようで,主人公が少しでも強気に出ようとすると大声で助けを呼ぼうとする。
「生意気なガキだ」と一発食らわせる選択肢もあるが,しかしこちらはコミュ力刑事。そんなひねくれた少年相手でも,その共感力で大人な対応ができる。事件の捜査をやり遂げる決意を示す「意志力」(精神)による冷静な呼びかけにより,しっかり向き合って話をすることに。
ここで出現したのが「この子に何が起こっているのかを把握する」という選択肢だ。求められるスキルは十八番の「共感」(精神力)で,確率は低いながらどうにか成功。さらに「共感」(精神)からは「問題はクーノではなくクーノースにある」という助言を受けた。彼は,クーノースがクーノをコントロールしていると見抜いたのだ。
クーノをクーノースから引き離し,あらためて話をしてみると,クーノースの影響下にないクーノは意外なほど冷静で話の分かる人間となり,主人公が「クーノ王国」に入場する権利も与えてくれた。
クーノ王国とは,放棄された小屋に作られた,いわゆる子どもの秘密基地。小屋には屋根につながるハシゴがあり,そこからは近くの建物につながる橋がかけられていた。それが港湾の内部へとつながる“裏道”になっていたのだ。
ルートを確保できたことは良かったのだが,ここで一つ問題が発生した。港湾に向かうには足場から飛び降りる必要があるのだが,なんと成功率はわずか8%! これはどうにかしなければ……しかしどうやって?
最終的に,ズボンと靴を脱ぎ捨てて飛び降りることになった。ズボンは腰回りのキツさが動きを阻害していたようで,靴はどうやら高いヒールが影響していたらしい。この二つがマイナス補正を発生させていたようで,ひどく情けない姿になったものの成功率を上げることでどうにか先に進むことができた。
これで労働組合のもとに行き協力を仰ぐことができるが,果たしてどんな連中が待っているのだろうか。……おっと,乗り込む前にズボンと靴を履きなおさなければ。
重要人物との会話〜1日の終わり
手強い相手との交渉。精神的な揺さぶりを,持ち前の意志力でガード
大量のコンテナが立ち並ぶ港湾への道を行くと,その最奥には1つのコンテナがあった。扉は開け放たれたままで,どうやらこれが,労働組合のリーダーの居住コンテナらしい。
中に入ると労働組合のリーダー――イヴラート・クレアが確かにいた。しかし,彼は何も言わない。しびれを切らして口を開きそうになったが,「意志力」(精神)から「相手が口を利くまで待て」とアドバイスされる。すでに交渉は始まっているというわけだ。
先に口を開いたのはイヴラートだった。彼は主人公とキムがマルティネーズ地区に来ていたことは当然知っていたようで,こちらが自己紹介をする前に2人を名前で呼びかける。記憶喪失で名前をも失った主人公を“名前で”呼んだのだ。
さらにイヴラートに「キミが紛失した銃は部下に探させている」と言われハッとする。主人公は拳銃を持っていなかったのだ。どこかで紛失したのか,しかし思い出せない。この恐ろしい事実を他人から告げられたことのダメージは大きく,どんどん気力が削がれていく。しかしそこはメンタル強者の主人公。銃の紛失の件は棚上げし,「意志力」(精神)の励ましを受け,揺さぶりをかけてくるイヴラートの心理攻撃を乗り切る。
いよいよ本題,遺体を下す手伝いをお願いすることに。この相手だと,そうすんなりと交渉は進まないだろうと思いきや,意外や意外,すぐに承諾してくれた。人を用意するから,指定した場所に行けということだが……,あまりにあっさり過ぎていて逆に怪しい。何かウラがありそうだ。
イヴラートに指定された場所に向かうと,そこに大男が待っていた。彼が手伝ってくれるのであろう,ではさっそく現場に……と思ったところ,やはりそうきたか。遺体を下ろしている間,この男の仕事を代わりに引き受けろという交換条件を出された。
彼は港湾の門で見張り役をしているらしいが,「そういうことならお任せください」とはいかない。なぜならいま組合はストの真っ最中。彼の仕事の代わりをするということは,警察が組合側についたことを喧伝するようなものだからだ。イヴラートめ。えらく話が早いと思ったら,それが狙いだったか。
さっそく「権威」(精神)が相手に従うことの危険性を呼び掛けてくる。この大男をブチのめすという選択肢もあったが,そんな力があれば最初から自分たちで遺体を下ろしている! 悔しいが,ここは引き受けるほかに道はないだろう。
ストで大騒ぎの港湾に立ち,反対派からの罵倒をタフなメンタルで受け流しつつ待機していると,遺体のある庭から枝がへし折れる大きな音が響き,そののち大男が帰ってきた。現場に行って見てみると,大男は意外と繊細な仕事をしてくれていたようだ。降ろされた遺体の損傷はそれほどひどくない様子だった。
キムとともに現場での検死を始めたが,まだ一つ問題が残っていた。首に食い込んだベルトがワイヤーで補強されていて,簡単には切断できそうにないのだ。スキルチェックが発生したが,筋力を駆使するスキル「肉体装置」(肉体)が求められるものなので,軟弱な主人公は当然といっていいほど成功率が低い。
なにか手段はないかとベルトをよく調べると,手先の器用さを表す「手さばき」(運動能力)がベルトの“弱点”を発見し,成功率が72%まで上昇した。困ったときはあらためて周囲をしっかり調べる。これが調査を進めるうえで重要となる考え方だ。
その後も悪臭をこらえながら調査を進めたが,結局は致命傷の特定には至らなかった。あとは遺体を処理班に引き渡すだけだが,キムによると遺体の処理班は文字どおり“処理”をする能力しかなく,引き渡したあとは新しい情報を得ることはできない。「もう一度,死体を徹底的に調べ尽くす」という選択肢もあったが,成功率はかなり低い。明日にするとしても,腐敗が進んでしまうためこのまま放置するのも悩みどころだ。
悩んでいるうちに時間が経過してしまっていたようで,周囲はもう暗くなってしまっていた。謎は多く残っているが,これ以上ボロボロの身体を酷使できない。いったんホテルに帰ることにしよう。
1日の終わりは,キムとともに調査の進展状況の確認を行う。状況は極めて複雑で,さらに1日でいろいろなことが起きるため,それらを整理する時間は重要だ。
さらにキムとの雑談では,この街の人々や組織,この世界の状況などが分かってくる。今回起きた事件も,警察機構に見放されたこの土地が抱えた“歪み”によって生まれたものであることが,おぼろげながら見えてくるのだ。
ホテルの部屋は相変わらず荒れ果てており,シーツは滅茶苦茶なままだ。それでも,ベッドに潜り込んで明日に向けて体調を整えなければいけない。この街の歪みの元に到達してこの事件を解決するため,そして“自分は何者なのか”を思い出すため,明日もまたこの土地を,ボロボロの身体を酷使して走り回るのだから。
難しいことを考えず,まずは自分ならではの主人公を演じ,その結果による物語の展開を楽しもう
といったところで,酔いどれ中年刑事の1日は終了。このリプレイもここまでとなる。今回は「精神」のコミュニケーション能力を生かし,主に人との会話によって情報を獲得していったが,これが「知性」であれば知識や分析力で,「肉体」や「運動能力」であれば筋力や手先の器用さで対応するといったものとなり,解決方法もルートも変化するわけだ。
以前プレイしたときまったく同じステータスの主人公を作って遊んでも,スキルチェックの結果によって異なる物語が楽しめるのも,本作の大きな特徴だろう。スタート時のパラメータやスキルが一緒でも,その後覚えるスキルや思考をちょっと変えただけで全く別の人間になるのも面白い。
「思考」が加わることで解決手段と主人公の性格が変化し,中盤以降は複数のスキルたちが頭の中で議論を始めるという混沌とした状況が生まれる。ゲームとしてより複雑になっていくが,序盤はその先の難解さは気にせず,まずはシンプルに「ステータス」と「スキル」で自分の思い描く主人公像でゲームを楽しむといいだろう。
そうしてゲームを進めるうちにゲームの雰囲気と進め方を理解し,“人格を持つスキルとともに難解事件に挑む主人公”としてのロールプレイがクセになっているはずだ。
4カテゴリ24種類のスキルまとめ
最後に“おまけ”として,本作のゲームシステムとロールプレイ両方において重要なスキルのまとめを用意した。カテゴリ別でまとめてあるので,本稿とともにこちらもキャラメイクの参考になれば幸いだ。
知性:様々な分野の知識を駆使するスキル
精神:主人公の心理や,相手に与える印象に関するスキル
肉体:体力や筋力,健康に関するスキル
運動能力:肉体を素早く,正確に動かす能力
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