プレイレポート
スマホで一騎当千! 新作アプリ「真・三國無双」を遊んで感じた,無双ゲームの王道にふさわしい作りこみ
本作は開発・運営をω-Forceが手がけ,ナンバリングやサブタイトルをいっさい添えない“真・三國無双”そのままの名で送り出される。
スマホゲームの型にはめすぎず,外伝的な派生作品でもなく,王道の無双としてお出しする。そういう強い意志の表れであろう。
本稿ではそんな本作に関して,一騎当千の爽快感をスマートフォンで手軽に楽しめた,ゲームを遊んでみての所感をお届けしよう。
「真・三國無双」公式サイト
「真・三國無双」ダウンロードページ
「真・三國無双」ダウンロードページ
滅びゆく漢王朝から幕を開ける,戦乱の歴史を体感
本作のゲームモードは大きく分けて,1人でコツコツ遊ぶ「シングル」と,ほかのプレイヤーと共闘したり競ったりする「マルチ」で構成されている。まずはシングルの「ストーリー」から順に見ていこう。
ストーリーではプレイヤー自身が主人公となって,壮大な三国志の世界に身を投じ,群雄割拠の歴史を追いかけていく。
プレイヤーキャラクターは特定の武将ではなく,幼き日に仙界に訪れ,誰も会得できなかったとされる「星」を招く力を宿した人間だ。
そしてチュートリアルでは,仮初めの少女の姿をとったナビゲーションキャラクター「西王母」に導かれ,下界の戦乱に誘われていく。
時代は中国・漢王朝が滅亡する,後漢の末期。
国に不満を抱いた民衆は,太平道という宗教の教祖「張角」(ちょうかく)を仰ぎ,各地で騒乱を巻き起こしていた。さらに混乱の渦中にある大陸中央部では「董卓」(とうたく)が権力を握ろうとしている。
そんな戦乱の世に舞い降りたプレイヤーが出会ったのは,ゴシックな風体の少女「董白」(とうはく)。彼女は董卓の孫娘であり,敬愛する祖父を探してそこら中を駆け回っていた。このひょんな出会いから,プレイヤーは彼女としばらく行動をともにすることになる。
わがままで残酷だが,心に義を宿す。そんな少女との珍道中だ。
旅の道中では,蜀の劉備(りゅうび),関羽(かんう),張飛(ちょうひ),魏の曹操(そうそう),夏侯惇(かこうとん),呉の孫堅(そんけん),程普(ていふ)など,おなじみの名将が次々と登場する。
やがて分立する三国世界で,彼ら彼女らと戦場で顔を合わせ,ともに肩を並べ,ときには敵対しながら,プレイヤーの力が認められていく。
ストーリーを読み進めていくと,進行の合間にバトルが発生する。
本作はスマートフォンの縦画面・横画面の両対応となっており,片手でサクサク,あるいは両手でじっくりと,好みに合わせたプレイが可能だ。
バトル時はプレイヤー自身が戦場に出るのではなく,仙界の力で呼び寄せた「将星」(武将)を操り,敵勢力に相対していく。ゲーム的に言えば“3人の編成武将を自由に切り替えて無双バトル”である。
なお,武将はR→SR→SSRとレアリティに応じて能力値が変わるが,基本的に「RとSRとSSRの曹操」がいて「SSRでのみ排出される武将」はいない。全レアリティに同一武将が存在するため,さすがに時の運は絡むものの,プレイアブルキャラクターの使用制限は控えめだ。
ガチャについては1日1回無料ガチャなどが存在するほか,利用回数に応じてSSR武将を確定で入手できる仕組みも用意されている。
武将には「攻」「防」「迅」「射」「特」の5クラスが存在しており,攻・防・迅は3すくみ関係に,射・特は相克関係にある。
ここはスマホゲームらしい属性の相関図として覚えよう。
バトル中は編成武将の顔アイコン付近に,それぞれのクラスが表示されるので,属性を考慮してぶつかっていこう。
操作方法は画面スライドで移動,フリックで回避,画面左側の顔アイコンをタップで操作武将を切り替えられる。
攻撃手段は「通常攻撃」のほか,3種類の「スキル攻撃」がある。通常攻撃は連打せずとも,画面ホールドでコンボを完走できる。
スキルはいわばチャージ攻撃のようなもので,それぞれ固有の効果とクールタイムがある。スキルは取捨選択で3つまでセットできるので,ステージに合わせて組み合わせよう。また顔アイコンを取り囲む無双ゲージをためると,強力さは据え置きの「無双乱舞」を発動できる。
ちなみに敵に攻撃されている最中に武将を切り替えると,反撃しながら交代できる。要所では無双あるあるの「ハメられてる!」な状況もあるので覚えておこう。そこまで再現してこそ,定番の無双である。
ゲージ類は緑色が「体力」(敵は赤色),黄色が「気力」で,敵の気力を削りきると強力な一撃「一閃」を放てる。そのほか敵が大技を繰り出すときは,前兆として「カウンター」アイコンが光り,見逃さずにタップできると周囲を吹き飛ばし,大技をキャンセルさせられる。
気力を削って一閃を狙ったり,細かな操作で被撃を避けたりと,ひたすら画面をポチポチするだけではない,奥行きとメリハリのついたアクションと言える。ただし,コンシューマ版と違ってガードが基本操作にはないので,高難度ではより顕著に,攻撃こそ最大の防御である。
もちろん,バトルの気分をアゲるハードロックなBGMも完備だ。
各武将には,最大3つまでアイテム「将星の記憶」を装備できる。
こちらはステータスを上昇させるだけでなく,ダメージを増やす抑えるなど,いろいろな特殊効果を備える装備品だ。性能と装備コストのバランスを考えつつ,最適な組み合わせを模索しよう。
そして,美しいイラストにも注目してほしい。
シングルコンテンツ「フリー」では,ストーリーでクリア済みのバトルに再挑戦できる。最初は難度初級しか選べないが,プレイヤーレベルが一定値に達すると中級や上級も開放される。
フリーの最大の用途は,ステージの全アチーブを達成すると利用できる,1ステージあたり1日3回まで行える「掃討」だ。これはスタミナ消費のみで経験値や報酬を得られる,バトルスキップ機能である。
プレイ最序盤の機能開放後は,適度に掃討をしておくだけで手軽に育成リソースを稼げるので,ぜひ覚えておいてほしい。
さらにシングルコンテンツ「コンクエスト」は,特殊なルール下でバトルを行っていき,NPCが治める領地マスを制圧していく遊びだ。
自軍の青マスに隣接した赤マスへと攻め込み,バトルをこなして制圧率100%を達成すると,敵勢力を自勢力に収められる。
それこそ“三國志やEmpires的な気分”で楽しめるものだ。
プレイヤー同士で共闘&対戦できる,マルチ要素
マルチには「共闘」「演武場」「宿星対決」「軍団決戦」が搭載されている。本作ではフレンドやそのコミュニティ「軍団」の存在,チャットなどによる交流によって,遊べる内容の幅も変化する。
共闘は,指定したフリーバトルをプレイヤー同士で協力して挑めるものだ。こちらはスタミナ消費なしで遊べるので,友だちと一緒に遊ぶときはもちろん,サクサクと攻略したいときも募集をかけるといい。
演武場はプレイヤー同士の非同期型バトルで,相手プレイヤーの3人武将編成(AI操作)をすべて倒せれば勝利となる。
ここでは対戦結果に応じてポイントを取得でき,ランキングが変動する。自分よりも格上の相手を倒せればボーナスも発生する。
宿星対決はプレイヤー同士の同期型バトルで,特定の日時にのみ開催される。こちらは一騎打ち制の3ラウンド勝負となり,先に2勝した側の勝ちだ。無双シリーズは広範囲攻撃による大雑把な攻略も魅力だが,高難度になるほど「相手の動きを見てから無双乱舞回避」など,繊細な操作も求められていく。過去に腕を鳴らした人は,ここで試すといい。
軍団決戦は,プレイヤーたちの軍団同士で非同期型のコンクエストを行うものだ。誰をどこに進軍させ,また相手軍団をどのようにして迎え撃つのか,ストラテジーチックな競い合いが予想される。
こちらの参加には「軍団員10名」が必要となるので,現状は本作のエンドコンテンツに相当するものと言えるだろう。
軽快な動作で遊びやすい!
本作のゲームサイクルは,まずはストーリーを進めてバトルをこなし,武将などを強化しながら,マルチコンテンツで共闘したり競ったり,果ては軍団同士の決戦に挑んでいく……というのが基本となりそうだ。
序盤はほとんどなにも考えずに,AUTO任せやスキル連打だけでも軽く100体K.O.できて,なかなかに爽快である。しかしゲームを進めるほどに敵も強くなり,回避や武将の使い分けも求められるようになる。
ストーリーのレベルデザイン,フリーの難度変更も加味すれば「無双らしく爽快アクション」も「死中に活を求める修羅プレイ」も楽しめそうで,コンシューマばりの無双を楽しみたい人でも満足できるだろう。
今回,筆者は数年前に発売されたAndroid端末で遊んだ。敵がひしめくゲームでは熱が相当高まるのではという懸念もあったが,意外にもほとんど加熱せず,処理もサクサクで遊べたのに少々驚いた。
端末を傾けるだけで縦画面・横画面を切り替えられるのも使い勝手がよい。片手でも両手でも,遊ぶ環境にあわせられるから便利だ。
数年前の市場であれば,スマートフォンで真・三國無双と言われても,いまいちスマホチックな仕様に期待がブレていたかもしれない。
しかし,力不足ではない真のハイクオリティなリッチゲームも当たり前になってきた昨今,本作も類に違わず,真剣に“三國無双のままスマホで三國無双”だった。すこしでも興味をそそられた人は,雑兵うごめく戦場に乗り遅れることなく,一番乗りを目指してみてほしい。
それでは,ここまで読んでもらったお礼は我らが雇い主さまより。
「真・三國無双」公式サイト
「真・三國無双」ダウンロードページ
「真・三國無双」ダウンロードページ
キーワード
(C)コーエーテクモゲームス All rights reserved.
(C)コーエーテクモゲームス All rights reserved.