2020年12月3日,イマジニアからSwitch用フィットネスゲーム「
Fit Boxing 2 -リズム&エクササイズ- 」が発売される。本作は,2018年12月にリリースされた「
Fit Boxing 」の続編となるタイトルだ。プレイヤーは両手にJoy-Conを握り,リズムに合わせてボクシングの動きをしながらエクササイズを楽しめる。
前作は初週の売上こそ2000本弱だったが,体験版の配信と口コミでジワジワと売り上げを伸ばし,今年9月には全世界での累計出荷本数100万本を達成している(
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ゲームの基本は前作と同様で,Joy-Conを両手に握り,画面内のインストラクターとともにボクシングの運動をする。
ベースになっているのは,
「タイミングに合わせて指示された通りの動きをする」 というリズムゲームのシステムだ。画面上では,音楽とともに,「次に行う運動を示すアイコン」がレーンに乗って流れてくる。プレイヤーはタイミング良く,アイコンに示されたパンチやダッキングといったボクシングの動きをすればいい(インストラクターが動きと声で次の動きを指示してくれるが,人によって声出しのタイミングが少し違うため,レーンを流れるアイコンの位置で判断するのがベストだろう)。
タイミングによって「JUST」「GOOD」「MISS」というように採点されるのに加え,メニュー終了時には消費したカロリーや「カラダ年齢」が表示される。また,これまでに出したパンチの数なども記録されているため,継続して運動するモチベーション維持の助けにもなってくれる。
「普段あまり運動していないんだよね……」という人も心配ご無用。最初はジャブやストレートといった簡単な動きから始まり,次にアッパーやフック,そしてダッキングなどの高度な動きといったように徐々に新たな動きがアンロックされていくからだ。
また,インストラクターがオススメのコースを組み合わせてくれる
「デイリー」 も,
「健康維持」 や
「ダイエット」 といった
「目的」 ,重点的に負荷を掛けたい部位を選ぶ
「効果」 ,そして
「エクササイズ時間」 を指定することが可能だ。しっかりと運動したいなら,目的を最もハードな「体力強化」にしたうえで長めの時間を指定すればいいし,軽く流したいなら好みのコースを選んでプレイする
「フリー」 を1〜2コースだけ……というように,その日の状況に合わせて楽しめる。
加えて,今回は「軽め」「いつも通り」「重め」というように,前日から少しだけ運動強度を変更するオプションも登場している。うまく使えば,無理なくステップアップしていけそうだ。
前作からは累計パンチ数や消費カロリー,プレイ時間といった記録を引き継ぐことはできるようだが,コースのアンロック状況が引き継ぎされるかは確認できなかった。前作を遊び続けている人にとって,初期のコースからやり直すのは物足りなく感じられると思うが,「フリー」を集中してプレイすることで,高度なコースをどんどんアンロックしていくことは可能だ。
運動の強度については,前作同様結構ハードだ。ジャブ,ストレート,アッパー,フックといったさまざまなパンチやコンビネーションの打ち分けに始まり,そこにダッキングやウィービング,ステップといった動きが加わる。筆者は,10分したら汗が吹き出してきて,30分に差し掛かる頃には顎や髪から汗の雫がぽたぽた垂れてきた。オススメとされる「デイリー」の30分コースでは,運動強度が比較的低い初期段階でも300キロカロリー以上を消費しているのだから,なかなかの効果といえるだろう。
コースの内容は前作から一新され,
50種から66種 に増えている。いきなり複雑な動きをさせるのではなく,コースの中で徐々に動きを覚えさせていく手法は前作と同様だ。例えば4発のコンビネーションを打つコースなら,まずは1発目と2発目を練習し,そして3発目を加え,次に4発目を足し……というように段階を踏んでいく。ボクシングの経験がない人や,前作をプレイしていたけど今は休眠しているという人も大丈夫だろう。BGMも「Y.M.C.A.」や「Born to be Wild」など,誰もが知る洋楽が登場しており,テンションが上がる。
前作から強化されたポイントは,パンチをはじめとする
さまざまなアクションの解説が詳しくなっている ところが挙げられる。正しいフォームを教えてくれるのはもちろんのこと,“肘だけを動かすアッパー”や“屈んだ際に顔まで下を向くダッキング”など,良い手本だけでなく悪い手本も見せてくれる。この悪い手本がかなりありがたく,自身の動きを見直せるため,学べることは多い。また,エクササイズ前の
ストレッチについてもロングコース が新設されている。10分ほどかけて全身をゆっくりほぐしていくため,こちらでしっかり準備するのもオススメだ。
また,パンチや運動の得点が細かく判定されるようになり,ゲーム性がアップした。加えて,指示された動きをタイミング良く決めていくとゲージが蓄積されていき,MAXになると
「ゾーン状態」 に突入。背景がより派手になり,多くの得点が得られるようになっている。この辺りはリズムゲームっぽい感覚だ。
プレイ中は「ゾーン状態」やスコアを気にしている余裕はあまりないが,ハイスコアはコース毎に記録されていくため,より高い得点を目指して正確なプレイを心がけるのも楽しいだろう。また,ゲームオリジナル曲をBGMにした時に限り,エクササイズの様子を動画にできるので,記録を残すのも良いだろう。
背景も種類が増えた。南国を思わせる「TROPICAL」(左)では,「ゾーン状態」に突入すると夜のビーチっぽくなる(右)
採点は前作より細かい
苦手な運動への配慮も追加された。“特定の運動を含むコースが「デイリー」に含まれなくなる”
「デイリー設定」 と,“特定の運動について,判定を無条件で成功したものとする”
「アクション補助」 の2種類で,「ダッキング」「ウィービング」「ボディ」「ステップ」「スウェーバック」が対象となる。そもそもその運動をやりたくないのであれば「デイリー設定」を使い,苦手意識や判定の問題であれば「アクション補助」に頼るという使い分けが可能だ。住居の環境によりダッキングができなかった人や,苦手な運動のためにモチベーションが落ちていた人にとっては朗報といえるだろう。個人的には,アクションの種類ではなく,痛めた身体の部位を指定し,そこを使う運動を除外する機能が欲しかったが。
「アクション補助」でダッキングをONにし,自動で判定を成功させるようにした状態。ここで筆者は動きを止めているのだが,「アクション補助」のおかげでダッキングが最高の「JUST」になっている
やはり身体を動かすのは気持ちがいいし,漫画やアニメで憧れた格好いいボクシングの運動ができるからテンションもアップする。「デイリー」を終えると,ただの水が非常に美味しく感じられるし,そのまま風呂に入って身体をリラックスさせるのは本当に気持ちいい。そして冷奴を食べるのは最高だった(栄養学的に正しいかどうかは分からないが)。
プレイヤーとともに運動してくれるインストラクターたちも健在で,前作に登場した
リン (CV.早見沙織さん),
エヴァン (CV.中村悠一さん),
マルティーナ (CV.上坂すみれさん),
ソフィ (CV.小清水亜美さん),
ラウラ (CV.田中敦子さん),
ベルナルド (CV.大塚明夫さん)に加え,今回は新たに黒髪美人の
カレン (CV.鬼頭明里さん),ツインテールが印象的な
ジャニス (CV.釘宮理恵さん),少年っぽさを残した
ヒロ (CV.石田 彰さん)の3人が登場する。インストラクターは9人全員がフルボイスとなっており,前作に登場した6人の台詞も新たに撮り下ろしたものや追加ボイスがかなりあるので,新たな気持ちで楽しめるだろう。
新インストラクターのカレン(CV.鬼頭明里さん)
新インストラクターのジャニス(CV.釘宮理恵さん)
新インストラクターのヒロ(CV.石田 彰さん)
インストラクターたちは「髪の色」「肌の色」「目の色」を自由に変えられるのに加え,「トップス」「ボトムス」「アクセサリー」「シューズ」「グラス」といった衣装類を着せ替えられる。前作の衣装は,パンチの累計回数やプレイ日数といった条件を満たすと特定の品が支給されていたが,今回はお店で衣装を買うように,自分で好きな品を選んでアンロックできるのが嬉しいところ。
衣装を手に入れるには
「衣装交換チケット」 が必要となるが,これは「高得点を取る」「インストラクターを一定回数以上指名する」などの「アチーブメント」を獲得すると一緒にもらえる。要するに,「実績」や「トロフィー」的なものを取ると「衣装交換チケット」がもらえて,着替えがはかどるというわけだ。
髪や目の色の変更,そして着せ替えでインストラクターのイメージは変わる
今回は「衣装交換チケット」で自由に衣装を買える
「衣装交換チケット」自体は誰の衣装にも使えるため,お気に入りのインストラクターに使うも良し,満遍なく使うも良しだ。ゲームを進めていくと,ちょくちょく新衣装が入荷するため,衣装を集めたいというモチベーションが湧く。
リンの新作衣装。衣装の品揃えはゲームを進めるとともに追加されていく
インストラクターと一緒に運動する楽しさはそのままに,
「失敗例を含むきめ細かいアドバイス」「苦手な運動の除外」「ディスプレイの遅延に関する調整」「アラーム機能」 など,前作に求められていたものをしっかりと追加し,手堅く進化した感じがある「Fit Boxing 2」。自宅で身体を動かせるソフトに対し,これまでになく注目が集まっている昨今だけに,ユーザーの声を取り入れた継続的なアップデートを期待したいところだ。
なお,4Gamerでは前作について,トレーニングプログラムの監修をした一般社団法人フィットボクシングジャパン 代表理事の武藤直樹氏と開発元であるイマジニアへのインタビューを行っている。興味のある方はぜひ読んでみて欲しい。
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2019/03/16 00:00
インストラクターがプレイヤーのことを色々と気づかってくれる。「デイリー」の後半では水分補給を進めてくる(左)し,スタートから30分が過ぎると中断するかどうか聞いてくる(右)
テストプレイ中に出したパンチが5000発を突破。だが,これはまだ始まりに過ぎない
10月28日には東京のイマジニア社内で発売前体験会 が行われる(抽選応募は既に終了)