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「BEMANI PRO LEAGUE -SEASON 2- SOUND VOLTEX」ファイナル開催。大接戦を制して頂点に立ったのは“TAITO STATION Tradz”
この大会は,2022年12月より開催されてきたBEMANI PRO LEAGUE(BPL)の「SOUND VOLTEX」部門を締めくくる決勝戦だ。会場にはレギュラーステージ,セミファイナルを勝ち抜いてきた2チームが集結。シングルマッチ,タッグマッチ,複数の曲を連続で演奏するメガミックスバトルなど,さまざまな形式で「SOUND VOLTEX」最強プロチームの座をかけて戦った。
「BEMANI PRO LEAGUE -SEASON 2-」公式サイト
SIRON.選手と350B1選手の組み合わせとなった先鋒戦は,ラウンドの途中で長い中断(※演奏する楽曲の順序が入れ替わるトラブル)を挟む波乱の幕開けとなった。不測の事態にも慌てる姿を見せず,ミスらしいミスもなく乗り切ったSIRON.選手に軍配が上がり,GiGOに1勝をもたらした。
次鋒戦はDPE選手とWANIROU選手によるメガミックスバトル。5曲目あたりまではDPE選手が先行する流れで進んでいったが,中盤以降はWANIROU選手が追い上げる。ラスト3曲に入る頃には逆転を果たし,最終的にはトータルポイント「15 vs 22」でWANIROU選手が勝利。星をイーブンに戻した。
タッグバトル形式の中堅戦にはGiGOの--H.R.--選手とDPE選手,TAITO STATION TradzのWANIROU選手とMURAKAMI選手が登場。第1戦は4人全員がノーミスを達成,第2戦はわずか2ポイントという接戦を制したのはGiGO。この勝利で優勝にリーチをかけた。
あとがなくなったTAITO STATION Tradzだが,副将戦のメガミックスバトルでは350B1選手が躍動する。6曲目「極圏」でポイントを一気に稼いで明確なリードを得ると,一時的に逆転を許しながらもラスト2曲で突き放した。トータルスコア「15-18」でSIRON.選手に勝ち切り,先鋒戦のリベンジと大将戦に望みをつなぐミッションを成し遂げた。
勝ったチームが優勝。分かりやすい展開で迎えた大将戦は,GiGOの--H.R.--選手が第1戦「Calamity Tempest」,TAITO STATION TradzのMURAKAMI選手が第2戦「666」という,自分の選んだ曲できっちり勝ち切る展開となった。その結果,最後は発表されたばかりの初見曲「SuddeNDeath」のパフォーマンスに委ねられることになった。
超高難度の初見曲を演奏しきる。「SOUND VOLTEX」の地力とアドリブ力が要求される戦いを制したのはMURAKAMI選手だった。チーム全員が「高難易度の譜面が得意」と自負するTAITO STATION Tradzの大将らしく,それを証明する形で決勝戦を締めくくり,レギュラーステージ6位からの優勝を達成。BEMANI PRO LEAGUE「SOUND VOLTEX」部門の頂点の座に輝いた。
決勝大会で使用された楽曲,詳細なスタッツなどはBPLの公式サイト(リンク)で確認できる。
優勝チーム
TAITO STATION Tradz 囲みインタビュー
――優勝おめでとうございます。まずは決勝戦を終えた感想をお願いします。
350B1選手:
率直に嬉しいです。先鋒戦は自分のせいもあってトラブルが起こって,負けてしまったので落ち込んでしまったんですが,副将戦では最後の最後に逆転できて良かったです。副将戦は本当にしんどかったんですけど,「MURAKAMIさんに意地でもつなごう」と思ってプレイしていました。落ち着いてはいなかったんですけど,緊張もしていなかったので,気楽にやれました。ただ,勝った時はめちゃくちゃ叫んでしまいましたね(笑)。
MURAKAMI選手:
リーグ戦の1,2試合目は参加できなくて悔しかったぶん,本当に嬉しいです。大将戦は正直,そんなに勝てる気がしていなくて,「とにかくできるだけのことをやろう,楽しもう」と思ってやりました。初見曲はついていくのが難しくて,厳しい(ノーツの)配置もあったんですけど,そこを取れたときに「これはあるか!?」と思えました。最後は気合というか,あきらめなかった気持ちで勝てたのかなと思います。トーナメントまで連れて来てくれた2人に恩返しができたかなと。
WANIROU選手:
リーグ戦では6位,ぎりぎりでトーナメントに進めたんですけど,そこで負けてきた相手に対して借りを返せたことがすごく嬉しいです。ファイナルの結果に関しては中堅戦で自分が負けてしまい,大将戦に行く前に決着をつけるというプランは崩れてしまったところに責任は感じていますが,みんなの頑張りが優勝につながったと思います。
サポーターズランキングでも上位を独占したことも含めて,応援の声が今日の優勝につながりました。BPLはまだまだ続いていくので,「SOUND VOLTEX」以外のゲームでもTAITO STATION Tradzを応援してもらえればと思います。
――MURAKAMI選手は大将戦のラスト,初見曲でスコアを競うことになりましたが,ふだんの試合とはまるで別の競技のようなものだと思います。対策は考えていましたか。
MURAKAMI選手:
正直,どうしようもないなと思っていたんですけど,ノーツが降ってくるタイミングが入れ替わるランダム機能的なものを既存の曲で使って練習しました。効果があるのかないのか,分かりませんでしたが,ちょっとでも勝てる確率を上げられるならと。
――今日は有観客で行われました。やりにくさを感じることはありましたか。
WANIROU選手:
初めての環境だったのでやりにくさはありました。ただ,両耳をイヤホンで塞いでプレイする練習をしていたので,思ったほどの影響はなかったですね。いつもどおりにやれたと思います。
350B1選手:
僕は打鍵の音をしっかり聞きたいタイプで,イヤホンは片耳だけなので,ちょっとプレイに影響はあったと思います。ただ,すごく楽しかったので「なんでもいい。全然オッケー」って感じでした。
MURAKAMI選手:
音響がいつもとは違う,筐体ではなくて別のスピーカーからも聞こえてくる状況だったので,Sクリティカルを取るのはいつもと違う感じはありましたね。通常のスコアに関しては,ほぼいつもどおりやれたので,そこが勝ちにつながったかなと思います。
WANIROU選手:
人前でやるのは初めてだよね?
MURAKAMI選手:
そうですね。僕が出たときのKAC(KONAMI Arcade Championship)は無観客だったので。
WANIROU選手:
対戦相手のGiGOの選手たちのほうがそういう経験(有観客大会)は豊富でしたね。
――BPLは種目タイトルの性質上,家では大会の環境を完全に再現できないですよね。ふだんの練習はどういった環境で行っていますか。
WANIROU選手:
なるべくゲーセンに行くようにはしていました。
350B1選手:
僕は運営のTAITO STATION Tradzさんの力を借りて,家から近いタイトーステーションに「SOUND VOLTEX」を入れてもらえたので,ずっと通って練習しています。
MURAKAMI選手:
BPLが始まるまでは家庭用のほうをメインでやっていたんですけど,家だと環境が違いすぎるのでゲーセンをメインにして,逆に家ではあまり触らないようにしました。
――余談になりますが,練習していたゲーセンをアピールしていただけますか。
WANIROU選手:
(笑)。新宿南口のタイトーステーションは1フロアまるまる音楽ゲーム,筐体数が多くて,あまり待たずにプレイできるのが良かったですね。土日は混みますが,平日は集中して練習できました。
350B1選手:
僕はタイトーステーション札幌イオンモール平岡店で練習していますが,店員さんがきっちりメンテナンスをやってくれます。そのうえで配信の環境を整えてくれたり,他のゲームとの音量のバランスも見てくれてたりもして,すごくやりやすかったですね。
MURAKAMI選手:
自分はリバーウォーク(タイトーステーション リバーウォーク店)がメインの練習場所です。350B1と同じく,BPLをきっかけに筐体を入れてもらいました。元々はそんなに音楽ゲームが活発じゃないゲームセンターだったんですよ。そのおかげというにはちょっと語弊がありますけど,地元では穴場的になっていて,かなり集中して練習ができました。
――東京,北海道,福岡という住んでいる場所はかなり離れていますが,意思統一を図るために何か特別なことはやりましたか。
WANIROU選手:
合宿みたいなことはしていませんが,週1回は通話で打ち合わせをして状況を共有するようにしていました。
――どこで誰がどの曲を使うか,といったことを話したのでしょうか。
WANIROU選手:
曲選びよりは,各々の成果についての話し合いが重要でしたね。
――今大会を通じて,チームとして「SOUND VOLTEX」をプレイすることで感じたことはありますか。
WANIROU選手:
今回のBPLはレベルの高い選手がごろごろいて,個人では無理だと思っていたのでチーム戦で良かったと思っています。TAITO STATION Tradzとしては,レギュラーステージを苦戦しましたが,トーナメントからはチーム全員が得意としている高難度の譜面が解禁されたので,うまく実力を出し切ることができたと思います。
350B1選手:
お互いの持っている長所と短所を理解して,チームで補いながら戦えたと思っています。
MURAKAMI選手:
1人でBPLのような大会に出るとプレッシャーを感じるのですが,チームだとリラックスして臨めましたね。チームメイトの勝ち方が良かったりすると,そのあとの流れも良くなったりするので,助け合えた場面も多くありました。
――大会を通じて印象に残っている試合は?
WANIROU選手:
SILKHATさんとの試合ですね。レギュラーステージでは負けてしまって,ファイナルステージの再戦ではお互いの思いがぶつかり合うような試合になり,(SILKHATの選手が)負けたときにすごく悔しがっていたんです。それを見て「この結果を背負って戦わなければ」と思いました。
350B1選手:
僕はAPINA VRAMeSさんとの試合です。3人それぞれが違う個性,強みを持っていて,チームとして助け合いができているところが印象に残っています。
MURAKAMI選手:
今日も含めて,GiGOさんとの試合ですね。僕はGiGOさんとの試合が今シーズン最初の試合だったんですけど,負けてしまった。それがすごく悔しくて,その気持ちのおかげでここまで来れたと思っています。
――最後に来シーズンへの抱負,これからBPLに挑戦したいと思っているプレイヤーにアドバイスをお願いします。
WANIROU選手:
優勝したからといっておごらず,シーズン2と変わらない気持ちで頑張ります。これからプロになろうと思っている人には……シーズン中はけっこうつらいので,その覚悟を持ってくださいと言いたいです(笑)。
350B1選手:
自分はプロを続けるかどうか迷っているところなんですけど,もしやるとなったらWANIROU選手と同じです。シーズン2と同じ気持ちで優勝を目指していきたいですね。プロになりたい人に対しては,苦しいこともありますけど,楽しいこともありますよと(笑)。もし選ばれたら,楽しんでほしいと思います。
MURAKAMI選手:
僕は来年も機会があれば出たいです。勝って兜の緒を締めよ……ではないですが,優勝までいければなと思います。プロとして「SOUND VOLTEX」を盛り上げられるのは喜ばしいことですから,シーズン3の開催が決まったらぜひ応募してもらいたいです。
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