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NVIDIA,Arm系CPUとGeForce RTX 3060搭載マシンでリアルタイムレイトレーシングとDLSSが動くデモを公開
公開となったデモ動画は,Armアーキテクチャを採用したMediaTek製8コアCPU「Kompanio 1200」と,「GeForce RTX 3060」を組み合わせたシステムで動作したもので,NVIDIAのソフトウェア開発キット「RTX SDK」がLinuxをサポートしたことで,実装が可能になったという。
テストシステムがGPUにGeForce RTX 3060を採用していることからも分かるとおり,既存のスマートフォンやタブレットなどで,リアルタイムレイトレーシングが利用できるわけではない。ただ,ArmアーキテクチャのCPUとGeForceを組み合わせた高性能なPCが登場すれば,「GeForce NOW」を利用しなくても,リアルタイムレイトレーシング対応ゲームがプレイできるようになるかもしれない。
NVIDIA日本語公式Webサイト
リアルタイムレイトレーシング、DLSSに対応
GDCにおいて、NVIDIAがRTX SDKを拡張し、
PCエコシステムの発展を加速
本日、Armプラットフォーム上でGeForce RTXテクノロジを実装した2つの新しいデモを NVIDIA が公開し、先進的なグラフィックスをより多様で、より電力効率の高い一連のデバイスに拡張できるようになったことを示しました。
これら2つのデモは今週のGame Developers Conferenceで公開され、Bethesda Softworks およびMachineGamesの『Wolfenstein:
RTXは、業界を一変させました。NVIDIAは現在、ゲーマーがより多くの選択肢を持てるように、先進のグラフィックスに対応する、新しいプラットフォームへの投資を行っています。ARM CPUとNVIDIA のテクノロジの融合によってもたらされる性能とエネルギー効率は、まったく新しいクラスのPCへの扉を開くでしょう。
MediaTekのインテリジェント マルチメディア ビジネスユニットのジェネラルマネージャーであるPCツェン (PC Tseng) 氏は、次のように話しています。「RTX は、過去20年間のPCゲーミング史上で、最も画期的な技術です。MediaTekとNVIDIAは、Arm搭載の高性能PCという、新たなカテゴリーの基礎を築いています」
RTX on Arm展開中
NVIDIA RTX on Armの可能性を示すために、開発会社のMachine
NVIDIAはさらに、Arm搭載システム上で、レイトレースされたフランスの都市のシーンの詳細を描いた 『The Bistro』のデモが、RTXによっていかに強化されたのかを示しました。
上記の2つのデモは、NVIDIA GeForce RTX 3060 GPUとMediaTek
Kompanio 1200 Armプロセッサを組み合わせて行われました。『Wolfenstein: Youngblood』では、id Softwareが作ったidTechゲームエンジンが使用され、『The Bistro』では、NVIDIAのサンプルフレームワークが使用されました。
デモは、こちらでご覧いただけます。
NVIDIA、RTX SDKのサポートをArmおよびLinuxに対応拡大
上記のデモが可能となったのは、NVIDIAがソフトウェア開発キットを強化し、ArmおよびLinuxに5つの主要なNVIDIA RTXテクノロジを実装できるようにしたからです。
それらのテクノロジには、以下が含まれています。
- AIを活用して、フレームレートを向上し、ゲームの美しくシャープな画像を生成する、Deep Learning Super Sampling (DLSS)
- 開発者がゲーミング環境に動的なライティングを追加できる、RTX Direct Illumination (RTXDI)
- 現実世界で光が跳ね返る様子を再現する、RTX Global
Illu mi na ti on (RTXGI) - AIを使って、高い忠実度の画像をより高速にレンダリングできるようにする、NVIDIA Optix AI Acceleration Denoiser (NRD)
- アプリケーションがグラフィックス メモリを使用する方法を最適化する、RTX Memory Utility(RTXMU)
RTX on ARMの可能性
GeForce RTXテクノロジは、GPUアクセラレーテッド レイトレーシング、NVIDIA DLSS、ならびにAIを活用したその他のテクノロジで構成されており、2018年の登場以来、リアルタイム グラフィックスに大きな影響をもたらしてきました。
世界の主要なゲーム制作会社がNVIDIA RTXテクノロジによって、自社の人気フランチャイズの差別化を図ろうとしています。RTXテクノロジは、『Battlefield』、『コールオブ デューティ』、『サイバーパンク 2077』、『DEATH STRANDING』、『Doom』、『Final Fantasy』、『フォートナイト』、『LEGO』、『Minecraft』、『Quake』、『レインボーシックス』、『Red Dead Redemption』、『Rust』、『トゥームレイダー』、『ウォッチドッグス』および『Wolfenstein』 といった、人気ゲーミング フランチャイズの多くで採用されるようになっています。
その結果、RTX テクノロジは業界からの幅広い支援を得るようになっています。
「NVIDIA が RTX の対応を Arm および Linux に拡張することは、ゲームだけでなく、自動車業界のような産業界にも便益をもたらす可能性があります。自動車業界では、大手のメーカーが、デザインの可視化だけでなく、デジタル コックピットやインフォテインメントにも Unreal Engine を使用しているからです。当社では、多様なプラットフォームを横断して活用できる、パワフルな機能と SDK はいつでも大歓迎です」 - Epic GamesのUnreal Engine 開発担当ディレクターであるニック ペンワーデン(Nick Penwarden)氏
「『Wolfenstein: Youngblood』 は、Armベースのシステムで作動した、初のRTX PCゲームで、このことは、iD Techエンジンの柔軟性、パワーおよび最適化が可能な特性を証明しています。iD Techのテクノロジを活用したゲームが、Arm CPUで動作し、レイトレーシングに対応することは、すべてのゲーム開発企業の選択肢が増え、より多くのゲーミング プラットフォームから選択できるようになる未来に向けての大きな一歩となるでしょう」 -
「RTXがArmとLinuxにも対応することにより、開発者は、より多様なプラットフォームでより没入感のある体験を提供できるようになります。GeForce RTXの最先端のグラフィックス機能により、Arm プラットフォームを対象としている、Unityの開発者は、制作のためのより多くのツールを手に入れられるでしょう」 - Unityのハイエンド グラフィックス担当製品マネージャー、マシュー ミューラー(Mathieu Muller)氏
LinuxおよびChromium対応のArm向けRTXDI、NRDおよびRTXMU SDKは、現在入手可能です。
RTXGIとDLSSはまもなく公開される予定です。詳しい情報は、NVIDIA の開発者リレーション担当チームにお問い合わせいただくか、https://developer.nvidia.comをご参照ください。
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