アークシステムワークスの格ゲー世界大会「ARC WORLD TOUR FINALS」観戦ガイド。見どころや出場選手，配信スケジュールを紹介

　アークシステムワークスは2023年3月12日（日本時間），格闘ゲームイベント「ARC WORLD TOUR FINALS」をアメリカ・カリフォルニアのEsports Engine Arenaにて開催する。


　本イベントは「GUILTY GEAR -STRIVE-」と「DNF Duel」を競技種目とする世界大会の決勝戦。これまで世界各地で実施された予選大会を勝ち抜いた各タイトル8名の精鋭がアメリカの地に集結し，世界最強の座と優勝賞金5万ドルをかけた試合に挑むことになる。

ARCREVO Japan 2022より

　本稿では，「ARC WORLD TOUR FINALS」を配信で視聴する際に役立つ観戦ガイドをお届けする。タイトル紹介や大会の見どころ，選手のプロフィール，そして配信スケジュールをまとめたので，ぜひ目を通してほしい。

イベント名：
ARC WORLD TOUR FINALS

開催日時（日本時間）：

DNF Duel 部門：
2023年3月12日（日）5：00〜

GUILTY GEAR -STRIVE- 部門：
2023年3月12日（日）9：00〜

配信先：
YouTube / Twitch

公式サイト：
https://www.arcsystemworks.jp/awt2022/

DNF Duel 部門

　本作は，MORPG「アラド戦記」を原作とする完全新作の対戦格闘ゲーム。アラド戦記に登場するキャラクターの強烈な個性がそのまま格闘ゲームに落とし込まれており，発売当初より激しいゲーム性がプレイヤーから評価されている。

　2022年12月に実施されたアップデートでバトルバランスが見直されたが，100項目以上の内容が“すべて強化”されるという内容でプレイヤーの度肝を抜いた。本大会でも，より激しくなったゲーム性で視聴者を盛り上げてくれることに期待したい。

バランス調整では，回避移動の無敵付与が1Fからになったり，ガードゲージが増加したりと，防御面での強化も目立つ。キャラクターの個性をより強くし，システムでバランスを取った印象だ

　注目ポイントは，MPゲージの使い方。MPスキルを使うことで消費するゲージだが，100消費でガード中の反撃――いわゆるガードキャンセルにも使えるので，攻守において，どう残して立ち回るかが戦いのカギを握る。
　なお，MPスキルはMPゲージの残量が必要量に足りなくても使えるが，その場合，EXHAUSTION状態となり，回復までより時間が必要となってしまう。勝負どころでオールインすることもあると思うが，その後の展開をどう凌ぐかにも注目したい。

画面上部の体力ゲージの下にあるMPゲージ。体力が減るにつれて，ゲージの最大量が上がっていき，最大で200まで増加する

体力が30％を切ると覚醒状態となり，強力なパッシブスキルが発動したり，覚醒技が使用できるようになったりする。1発逆転のチャンスが生まれるので，この状況にも注目しよう

キャラクターランク（左右は順不同）
A＋：くノ一，クルセイダー，バーサーカー
A：ストライカー，トラブルシューター，ヒットマン
B＋：異端審問官，グラップラー，スイフトマスター，道に迷った戦士
B：ヴァンガード，剣鬼，ドラゴンナイト，レンジャー
B−：エンチャントレス，ランチャー

※ランクは有識者数名に協力いただいて作成したもの

大会の組み合わせと選手プロフィール

　1回戦の組み合わせは画像の通り。DNF Duel部門には，なんぽん選手，桔梗ちゃん選手，kubo選手，GO1選手という日本人選手4名が出場するが，偶然にも全員が分かれる形となった。

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選手名：LostSoul
国籍：アメリカ
キャラクター：ドラゴンナイト

　トップ8に残った唯一のアメリカの選手で，本作ではドラゴンナイトを操る。本作が出るまでは「GUILTY GEAR Xrd」シリーズで活躍を見せており，日本勢が強いとされる同シリーズにおいて，EVO 2018で3位に入賞するなど，存在感を見せ続けた。唯一のアメリカ勢ということで，地元の応援を一身に背負うことになるが，その勢いを生かした活躍に期待したい。

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選手名：桔梗ちゃん
国籍：日本
キャラクター：レンジャー

　EVO 2018の「BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE」部門で優勝するなど，数々のゲームで結果を残すマルチゲーマー。EVO 2018では，ほかのプレイヤーに参加しない旨を伝えるも，こっそり参加して優勝をかっさらう盤外戦術を見せ，周囲を驚かせた。プレイヤー性能に疑いはないが，それ以上に何か“ネタ”を用意してくる感が強く，1発勝負の大会において，これほど怖いプレイヤーはいないと言える。

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選手名：CAG | GO1
国籍：日本
キャラクター：クルセイダー　ほか

　人間性能最強とも称される関西を代表するプロゲーマー。とくに動体視力と反応に優れ，まったく崩れない堅牢な防御に対し，“GO1選手はガードでハメてくる”と言われることも。
　本作においては，発売からメインでプレイするタイトルに決めていたようで，スイフトマスターで見せたスタートダッシュは記憶に新しい。現在は最強キャラ候補とされるクルセイダーを使用しているとのことだが，複数のキャラを使えるという情報も入ってきており，キャラ被せにも注目したい。

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選手名：VG | MysticSmash
国籍：イギリス
キャラクター：ヒットマン

　イギリスの最強ヒットマン使い。予選大会において，VSFighting準優勝，CEOtaku優勝，The MIXUP優勝という圧倒的戦績を残した。もともと，マルチタイトルで活躍するプレイヤーだが，ここ数年はオンライン大会が活性化したこともあり，より参加できる大会が増えたという。
　参加する日本人選手に話を聞いたところ，「MysticSmash選手は本物（本当に強い）」とのこと。1回戦で当たるGO1選手との試合はとくに注目したい1戦だ。

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選手名：YG | kubo
国籍：日本
キャラクター：グラップラー

　古くから愛知にその人ありと称されるマルチゲーマー。EVO Japan 2020の「BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE」部門優勝など，さまざまなタイトルで結果を残し続けている。
　kubo選手の扱うグラップラーはバージョンアップでかなりの強化を受けたキャラクターの1人で，バージョンアップ後に実施された予選大会，Frosty Faustingsを優勝し，最後の切符を手にした。直近の野試合でも勝ち星を重ね続けているようで，今もっとも“ノっている”プレイヤーの1人だろう。

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選手名：EGO | YuSeongCha
国籍：韓国
キャラクター：剣鬼

　韓国の最強剣鬼使い。剣鬼はそこまで強いとされているキャラクターではないが，YuSeongCha選手が強すぎるあまり，韓国での評価が上がっているとの話も。フィリピンで実施された予選大会，REV Major 2022では日本から遠征してきた桔梗ちゃん選手と飛翔兎選手を打ち破り，決勝大会の切符を獲得した。本人曰く，キャラ替えをしない“1キャラ使い”とのことで，剣鬼1本での戦いぶりに注目が集まる。

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選手名：STG | K-TOP
国籍：ギリシャ
キャラクター：ヒットマン

　ギリシャのヒットマン使いで，フランスのリヨンで実施されたThe MIXUP 2022において，準優勝（優勝はMysticSmash選手）で決勝大会進出を決めた。
　Mortal Kombatシリーズなどで活躍しているプレイヤーで，EVO 2021 Online - Europeの「Mortal Kombat 11」部門で準優勝という結果を残した。情報が少ないプレイヤーではあるが，日本勢ともオンライン対戦をしているようで，どんな試合ぶりを見せてくれるか今から楽しみだ。

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選手名：なんぽん
国籍：日本
キャラクター：ストライカー

　唯一の国内予選となったARCREVO Japanで優勝を果たした日本が誇るストライカー使い。本作をプレイする前は「CHAOS CODE」のガチ勢として活動しており，EVO Japan 2019で開催されたCHAOS CODE FKDcupで優勝を果たしている。先日放送されたゲーム番組「いいすぽ！」の「DNF Duel」回では，「負け越す相手はいない」「実力はトップクラス」という発言を残すなど，自信をうかがわせており，本大会に対して準備は万全といったところか。

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GUILTY GEAR -STRIVE- 部門

　本作は，2021年6月に発売された「GUILTY GEAR」シリーズの最新作。続編ではあるが，格闘ゲームの新たなスタートラインとして開発されたタイトルで，ゲームシステムの大胆な見直し，ロールバックネットコードの実装などの施策により，多くの新規プレイヤーの獲得に成功している。

　発売から1年半以上経過し，キャラクター数は当初の15人から22人に増加。キャラクターバランスも定期的に調整されており，どのキャラクターでもある程度戦えるようになっている。なお，現在のバージョンでも，全体的に攻撃のダメージが高く設定されており，ワンチャンスで相手を倒しきれることも多い。


　試合において注目するべきは，テンションゲージの管理と使い方。ガード崩し，火力強化，覚醒必殺技でのウォールブレイクからの攻めなど使い道は多岐にわたり，プレイヤーによって個性が出るポイントとなる。また，サイクバースト（金）を当てるとゲージが100％になるため，一気に流れが傾くこともある。ゲージが溜まりやすくなっているウォールブレイク後のポジティブボーナス時の展開にも注目したい。

ロマンキャンセルや覚醒必殺技を絡めた試合展開が重要になる本作。テンションゲージをどう使うかが試合のカギを握る

覚醒必殺技でウォールブレイクを誘発させると，自身にポジティブボーナスを付与しつつ，確定ダウン状況からリスタートとなる

キャラクターランク（左右は順不同）
A＋：ザトー，ジオヴァーナ，ソル，チップ，ハッピーケイオス
A：アクセル, アンジ，イノ，カイ，ジャック・オー，ゴールドルイス，テスタメント，名残雪，梅喧，ブリジット，メイ，ラムレザル，レオ
B＋：ミリア，ファウスト
B：シン，ポチョムキン

※ランクは有識者数名に協力いただいて作成したもの

大会の組み合わせと選手プロフィール

　1回戦の組み合わせは画像の通り。日本からは御傍選手，もっちー選手，TY選手の3名が出場しているが，こちらもDNF Duel 部門と同じく，1回戦では当たらない組み合わせとなった。

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選手名：OPLON | Skyll
国籍：フランス
キャラクター：ソル

　EVO 2022の直後に開催されたVSFightingで，ワールドツアーファイナル本戦の切符を獲得したフランスの強豪ソル使い。ソウルキャリバーシリーズなどで知られるプレイヤーで，EVO Japan 2020の「ソウルキャリバー6」部門では，5位入賞の結果を残した。ソルの強力な必殺技を生かした勢いのあるプレイスタイルが特徴で，立ち回りからゴリゴリ横押しして，相手を画面端へ追い詰める力強い試合展開に期待したい。

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選手名：御傍
国籍：日本
キャラクター：ゴールドルイス，ザトー

　リリース初期から数々の戦績を残している北海道の若手プレイヤー。2021年にラスベガスで実施されたRed Bull Kumiteでは，初の海外遠征にもかかわらず一切の緊張を見せないプレイで優勝を飾り，その名を世に知らしめた。
　多彩な攻めを見せる独創性はもちろん，反応の良さを生かした対空空中投げなど防御能力にも秀でており，これといった弱点が見当たらない。ゴールドルイスとザトーという扱いの難しい2キャラを高水準で使い分けることができるのも強みで本大会でも活躍必至だ。

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選手名：JOZ｜もっちー
国籍：日本
キャラクター：ソル

　古くからGUILTY GEARシリーズで活躍を見せる古参格ゲーマー。2000年代から活躍を続けるも衰えることを知らず，2020年に開催されたRAGEの「グランブルーファンタジー ヴァーサス」部門で2連覇という快挙を成し遂げた。
　対応力が頭抜けており，受けのスタイルを得意とする。差し込み，起き攻め，コンボなどあらゆる行動の練度が高く，ミスも少ないため，常に安定した実力を発揮している。また，本作からコントローラをレバーレスに変更しており，直前ガードの精度が向上している点にも注目したい。

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選手名：ONI｜NBNHMR
国籍：アメリカ
キャラクター：名残雪

　CEOtakuを制し，決勝大会の切符を獲得したカリフォルニアの名残雪使い。2022年頃から頭角を見せ始め，出場するほとんどの大会で上位入賞を果たしている。
　多彩な攻めパターンが特徴で，名残雪の攻撃性能を最大限に生かしてガードをこじ開けてくる。直前ガードの精度も高く，機動力の低さをテクニックでカバーする技巧派プレイヤーだ。

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選手名：TY
国籍：日本
キャラクター：ジオヴァーナ，チップ

　国内最強のジオヴァーナ使い。発売当初から最前線を走り続けているプレイヤーだが，とくに2022年の活躍は目覚ましく，ARCREVO Japanを始めとする国内の大型大会を総なめにした。
　攻撃の空振りに対する反応速度と差し込み，コンボ判断力に優れているほか，独自の攻略理論から生み出されるガード崩し能力にも定評がある。サブキャラクターとしてチップを用意しており，さまざまな相手に対応できるのも強みの1つだ。

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選手名：Zando
国籍：イスラエル
キャラクター：ラムレザル

　中東で活躍するラムレザル使い。2021年頃から競技シーンに姿を見せるようになったプレイヤーで，The MIXUPで強豪プレイヤーのLatif選手を打ち破り，決勝大会の切符を獲得した。
　プレイスタイルは質実剛健といった印象で，キャラクター対策のレベルが高く，相手の甘えた連係を見逃さない。ラムレザルは守りが苦手なキャラであるが，守りの弱さをキャラ対策でカバーしている。さまざまな状況からワンチャンスで画面端まで運ぶ，コンボのアドリブ力にも注目したい。

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選手名：RAZER | UMISHO
国籍：アメリカ
キャラクター：ハッピーケイオス

　EVO 2022の同部門を制したアメリカの若手プレイヤー。パッド操作とは思えない精度でハッピーケイオスを使いこなしており，独自性の高い，型に嵌らないプレイスタイルを持ち味とする。プレイヤー性能の高さは折り紙付きだが，それ以上に恐ろしいのはセットプレイのレパートリーの多さ。何を仕掛けてくるかわからない怖さがあり，そういう意味では大会でもっとも当たりたくないプレイヤーと言えそうだ。

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選手名：M＆I | TempestNYC
国籍：アメリカ
キャラクター：レオ

　アメリカで活躍するアーク格ゲーのトッププレイヤー。日本人選手とも親交が深く，“テンちゃん”の愛称で親しまれている。2月に開催されたFrosty Faustingsでは，ウィナーズファイナルとグランドファイナルで強豪プレイヤーのLatif選手と激突。リセットまで持ち込まれる接戦を制し，最後の切符を獲得した。
　レオというと攻めっ気の強いプレイスタイルが印象的だが，TempestNYC選手のスタイルは堅実そのもの。強力な無敵技であるアイゼンシュトルムにもあまり頼らず，大会で好成績を残し続けている。1回戦では同じくアメリカのUMISHO選手と当たるが，どんな試合になるか今から非常に楽しみだ。

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「ARC WORLD TOUR 2022」公式サイト

「GUILTY GEAR ‐STRIVE‐」公式サイト

「DNF Duel」公式サイト