プレイレポート
[プレイレポ]JRPG史に新たな1ページを刻む「百英雄伝」。愛情あふれるファンタジーの世界には,頼りになる大勢の仲間たちが待っている
4Gamerではベータ版のプレイレポートを先日掲載しているが,今回はさらに先のほうまで遊べるバージョン(PC版)でのレポートをお届けしたい。
なお,前述の記事で紹介している要素は割愛するため,以下のリンクから合わせてご覧いただきたい。
[プレイレポ]「幻想水滸伝」クリエイターによる「百英雄伝」は,JRPGの原点を思い出させてくれる――すべてのJRPGファンに感謝を込めて
505 Gamesから2024年4月23日のリリースが予定されている「百英雄伝」のプレイレポートを掲載する。幻想水滸伝シリーズを手がけたクリエイターが参加することで注目を集めた本作は,JRPGのトラディショナルなスタイルを追求したタイトルだ。
「百英雄伝」公式サイト
頼りになる大勢の仲間,彼らが集結する拠点の進化。
物語もゲームシステムも大きく動き始める
「幻想水滸伝」シリーズのクリエイターが参加しているため,精神的後継作とも言われる本作だが,ゲーマーが気になるのはやはり,「大勢の仲間」と「本拠地」だろう。
序盤のイベントを一通りクリアしたあたりから,主人公・ノアと仲間たちはとある廃城を本拠地として活動することになる。城内は仲間たちが一生懸命掃除してなんとか綺麗になったが,外観は本当にボロい。
しかし,「ここからどんどん綺麗になっていくんだろうなあ」という明るい可能性を感じさせる。
本拠地にはさまざまな機能が拡張されていくようだが,そのためにはお金と素材,そして何より“人材”が必要となる。建築メニューを開けば,何が必要なのかは一目瞭然だ。
新たに拠点を構えたら,最初にするのは「仲間を集めること」だ。各施設の開放には特定の人材が必要であり,物語上も多くの仲間が必要になることから,とにかく人集めが急務。ノアは共に戦ってくれる仲間を探して,各地を奔走することになる。
仲間が増えると,本拠地のどこかに配置される。施設を担当する者以外は,そのキャラクターにちなんだ場所にいることが多く,ヒーラーは医務室,木こりや狩人の兄妹は森のエリアといったように,それぞれの本拠地における生活を想像できるのが面白い。
また,本格的に仲間が増え始めることで,パーティの編成に幅が出てくる。
本作は「前衛3人,後衛3人」の6人編成にする必要があり,編成時は攻撃属性にも気を配らなければならない。物理攻撃は「斬」「突」「打」「格」「飛」の5種類,魔法攻撃には「火」「水」「風」「土」「光輝」「冥闇」の6種類の属性がある。
これに加えて「装甲値」というパラメータがあり,数値が高い敵は物理攻撃に対して高い耐性を持つ。「打」属性は装甲値に対してダメージを与えることができ,「格」属性は装甲値を貫通してダメージを与えられる。「飛」属性は空を飛ぶ敵に対して効果的だ。
序盤のパーティは比較的バランスが整っているので,とくに考慮する必要はなかったが,仲間が増えるにつれて,このバランスが期せずして崩れる可能性がある。
「斬」属性の仲間は与ダメージが大きい傾向にあると感じたが,装甲値の高い敵に対しては,装甲値を削れる「打」属性を持つ仲間もいたほうがいいだろう。こうした属性を考慮しながら,ガオウやリャンといった序盤からお世話になったキャラを引き続き使っていくもよし,新たに総取っ替えしてみるのもよし。プレイヤーの数だけ,理想のパーティの形があるはずだ。
ギミックのある戦闘やダンジョンの仕掛けなどは,ベータ版のプレイレポートで紹介している。ただ,中盤以降はさらに多彩な要素が登場する。
まずは,大規模な「戦争」だ。シミュレーションゲームのような画面になり,両軍勢の衝突によって勝敗が決まる。ゲームが進行するにつれて,さまざまなタイプの戦争があるのだろうが,最初のうちはそこまで難しく考える必要はないようだ。
とある村に潜入して,見張りに見つからないように進むミッションでは,彼らが持つ明かりに照らされないようにタイミングを計って移動する場面もある。
「一騎討ち」と呼ばれる特殊な戦闘も発生する。「戦争」と同様,最初は物語の進行に応じたものだろうが,終盤には新たな一騎討ちがあるのかもしれない。
ダンジョンの仕掛けもスケールを増して,かなり頭を使わないと先に進めない場面が出てくる。ネットにすぐ攻略情報が出回る時代だが,まずは自力でクリアを目指してみよう。
ミニゲームでは「釣り」と「ベーゴマ」を確認できた。
「釣り」はタイミングよくボタンを押すだけのシンプルなものだ。釣った魚は食料として活用できる。釣り場によって釣れる魚が変わるため,世界各地の釣り場を行脚することになりそうだ。
「ベーゴマ」は種類によって微妙に性能が異なり,バトル中に「ブーストスキル」を使うと戦況を有利にできる要素がある。強いスキルほど発動確率が下がるようで,必ずしも強いスキルを持つベーゴマが強いというわけでもなさそうだ。バトルに勝利すると,新たなベーゴマを獲得できることがある。
JRPGらしさが詰まった世界には,百の英雄が待つ
ベータ版のプレイレポートでは,筆者がストレスを感じた点をいくつか挙げているが,メニュー画面の開閉時にあった約1.5秒の間はアップデートで改善されており,ほぼ即時に開けるようになっていた(PC版で確認)。
戦闘の高速化については,ゲームシステムでも仲間の能力としても,残念ながら現段階では存在しないようだ。ただ,エンカウントしたモンスターより主人公たちが強い場合,コマンドの「逃げる」が「逃がす」に変わり,確実に戦闘を回避できる。
長めのダンジョンを探索中,何度もエンカウントしていると徐々に消耗してしまうので,味方のレベルアップは重要になるだろう。
ベータ版から気になっていた点の1つとして,メニュー画面では「現在の目的」を表示してくれるが,具体的にそれをどうやって達成するかは教えてくれない――ことがある。ベータ版でも随分とウロウロすることになったのだが,今回も憔悴するほど各地をさまようことになった。
「仲間を集めよう」という目的で,行ける場所はすべて訪れたつもりなのに,まったく話が進まないのだ。
パーティの本拠地は,序盤の拠点だったエルティスワイスの街からは離れた位置にあり,本拠地周辺のフィールドマップ上で行ける場所は「陽だまりの森」「恵みの丘」「大樹林」のみ。このうち,大樹林は入口が塞がれていて,最初は進むことができない。
本拠地もくまなく探索し,ここで長時間を費やしたのだが,結論を言うと,本拠地の墓地の脇にある井戸から廃坑に移動し,そこからエルティスワイスの街に行ける。確かに,本拠地に来るまでに廃坑を通ってきたらしい描写はあったが,井戸から戻れるという説明はなかったように思う。
しかも,井戸には行けないように見えたため,ただの背景グラフィックスだと勘違いしていた。ただ,さすがにこれは分かりにくすぎる。
このように,正直を言えば細かい不満はあるものの,戦闘やダンジョンの謎解きの手応えという意味では,久々に肉厚のRPGが登場したと感じている。何より,これから拠点がどう変化していくのか,どんな仲間が増えていくのかといったワクワク感は,ほかのRPGにはない大きな魅力だ。
前日譚を描く「百英雄伝 Rising」のキャラクターも登場するので,そちらも合わせてプレイすると一部のキャラクターにより愛着が湧くことだろう。
衝撃的だった本作の発表とクラウドファンディングから3年と9か月。ついにお披露目となる「百英雄伝」を心待ちにしていた人も多いだろう。「幻想水滸伝」が好きだった人,そしてJRPGを愛している人には,ぜひ仕上がりをその目,その手で確かめてもらいたい。
百の英雄がアナタとの出会いを待っている。
「百英雄伝」公式サイト
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