プレイレポート
ボンバーマンで64人対戦! 個性的なKONAMIキャラや“バトロワ要素”が楽しいパーティバトル「スーパーボンバーマンRオンライン」を先行プレイ
本作は,2017年3月に発売された「スーパーボンバーマン R」(Switch / PC / PS4 / Xbox One)をベースとしたオンライン対戦ゲームだ。お馴染みのルールで対戦できる「スタンダード」,最大3vs3のチーム対戦に挑める「グランプリ」,そして最大64人で対戦可能な「バトル64」というさまざまなモードで世界中のプレイヤーとボンバーマンが楽しめるのだ。
サービス前に実施されたメディア向けの試遊にて,限られた時間ではあったが注目の新モード「バトル64」をたっぷり体験してきたので,本稿にて紹介しよう。なお,試遊で使用されたのはPCトライアル版で,正式リリース時とは異なる部分があるかもしれないので,その点はご了承いただきたい。
「スーパーボンバーマン R オンライン」公式サイト
“バトロワ系”にボンバーマンが新風を吹かせる?
64人対戦の新モード「バトル64」
さて,近年長らく「バトロワ系」と呼ばれるジャンルのゲームが隆盛を誇っているが,中心としてあるシューター系以外にもさまざまな仕組みやルールのゲームが誕生している。なかでも「テトリス99」「SUPER MARIO BROS. 35」「PAC-MAN 99」といったクラシックな作品の“バトロワ化”ゲームは,それぞれの特徴やおなじみのルールを活かしつつ,生き残りをかけたサバイバル感と比較的短い時間で楽しめるゲーム性で仕上げられて話題となっている。
それらの作品を思い浮かべ,「いよいよボンバーマンも来たか……」と思ったゲームファンの読者たちは,何かを感じなかっただろうか。そう,アイテムを集めて強化し,爆弾を投げ合って相手を退けて生き残りを目指すというボンバーマンは,そもそもその根幹にあるものやゲーム性が“バトロワ”なのだ。
そんな,“そのままでもけっこうバトロワ”なボンバーマンが,さらにパーティバトルゲームとしてパワーアップしたという本作で注目なのが新モードの「バトル64」だ。まずは同モードの基本の流れから簡単に説明しよう。
ボンバーマンの対戦といえば,4人のプレイヤーがエリアの四隅に配置された状態でスタートするイメージすると思うが,「バトル64」は最大64人対戦である。一体どうなるのかというと,エリアに4人が配置されるスタートは変わらずだが,それと同じものが同時に16エリアあり,それぞれのエリアで一斉にバトル開始となるのだ。
プレイヤーのライフは2つで,壁を壊すとたまにライフ回復アイテムが見つかることもある。ちょっとしたミスでやられてしまっても,粘り強く戦えば最後まで生き残れるだろう。
もちろん,いつまでも一つのエリアでバトルするわけではない。時間経過とともにエリアが少しずつ封鎖されていく仕掛けがあり,封鎖されるエリアにいるプレイヤーは,制限時間内にほかのエリアに移動しなければならない。エリア数はどんどん少なくなっていき,最終的には1エリアに絞られる。さらに時間経過でトゲトゲがエリアの外周から少しずつ降ってきて,決着の場所も狭まっていくため,1ゲームが長引くことはない。
警告がないエリア(消滅しないエリア)にいた場合はそのまま待機でもいいが,あえてほかのエリアに移動することもできる。各エリアに何人のプレイヤーがいるのかは,両サイドに表示されているマップで確認できるので,生き残るためには,できるだけ人が少ないエリアに向かうのが得策といえる。自信のある人は,あえて大人数がひしめくエリアに向かって大混戦を楽しむのもいいだろう。
個性的な能力を持つKONAMIキャラクターが多数参戦!
ボムで壁を壊し,出てきたアイテムを取ることでボムの火力や配置可能数などが増えていく……というボンバーマンシリーズの普遍的な部分に,対戦ゲームとしてさらなる面白さを生み出してくれているのが,さまざまなゲーム作品からから参戦している多数のKONAMIキャラクターたち。みなそれぞれ「えっ,そんなのアリ!?」と驚かされるような特殊能力を持っている。それらのキャラクターは,基本的に別途販売されている「プレミアムパック」を購入することで使用が可能だ。
各キャラクターは,ボンバーマン8兄弟(毎度おなじみのボンバーマンたち)の「ボンバー」のほか「アタック」「スピード」「ユニーク」というキャラクタータイプがあり,そのほかKONAMIキャラクターたちはほか3つのどれかに振り分けられている。
「アタック」はボムの火力や配置可能数の初期値や上限が高く,「スピード」は相手プレイヤーが置いたボムを何らかの方法で回避する能力に長け,移動速度の初期値や上限が高く設定されている。「ユニーク」はそのどちらでもなく,それぞれ個性的で唯一無二の能力を持ってはいるものの,火力とスピードは低めで能力自体もかなりクセがある上級者向けの性能という印象だ。以下,簡単にだが,各キャラクターの特徴を紹介しよう。
■ビルボンバー,ランスボンバー
「魂斗羅」シリーズからは,ビルボンバーとランスボンバーが参戦。ともにスピードタイプで射撃でほかのプレイヤーを気絶させるという能力は共通しているが,銃撃の射程や範囲,銃撃したボムが消滅するか爆発するかといった微妙な違いがある。
■シモンボンバー,リヒターボンバー,アルカードボンバー
「悪魔城ドラキュラ」シリーズからの参戦は,シモンボンバー,リヒターボンバー,アルカードボンバーの3キャラクター。シモンボンバーはボム配置可能数の上限が1と低いが,火力と移動速度の上限が高く,ムチでボムやキャラを引き寄せるという特技を持つ。
リヒターボンバーはボムやキャラにムチを引っかけて,それを軸に高速移動するというトリッキーな能力を持ち,アルカードボンバーは「ミスト」で霧になることで,ボムや爆風をすり抜けられる。
■ピラミッドヘッドボンバー,バブルヘッドナースボンバー,ロビー君ボンバー
「サイレントヒル」シリーズからも3キャラクターが参戦だ。足が遅くなるが,触れた相手を倒せるという特殊能力を持つピラミッドヘッドボンバー,自分自身に「ドクロ」の効果を与えるバブルヘッドナースボンバーとロビー君ボンバーといったように,どのキャラも非常に特殊で癖のある能力持ちだ。
■ビックバイパーボンバー
「グラディウス」シリーズをイメージしたキャラクター・ビックバイパーボンバーは,壁にぶつかるまで一気に高速移動ができるという,スピードに長けた特殊能力を持っている。
■ネイキッドスネークボンバー,雷電ボンバー
「メタルギア」シリーズからはネイキッドスネークボンバーと雷電ボンバーが参戦。ネイキッドスネークボンバーは,一定の時間透明化し,ほかのプレイヤーに見えない状態で行動できるという原作さながら“スニーキング”が得意なキャラクターだ。
雷電ボンバーは連続でショートダッシュができ,ダッシュ斬りで接触したキャラを弾き飛ばせる。その性能は対照的だ。
■ミミボンバー,ニャミボンバー
「ポップンミュージック」のミミボンバーとニャミボンバーは,周囲のプレイヤーのボムが爆発する時間を不規則にする能力を持っている。ミミボンバーはランダムで早くなり,ニャミボンバーはランダムで遅くなるので,似たタイプながら戦い方は異なるだろう。
■トマト姫ボンバー
「サラダの国のトマト姫」から参戦するトマト姫ボンバーは,「誰か1人を強化し,行動を共にして守ってもらう」という,非常に変わった能力を持っている。これもなかなか,使用するプレイヤーによってはトリッキーな相手となりそうだ。
■ボンバーマン8兄弟
白ボン,黒ボン,青ボン,赤ボン,黄ボン,水ボン,緑ボン,ピンクボンのボンバーマン8兄弟は,KONAMIキャラクターたちのような特殊能力は持っていない。しかし,持てるボムの数や火力,移動速度などの各上限値がMAXまで伸ばせるので,アイテムをしっかり集めればその分パワーアップできる。使い慣れた感覚で戦えるのもなによりの特徴だろう。
実際に使ってみないと分かりにくいかもしれないが,同じタイプでも特殊能力は異なるため,それぞれ戦い方はガラッと変わる。「悪魔城ドラキュラ」シリーズが好きな筆者はまずリヒターボンバーを使ってみたが,スピードタイプだけあって,移動面は優れている。相手キャラやボムに対してムチを振り,それを軸に自分が移動する固有能力を持っているため,ボムで挟まれてピンチの状況からでもなんとかなったりした。
しかし,リヒターボンバーのボムの火力上限は,なんと,たったの1。爆風で相手を倒そうとするなら,袋小路に追い詰めてボムを置くしかない。自力で倒そうとするよりは,相手の自滅を誘うような動きや,ほかのプレイヤー同士をぶつけあうように誘導する戦い方が向いていそうなキャラクターだ。
次に使ってみたのはアルカードボンバー。数秒間,霧状になって移動することができるという固有能力「ミスト」は,出演作の「悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲」でも見られた能力だ。霧状のときはボムや爆風をすり抜けられるので,使いやすくて非常に強力だと感じた。
使いやすさにおいて初心者にオススメではあるのだが,そんなアルカードボンバーにも注意すべき点がある。火力1のリヒターボンバーほどではないが,火力,ボム配置可能数,移動速度の上限がすべて4止まりなため,どれだけ強化してもすべてにおいて平凡で決定力に欠けるのだ。目の前のボムをパンチして飛ばす「ボムパンチ」を取っても使えないという制限もある。
強力な能力を持っているキャラクターほど基礎能力が控えめになっているようで,接触するだけで相手を倒せるという恐ろしい能力持ちのピラミッドヘッドボンバーは,火力とボム配置可能数が1止まりで,移動速度は0とかなり低い。能力発動中は移動速度が尋常でなくスローになるため,「触れるだけで相手を倒せる」という能力を過信せず,使用時はほかのプレイヤーの動きをしっかり警戒することも必要となるだろう。
「バトル64」で“生き残り”に挑戦
知恵と力(自身の強化)で大火力戦を戦おう
ここからは“「バトル64」の戦い方”を,実際にプレイした流れで紹介しよう。
バトルの序盤は,なんといってもアイテム集め。壁を壊すと出てくる豊富なアイテムをかき集めて,使えるボムの数や火力,移動速度を底上げしないことには,終盤のバトルを生きぬくのは難しいだろう。
アイテムのアイコンはおなじみのもので,能力アップのほかにもボムを蹴って転がす「ボムキック」や叩いて飛ばす「ボムパンチ」,ボムの性能自体を変える「貫通ボム」や「ボヨヨンボム」といったものもあるので,マイナス効果のあるアイテムや「ドクロ」に注意してキャラクターを強化しよう。
スタート時点ではみな壁に遮られているので,16あるエリアはどこも静かな滑り出しとなり,いきなり大乱戦とはならない(……はず)。ともあれ最初は,「自身の逃げ場がないところにボムを置いちゃった」という凡ミスに気をつけながらアイテムを集めよう。
プレイした感覚だと,自身がいるエリアの壁をだいたい壊し終えたころに,最初のエリアの閉鎖が始まる。この間は相手プレイヤーへの攻撃はできず,移動のみに専念することになる。マップをチェックしつつ,できるだけ人の少ないエリアへ向かいたいところだが,やはり皆考えることは同じのようで,エリアごとに人数差が大きく変わることはない。だいたい,1エリアに7〜8人が集まる感じだろうか。
エリア移動の時間が終わるとバトル再開となるが,再開時に各エリアの上空からブロックが落ちてくる。これに当たるとライフが1減るので要注意なのだが,このとき,よく見ると地面に★マークが表示されていることがある。ここに落ちてくるブロックにはアイテムが隠れているので,まだ強化不足だと感じたら,ここを早めに壊せる位置を狙っていこう。
やられたプレイヤーが,持っていた強化アイテムを地面にばらまいて退場するところもボンバーマンではおなじみである。誰かが倒れたら,とくにそれが強化アイテムをたくさん持っているプレイヤーなら,すぐさま確保に走りたい。「すでにMAXまで強化しているから要らないや」と思っても放っておいてはならない。そのアイテムを拾ったほかのプレイヤーが,いずれ強敵として自分の前に立ちふさがることになるからだ。
最終エリア以外で,自分以外のプレイヤーがすべて倒れると,エリア移動タイムが始まるまで独占状態となる。ブロック壊し放題,アイテム取り放題のボーナスタイムになるので,しっかりパワーアップしておこう。
各プレイヤーそれぞれが自身のキャラクター強化が進んだ中盤戦以降は,プレイヤー同士のバトルが本格化。序盤とは比べ物にならない火力やボム数を誇るプレイヤーたちの対戦は,ボムの爆発が連鎖して広範囲が一気に爆風に包まれる“これぞボンバーマン”な風景が広がる。
ボンバーマンの華(?)である大火力戦のなかでも,やはりKONAMIキャラの奇想天外な動きが新鮮だ。特殊能力発動中に触れられたら大変なことになるピラミッドヘッドボンバーやロビー君ボンバーは,同じエリア内をウロウロしているだけで脅威で,相手を倒すことだけではなく“逃げること”も気にしなければならなくなる。そんなときでもKONAMIキャラの特殊能力は効果的で,例えば,「壁にぶつかるまで高速で直進できる」という,一見イマイチな印象を受けるビックバイパーボンバーの能力が,こういった場面で逃げる際に優位に働くこともあるのだ。
エリアは最終的に1つになるわけだが,ここに残るまでがなかなか難しい。当然,生き残ったプレイヤーは猛者ばかり&高火力なので,少しの油断が即ダウンにつながる。終盤戦の緊張感はハンパない。
繰り返しプレイしているうちに上位に残れるようになってきたが,それでも1位を獲るのはなかなか難しい。自分がやられたあとは,すぐに次のバトルのマッチングに行かずに続きを観戦できるのだが,ほかのプレイヤーの敗因を見ていると,変に攻めの姿勢を見せたことによる「勇み足による自滅」と,ボムを仕掛けた相手も予測していなかったであろう「予想外の爆風」で倒されていることが多いように思えた。
つまり,積極的に相手を倒そうとするのではなく,ボムを置くのは余裕があるときのみにする。「置けたら置くわ」の精神で,慎重に「生き残り」のみを考えれば結構イケるのでは……と,このプレイスタイルに合致したアルカードボンバーで試行錯誤したところ,64/64という世紀の大敗北から数時間,ついに1位である「BOMBER-ONE」の栄光を勝ち取ることができた。筆者は「テトリス99」でも「SUPER MARIO BROS. 35」でも1位は取ったことがなかったので,感慨もひとしおだ。
何度かプレイし,各対戦のプレイ時間を振り返ってみると,最後の1エリアまで生き残ったとしても1試合が約8分程度だった。このように,勝っても負けてもサクサク進んでいくので,「うーん……もう1回!」と,気づけば何度も繰り返し遊んでいた……なんてことになりそうだ。
そして,1位の味は……格別だぜ(勝者の笑み)。
“らしさ”を活かした進化系ボンバーマン
新ルールの64人対戦でワイワイ楽しめそう
繰り返し遊ぶモチベーションにつながるものに,「ボンバーパス」というランクごとの報酬リストのようなものがあり,一定ランクアップごとに新たなコスチュームや称号,ボムや爆風の見た目変更など,さまざまなものが入手できる。ランクは1試合ごとに,その試合での評価がEXPとして計算され,一定数たまるとランクが上がる。トライアル版の時点では,ランク100までリワードが用意されていた。
本作でやはり楽しかったのが,“らしさ”を生かした固有能力を持って多数登場しているKONAMI作品のキャラクターたち。従来のボンバーマンのゲーム性に対して新たな角度で切り込むKONAMIキャラたちの戦いっぷりが,新たなプレイ感覚を生んでくれていて面白い。好きなKONAMI作品のキャラが1人でもいるなら,ぜひプレイしてみてほしいと思った。
リヒターやアルカードなど,デフォルメされながらも結構シブい声で喋ってくれるキャラクターたちも,原作ファンなら嬉しいポイント。スーパーボンバーマンRには,ほかにも多くのKONAMIキャラクター(と,他メーカーのキャラクター)が登場していたので,今後はそのあたりの新規参戦にも期待できるのではないだろうか。
今回の試遊はトライアル版のため,プレイできたのはチュートリアルと「バトル64」くらいで,そのほかのモードは確認できなかったが,マッチング速度も良好で,通信ラグも感じなかった。そのあたりはプレイヤー側の環境にも左右されるところではあるが,現状で特に不満点もなく,完成度は非常に高い。強いて言えば,メニュー画面に「ゲーム終了」がなかったのが気になったが,このあたりは正式サービス以降に改善されるだろう。
あらためて全体の感想を述べると,ボンバーマンはこれまでに数多くの作品がリリースされ,その度に対戦モードが磨き上げられてきたシリーズ作品だが,その成果が遺憾なく発揮されているように感じた。「バトル64」とそのほかの対戦モード,個性的なキャラクターたち配信開始後の進化も見逃せない。
ボンバーマンというゲームが本来持つ楽しさに,より強まったバトロワやキャラ特性などの要素が加わったことで,広い層が楽しめる“パーティバトルゲーム”となりそうな「スーパーボンバーマン R オンライン」の今後に注目だ。
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