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    印刷2020/06/04 15:29

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    「Project CARS 3」はレベルアップシステムの採用でマイクロトランザクションが不要に。メディア向けプレゼンテーションの内容を解説

     イギリスのSlightly Mad Studiosが開発するカーレーシングシム「Project CARS 3」PC / PS4 / Xbox One)。既報のとおり,本日(2020年6月4日),アナウンストレイラーと共に,発売時期が2020年夏と発表された。
     本稿では,バンダイナムコエンターテインメント・ヨーロッパが発表に先駆けて,メディア向けに公開していたプレゼンテーション映像の内容を元に「Project CARS 3」のシステムやポイントを解説する。記事の最後には,Slightly Mad Studiosへのミニインタビューも掲載しているので,合わせて見てほしい。

    画像集#001のサムネイル/「Project CARS 3」はレベルアップシステムの採用でマイクロトランザクションが不要に。メディア向けプレゼンテーションの内容を解説

    Project CARS 3 - Announce Trailer (4K)

    Clik to Play
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     本格的なシミュレーション要素で高い支持を得ている「Project CARS」シリーズだが,最新作となる「Project CARS 3」において最大の特徴となるのが,新たに作り直されたキャリアモードだ。
     本作では,RPGのように経験値を核としてレベルアップしていくシステムが採用されており,レースで得た報酬で,手持ちの車種をアップグレードしていく。これにより,マイクロトランザクションを使った細かな課金は必要なくなり,より多くのゲーマーにプレイしやすい環境を整えることが重視されているようだ。

    画像集#003のサムネイル/「Project CARS 3」はレベルアップシステムの採用でマイクロトランザクションが不要に。メディア向けプレゼンテーションの内容を解説

     キャリアモードのレベルは,「Road E~A / Hyper Car / GT C~A / GT Open」という10種類の“カー・クラス”でカテゴライズされており,グラスルーツレベルのアマチュアレースからプロフェッショナルなレースまで徐々に成長していく過程を体験できる。
     また,「Road E」カテゴリの中にも「Road E Basics」「Japanese Roots」「Road E Specials」「Road E Majors」とクラスが分類されており,それぞれに相当な数のレースが用意されている(最下層の「Road E」カテゴリだけでも48のレースが確認できた)。

     こうしたレースに勝利することで,新しい車をアンロックできるだけでなく,獲得したクレジットで,車をアップグレードできる。獲得クレジットの量は,難度(Easy / Medium / Hard / Very Hard / Pro / Legendary)やアシストモードの利用に従って変化するという。
     さらに,特定のレースタイプをプレイしたくないなら,それほど多くないクレジットを使用して,上位のクラスをアンロックすることもできる。ロードレースをプレイしたくない人なら,一気にGTクラスをプレイすることも可能なわけだ。

     XPやクレジットは,マルチプレイヤーモードを含むどんなゲームモードをプレイしても獲得可能で,新しい車のアンロックやパフォーマンスのアップグレードに使用できる。
     アップグレードできる要素は「Tyres」「Brakes」「Weight Reduction」などに分かれており,それぞれをアップグレードしていくことで,車種のレギュレーションが上位のクラスに変化していく。愛着の湧いた車ならば,プレイヤーが経験を蓄えていくのに合わせて一緒に成長し,次のクラスにも持ち込めるというわけだ。
     なお,クラスが上がった車種を下位で使用する場合は,PIR(Performance Index Rating)という独自システムで自動調整されることになる。

    画像集#005のサムネイル/「Project CARS 3」はレベルアップシステムの採用でマイクロトランザクションが不要に。メディア向けプレゼンテーションの内容を解説

     もちろん,オンライン対戦もサポートされている。本作では,特にサーバーの負担とレイテンシーを軽減することを大きな目的とし,バックエンド部分での改良が行われたようだ。マルチプレイヤーモードは「Quick Play」「Scheduled Event」「Custom Lobby」の3つに分けられている。

     「Quick play」は,レベルアップシステムを導入したことで,シリーズでは初めてクイックプレイにスキルベースのマッチメイキング機能が採用された。「Scheduled Event」は,Slightly Mad Studiosが用意したコースやルールに則ったレースを複数こなしていく。プレイヤーは事前に参加登録しておくことが必要となり,サーバー地域やスキルベースで対戦相手が振り分けられるようだ。「Custom Lobby」は,友人とプレイするときになどに利用でき,コースのコンディションやルールなどを細かくカスタマイズできる。

     さらに,本作では,前作で用意されていたコミュニティイベントに代わり,新たな「Rivals」というゲームモードが登場する。
     「Rivals」はレースに参加した際,リーダーボードのランキング前後のプレイヤーの“ゴースト”と競うモードだ。コースは1日(Daily),1週間(Weekly),1か月間(Monthly)で変化する3種類が用意されている。さらにプレイヤーの成績に応じて得られる「Rival Points」が毎月集計されており,それによって「Platinum」「Gold」「Silver」「Bronze」といった形でランク分けが行われる。当然ながら,ランクが高いほど得られる報酬も高くなるという。

     車体の色などを変更ができるカスタマイズ機能が,いよいよシリーズで初めて導入されるのも特筆しておくべきところだろう。あらかじめ用意されたパターンに仕上げたり,メタリックからマットペイントなど好みの仕上げにしたりすることが可能だ。ブリヂストンやメルセデスAMGといったタイアップしているさまざまなパーツメーカーのデカールを張り付けたり,ホイールのリムを選んだり,ライセンスプレートの文字入れも行える。こうした自前のデザインはオンラインモードや観衆モードにも反映され,フォトモードでビデオ撮影することもできるのはうれしいところだ。

    画像集#009のサムネイル/「Project CARS 3」はレベルアップシステムの採用でマイクロトランザクションが不要に。メディア向けプレゼンテーションの内容を解説


    「Project CARS 3」が目指すのは直覚的で強烈な快感を伴う本物のレースシミュレーション


     最後に,Slightly Mad StudiosのJoe Barron氏へのメールインタビューをお届けして本稿の締めとしよう。

    ――前作「PROJECT CARS 2」からブランクがありましたが,開発は難航したのでしょうか。

    Joe Barron氏(以下,Barron氏):
     ご存じの通り,この数年の間,弊社は開発スタジオの拡充やCodemasters社への合流といったさまざまな外的環境の変化を経験し,私達にとっては本当に忙しい時期でした。最初のプランではお見せできる状態になったらすぐにでも詳細を発表したかったのですが,やっとそういった時期を乗り越えて,今回「Project CARS 3」についてお話しできたことを本当にうれしく思います。

    ――昨年末,Codemastersへと合流されましたが,開発体制に何か変化をもたらしましたか。

    Barron氏:
     このプロジェクト自体は合流前にスタートしましたので,Slightly Mad Studiosは今までと変わりなく,独自のやり方や個性を失うことなく,開発に取り組んでいます。
     とはいえ,この新しい環境下で私達はノウハウや知識を共有しながら,これらをいかに生かしていくか,生かすための最善の方法は何かを模索し続けるでしょう。Codemastersにも同じことが言えると思いますし,お互いにとって健全でポジティブな経験になると思います。

    画像集#007のサムネイル/「Project CARS 3」はレベルアップシステムの採用でマイクロトランザクションが不要に。メディア向けプレゼンテーションの内容を解説

    ――次世代コンシューマ機への対応は今回発表されませんでしたが,予定はありますか。

    Barron氏:
     「Project CARS 3」が対応するプラットフォームはPlayStation 4 / Xbox One / PCです。私達のできる最善を尽くしてファンに喜んでもらえる製品作りに全力を注ぎたいと思っており,発表した以上の内容は現状予定しておりません。

    ――eスポーツへの参入について展望をお聞かせください。

    Barron氏:
     5月28日に発表した通り,今も「PROJECT CARS 2」では“Logitech McLaren G Challenge 2020“といった競技を開催しています。eスポーツプロジェクトは,常に最高の才能を持つeレーシング選手を見つけ,脚光を浴びる機会を与え,彼らがその才能をキャリアに変えていけるよう手助けをすることに焦点を当てています。「Project CARS 3」が発売された際には,「Project CARS 3」ならではの形でeスポーツプロジェクトを続けていくつもりです。

    ――レースゲームにおいて,シミュレータ要素とゲーム的な楽しさの2つを両立することは大きな課題ですが,「Project CARS 3」ではどのように目標を掲げましたか。

    Barron氏:
     現実世界においてレーシングが人を魅了させるのと同じく,私達の目標は面白くて,直覚的かつ強烈な快感を伴う本物のレースシミュレーションゲームを作ることです。レースゲームのファンであれば,「Project CARS 3」を通じて今まで以上にレーシングのあらゆる側面に没入できると思います。また,今までにレースシミュレーションを触ったことのない方でも簡単に楽しめます。

     今回はアシスト機能の拡張だけでなく,経験値システムや,プレイヤーのドライブスタイルをリアルタイムでフィードバックしてドライブテクニック向上の手助けとなる新しい仕様も追加しています。
     また,自分の腕を試したい,実力を磨きたいプレイヤーもチャレンジし続けるように,アシストをオフにして難度を上げるとキャリアモードでの報酬も増える,などのやりこみ要素も実装しています。

     そのほか重点的に取り組んだ点は,操作性の向上と初心者のためのアクセシビリティ機能です。特に劇的に向上した操作性は最も誇れる点で,皆さんにぜひ手に取って試してみてほしいと思います。新しいキャリアモード,拡張されたメタゲーム,初の試みであるスキルベースのマッチメイキングなども実装されていますので,ぜひプレイしてください。もちろん,今まで以上に進化したグラフィックスも見逃せませんよ。

    ――ファンに向けてメッセージをお願いいたします。

    Barron氏:
     皆様に「Project CARS 3」を発表できたことを非常にうれしく思います。この機会にぜひ試していただければ嬉しいです。開発期間中に送って下さった皆様からのフィードバックに改めて感謝の意をお伝えします。この夏「Project CARS 3」が発売されますので,その時にまたオンライン上でお会いできることを楽しみにしてます。

    画像集#008のサムネイル/「Project CARS 3」はレベルアップシステムの採用でマイクロトランザクションが不要に。メディア向けプレゼンテーションの内容を解説

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