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    印刷2022/11/21 15:17

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    [CEDEC+KYUSHU]“カッコ悪い”と言われて作り直しを決意。「SCARLET NEXUS」開発陣がコンセプトの重要性を語ったセッションをレポート

     2022年11月12日に行われたゲーム開発者向けのカンファレンス「CEDEC+KYUSHU 2022」にて,「『SCARLET NEXUS』新規オリジナルタイトル創出への道」と題されたセッションが行われた。

     この講演では,バンダイナムコスタジオの穴吹健児氏とトーセの江見勝也氏が「SCARLET NEXUS」Xbox Series X|S / Xbox One / PS5 / PS4 / PC)の開発の歩みやそこで起きた事件を振り返りながら,オリジナルIPにおけるコンセプトとの向き合い方について語った。

    左から,穴吹健児氏(バンダイナムコスタジオ),江見勝也氏(トーセ)
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     「SCARLET NEXUS」は,2021年6月24日にバンダイナムコエンターテインメントから発売されたタイトルだ。“ブレインパンク・アクションRPG”と題された本作は,人間の脳の力が発達した世界で,主人公たちが“超脳力”と呼ばれる力を駆使して戦う。


     2015年にバンダイナムコスタジオ内で課外活動的に開発が始まり,2016年に本格的なプロジェクトとして始動,2017年にはトーセが加わり,以後はバンダイナムコスタジオが企画の立案やディレクションを,トーセが開発を行うという体制で進められた。

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    「SCARLET NEXUS」の開発年表。立ち上げから計算すると完成に6年,トーセが加わってから4年を要している。最も多いときは200人規模の体制で開発が進められたという
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     穴吹氏は「SCARLET NEXUS」の開発を通して「新規のオリジナルタイトルはコンセプトへの向き合い方がとにかく重要」だと強く感じたという。今回のセッションでは,コンセプトに関わる3つのポイントを中心に解説が行われた。

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    なんかカッコ悪い……。スタッフの指摘を受けて,ゲームのコンセプトを改めて見つめ直す


     まず1つ目のポイントが「コンセプトを尖らせる」という点だ。ゲーム開発においてブラッシュアップはいくらでもやれてしまうものであるため,「SCARLET NEXUS」を開発するにあたっては,コンセプトの部分を特にコストをかけて,こだわっていったという。
     具体的には“超能力を使ってカッコよく戦いながら仲間たちとの特別な絆を体験する”というテーマを決め,それに沿ったコンセプト文を作成し,開発を進めていった。

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    コンセプトの全文とその要約。全文は少し長いように感じるが,この長い文が後々問題となる
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     会場では開発初期,中期,後期のゲームシーンを交えて,どのようにブラッシュアップしていったのかを説明する映像が披露されたが,完成にこぎつけるまでの道のりは一筋縄ではいかなかったという。

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     その苦労を象徴する大きな事件として紹介されたのが,2017年9月に起きた「カッコ悪い事件」だ。本作は念力使いである主人公が,フィールド内にあるオブジェクトを操ったり,敵にぶつけたりするアクションが売りになっている。

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     プリプロダクションの段階では,この念力アクションを使うために,主人公がオブジェクトに近づき,頭上にオブジェクトをフワフワと浮かせてストックするというアクションが盛り込まれていたという。

     しかし,完成に近づくにつれ,トーセの開発スタッフ内で「念力使いがわざわざオブジェクトに近づいていくのはカッコ悪い」「オブジェクトをストックして移動する様子に『えっさ,ほいさ感』があり, イケてない」という声が挙がり始めたそうだ。

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     これを聞いた穴吹氏は,「かなりショックで,非常に動揺した」と語る。“超能力を使ってカッコよく戦いながら仲間たちとの特別な絆を体験する”というコンセプトを掲げている本作において,アクションがカッコ悪いというのは,致命的だ。
     穴吹氏も,開発がかなり進んでいた段階だったので,悩みに悩んだというが,やはりゲームの根幹にあるコンセプトの部分だったこともあり,作り直しを決めたという。

    ちなみにこの作り直しについて江見氏は,穴吹氏と食事に行く途中にポツリと相談されたという。トーセ内でも問題視する声があったこともあり,やるべきだと判断し,実現に向けて進められた
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     結果,オブジェクトを集めるという仕様は撤廃され,ダイレクトに敵にぶつけることができるようになったほか,武器と念力を絡めてコンボをつなげられるようになった。これにより,変更前に比べて簡単にカッコよく戦えるようにアクションが生まれ変わったと,江見氏は語った。

     穴吹氏は「開発中は以前の仕様がカッコ悪いということに気づけないくらい開発に没頭していた。一歩引いた視点から指摘してもらったことにより,それに気づけた」と第三者からの意見の重要性を語っていた。

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    オリジナルタイトルは,コンセプトの“差別化”が必須


     続いて,コンセプトの向き合い方で大切なことの2つ目として挙げられたのが,オリジナルタイトルにおける「コンセプトの差別化」である。
     ここでは,2019年4月に発生した「スクショ見比べ事件」という出来事を元にその重要性が紹介された。

     これは開発中期にバンダイナムコエンターテインメントのプロデューサーが別タイトルのスクリーンショットを持ってきて,「パッと見て違いが感じられない」という指摘を受けたというもの。

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     穴吹氏は,「ゲーム画面の類似性の指摘だったが,他社タイトルとの差別化がゲーム全体としても弱かった。それが画面にも表れてしまっていた」と感じたという。

     ゲームがあふれている昨今,差別化された魅力があるということは言うまでもなく重要だ。特に「SCARLET NEXUS」のようなオリジナルタイトルについては,差別化された点がないと見向きもされないと江見氏は語った。

     そしてこの問題を解決すべく,“超能力を使ってカッコよく戦いながら仲間たちとの特別な絆を体験する”というコンセプトの根っこは残しつつ,差別化を意識した以下のような再構築が図られた。

    (1)脳を強化した超脳力者として念力アクションを駆使し,危険な力を操る「強くてヤバイ奴」を気取り,自己陶酔できる

    (2)脳接続を強化し,深く連携して戦うので,仲間が痛みや危険を顧みず助けてくれる感動を味わえる


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     (1)については,超能力を使ってカッコよく戦うというコンセプトを強化した点となり,自身を一定時間強化する「ドライヴモード」の最中は,BGMとアクションをテンポアップさせるなど,プレイヤーをどんどん気持ち良くさせるような要素を盛り込んだという。
     また,本作の必殺技にあたる「ブレインフィールド」では,主人公のセリフを狂気的に変化させたほか,使用し続けていると視界がどんどん狭くなり,使用解除をしないまま戦闘を続けると最終的には狂気に満たされてゲームオーバーになるという仕様に。これにより「強くてヤバイ力を操っている」という感覚を,よりプレイヤーに強調させることを狙った。

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     (2)については,“仲間たちとの特別な絆を体験する”という点を強化したものだ。ブレインフィールドに侵食されないように仲間が助けに来てくれたり,敵の攻撃からかばってくれる,ゲームオーバーになる寸前に仲間が蘇生してくれるなどのアクションを追加することでより,仲間に対する信頼を感じられるように強化を図ったという。

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     そして,これらのコンセプト強化の最中に「ブレインパンク」という本作独自の世界設定を構築し,キャラクターデザインやエフェクト,UIなどを尖らせていき,ゲーム全体の差別化を行ったと穴吹氏は語った。

    キャラクターに「バイアス」と呼ばれる点滴器具をイメージしたケーブルをつけ,“医療感”や“生理感”を足すことで,“脳”にまつわるゲームのテーマを印象づけている
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    脳の力を使っていることを強調するために頭の部分にエフェクトを追加している。飛び散るエフェクトはよく見るとカタカナの文字になっており,ほかのタイトルにはない差別化が図られている
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    ゲームの背景には本作の象徴になっている「赤い糸」が配置されており,世界におけるインフラ的な存在だそう。この辺りの設定についても開発チーム内でしっかりと掘り下げたうえで説得力のある絵づくり目指したと語られた
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    UIは,古いOSをイメージしたものから,ネオンをイメージしたものに変更が行われた。もともと「古き良き日本の既視感」を意識したビジュアルを目指していたとのことだが,UI変更により,一層際立つ形に
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    伝わったつもりが伝わっていなかったコンセプト。大切なのは「自分ごと」化


     コンセプトの向き合い方で大切なこととして,3つ目に挙げられたのが,「コンセプトの共有」である。
     これまでに紹介したようなさまざまな事件にぶち当たる中,穴吹氏はある違和感を覚えていたという。現場から上がってくる成果物にコンセプトの内容が反映されていたり,されていなかったりと品質にばらつきが出ていたのだ。

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     おかしいと思い,ヒアリングを進めた結果判明したのは,開発規模が大きくなるにつれて,現場のスタッフにコンセプトが十分に伝わらなくなり,完全に理解しているスタッフが想像以上に少なかったということだった。

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     この原因については,シリーズタイトルは下敷きにあるイメージがあるが,オリジナルタイトルにはそれがない。そのため,水準がスタッフ個人のイメージに委ねられたことで,バラツキが出てしまっていたと穴吹氏は語った。また,コンセプトの全文も長く,抽象的な表現もあったことで,完全に読んですべてを理解しているスタッフが少なかったことも要因として挙げられていた。

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     トーセのスタッフの中にも内容を完全に理解しないままに返事をしていた人がいて,実は伝わっていなかったことがあったと江見氏。これを聞いた穴吹氏も,コンセプトを話し終わった段階ではスタッフが頷いていたのを真に受けて,分かっているものだと思い込んでしまっていたと,当時を反省しながら振り返っていた。

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     結果として,アセットの品質が統一性を欠いたものとなり,制作スタッフも監修に納得ができないという事態が発生。また,スタッフの間にも品質を良くすることよりも,作業そのものを終わらせることを優先するという良くない傾向が見られるようになってしまったそうだ。

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     このままでは開発を進められないと思った穴吹氏と江見氏は,このコミュニケーションエラーを解決すべく,2つの取り組みを行った。

     1つ目が「コンセプトの分解」である。“超能力を使ってカッコよく戦いながら,仲間たちと特別な絆を体験する”というゲーム全体のコンセプトを,それぞれの作業工程に合わせて,分かりやすく調整したのである。
     特に“カッコよく”といったような抽象的な部分は,人それぞれ捉え方が変わるので,これらを具体化しつつ,現場のスタッフに伝えることに注力したという。

    コンセプトの分解例。抽象的な部分を具体化することでコンセプトを共有しやすくした
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     また,伝え方もサーバーに資料をアップロードしておくだけでなく,プレゼンテーション資料を用意しての全体説明会や個人個人への補足を行うなど,コミュニケーションエラーが起きないような手厚いサポートを行い続けたそうだ。
     
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     こういった情報共有は地味で地道な作業ではあるが,いつの時代もこういった取り組みが重要だと改めて実感したと江見氏は述べていた。

     これに加え,2つ目の取り組みとして,開発体制を変更し「コンセプトワークを2社合同にする」ことも行った。今までバンダイナムコスタジオ主体だったコンセプトワークにトーセも参加。これにより,品質に対する責任と裁量をトーセも持つことになり,発注側と受注側という関係性に捉われない開発体制が出来上がってきたという。

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     コンセプトワークの作業はオフラインでやることにこだわったそうで,東京にあるバンダイナムコスタジオのオフィスにトーセのスタッフが出向いたり,逆に京都にあるトーセのオフィスにバンダイナムコスタジオのスタッフが出向いたりということを頻繁に行ったそうだ。
     合同でコンセプトワークを行うことにより,コンセプトへの理解も深まり,トーセ側のスタッフにも,考えることに積極的に参加する傾向が見られてきたという。また,成果物のクオリティも統一感が出るようになり,開発の後半では,ちょっとしたやり取りで同じ方向を向いて進められるようになった。
     穴吹氏も,このころからトーセのスタッフもよりタイトルのことを「自分ごと」として考えてくれるようになって嬉しかったと語っていた。

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    敵のコンセプトワークにおける一例。トーセ側のスタッフがすべての敵にコンセプトシートを作成した。抽象的な言葉をなるべく使わずに説明することを心がけたという
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     穴吹氏は「伝わらないことは基本的に伝える側が悪い」としつつ,うまく伝わらないならイメージできるレベルに分解し,分解した経緯も共有するとイメージをよりうまく伝えられると述べた。

    「SCARLET NEXUS」の開発体制。初期はディレクションはバンダイナムコスタジオ,開発はトーセと言った形で上下に切り分けられていた。後期はアジャイル開発を取り入れ,スクラムごとに特化した体制に。スクラムのリーダーには両社から1名以上のスタッフを置いた
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    リモート開発との向き合い方にも触れられた。バトルやレベルデザインなどについては,対面での開発をベースにし,それ以外の場所はリモートで行われたという。トーセに約1年間,バンダイナムコスタジオのスタッフが常駐して進める形が取られ,委託ながらも内製のような感覚で進められたことが作品のクオリティアップにもつながったという
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     以上をまとめて穴吹氏は「新規のオリジナルタイトルはコンセプトへの向き合い方がとにかく重要」と,冒頭で述べた言葉をもう一度使い,改めてコンセプトの重要性を強調した。

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     そして,「SCARLET NEXUS」の開発を通じて感じた,デベロッパ同士の関係性について触れた。「SCARLET NEXUS」は,デベロッパであるバンダイナムコスタジオが同じくデベロッパであるトーセに委託して開発を進めたタイトルだ。

     ゲームのクオリティは開発者1人1人の頑張りに左右されるとし,委託する会社にどれだけ「自分ごと」として受け取ってもらえるかが重要であると穴吹氏は述べる。
     「SCARLET NEXUS」は,トーセと協力し「自分ごと」として受け取ってもらえるように注力した結果,自分たちがオーダーしたこと以外のプラスαのものをトーセ側にも積極的に提案してもらったことで,クオリティアップにつながったと振り返った。

     江見氏も「SCARLET NEXUS」という新規オリジナルタイトルに携われることは,トーセにとってもチャンスだったと振り返り,開発の大きな役割を担っていたことが,スタッフの強いモチベーションにつながっていたと語った。開発に携わった協力会社の人にも「自分ごと」としてさまざまな提案をもらい,ありがたかったとお礼を述べた。

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     最後に穴吹氏は,「昨今はゲームの開発規模が大きくなり,1つの会社では作り切れなくなっている。そんな時代だからこそデベロッパ同士の関係性は非常に重要」「僕たちはライバルでもあり,仲間でもある。いろいろな会社が協力体制を敷くことで新たなコンテンツや新たな可能性が拡がり,ゲーム業界をより良くしていくのではないか」と思いを語り,セッションを締めた。

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