プレイレポート
「ゴーストパレード」プレイレポート。ゴーストと一緒に森を探索する,インドネシア発の横スクロールアクション
PC版はSteamで2019年10月にリリースされており,今回のPlayStation 4版はパッケージ版とダウンロード版の2種類,Nintendo Switch版はダウンロード版のみでの発売となる。
「ゴーストパレード」公式サイト
多彩なゴーストを仲間にして,不思議な森で大冒険!
本作の主人公は,インドネシアの女の子シュリ。学校帰りの最終バスに乗り遅れてしまった彼女は,近道をしようと暗く謎めいた「スアカの森」に足を踏み入れ,森の中で迷子になってしまう。そんなシュリが森で暮らしているさまざまな「ゴースト」達と出会い,彼らに助けられながら家に帰ることを目指すというのがストーリーだ。
ゲームは探索型の横スクロールアクションとなっており,2段ジャンプやしゃがみ歩き,スライディングや空中ダッシュなどのアクションを駆使して,危険がいっぱいの広い森の中を進んでいく。これらのアクションは最初からすべてが使えるわけではなく,ゲームを進めることで少しずつ増えていく仕組みだ。
シュリは森で最初に出会ったゴーストの女性「ブニアン」から魔法のランタンをもらい,これを武器代わりに振り回して,敵と戦っていく。さらに,仲間にしたゴーストとパーティを組むことで,彼らが持っている多彩なスキルで戦いをサポートしてもらえるというのが本作の特徴だ。
ゲームには,インドネシアの民間伝承にちなんだ30体以上のゴーストが登場し,その中から一度に最大3体を連れ歩ける。彼らはそれぞれ固有のスキルを持っており,例えば「トゥユル」はボールのように丸まって敵に体当たりしたり,「ブダク・ヒドゥン」は4つのシールドを形成してシュリを守ったりと,その能力はバリエーション豊か。特定の組み合わせのゴーストでパーティを編成すると,さらに強力な「究極技」を使うこともできる。
ゴースト達には,ストーリーを進めていくだけで仲間になるものもいれば,サブクエストをこなすことで力を貸してくれるものもいる。数としては後者がメインで,まだ見ぬゴーストを集めていくのも楽しみの一つ。どれも日本人には馴染みのない名前ばかりだが,発見したゴーストや敵キャラクターはジャーナルに登録され,説明文が読めるようになる。中には日本の妖怪と似たような逸話を持つゴーストもおり,インドネシアの風俗が何となく分かった気になれるのが面白い。
こうして,たくさんのゴーストの力を借りて森を冒険するシュリの前に,自分達の利益のために森を破壊する悪い人間が現れ,シュリは森を守るために立ち上がる……という具合にゲームは進んでいく。
ゲームシステムとしてはこのほかに,敵を倒して獲得した経験値でシュリの能力を強化したり,主にボスを倒すと手に入るアクセサリーを装備して特殊な効果を得たり,ミニゲームに挑戦して褒賞をもらったりといった,単なるアクションゲームに留まらない,さまざまな遊び要素が用意されている。ストーリーの要所で表示される,独特のタッチの可愛らしいイラストも魅力的だ。
ただ,1つ1つの素材は悪くないのに,これらがあまりうまくかみ合っていないのが,個人的に残念に感じられた。とくに,せっかくの多彩なゴーストを戦略的に活躍させる場が,もっとあればよかったように思う。道中の敵は無理に倒す必要がないうえ,多くのボスがあまりにも弱いので,ゴーストの組み合わせを工夫する理由がないのだ。
また,クセが非常に強いジャンプの挙動と,ダメージを受けるとノックバックする仕様のせいで一部のシーンで大きなフラストレーションを感じたり,ミニゲームが遊び方やルールの説明もなく,いきなり始まったりなど,粗削りと感じられる部分が見られた。
その一方で,インドネシアの民間伝承をテーマにした世界観やキャラクターは新鮮で興味を引かれるものがあり,そのお国柄に触れる,いい機会となるはずだ。決して万人向けではないが,個人的には応援したいと思わせるものを持っているゲームなので,どこかに引かれるものを感じた人は遊んでみてはいかがだろうか。
「ゴーストパレード」公式サイト
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(C)2019 Ghost Parade Game is owned by Lentera Nusantara Studio Corporation. All Rights Reserved.
Licensed to and published by FURYU Corporation from Aksys Games.
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