プレイレポート
宇宙に生きるスペースシム「X4: Foundations」プレイレポート。〜宇宙を牛耳る大企業〜
X4では「人」ではなく「宇宙船」がゲームプレイの根幹部分になる。小型の戦闘機に乗って探検したり,特定の勢力に傭兵として参加したり,戦闘の残骸を集めて売るデブリ屋だってできる。宇宙船には戦闘機のほかに,輸送船,採掘船などがあり,速度に特化したもの,搭載できる兵器数が多いもの,カーゴ容量(輸送量)が多いものなど,たくさんの種類が用意されている。
大型船ともなれば,小型戦闘機を十数機搭載でき,単独での戦闘力も高い駆逐艦や,小型船,中型船を搭載できる空母,補給艦といった艦種も存在する。プレイヤーはそれらの船のすべてを所有して操縦可能だ。NPCのパイロットや乗組員を雇って,艦船の運用を一任することもできるし,それらをまとめて艦隊を編成することもできる。
極めつけは自分の宇宙ステーションを所有できるという点だ。設計も一から行えるため,自分好みの宇宙ステーションを建設できる。
また,本作では物資は流通されることで初めて利用価値が生まれる。宇宙船は無から作られるわけではなく,アステロイドベルトで採掘され,どこかのステーションで鉱石が金属へと加工され,その金属を別のステーションに運び宇宙船の部品が作られ,それが造船所に運ばれて宇宙船となる。採掘,生産,物流によって経済が構成されているというわけだ。広大な宇宙ではNPCがリアルタイムで採掘,輸送,生産をしており,プレイヤーが介在しなくても世界は勝手に経済を回し続ける。
いろいろ書いたが,本作の魅力は「宇宙を舞台に自由に遊べる」ことに尽きる。普段から妄想をバリバリ膨らませ,宇宙戦闘機のエースパイロットに憧れたり,あるいは銀河英雄伝説のような大艦隊戦を夢想したりしていた筆者は本作にしっかりとハマった。長々と前置きをしたが,今回はそんな「X4: Foundations」で,宇宙を牛耳る星間企業を作ることを目標にしたプレイレポートをお送りしたい。
宇宙の沙汰も金次第
この宇宙にはいくつかの種族が存在し,それぞれが独自の文明を築いている。同じ文明の中でも勢力が分かれており,それらは敵対していたり,あるいは友好関係を築き,交易を行ったりしている。
ゲームスタート時には,いくつか用意されたシナリオの中からひとつを選択するが,目標が設定されているものと設定されていないものがある。また,各勢力との友好関係もそれぞれで違うので,異なる立場で楽しめる。ゲームに慣れるため,最初は目標に向かってプレイするのがおすすめだが,今回は自分で目標を設定してプレイすることにした。
目標
・宇宙を股に掛けるなんでも屋を起こす
・自分の宇宙ステーション(本社)を建設する
一つめの目標である“なんでも屋”はポリシーみたいなもの。各勢力に手を貸し,裏から宇宙を操ろうという算段だ(最終的には〜自治領とか名乗りたい)。二つめの目標である宇宙ステーションの建設は,せっかく起業するのだから本社を建設しようというわけである。
さて,その目標を達成するには先立つものが必要だ。この宇宙で使用されている通貨は「クレジット」と呼ばれる。これがなければ何も始まらない。初期の手持ち金額は5000クレジット,宇宙船が一番安いものでも数万クレジットはするので全然足りてない。がんばって稼ごう。
この宇宙でクレジットを稼ぐ方法はいくつかある。一番オーソドックスなのは各勢力からの依頼(ミッション)をこなして報酬をもらう方法だ。メリットは依頼の難度に気を付ければ序盤でも難なくクリアでき,依頼を受けた勢力の評価が上がること。ただし,この方法は労力に対して実入りがあまりない。
他には鉱石やガスといった生産活動に必要な資源を集め,精錬施設に売る方法がある。ほぼ無尽蔵に採掘できるうえ,あらゆる生産活動に必要な資源のため,需要も大きく,安定した収入を得られるが,採掘船を用意する必要がある。一番安い小型の採掘船でも船体だけで13万クレジットするため,最初に行う金策としてはハードルが高い。
もう一つの柱となる交易はこの世界で基本となる商業活動だが,大きな利益を得るためには需給バランスの下調べをする必要があり,ある程度のカーゴ容量を持つ輸送船がないと効率が悪い。こちらも最初の金策には不向きだ。
ではどうするのか? 今回は「結晶採掘」で資金を稼ぐことにした。
結晶採掘とは端的に言えば宝探しのようなものだ。アステロイド帯に浮かぶ小惑星に稀に張り付いている結晶を採掘して売るのである。結晶はいくつか種類があり,その希少性で価格が変わる。安いものだと1個900クレジットほどだが,高いものだと1個が10万クレジットを超える。一度の結晶採掘で十数個入手できるので,運が良ければかなりの金額になるのだ。最小限の武装さえ搭載していればできるので,最初から乗っている宇宙船ででき,元手もかからない。
結晶採掘の作業自体は単純だ。小惑星の表面に稀にキラッと光る物体が見えるので,それを見つけて近づき,船の武装を当てて結晶を砕いて,トラクタービームで回収する。これだけなのだが,小惑星の中からキラッと光るものを見つけるのは慣れなければ少々難しいかもしれない。
というわけでさっそくアステロイド帯に向かい結晶採掘を始める。1時間ほどで1個894クレジットのパンダナイト結晶を68個,1個1万1191クレジットのメネラーン結晶を39個採掘できた。メネラーン結晶はなかなかレアな結晶なので,今回は運がよかった。これらを適当なステーションの交易商に売り,49万7298クレジットを手に入れた。最初の5000クレジットと合わせると,50万2298クレジットとなり,起業資金としては十分な額だが,ステーションを建設するにはまだ足りない。
しかし,効率よく安定的に収入を得るにはひとりの力では限界がある。あれこれと手を広げていくため,従業員を雇うことにしよう。
宇宙を股に掛ける“なんでも屋”S.K.Yカンパニー爆誕
50万クレジットを元手に設備投資し,事業を拡大することにした。今までは個人事業主みたいなものだったが,これからは社長として従業員に頑張ってもらう。
まず必要なのは宇宙船だ。前述したクレジットを稼ぐ手段「鉱石採掘」事業を起こすことにしたので,必要なのは「鉱石採掘船」となる。
宇宙船を入手する方法はいくつかあるが,一番簡単なのはクレジットで各勢力に発注する方法だ。軍事力に転用できる宇宙船は各勢力から信頼される必要があるが,民需用の宇宙船なら自由に購入できる。ちなみに文明・勢力によって売っている宇宙船は異なる。同じ見ためでも性能が違ったりもするので,購入するときは要注意だ。
記念すべき採掘船第1号は,テラディ文明の財務省という勢力から購入できる「マノリナ(採掘)センチネル」にした。速力はそこそこだが,積載量が多いため効率が良い。必須のパーツだけを搭載する最小構成で発注した。乗組員の手配料込みで24万5813クレジットと,総資産の半分を投入した。そして1分後,我が社の採掘船第1号が完成して納品された。
納品された後に気づいたのだが,この1号機,採掘船なのに採掘用のウエポンを搭載していない。就役後しばらくして気づいたので,たいへんムダな時間を要してしまった。稼働させる予定のセクターにアルゴンの埠頭があったので,そこで採掘ドリルMk1と中型採掘タレットMk1を追加注文する。6万5699クレジットの出費だ。
しかしこれで採掘事業が立ち上がった。従業員を雇ったことで,採掘船は自分で操縦せずとも勝手に採掘して,需要があるところに勝手に売ってくれるので,自分は寝ていても収入が得られる。
今回はもっとも需要が大きい「鉱石」の採掘で,1時間当たりの稼ぎは約48万クレジットほど。それを元手にさらに採掘船を購入して収入を増やしていく作戦だ。
憧れの宇宙ステーション建設
採掘船も2隻目が就航し,収益も順調に上がって,そろそろ本社ビル……もとい,本社宇宙ステーションを建設していくことにする。
宇宙ステーションの建設に必要なのは「場所」「設計図」「資材」「建築船」だ。
この宇宙において宇宙の領域(セクター)は各勢力が占領している。戦争の末,管理する宇宙ステーションが破壊され,中立となるセクターもあり,そこをプレイヤーが占領することもできる。今回,本社を建設するのはアルゴン勢力が領有するアルゴンプライムという場所だ。
領有している勢力がいる場合は建設許可(ライセンス)を購入しなければならない。このライセンス価格も厄介なもので,ジャンプゲートが近いなど便利な場所であればあるほど価格が上がる。駅前一等地みたいな立地が希望なのだが,予算的に難しいので最安値の6万4000クレジットのエリアを購入した。
次に必要なのは設計図だ。最低限の設計図は初めから所有しているが,防衛施設や製造施設,造船施設といった,より高度な施設を設置したければ,どこかの勢力から設計図を購入する必要がある。将来的には,そうした設備を配備したより大きな宇宙ステーションにしたいが,現状は「エネルギーセル製造モジュール」と「ドッグエリア」を設置するのが精いっぱいだ。
建設に必要な資材はステーションにお金を預けておくとNPCの交易船がやってきて売ってくれる。自前の生産設備を持っていれば,そこで製造した資材を利用することもできる。
最後に建築船だが,これは自前で用意せずとも各勢力が所有している建築船をレンタルすることができる。自前で用意すると1000万クレジット以上掛かるが,レンタルなら1回の建築で5万クレジットと格段に割安なので,よほど自前に執着しているのでもないなら,レンタル一択だ。
今回の建造は非常に簡素な作りだが,資材費で115万クレジット,ライセンス料で6万4000クレジット,建築船レンタル料5万クレジットの計126万4000クレジットかかった。しかもこれだけだとまともな収益をあげられる設備がないので,製造設備などを追加していくともっと費用が掛かるだろう。
とはいえ,S.K.Yカンパニーの本社宇宙ステーションはここに完成した。本レポートはいったんここで区切りとなるが,今後はもっと本社機能を充実させ,宇宙を裏から牛耳る宇宙企業として暗躍したい。
「X4: Foundations」公式サイト
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