インタビュー
[インタビュー]「三國志 覇道」久々の勢力戦“六勢雄争”の幕開け。AI翻訳ありのグローバルサーバーで越境戦に臨もう
前回シーズン「鏡光命運」では,仙鏡を駆使することで有利不利につなげる軍団戦が行われたが,今期は久々の勢力戦となる。
大陸内の勢力は計6つ。プレイヤーは軍団の垣根を飛び越えた勢力として肩を寄せ合い,生き残りをかけて他勢力とぶつかる。これまで何度も調整されてきた勢力戦だが,2024年最後の大戦はどうなるか。
今回も新シーズンの概要をはじめ,新規LR武将「皇甫嵩」「英布」「小喬」,1人で楽しめる新コンテンツ「迎撃戦」,さらにアジア圏混合の“グローバルサーバー”などについて,おなじみの覇道プロデューサーの伊藤幸紀氏に話を聞いてきた。
[インタビュー]「三國志 覇道」がサービス4周年。年数を重ねた今の開発事情や,好きなLR武将をもらえる周年企画について聞く
コーエーテクモゲームスのスマホゲーム「三國志 覇道」が,2024年9月15日にサービス4周年を迎える。今回は4年経った現況や今後の展望,新シーズン「鏡光命運」などについて,プロデューサーの伊藤幸紀氏に話を聞いてきた。
「三國志 覇道」公式サイト
「三國志 覇道」ダウンロードページ
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久々の勢力戦「六勢雄争」
4Gamer:
「三國志 覇道」のあるクリスマスも今年で4回目。
2024年も師走が近いですが,心境はいかがでしょう。
伊藤幸紀氏(以下,伊藤氏):
今年は大きな不具合もなくすごせそう,と思っています。
これから年末年始の施策を仕込んでいきますので,プレイヤーの皆さんには2025年も引き続き楽しんでいただきたいですね。
4Gamer:
年末年始の施策の数は,例年と比べてどれくらいでしょう。
伊藤氏:
キャンペーンの量は昨年とほぼ同等ですが,大きなチャレンジとして“覇道初のグローバルサーバー”を開設します。
4Gamer:
本年最後の目玉ですね。詳しくは後述としつつ。
先日のサービス4周年時,印象深い出来事などはありましたか。
伊藤氏:
パッと思いつくのだと,9月に開催したオフ会「4周年の宴」の直前で,ゲームサーバーが重くなっていたことでしょうか。
私はオフ会の開催前,開発から「サーバー負荷の問題が解決した」と連絡を受けて胸をなで下ろしていたのですが,当日の壇上で演者さんから「今日もサーバーが重いのはなぜですか?」とツッコまれました。さらに参加者の方々も一斉に大きな拍手で乗っかりまして。
会場の空気的に,その日もまだサーバー負荷が解消されていなかったことをすぐに察したため,「急いで確認して知らせます」と伝えたんですよね。あの日はものすごくキモが冷えました。
4Gamer:
不具合は問題ですが,温かい愛され方はなによりで。
伊藤氏:
生放送に出演してくれているゲストの箱崎みどりさん,松本 忍さん,MCの植松哲平さんは,節度を守りつつもぶっ込むところはぶっ込んでくれる中立的な立場で,プレイヤーの声をしっかりと代弁してくれるんです。そのありがたさをあらためて感じた一幕ではありました。
4Gamer:
昨今の生放送施策ではとくに,公式あるいは公認の関係者であろうと,そうした中立的な代弁者の存在が大切ですもんね。
おかげでメーカー側は片方によることを避けられますし,プレイヤー側も共感や不満の解消ができて,見ていて単純に楽しいでしょうし。
伊藤氏:
そうですね。そういう立場でいてくれる方々と一緒に生放送を続けられているのは,すごくありがたいことです。
4Gamer:
ではゲームの話に入りましょう。
まずは前回シーズン「鏡光命運」の感触はいかがですか。
伊藤氏:
個人プレイでアイテムを集めて完成させる「仙鏡」の要素が,既存の軍団戦にひと味加えたことで好評でした。1人で遊びつつも,軍団に影響を与えられるという点も狙い通りでしたね。
ただ,軍団規模で扱う「神仙鏡」については,一部のものを強力にしすぎて,ゲームバランスの反省点が生まれました。
それと第3期の開始当初,よりランキング変動を楽しんでもらおうと取り入れた順位入れ替え用の逆転要素が,意図通りにはいきませんでした。当初は多くの軍団に「これなら最後だけ動けばいいか」と思わせてしまい,消極的な膠着状態になってしまったんです。そこはすぐに修正したものの,一部期間は停滞感を味わわせてしまったかもしれません。
4Gamer:
鏡光命運などはいわば,デフォルトルールの改良版ですよね。ここ3シーズンは同系統の施策でしたが,見えてきたことはありますか。
伊藤氏:
それぞれ独自要素を加えて変化をつけて,シーズンごとの楽しさを生み出せたと思います。ただ,ルールの大枠が洛陽争奪であったことで,上級者ほど「初動はこういう動きすれば効率的」といった最適化の空気感が漂っていました。ここは我々の読み間違いですね。
4Gamer:
追加要素をつけても,動き方のパターンまで変化させるには,おそらく何種類かの土台が求められるんでしょうしね。そうしたことを経ての次なるイベントは,久々の勢力戦とのことで。
新シーズン「六勢雄争」はどのような内容になるでしょう。
伊藤氏:
今季は各軍団を6勢力に振り分けて,勢力間で争ってもらいます。今シーズンも3期制で,1期ごとに下位の2勢力が脱落していき,最終的に2勢力でぶつかり合うことになります。
純粋な勢力戦は(漢朝激震などの変化球をのぞけば),2022年3月開催の「九龍相克」以来です。
4Gamer:
勢力数を6つにした理由はなんでしょう。
伊藤氏:
ベースのマップを大きく6地方に分けているのが最大の理由で,あとは多すぎず少なすぎずの数が6つくらいと考えたからです。
また,以前は敗退勢力がそのまま上位勢力に合併されていましたが,今回は“軍団単位で残存勢力に振り分けられる”構造にしました。これにより,最後まで流れが読めない展開になるはずです。
4Gamer:
乱世感ありますね。ちょっとピンときたのは,それこそ武将プレイ制の「三國志8 REMAKE」などのように,滅びた軍団が放浪軍になったり,手を組んで勢力を旗揚げしたりといった形も考えられそうな。
肝心の談合問題を避けられないので,現実的ではないでしょうが。
伊藤氏:
そうですね。過去に漢朝激震で独立勢力の立場を用意したことはありますが,自分たちで旗揚げさせるとそこが大きな課題になってしまいます。それを解消できるアイデアがあるかどうかですね。
4Gamer:
さらなる新要素としては「局所戦」も導入されるとかで。
伊藤氏:
最近,問い合わせで「強い軍団にいるけど,個人としては弱くて,気軽に攻城戦に参加できない」といった声をいただいていました。そのため,個人でも遊びやすい要素をと考えたのが局所戦です。
こちらは毎日一定の時間帯に,2勢力間で発生する陣取り戦で,個人で参加できます。味方は同勢力の同じような個人参加の人たちで,相手も同様。勝敗は,制限時間内に相手の局所陣を落とすことで決し,報酬の軍略Ptを得ることで,軍団全体で使える「軍略」を獲得できます。
1人で参加しても,同勢力の仲間たちと協力プレイができて,さらに勢力間争いにも貢献できる作りを目指しました。
4Gamer:
ちょうどいい具合のコンテンツなんですね。
伊藤氏:
ええ。これは前シーズンのような軍団戦だとあまり機能しませんが,勢力のようなくくりがあると成立する気がしたんです。
4Gamer:
あらためてですが,今回はなぜ勢力戦に踏みきったのでしょう? 勢力戦は過去,お祭り騒ぎの楽しさの反面,課題を残すことも多かったかと思われます。それらが解消されたのが今と見ていいのか。
伊藤氏:
解決できそうなアイデアが出てきて,試してみようとなったのも一因ですが,単純に「(軍団戦中は)勢力戦がやりたい」「(勢力戦中は)軍団戦がやりたい」の意見がわりと多いからですね。
ここしばらくは軍団戦が続きましたから。ならばということで。
4Gamer:
振り子の反動ですね。できない時期ほど欲求って膨らみますし。
ちなみに,アイデアの出どころは開発チームでしょうか。
伊藤氏:
そうです。世代替わりしてきた開発内の若手スタッフたちが,それぞれ関心のあるものと覇道を結びつけて,あれこれ考えています。
4Gamer:
心強い。大型アップデートではさらに「攻城戦で防衛側が戦いやすくなる改修」も適用するようですが,具体的にはどうなるのでしょう。
伊藤氏:
Cランク以上の主要都市に“城壁の耐久を回復”できる「工作要所」を追加します。工作要所の占拠中は,城壁が攻撃を受けていないときに限り城壁耐久を回復でき,城壁を防衛している部隊数に応じて回復量が高まります。またCランクの都市に,防衛側にとって有利な効果を発揮する「祭壇」を恒常配置としました。
さらに今回の改修で,C〜SSランクの主要都市では祭壇の種類は分かるものの,位置が出現時まで伏せられるため,攻城戦前から攻め方を示し合わせられないようになります。
4Gamer:
攻め側有利は覇道の常でしたが,手を入れた理由というのは。
伊藤氏:
最近のデータで,「(本気でやったら)攻撃側が8割近く勝利する」という値が浮き彫りになっていたからです。
ここをいきなり変動させるのは難しいので,まずは7割勝利くらいにまで持っていけないかとしたのが,この調整です。
4Gamer:
開発内でもテストしているかと思いますが,最新の勝率は?
伊藤氏:
今日のテストプレイの結果だと,3回やって攻撃側が全勝だったため,現状の調整ではまだまだ攻撃側有利ですね。
けれど,ここはアップデート当日まで調整していくつもりなので,実際にどうなるかはその日まで期待していてください。
ローグライクな1人用コンテンツを追加
4Gamer:
ここからは新要素の話です。
まずは新たなLR武将「皇甫嵩」「英布」について教えてください。
伊藤氏:
皇甫嵩はUR版が対物特効の高さで人気があるため,そのイメージを崩さないよう,対物アタッカーとして純粋に強化しました。
英布(えいふ)は,黥布(げいふ)とも呼ばれた楚漢時代の武将で,戦い好きの由来に則った性能にしました。具体的には,英布の部隊は回復可能な負傷兵が発生しない代わりに,受けたダメージに応じて戦法の発動速度が速まるような攻撃的性能がウリとなっています。
4Gamer:
英布はさまざまな作品で“特徴的な顔”(刑罰による顔面刺青)で描かれることの多い人物ですが,ビジュアル的にはどうでしょう。
伊藤氏:
そこもちゃんと考慮して,当社らしいデザインを模索しました。ちゃんとシブサワ・コウの「三國志」らしい絵になっていますよ。
4Gamer:
加えて,シーズンLR武将「小喬」の特徴はどうでしょう。
伊藤氏:
小喬はシーズン武将で初のLRとしての提供となります。
火属性のダメージをトリガーに敵を弱化させる効果など,基本的には周瑜との相性を良くしました。
4Gamer:
シーズン武将のLR提供に伴い,今後は超求賢令でも「新規UR武将の追加はなし」とのことですが,これはどのような意図でしょうか。
伊藤氏:
端的に,URで出したい武将が減ってきたためです。もちろん出せるには出せるのですが,正直なところUR自体が求められない環境になってきたので,今後はシーズン武将も含めてLR提供を中心にしようと決めました。なにより,LR武将をより手に入れやすくしたかったので。
4Gamer:
シーズンLR武将のバランス感はどうでしょう。LR武将よりもダウン調整で,UR武将よりも強い,といった調整はあるのか。
伊藤氏:
そこはわざと弱めたりはせず,将星を高めていけば通常のLR武将と同等の強さになるようにします。収集自体は気長に待ってもらうことになりますが,立派な戦力として扱ってもらえるはずです。
それに,小喬が弱いとプレイヤーさんに怒られそうですしね。
4Gamer:
想像に難くないですね。
さらにここでも新たな1人用コンテンツとして,PvEイベント「迎撃戦」が実施されます。こちらはどんな内容ですか。
伊藤氏:
迎撃戦は1人用イベントで,遊びとしてはタワーディフェンスです。挑戦中はWAVE制で迫ってくる敵部隊から都市の要所と本陣を守り抜き,WAVEクリア時に“ランダムに3つ提示される策略から1つを選択”して強化を重ねていき,どこまで戦い進められるかを競います。
選べる策略はそのときどきで異なり,取捨選択次第で戦局もガラッと変わるため,いろいろと試行錯誤して楽しんでください。
4Gamer:
ローグライクのあれですね。
プレイモードというか,コースの難度や種類はありますか。
伊藤氏:
いえ,1種のみです。基本は先に進むほどに難度が上がっていく,いわゆるサバイバルモードのような仕立てにしています。
攻略には武将資産も影響しますが,ランダム要素と判断次第で揺らぎが生まれるので,初心者の方々もぜひ挑んでみてください。
4Gamer:
こちらは期間限定での提供ですか。
伊藤氏:
そうです。掃討戦イベントなどと同列の提供方法となります。
初回は年が明けてからの開催を想定しています。
4Gamer:
今季は先ほどの局所戦に加えて,迎撃戦も1人で遊べるとなると,プレイのかみ合わせが悪くなるなどの懸念は?
伊藤氏:
そこは大丈夫だと思っています。
この2つは同じ1人用でも,局所戦は開催時間が決まっていますし,迎撃戦とも遊びの質が違います。それに,これまでも1人用コンテンツを提供したことはありましたが,「もっと欲しい」の声はまだまだ届くので,12月シーズンは2つの異なる1人用プレイで応えることにします。
4Gamer:
それでは,そのほかのアップデートについてもいくつか。
まず「LR武将の友好度を交流で獲得可能」になるんですね。
伊藤氏:
プレイヤーの皆さんからは長らく要望されていましたが,先日のオフ会でも「(時期は言わずとも)やります」と宣言していましたので,今年も佳境なこの時期に追い込みで対応しました。
4Gamer:
対象のLRは全種類でしょうか。あるいは区分けがあるのか。
伊藤氏:
区分けを設けます。一定時期までのLR武将をラインナップして,そこから対象を複数人選んでもらう仕組みです。取得できる友好度は,高いときは250・500の場合もあるので,ガチャ感覚で楽しんでください。
4Gamer:
あとは「LR武将の編制時,主将はUR以上の武将にしなければならない」というルールが追加されるそうで。おそらく,多くの人には現実的ではないものの,メタ的な組み合わせがあることへの抑制ですかね。
伊藤氏:
そのとおりです。UR未満の武将とLR武将の一部組み合わせが,なかなかに嫌がらせ性能が高いことが発覚しました。
これを生み出したのは我々の落ち度であり,申し訳ないところなのですが,大半のプレイヤーには影響がないはずなので,想定外の仕様だったということで新たなルールを設けさせてもらいます。
グローバルサーバーついに開設
4Gamer:
ここからはサーバー動向の話です。
今季はなんでも「グローバルサーバー」を開設するとのことで。
伊藤氏:
日本版と繁体字版の既存サーバーのうち1つずつを合体し,アジア圏混合のグローバルサーバーを開設します。
この計画は長らく思案していて,当初は4周年の9月ごろに実装するつもりでしたが,結果的に形にするのに1年近くかかりました。
4Gamer:
地域ごとのサービス状況のズレはどうなるのでしょう。
伊藤氏:
以前の繁体字版は,日本版と比べてサービス提供に多少の遅延がありましたが,これのために時間をかけて帳尻を合わせてきました。以降は運営内容も同一にするため,地域ごとのズレもなくなります。
ただし,日本版には日本版だけの,繁体字版には繁体字版だけの限定武将をカルチャライズ的に提供していたため,しばらくは未登場武将の入手機会を設けたり,イベント使用を制限したりはします。
4Gamer:
知らない武将が前線に現れた,なんて展開もおもしろそうな。
伊藤氏:
状況によっては,そういうことも起きうるかもしれません。
4Gamer:
グローバルサーバーには「日本側は100人」「繁体字側も100人」といった,地域ごとの人数制限はありますか。
伊藤氏:
ありませんが,今回は参加希望者の意見を収集しているので,まずは半々くらいの人数バランスでスタートさせる予定です。
4Gamer:
ゲームの攻略法は同質でしょうが,地域ごとに「ゲームプレイヤーとしての性格」は違うと言われます。その差は出そうですかね。
伊藤氏:
出るでしょうね。実際にどうなるかは私もまだ分かりませんが,もしかしたら「タイルキル上等」だったりするかもしれませんし。
というのも,繁体字版は対象地域に向けてローカライズしていたので,一部仕様が異なっているんです。それも9月からのアップデートで日本版にそろえたため,繁体字版の方々は不都合を感じているかもしれませんが,この機会に同一ルールを体験してもらえればと思っています。
4Gamer:
グローバルサーバーでは「AI翻訳機能」も用意されるんですよね。
伊藤氏:
はい。チャットは日本語でも繁体字でもAI翻訳を介せるので,双方でコミュニケーションを取れるようになっています。
4Gamer:
AI翻訳の精度はどれくらいのものですか。
伊藤氏:
現状だと「交流には十分問題ないと感じられる」くらいでしょうか。固有名詞についてはほぼ問題ありませんし,もしも翻訳が怪しかったなら,それもまた今後の修正対象にしていきます。
4Gamer:
ちなみに御社の場合,往年のPCオンラインゲーム時代から数えて,こうしたAI翻訳を導入したゲームってありましたか。
伊藤氏:
いえ,なかったかと思います。
4Gamer:
最新技術ですもんね。用意したのはおそらく御社のフューチャーテックベースかなと思いますが,この技術はコーエーテクモゲームスの今後のオンラインゲームにおける,1つの基盤にもなりそうですね。
使い回しの可能性はいろいろと考えられるでしょうし。
伊藤氏:
いろいろ考えていきたいですよね。そもそもアジア圏で運営するゲームは時差がほぼありませんし,こうした技術が発達していけば,地域ごとにビルドを用意する必要もなくなりそうですよね。
4Gamer:
ワンビルドにAI翻訳をかませてグローバル配信と。
究極,UIデザインなどもすべて適用できれば本当にいけそうな。
伊藤氏:
まあ,現状はテキストデータの翻訳にしか対応していませんけどね。例えば,UIやタイトルロゴなどの文字はイラストデータで作られることが多いので,リソースをすべてテキストデータで作る,あるいはイラストデータに干渉できる技術でもないと,直近では難しいでしょう。もう少し先の未来なら,なにか手段が生まれているかもしれませんが。
4Gamer:
フォントの選定だったり,日本語と英語の文字数の違いでレイアウトが崩れたりとか,課題もありそう。
伊藤氏:
右から読むアラビア語とかも,どう対処するんだろうと。
4Gamer:
とりあえず,未来への一歩前進が見える試みです。
しかしグローバルサーバーとなると,年末年始などの日程感は同じとしても,「繁体字勢は春節の時期は城がガラ空きだ!」とか,伝統のスケジュール差を生かした攻防戦の駆け引きも生まれそうな。
伊藤氏:
あるかもしれませんが,前提として日本vs.繁体字圏という構図ではないので,肩を並べてもらっても戦ってもらっても構いません。
4Gamer:
ああ,勝手になんとなくバーサスな構図で考えてしまっていましたが,そうですよね。ただ混じり合って遊ぶって話ですもんね。
伊藤氏:
私も覇道のリリース当初は,気付けば香港のプレイヤーと一緒に遊んでいましたからね。その人たちはいろいろな手管を駆使して,日本版に潜り込んでいたわけですが。とにかく双方,これまでとは違う関わりで,なんらかの刺激を与え合ってくれるんじゃないかと思っています。
あとはとにかく,大型アップデートのメンテナンス直後に,待ちに待ったグローバルサーバーによるうれしい盛況でサーバーが飛ばないよう,プレイ環境の保守をできるだけがんばります。
4Gamer:
グローバルサーバーは一覧表で,大々的なトップで置かれるのか。あるいは末尾に置かれるのか。見せ方はどうなりますか。
伊藤氏:
サーバーに順列をつけるつもりはありませんが,分かりやすいようにとップに置いています。
4Gamer:
その点,今回は「サーバー名も一新」するんですよね。
伊藤氏:
前回のインタビューでも話しましたが,サーバー名は長年の悩みで,最近は「名称だけ見ても分からない」という人たちが増えていたので,この機会に一新することにしました。
今後は“勢力名と武将名”で表記します。刺史サーバーは「魏」,新サーバーは「蜀」,初心者サーバーは「呉」です。グローバルサーバーについては,魏・曹操といった感じです。
4Gamer:
世の中では「魏呉蜀」の語順が一般的ですが,なぜ魏蜀呉にしたのでしょう。エンタメ界隈的にはまあ分かるのですが。
伊藤氏:
最大のネックが「呉の有名武将」だったからですね。呉は長年の三国志ファンでないと,意外とピンとくる武将が多くなくて。
もちろん,多くの三国志ファンは武将を思い浮かべられるでしょうが,刺史サーバーや新サーバーはそれなりに総数があるため,分かりやすい有名武将の総数を加味して,この順にしています。
4Gamer:
確かに。おじさんだらけなのが三国志武将というものですが,呉は一歩踏み込んで,(イメージ的な話で)おじいさんだらけ感もありますしね。ソンケン,ソンケン,ソンケンと並んでも視認性に困りそう。
伊藤氏:
新規サーバーに関しては孫堅一族にしますよ。
4Gamer:
なるほど。そしてサーバー名の一新とともに「全軍団を解体」するとのことですが,こちらはどのような狙いがありますか。
伊藤氏:
解体と言うと大げさで,既存の軍団長がサーバー移行後に軍団を立ち上げれば,初回のみ同じ軍団が立ち上がります。みんなで示し合わせて移動してもらえれば,今まで通り遊べるのでご安心ください。
そのうえで,これまでは同じサーバーに居続ける軍団もそれなりにいたので,命名規則も変えたこの機会に,そうした人たちも流動してくれないだろうかと,こうした流れにしてみました。
軍団を解散させる意図ではないので,そこもご安心ください。
4Gamer:
さらに,サーバーごとの君主数もより均等になるよう調整するそうですが,具体的にどのような手段を取るのでしょう。
伊藤氏:
サーバーごとの「盛況/満員」の判定基準を引き下げます。これまでもサーバー人数の均等化に努めてきましたが,最近はまたバラつきが見えてきたので,単純に定員数を下げることで平均化します。
4Gamer:
物理的かつ効果的な解決法になりそうですね。
続いて,2024年ラストのキャンペーン情報を教えてください。
伊藤氏:
クリスマス,年末,年始の3つの期間にわたってログインボーナスを実施するほか,忙しい時期でもログインが楽しみになるような施策を用意します。限定イベント「名士紹介人来訪 クリスマス」では,繁体字版の限定武将だったUR 鄭成功,UR 高長恭の友好度を獲得できます。
4Gamer:
恒例のクリスマス黄巾討伐も?
伊藤氏:
いえ,今回はイベント提供のサイクル的に難しいため開催しません。
個人的には門松黄巾でもなんでもいいのですが,グローバルで同一サービスを開始する今だと,さすがにちょっと日本的すぎますね。
4Gamer:
そういう「日本から見る三国志」と「中国などから見る三国志」は,流行したエンタメの影響もあって,いろいろズレがあるとよく言われますよね。これも一昔前のスマホゲーム業界における三国志テーマの扱いで,ある程度は共通認識ができていそうですが,グローバルサーバーで直接交流できるようになると,三国志研究のディテールも増しそうな。
伊藤氏:
とくに当社は「中国の三国志でいろいろやっている企業」と見られていますしね。向こう側の意見はぜひ聞いてみたいです。
4Gamer:
では最後に。来年2025年の抱負を聞かせてください。
伊藤氏:
毎年言っていると思いますが,「あと1年をまた続ける」というところに終始します。開発メンバーも若返りの成果が見えてきて,徐々に新しいアイデアを生んでくれるようになりました。
運営に関してもしっかりとやりつつ,適度に生まれた不具合にはちゃんとお詫びを用意しつつ,引き続きゲーム内や生放送,オフ会などのイベントで,プレイヤーの皆さんと一緒に成長していきたいです。
まずは5周年まで,運営一同がんばります。
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(C)2020-2023 コーエーテクモゲームス All rights reserved.
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