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F2PアクションRPG「Path of Exile 2」,PS5版の序盤をプレイしてきた。開発を率いるジョナサン・ロジャース氏の合同インタビューも掲載
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印刷2024/06/08 19:44

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F2PアクションRPG「Path of Exile 2」,PS5版の序盤をプレイしてきた。開発を率いるジョナサン・ロジャース氏の合同インタビューも掲載

 Summer Game Fest 2024に先立ち,アメリカ・ロサンゼルスにて,Tencent(Level Infinity)がアクションRPG「Path of Exile 2」PC / Mac / PS5 / Xbox Series X|S)のメディアイベントを開催した。会場では,アナウンスされたばかりのPlayStation 5版をプレイすることができた。

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「Path of Exile 2」公式サイト


 2013年,ニュージーランドのGrinding Gear Gamesが世に送り出した「Path of Exile」と言えば,30本を超えるDLCをリリースし,ライブサービスとして根強い人気を誇るアクションRPGだ。2019年には大型アップデートをアナウンスするものの,その規模が大きくなったことから,2023年にスタンドアローンの新作「Path of Exile 2」として発表した(関連記事)。
 2024年末にアーリーアクセス版の公開が予定されている。


 「Path of Exile 2」は前作以上に膨大なコンテンツを抱え,キャンペーンは全6章の構成だ。前作の6クラス(モラウダー,デュエリスト,レンジャー,シャドウ,ウィッチ,テンプラー)に,モンクやドルイド,ハントレス,ソーサレス,マーセナリー,ウォーリアーを加えた計12クラスとなる。それぞれにアセンダンシークラス(上位進化型クラス)が用意されたことで,槍やクロスボウ,フレイルといった新しい武器タイプも登場することになった。

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 また,100種以上のボスキャラクターと対峙することになるが,アクティブスキルジェムは240種,サポートジェムは200種,そしてスキルツリー形式のパッシブスキルは2000種にも及ぶ。このスキルツリーは各クラスに最適なものがロックされているが,ある時点から別の枝のスキルもアンロックが可能になるとのこと。こうして“デュアルスペシャライゼーション”を持つ,複合型クラスへと発展させていく。

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 筆者はモンクやソーサレスといったキャラクタークラスを選び,Lv10程度までプレイした。クラスを選択すると,絞首刑台で処刑される直前のキャラクターが解き放たれ,城壁を乗り越えて大河に身を投げ出すというシーンから始まる。
 その後,浜辺ではなく沼地のような場所に打ち上げられ,拾った武器でザコ敵と戦うことになるが,元は“ミラー”という人間だったと思しきモンスターが最初の難敵となる。

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 「Path of Exile 2」は総合的にグラフィックスやアニメーションのクオリティが向上し,アクションのスピード感も増している印象だ。最大の特徴と言えそうなのが,前後左右のロールができるようになったことだろう。さまざまな攻撃手段を持つボスたちに対し,「DARK SOULS」のように間合いを取って相手の攻撃を回避しながら反撃の機会をうかがうという戦い方が加わっている。

 バトル中に湧き出てくるミニオンたちに対しても,同様にロールは効果的だ。とくにボス戦では常にロールしながら攻撃を仕掛けると,マナの減少を抑えながら戦える。
 ただし,ボスの攻撃手段を把握するまでには何度かキルされることを覚悟したほうがいい。

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 プレイヤーが最初に到達するハブは,鍛冶職人のレムリー(Remly)やウーマ(Uma)という女性がいる小さな村,The Clearfell Encampmentだ。前作同様,セーフゾーンではほかのプレイヤーも確認できるが,屋外に出るとインスタンス化されている。キルされるようなことがあれば,屋外マップの配置も微妙に変化する。
 ともかく,この村でレムリーやウーマからミッションをもらい,The Old ForestやThe Red Valeといった地域をアンロックしていくという流れは,「ディアブロ」シリーズなどでもお馴染みだ。

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 ジェム関連の改良点もいくつも挙げられるが,これまでのアイテムにあったソケットがなくなり,ジェムはアクティブスキルのタブに移動している。インベントリのアイテム群もスッキリして見やすくなった印象だが,それだけジェムの発生率が増えているのかもしれない。
 また,アクティブスキルにセットされたジェムは,ベースにいるジュエラーを介して取り外しや交換ができるようだ。

 新たなリソースとして「Spirit」が加わり,バフやオーラをリザーブしてメタジェムの効果発生確率を上げていく。メタジェムは,従来のサポートジェムだけでなくアクティブスキルジェムでもサポートできるようだが,このあたりは十分に検証することができなかった。

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開発者の合同インタビュー


 今回のイベントでは,Grinding Gear Gamesの創設メンバーの一人であり,ディレクターとして「Path of Exile」シリーズの開発を統括するジョナサン・ロジャース(Jonathan Rogers)氏に各国のメディアと一緒に話を聞くことができた。その内容を紹介しておこう。

Griding Bear Gamesのディレクターであり,創設者の一人として「Path of Exile 2」を開発しているジョナサン・ロジャース氏
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――「Path of Exile 2」はPlayStationとXboxプラットフォームでも同時ローンチを予定しています。さらに,カウチCo-opをサポートする意義を教えてください。

ジョナサン・ロジャース(以下,ロジャース氏):
 しっかりと念を押しておきたいのは,「Path of Exile」がPCゲームだったからと言って,コンシューマ機のゲーマーを下級市民のように扱いたくはないということです。コンシューマ機は何が楽しいかというと,やはりフレンドとオンラインでつながるだけではなく,テレビの前に一緒に座ってプレイできることではないかと思ったのです。

――Free-to-Play型のビジネスモデルを採用されている理由は?

ロジャース氏:
 我々が拠点にしているニュージーランドはアジアにも近いですが,Grinding Gear Gamesが設立された2006年にはF2Pのビジネスモデルを採用しているPCゲームがそれほど珍しいものではなく,「Path of Exile」をリリースするにあたって大きな決断をしたという実感はありません。
 まだ駆け出しでしたが,とにかく自分たちのゲームを作りたいと思って起業したので,「良いビジネスをしたい」ではなく「良いゲームを仕上げたい」というのがモチベーションになりました。それは今も変わりません。面白いアクションRPGで楽しい時間を過ごしたい,それだけだったんです(笑)。

――そうした背景があったからこそ,熱狂的なゲーマーコミュニティができあがっているとお考えでしょうか。

ロジャース氏:
 そう思います。しっかりとビジネスモデルをオプティマイズしていれば,我々も大金持ちになっていたかもしれませんが,10年以上続くライブサービスとして皆さんの評価を得ることはできなかったでしょう。ゆっくりと成長していったことで,開発元として我々も順応できました。昨年初めには,プレイヤーの同時接続者数が過去最高を記録しています。

――「ディアブロ IV」がリリースされる直前でしたね。

ロジャース氏:
 我々自身,宣伝に長けているメーカーだと思えないのですが,「ディアブロ IV」の情報が発信されていく中で,プレイヤーの誰かがソーシャルメディアで「Path of Exile」と比較するようなコメントを残し,それが認知につながったのではないかと感じています。
 我々もここまで長寿ゲームになるなんて思っていなかったから,驚くばかりでした。大それたことを言うと,同時期に発売することができていたら,もっと面白い状況だったかもしれません(笑)。

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――確かに,大型アップデートの予定だった「Path of Exile 2」をスタンドアローンとしてリリースすることを2023年にアナウンスしています。

ロジャース氏:
 ええ。そして,オリジナル作品の運営を終了しないことも明確にしています。プレイヤーの皆さんが大切にしているものを取り上げることなんてできません。我々にとって負担ではありますが,良い負担だと思っています。

――キャラクタークラスが12種に増えていますが,さらにデュアルスペシャライゼーション(デュアルクラス的な要素)も追加されています。

ロジャース氏:
 本作のクラスは,キャラクターの見た目以外ではテクニカルな部分で2つしか違いがありません。
 1つ目は,クラスによって6つの枝があるスキルツリーのスタート地点が違うこと。もう1つは,ゲームの後半に選択するアセンダンシークラスが固定されているということです。
 もちろん,スキルツリーは枝によってアンロックされる内容が違いますから,キャラクターの能力に差が出るのは確かですが,非常にオープンな成長システムだと思います。ステレオタイプなクラス像でもいいですし,最も効果的なスキルを成長させ,自分なりのビルドを追求するのもプレイヤーの自由です。

――なるほど。しかし,自由すぎると混乱してしまうプレイヤーもいるかもしれません。PS5やXboxでプレイする人にとって,扱いやすいクラスはありますか。

ロジャース氏:
 やはりコントローラでプレイするならば,メレークラスがプレイしやすいと思います。キーボードと違って,攻撃だけじゃなく新しい要素であるドッジなども感覚的に操作できるでしょう。
 逆に,ウィッチのようなサモナークラスはバランスの調整に時間がかかりました。ミニオンを特定のロケーションにターゲットさせるといった操作も難しいです。本来であれば今年初めにウィッチを公開するつもりだったのですが,調整のために遅れています。

――アクション面でのインスピレーションはどこから来たものなのですか。

ロジャース氏:
 「DARK SOULS」の影響を受けているのは確かです。あのゲームほどにタクティカル要素やエキサイティングなゲームプレイを追求できていないかもしれませんが,チャレンジングな戦闘はアクションRPGにとって不可欠になりつつあります。
 スローペースな戦闘を望む人もいるでしょうが,プレイヤーがこれまで学んできたアクションや戦術をキャラクターのビルドに合わせて発揮できる,良いシステムだと思います。

――プレイ時間はどれくらいになりますか。

ロジャース氏:
 まだ正確には答えられませんし,プレイヤーによってインベントリやスキルのセットアップ,探索にかける時間は大きく異なります。私が第1章,第2章をプレイしたときは,およそ20時間といったところでしょうか。キャンペーンは全6章で構成されているのをお忘れなく(笑)。

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――100体以上のボスが登場するそうですが,ルックスが非常にいいですね。

ロジャース氏:
 ありがとうございます。プレイヤーが最初に対峙するミラーをはじめ,今回のデモで皆さんが対峙したほとんどの敵は,実際のボスではありません。
 「100体以上」と言うと,属性が違うだけのコピペのモンスターを想像するかもしれませんが,「Path of Exile 2」のボスは見た目や攻撃パターンが異なることを強調しておきます。

――全6章,100体以上のボスというのは想像を絶します。それだけ何度も巨大なボスと戦っていると,いつどんな相手と戦ったのかを忘れてしまうのでは,という危惧はありますか。

ロジャース氏:
 なるほど。確かに,記憶に残るボスを生むことは大きな課題であり,我々がうまくやれていない部分かもしれません。ローンチまでに時間があれば,モンスターを作り込みたいとは思いますね。
 これまでも我々のゲームでは,プレイヤーの皆さんの解釈に委ねるようなストーリーテリングを行ってきましたが,アーリーアクセス版をリリースした後でも検討してみたいです。

――ジェムが多くドロップされるようになった印象があります。これによって,前作では意味をなくしていたドロップアイテムも重要性を持ちますか。

ロジャース氏:
 ええ,ゲーマーの皆さんが少し足を止めていただけると期待しています。オリジナル作品ではクラフトシステムで高性能なアイテムを作成できるため,誰もドロップアイテムに見向きをしない状態でしたから,手直ししたい部分でした。
 アイテムについてはさまざまな改良を加えていますが,プライオリティの高い変更点ですね。

――アクションRPGは競争相手の多いジャンルですが,「Path of Exile 2」の利点をまとめていただけますか。

ロジャース氏:
 先ほどお話ししたドッジのメカニックを組み込んだ戦術性の高いコンバット,それからキャンペーンにおけるボスモンスターの多さ。これは本作の大きな武器になると思っていますし,我々の開発チームは誇りに感じています。
 パッシブスキルは2000種あり,スキルジェムやサポートジェム,さらに細かいスキルツリーもあるので,プレイヤーがこれほどカスタマイズにこだわれるRPGはないでしょう。

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 年内にはアーリーアクセス版のリリースが予定されている「Path of Exile 2」だが,公式サイトは日本語版として運営しており,ローンチから日本語でプレイできる見込みだ。Steamストアページも公開されているので,気になる人はウィッシュリストに追加しつつ,コンシューマ機版のリリースも楽しみにしておこう。


「Path of Exile 2」公式サイト

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