プレイレポート
[プレイレポ]「ディアブロ IV:憎悪の器」で追加される新クラス「スピリットボーン」を事前プレイ。精霊の役割や手触りはいかに?
拡張パック「憎悪の器」は,本編で大悪魔メフィストを封じたネイレルと共に,第6のエリア「ナハントゥ」で戦いを繰り広げるという内容だ。新たなストーリーはもちろん,シリーズを通してまったく新しいクラス「スピリットボーン(Spirit Bone)」が登場することでも話題になっている。事前体験会は,この新クラスをいち早くプレイできるというもので,それ以外の要素については未公開のままとなっている。
また,今回のイベントではBlizzard社内のツアーも実施されたが,実は「Overwatch」の発売前にも同様にプレス向けのツアーが行われており,4Gamerではその模様をレポートしている。
「Overwatch」を制作するBlizzard本社をじっくりと探索。ゲームデザイナーのキャプラン氏に開発秘話なども聞いてきた
Blizzard Entertainmentは,2016年3月22日に南カリフォルニア州アーバイン市にある本社ビルにて,「Overwatch」に焦点を当てたプレスイベントを開催した。イベントでは,ゲームデザイナーのキャプラン氏に開発秘話などが聞けたほか,Blizzard社内ツアーも行われたので,その模様も交えながらお届けしよう。
当時と比べるとミュージアムの展示などに変更はあるものの,お馴染みの「Orc Statue」などは健在だ。また,キャンパス内には新たにリリスの像が設置されていた。このリリス像にはハードモードでもっとも早くLv100に到達した1000人のプレイヤーの名前が刻まれている。ご存じのプレイヤーも多いと思うが,これは全プレイヤー向けに行われたハードコア・チャレンジの結果が記されたものだ。
※スクリーンショットはすべて開発中のもの
「ディアブロ II」経験者にとって懐かしく,そして新しい舞台「ナハントゥ」
ツアーと新クラス「スピリットボーン」について開発者からのプレゼンが行われたあと,キャンパス内をしばらく歩いた先の建物(とにかく敷地が広い)でさっそく試遊となった。
ここで使えたスピリットボーンはLv30のキャップが設定されており,テンプレート的に異なるビルドで作成された4体のLv30キャラが用意されていた。さらに,プレイ時間もおよそ2時間と限られていたので,正直なところ触れてみることで精いっぱいといったところでもある。そのため,今回の試遊でスピリットボーンの全容が明かされた,というわけではないことに注意してほしい(当然だがパラゴンも未開放だ)。
冒頭でも紹介したように「憎悪の器」の舞台となるのは,「ディアブロ II」のACT3でクラスト港から広がっていた地域「ナハントゥ」だ。6月に公開されたトレイラーにもあるように,メフィストをソウルストーンに封じたネイレルが向かった地である。
全体マップで確認すると,ケジスタンの南側にある空白地帯であることが分かる。この地域からTP(タウンポータル)で行けるデフォルトの街は,クラストバザール(Kurast Bazaar)となるようだ。
マップを探索すると,Spider ForestやFlayer Jungleといった懐かしい地名も登場するのだが……一部はいかにも地獄が地表に出現したかのような禍々しい雰囲気で,木々が枯れ果てている場所も。ナハントゥで何が起こっているのだろうか?
タンクから遠距離アタッカーまで,守護精霊で戦闘スタイルが変化する「スピリットボーン」
グレイヴや長柄武器,長棍棒を武器とするクラス「スピリットボーン」は,ナハントゥにあるジャングルの古代文明を由来としており,成人の儀式としてジャングルで生き延びる試練を通じ,“あちら側”を見る方法を学ぶという。そして,過去の自分を捨て去り,霊界の自己に置き換えることで,自身の魂が強力な獣の守護者に生まれ変わると考えている。
その守護者というのが「ジャガー」「イーグル」「ゴリラ」「センティピード」という4種類の守護精霊となる。スピリットボーンはこれらの精霊が持つ力を駆使して戦うキャラクターだ。それぞれ特性は異なっており,どの精霊をメインにしていくかでプレイスタイルが違ってくるのが大きな特徴となっている。例えばジャガーであれば近接攻撃に特化しており,イーグルであれば高い機動力を生かした戦いが得意で,ゴリラであれば防御に優れ,センティピードであれば毒の扱いに長けているといった感じだ。
こうしたスキルの中には,自身に精霊の力を宿す「顕現スキル」と呼ばれるものもあり,これらのスキルを使うと精霊に応じたさまざまなパッシブ効果が得られる。必ずしも習得が必要なわけではないだろうが,何かに特化させるなら無視できない要素になるかもしれない。
また,精霊はスキルとして習得する以外に,「精霊の間(Spirit Hall)」で2つのパッシブ効果を設定するという要素もある。1つめはスキルの使用に影響するもので,すべてのスキルを選択した精霊のものとして扱うようになり,その精霊の追加効果がスキルに付与される。もう1つは,常時発動の追加ボーナスが得られるというものだ。
自身がメインにするものを精霊の間で設定して,その精霊でスキルを揃えたくなるところだが,実は選択外の精霊スキルが強化されるバフも存在していたりと,一概に1つの精霊で染めるべきだと言えない難しさもある。そうした組み合わせの妙を探っていくことが,スピリットボーンのビルドを考えるうえでの楽しさにもなりそうな気配だ。
続いて,各精霊の特徴を見ていこう。
●ジャガー(Fire Damage)
ジャガーは近接攻撃主体の守護精霊となり,攻撃を繰り返すことで火力が増加していくスキルが特徴だ。その特性上,途切れなく敵と戦闘を続けることが火力を維持するカギとなりそうだが,一方で敵の中に突っ込んでいく戦闘スタイルになるため,火力が低い段階で油断して囲まれると,敵を倒し切れず回復や脱出が間に合わないといった危険も予測される。
そんなジャガーが使うスキルで派手なのが,ジャガーの精霊を召喚する「The Hunter」だ(“Ultimate”に属する精霊の召喚スキルはいずれも派手である)。使用すると指定先にジャンプし,その周囲をジャガーが回転して連続攻撃を行うというもので,追加効果によって敵を倒したときに確率でクールタイムがリセットされ,5回まで連続で使用できた。移動しながらうまく敵の集団を巻き込めば一気にせん滅することも可能だし爽快感もあるスキルだが,相手がボスとなると周囲にザコ敵がいて巻き込めない限り,召喚は1回で終わってしまうため強力な攻撃とはなりづらいのが難しいところだ。
そんなこともあって,あくまで現段階(+用意されたスペック)での話ではあるが,今回のキャラクターの中では火力不足を感じてしまった。そもそもテンプレートとして用意されたものが,基本スキル,コアスキル,そしてUltimateスキル以外はほかの精霊スキルだというのも気になってしまう。おそらく異なる精霊のスキルを使うことで付与するバフを狙ったものだとは思う。Lv30を超えれば,またパラゴンが開放されれば評価が変わってくるのだろうか。ともあれ,もう少し時間をかけてメカニクスを検証したかったところだ。
●イーグル(Lightning Damage)
イーグルは機動力に優れ,遠距離攻撃を主体にした守護精霊で,移動速度と回避率が上昇しやすく,ヒット&アウェイでの戦闘スタイルがやりやすいキャラとなるようだ。
とくに,「Soar」はバーバリアンのリープのように障害物を飛び越えて移動しつつ周囲を攻撃できるので,ほかの精霊をメインにしている場合も取って損がないスキルである。
なお,今回試遊したイーグルのテンプレートキャラには,Soarではなくジャガーの「Rushing Craw」を採用していた。こちらは短距離ではあるが前方に向けて敵を貫通移動でき,最大4回までチャージ可能なスキルだ。移動時に便利なのはもちろんだが,Elite Enemyにヒットすると3秒間,回避率が25%上昇する追加効果を持っているので,機動力と回避率を上げることを重視しての選択なのだろう。
Ultimateのイーグル召喚スキルは「The Seeker」という名称で,使用するとターゲットの位置に巨大なイーグルが飛来して周囲に弱いダメージが発生。時間を置いて(およそ3秒ほどか)大ダメージが発生する。大ダメージまでにタイムラグがあるので,うまく敵を誘導したいところだ。また最大で3チャージ分を溜められるので,瞬間的な大火力も狙えるだろう。
●ゴリラ(Physical Damage)
ゴリラは防御的な守護精霊で,ダメージ減少効果やブロック能力に特化したスキルを多く持つ。また,拳での攻撃が主体の肉体派といった感じで,スキルの組み合わせによってはそもそも武器を一切使わない格闘家のような戦い方が楽しめる。なぜ武器を使わないのか……という脳筋っぷりはまさにゴリラと言えるのかもしれない。
ともあれ,敵の攻撃を受けることを前提にしたスタイルになるので,荊棘の加護(反射ダメージ)の効果を持つ装備をできるだけ用意したいところ。また,次に紹介するセンティピードの毒スキルを組み合わせて,近づく敵をものともせずに突き進むタンクとしても活躍できるのだろう。
Ultimateのゴリラ召喚スキル「The Protector」は,一定の範囲に対してゴリラが地面を継続的に殴って攻撃しつつ,同時に範囲内のキャラにバリアを繰り返し張ってくれるというものだ。範囲外から出るとバリアを張れないので,その範囲内で戦うことを意識したい。
●センティピード(Poison Damage)
センティピードはいわゆるムカデの守護精霊であり,その特徴は多彩な毒攻撃にある。移動したあとに毒エリアが残るスキルや,敵に毒を感染させ,宿主が倒れると毒虫が孵化して広範囲に毒をまき散らすスキル,妨害系やデバフを付与するスキルなどさまざまだ。
もともと継続ダメージ系の攻撃は強いイメージがあるのだが,センティピードのスキルは効果範囲が長くその場に残るものが多く,またLifeの吸収効果も付与できたりするので,攻撃と回復のバランスがとてもいい。
Ultimateのセンティピード召喚スキル「The Devourer」は,地面に巨大なムカデを召喚して攻撃させるというものだ。召喚すれば勝手に攻撃してくれるので,敵と遭遇したらとりあえず出すくらいの使い方もできる。追加効果もムカデの出現時に10個の毒の塊を放出したり,ボス以外の敵が毒になると即死して,そこから毒虫が発生したりと,かなり強力だ。
なお,ムカデは出現ポイントから動かないが,プレイヤーから距離が離れると15秒以内であれば追いかけて新たに地面から出現する。
そんなセンティピードは,今回のプレイ時点ということで注意は必要だが,複数に重なる毒の効果がとにかく強烈で,ダンジョンのボスでさえ瞬殺するような,一般的には「壊れ」と言われかねない強さになっていた。
もちろん,今後の開発でバランスは取れていくと思われるし,まだレベル30であること,ワールドティアが「ベテラン」であることを考慮に入れるべきだが,リリース時にどうなっているのか気になるビルドではある。
以上のように,今回プレイした印象としてはセンティピードの強さが際立っていたといった感じだが,先述したとおりまだ開発中のバージョンである。そのあたりも含めて,開発者へのインタビューも行っているので合わせて確認してほしい。
[インタビュー]「ディアブロ IV:憎悪の器」の新クラス「スピリットボーン」は得意なプレイスタイルを選べ,不得意を自身で補えるキャラとなる
7月11日にBlizzard’s Irvine Campus内で開催された「ディアブロ IV:憎悪の器」の事前体験会では,各国メディアによるグループインタビューも行われた。スピリットボーンに限定したものにはなるが,本作の開発陣にプレイしての気になる点をいろいろと聞けたので,本稿でその内容をお届けしよう。
「ディアブロ IV」公式サイト
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