インタビュー
正式リリースされた新作DCG「レジェンド・オブ・ルーンテラ」のブランドマネージャーインタビュー
半年という長いβ期間を経て,満を持してリリースされ,あわせてモバイルでもプレイ可能になった本作。リリースに先駆けて,4Gamerでは日本オフィスで本作のブランドマネージャーを務めている高田ダスティン氏にインタビューを行うことができた。本稿では,その内容を掲載していこう。
なお,今回のインタビューは昨今の状況を鑑み,オンラインで実施している。インタビュー時の写真がない点はご了承いただきたい。
「レジェンド・オブ・ルーンテラ」公式サイト
「レジェンド・オブ・ルーンテラ」ダウンロードページ
「レジェンド・オブ・ルーンテラ」ダウンロードページ
「レジェンド・オブ・ルーンテラ」初心者ガイド。始めたばかりのプレイヤーがやるべきことをレクチャー
ライアットゲームズは2020年5月1日に,新作デジタルカードゲーム「レジェンド・オブ・ルーンテラ」を正式リリースした。合わせてモバイル版も配信されており,これを機に始めてみようと思う人もいるのではないだろうか。今回はこれから始める人に向けた資産集めの初心者ガイドをお届けしよう。
β版のフィードバックを受け,ワイルドカードの購入上限を撤廃
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。さっそくLoRのβ期間のことについてお聞かせください。およそ半年(※)という,長期にわたるものでしたが,βの手応えはいかがでしたか。
※2019年10月と11月に行われたプレビュー期間を含む
βはかなり長い期間でしたね。特に日本のゲーム基準からすると「少し長いんじゃないか」という声もお聞きしています。ですが,ライアットとしては,プレイヤーがどのようにゲームを楽しんでいただけるか,改善点はどこか,などのフィードバックを十分に受けたかったため,期間を長めに取りました。その意味ではすごく良いβになりまして,世界中の多くのプレイヤーの方々から様々な角度からのフィードバックを受けることができました。
4Gamer:
どういったフィードバックがあったのでしょうか。
高田氏:
とくに日本のプレイヤーの意見で多かったのは,カードの入手速度についてです。これは賛否両論ではあったのですが,課金ですぐにカードを集めてプレイしたいという意見が多かった。それを受けて,頭を抱えつつも決断したのが,好きなカードを作成できるワイルドカードの購入上限の撤廃などの仕様です。一方で,無料のプレイヤーでも資産が集めやすくなるように,週に1回もらえるウィークリーチェストの報酬をより豪華にしました。
4Gamer:
β版の時点でそのパッチが入ったので,思った以上に早く変わったなという印象を受けました。
高田氏:
ライアットは「プレイヤーに楽しんでもらえているか」という点を特に重視していますし,そこが強みだと思っています。本社の開発陣には別のカードゲームのプロプレイヤーがいますし,彼らが行っている「コアなカードゲーマーに楽しんでもらえているか」という努力は,LoRのゲーム性にもかなり反映されていると思っています。
競技プレイヤーに向けて,日本国内での公式大会も開催
4Gamer:
日本では既にハースストーン,シャドウバースなどの先行のデジタルカードゲーム(DCG)をプレイしているユーザーも数多くいます。それらの日本のユーザーに対してLoRをどうアピールしていくか,といったプランについて聞かせてください。
高田氏:
LoRは対戦型のカードゲームですので,特に競技性に対して熱意がある方に向けてサポートしていきたいと考えています。ゲーム内のランクシステムやそれに応じたリワードもそうですが,ゲーム外の大会のサポートについてもそうですね。LoRそのもののゲーム性についても非常に競技性が高いので,そこは可能な限り前に出していきたいです。
4Gamer:
特に競技性についてアピールしていきたいと。
高田氏:
実は8月に日本一を決める公式大会を予定しております。「チームファイト タクティクス」と合同で「MIND MASTERS 2020」という大会となるのですが,その予選は6月頃から行われます。参加条件については,ランク等の条件は設けるかもしれませんが,基本的には誰でもエントリーできるオープンなものを考えています。
公式サイトは5月中旬に公開予定ですので,詳しくはそちらを見てもらえると。
「レジェンド・オブ・ルーンテラ」「チームファイト タクティクス」の国内公式大会「MIND MASTERS 2020」が開催へ。オンライン発表会レポート
ライアットゲームズは本日,5月1日に正式サービスを開始するデジタルカードゲーム「レジェンド・オブ・ルーンテラ」と3月20日にモバイル版がリリースされた「チームファイト・タクティクス」に関するオンライン発表会を実施した。
4Gamer:
それは良いですね。競技プレイヤーにとっては公式大会が行われるのは嬉しいニュースです。
高田氏:
一方で,大会などの競技シーンにがっつり参入したくないというカジュアルなプレイヤーの方もいるとは思うので,そういった方に向けた盛り上げ企画も用意します。
例えば,LoRの公式アンバサダーのロンドンブーツ1号2号の田村 亮さんとNON STYLEの井上さんに配信という形で生放送してもらったり,何らかの形で大会に参加してもらう予定です。また,彼らがカードゲームを学んでいくといった企画も,コンテンツとして準備しています。
4Gamer:
なるほど。ちなみに,LoRの「競技性の高さ」というのはどのあたりになるのでしょうか。
高田氏:
LoRのルールでは,1つのターンの中で相手の動きに対してリアクションできるタイミングが多いです。例えば,相手へのアタック1つに対しても,どのユニットでブロックするかというのがありますし,それに対してスペルカードを打っていくかどうか,というのもあります。
また,ターンの中で行動権を渡し合うシステムになっているので,もし強いカードが手札にあっても,あえて先に使わずに相手にカードを使わせる,といった戦略も可能です。採れる戦略の幅が非常に幅広く,それがLoRの最大の魅力だと思います。
4Gamer:
相手の動きに対してどう対応するか。介入できるタイミングは多いゲームですよね。スペルカード1つとっても,発動できるタイミングが3種類ありますし。
高田氏:
打つタイミングが制限される「スロウ」のスペルカードはあえて効果を強く調整していますね。効果は強いけど,相手が対応できる機会がその分多い。一方,相手の動きに介入できる「ファスト」「バースト」のスペルカードは,相手への対応のために手札にとっておくという選択肢もありますし,その辺の駆け引きも面白い部分だと思っています。
相手のスキル効果を打ち消すことができる「拒絶」は代表的なファストカードですよね。あのカードはβ期間中にバランス調整が行われましたが……。
高田氏:
「拒絶」はコミュニティ内でも非常に話題になったカードでした。ライアットの運営方針として,頻繁にバランス調整を行っていくというものがありまして,バランスブレイカーとなるような強すぎるカードがあれば弱体化しますし,できるだけ数多くのカード,数多くのデッキがランクマッチで活かせる状態にすることを目指して調整していきます。
4Gamer:
以前,パッチノートで「1拡張につき3段階のバランス調整を行う」という話も出ていました。
高田氏:
そうですね,少なくとも月1回はパッチを入れる予定で,場合によってはさらに多くのパッチを入れることもあると思います。
4Gamer:
……ということは,1拡張あたりの期間は,3〜4か月ぐらいになるんですか。
高田氏:
今の話で期間がバレてしまいましたね(笑) 正式リリースと同時に新たな拡張セットが出ますが,その次の拡張は3〜4か月後という予定です。いまは(新型コロナウイルスによる)状況が状況なので,予定通りいかない可能性もあると思っていただけると助かります。
4Gamer:
ちなみに,LoLのようなプロリーグの設立などの予定はあるのでしょうか。
高田氏:
それは社内でもよく議題に上がっている話ですが,ゲームの開発がある程度落ち着いてからの話になるかと思います。観戦モードなども実装してからになるでしょうし,運営が1年以上続いてから,LoRがeスポーツシーンにおいてどのような立ち位置になっているかなど,さまざまな点から判断することになりますね。
モバイル版のリリースにあたっての戦略は?
4Gamer:
今回,モバイル版もあわせてリリースされるとのことですが,モバイル版のUIはPC版と大きく変わったりはするのでしょうか。
高田氏:
画面も小さくなるので,見せる情報量やカードの詳細の出し方,手札の位置などの工夫はしています。LoRの場合,最初の開発の段階からモバイルで出すということが決まっていたので,もともとUIはモバイルを意識して開発してきました。今のPCでやってきた操作はモバイルでも問題なくできるようになっています。
4Gamer:
β版の課金手段はPaypalでしたが,日本のユーザーにはあまり馴染みがなく,困っているという声も多かったと思います。そこについても変更はありますか。
高田氏:
導入まで少し時間はかかってしまったんですけど,新たな決済方法を導入しまして,PC版でもクレジットカードなどの通常のオンライン決済で使う手法を導入しました。もちろん,モバイル版はiTunesカードやGoogle Playのカードなど,通常のゲームアプリで課金するような手段での支払いができます。
4Gamer:
モバイル版のユーザーというのは,ライアット社がこれまで相手にしてきた「リーグ・オブ・レジェンド」(LoL)のPCユーザーとは大きく異なる層になると思います。そうした層へのアプローチはどのように考えているのでしょうか。
高田氏:
現在リリースされている「チーム・ファイト・タクティクス」のモバイル版もそうですが,日本オフィスのマーケティングチームやブランディングチームも「モバイルユーザーに対してどのような接し方がベストなのか」「モバイルユーザーはどういったコミュニティを形成しているのか」というのを常に研究しています。
こういった点は国ごとにローカルな部分もあると思いますので,日本ならではの施策といったものも考えていますよ。
4Gamer:
リーグ・オブ・レジェンドは口コミで広がっていきましたよね。チームプレイということもあって,プレイヤーがプレイヤーを誘って教えるというのも多かった。ですが,「LoR」や「TFT」で同じ手法はなかなか難しいですよね。
高田氏:
そうですね。基本的にはLoLと同じスタイルで,ゲームの面白さをしっかりと担保する運営をしていけば,プレイヤーに受け入れてもらえると思っています。そのうえで,コミュニティ向けのイベントなど,ニーズに合わせたアプローチをしていく予定です。
4Gamer:
LoRはLoLの世界観が元としてありますが,LoLをまったくやったことがなくても入っていけるのでしょうか。
高田氏:
LoLの世界観はベースにはなっていますが,LoRのゲームのストーリーはそれを拡張して,独立したものとなっています。
LoRで初めて見るストーリーやキャラクターもいますし,単体で世界観を楽しめるものになっているので,「世界観に対して愛着を持つ」というのはLoRから入ってきても全然いけると思います。
新規プレイヤーでもすぐβからの先行プレイヤーに追いつける?
4Gamer:
正式リリースから新たにプレイを始めるユーザーも多いと思うのですが,β版からプレイしているプレイヤーとは資産の差がついてしまいます。新規のプレイヤーが先行プレイヤーにできるだけ早く追いつくにはどうしたら良いのか教えてください。
高田氏:
正式リリース版のカードの入手速度的には,すぐ追いつけるようになります。プレイするたびに経験値が入ってきて,それに応じてカードを入手できるんですけど,1つオススメしたいのは,7種類の地域の中から1つの地域に絞ってカードを集めるやり方ですね。1つの地域を選択すれば,その地域のカードがどんどん手に入る仕様になっています。
4Gamer:
いわゆるリワードですか。
高田氏:
そうです。
また,正式リリース時には7日間のログインボーナスが実装されまして,7日目にはチャンピオンカードの“アッシュ”が2枚入った“フレヨルド”のデッキが1つもらえます。
このほか,チュートリアルを全てクリアした時にもデッキがもらえますし,地域リワードをこなしていけば,けっこうな数のカードが集まります。あとは,ウィークリーボーナスとして毎週チェストからカードが手に入りまして,そちらでもプレイすればするほど豪華なカードが手に入ります。
4Gamer:
ちなみに,オススメの地域とかはありますか?
高田氏:
正式リリース時に新地域として「ビルジウォーター」が登場します。もしコツコツやるのも面倒という方がおられるなら,ビルジウォーターのカードは先行プレイヤーも持っていないカードになりますので,そこから集めてみるのがオススメですね。
4Gamer:
最後にこれから新たにLoRをプレイする日本のユーザーに対して伝えたいことがあればお願いします。
高田氏:
LoRははっきり言えば,難しいと感じるゲームかもしれません。いろいろと考える部分が多いゲームなのですが,そのため,カードの強さ以上にプレイヤーがどうプレイするかが鍵となってくるゲームです。LoRのとある盤面をAIが解析した時に,計算で正解となる行動を算出できないぐらい難しいのですが,それだけに非常に深い戦略が楽しめるゲーム性となっています。
対戦ゲームが好きな人には本当に楽しめるゲームだと思います。初期デッキでも上から2番目のダイヤモンドランクぐらいまでは到達できるかと思いますので,腕に自信がある方はぜひチャレンジしてみてください。
4Gamer:
ありがとうございました。
「レジェンド・オブ・ルーンテラ」公式サイト
「レジェンド・オブ・ルーンテラ」ダウンロードページ
「レジェンド・オブ・ルーンテラ」ダウンロードページ
- 関連タイトル:
レジェンド・オブ・ルーンテラ
- 関連タイトル:
レジェンド・オブ・ルーンテラ
- 関連タイトル:
レジェンド・オブ・ルーンテラ
- この記事のURL:
キーワード
TM & (C) 2019 Riot Games, Inc. Legends of Runeterra, League of Legends and all related logos, characters, names and distinctive likenesses thereof are exclusive property of Riot Games, Inc. All Rights Reserved.