インタビュー
なぜ「侍道」の外伝だったのか。アクワイアのキーパーソンが語る,「侍道外伝 KATANAKAMI」誕生の経緯と“和風ハクスラ”制作に懸ける思い
久々の「侍道」シリーズ関連作品となる「KATANAKAMI」は,2002年に発売されたシリーズ第1作「侍」の少し前の出来事を描く剣術アクションRPG。自動生成されるダンジョンでの“剣術ハクスラ”や「侍道」シリーズならではの独特な侍生活が楽しめる。舞台は1作目と同じ六骨峠で,流れ者の侍が借金のカタに連れ去られた刀鍛冶の娘を救うべく,夜は異界の刀や材料を集め,昼は現世にてそれらで商いをして借金返済の手助けをするという物語が展開していく。
そんな本作の開発経緯や制作に懸けた思いを,アクワイアの代表取締役である遠藤琢磨氏と,「KATANAKAMI」のディレクターを務める齋藤哲志氏に聞いた。
「侍道外伝 KATANAKAMI」公式サイト
幻の「侍道5」構想ののちに生まれた「KATANAKAMI」の原型
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。まずはアクワイア創立25周年おめでとうございます。
遠藤琢磨氏(以下,遠藤氏):
ありがとうございます。先月(2019年12月)無事に25周年を迎えることができました。
4Gamer:
今回は久しぶりの新作が出るということで「侍道」のお話をうかがいたいのですが,その前にあらためてアクワイアについて聞かせてください。
遠藤氏:
大学生だった1994年に,「チームアクワイア」というフリーのゲーム開発チームを設立したのが始まりですね。コンシューマゲーム機が何機種もあって,さらに新しいハードも発売された時期でした。
4Gamer:
1994年といえば,大きいものだとPlayStationやセガサターンが発売された年ですね。
はい。それで私たちも「PSでゲーム出したいね」と,ソニー・コンピュータエンタテインメント(現,ソニー・インタラクティブエンタテインメント)さんに相談したんです。ただ,法人じゃないと難しいという話で「じゃあ会社にしよう」と。それが大学を卒業して半年後くらいのことですね。
中学生のころから「ゲーム会社の社長になりたい」っていうのはありましたが,一度も就職しないままこういう道を歩み,現在に至ります(笑)。
4Gamer:
アクワイアが最初にその名を知らしめたのは,まさにそのPS用ソフトとして発売された「立体忍者活劇 天誅」(1998年発売)かと思います。
近年は「勇者のくせになまいきだ」シリーズや「OCTOPATH TRAVELER」といったファンタジー色が強いゲームや,「AKIBA'S TRIP」シリーズのような現代を舞台にしたゲームもありますが,最初のころは“和モノゲームを作る会社”というイメージでした。
遠藤氏:
そうですね。「天誅」の影響が大きくて,ありがたいことにプレイヤーの皆さんからも「和風アクションゲームを作れる会社」っていう信頼や期待をいただけました。社内にモーションキャプチャのスタジオも設けて,10年くらいは和風アクションばかりやっていましたね。
4Gamer:
私は個人的に忍者モノや“チャンバラゲーム”が好きなので気になっていたのですが,2012年に「侍道4 Plus」と「墨鬼 SUMIONI」が出たくらいで和モノゲームが影を潜めてしまいました。これには何か理由があるのでしょうか。
遠藤氏:
当時は和風アクション以外のものに挑戦したいというスタッフも増えてきて,「和モノ以外もやってみよう」という機運が高まっていた時期だったと思います。
アクワイアが作るゲームの魅力って,“和モノだから”ということだけではなく,ほかのメーカーにはない独自性や“尖った部分”にあるのではと気づき,少しずつジャンルの枠を広げていったんです。
とはいえコンシューマだと,もう8年も和モノを出していなかったんですね。「KATANAKAMI」までだいぶ空いてしまいました。
4Gamer:
久々の和モノで,しかも「侍道」関連作品である「KATANAKAMI」ですが,こちらに触れる前に,そもそも「侍道」シリーズはどのように始まったのかを教えてください。
遠藤氏:
とある事情で「天誅」シリーズが作れなくなった時期に,スパイクの櫻井さん(※現スパイク・チュンソフト 代表取締役社長 櫻井光俊氏)から「新しい忍者ゲームを作ってほしい」という依頼があったんです。それで忍者の企画を進めていったんですが,いつの間にか侍になっていました。
4Gamer:
いつの間にか,ですか。
遠藤氏:
はい。いつの間にか(笑)。新たに忍者ゲームを作るのなら,「天誅」とは違う要素や独自性を生まなくてはいけませんよね。そのあたりを考えているうちに「和モノといっても忍者だけではないだろう」と,侍の要素を入れこみつつエッジの効いた内容にしようとしていて,気づいたら1作目の「侍」が出来上がっていたわけです。
4Gamer:
齋藤さんはいつごろから「侍道」シリーズに関わっているのでしょう。
齋藤哲志氏(以下,齋藤氏):
「侍道3」からです。そのときはイベントシーン全般の作成に携わり,「侍道4」では企画立案や新しいシステムの制作を担当しました。
遠藤氏:
実は幻の「侍道5」プロジェクトがあって。齋藤にはその企画を考えてもらった時期もありました。
4Gamer:
「侍道5」ですか! それはぜひお話をうかがいたいです。
2015年に「侍道4」のPC移植版をSteamでリリースしたころですね。
海外向けコンシューマ版をベースにしたPC版はメタスコア72点という評価をいただけて,個人的にも一区切りを迎えたと感じていたときでした。自分はもう「侍道」から引くのだろうと思っていたら,遠藤から「櫻井さんに会うから,『侍道』の続編を考えてみてよ」と言われたんです。
残念ながら「侍道5」としては頓挫してしまったんですが,その後に「ダウンロード専売の気軽に遊べるタイトルを考えてみよう」という話になったのです。
4Gamer:
それが「KATANAKAMI」になると。
遠藤氏:
この段階では「侍道」にこだわらず,という感じでしたけど,そうですね。これがのちに「KATANAKAMI」につながっていきます。
最初は本当にシンプルなハック&スラッシュを作るつもりでしたが,開発を進めていくうちにしっかり作り込まれたゲームとなり,「やっぱりパッケージ版も出しましょう」という感じで話が広がって,いまの形になったんです。
4Gamer:
幻の「侍道5」プロジェクトから「KATANAKAMI」の企画が動き出すまでって,だいたいいつごろのお話なんでしょう。
齋藤氏:
最初に「侍道5」の企画を考え出したのが2015年で,2016年にそれがいったんなくなり,同じころにダウンロードタイトルの企画をいくつか考え,「KATANAKAMI」の企画が通ったのも同じ2016年内ですね。
遠藤氏:
そんな前だっけ?
齋藤氏:
そうですよ。ただ,リソースの面で,企画が通ってもすぐ開発に取り掛かれなかったんです。実際に動き始めたのは2017年3月くらいでした。
遠藤氏:
ああそうだ。ほかのタイトルの制作やスマートフォン向けタイトルの運営なんかがあって,なかなか人が動かせなかったんだよね。なんとかギリギリ制作ラインが空いたところでようやく「KATANAKAMI」を作れる状況になり,やっと動き出せた。そういう意味では,スパチュンさんを待たせてしまったなと……。
4Gamer:
お話を聞いた感じ,「KATANAKAMI」を企画したのは「『侍道』シリーズを復活させよう」とか「アクワイア25周年近くでなにかやろう」という理由ではなかったんですね。
遠藤氏:
はい。そのとおりで,あらためて「アクワイアは和風のゲーム作品をしっかり作れるよ」ということを見せたいという思いが強かったんです。
プレイヤー自身がゲーム世界に介入する楽しさを生む
“戦が起これば鍛冶屋が儲かる”システム
4Gamer:
お二人は,「KATANAKAMI」の企画開発でどのような役割を担っているのでしょうか。
遠藤氏:
私は主に,企画に関するさまざまな話し合いややりとりを行いました。企画を考えては潰し考えては潰しみたいな,アクワイアの中で練っている時期が長かったんですよ。
齋藤は企画立案を担当し,企画が通ってからはディレクターとして,スパチュンさんのプロデューサーと一緒に開発を進めています。
4Gamer:
「KATANAKAMI」の大きな特徴は,「侍道」シリーズのナンバリングと異なる,見下ろし型のハック&スラッシュになっていることだと思います。なぜこのゲームスタイルにたどり着いたのでしょう。
先ほど,「最初は『侍道』にこだわっていなかった」とお話されていましたが,どのような形で企画を持っていったのですか。
齋藤氏:
スパチュンさんとアクワイアといえば,やはり「侍道」や「忍道」という“和モノ”が思い浮かびますよね。私たちも「やるならやっぱり和モノだろう」と考えていて,まずはスパチュンさんに和風タイトルの企画を10本ほど持っていきました。
話し合いを進めるうちに,最終的に「侍道」風のTPS系のものと「KATANAKAMI」の原型になったものが残って,後者で行きましょうとなったんです。
遠藤氏:
アクワイアとしてもイチ押しだったんです。このゲームシステムなら,小規模のダウンロードタイトルでもしっかり楽しめるものが作れるだろうと。
「侍道」シリーズでおなじみ,鍛冶屋の堂島軍二を主人公にした企画ではありましたが,提出した段階ではタイトル名に「侍道」が入るような作品にしようとは考えていなかったんです。
侍ではなく鍛冶屋の視点で「侍道」の世界を描いたらどうなるかをコンセプトにしたもので,堂島のローグライクだから「堂島ローグ」なんて呼んでました。
4Gamer:
なんだか有名な洋菓子の名前と響きがそっくりですね(笑)。その「堂島ローグ」が,なぜ侍が主人公の「KATANAKAMI」になったのでしょう。
齋藤氏:
いろいろと理由はありましたが……堂島が主人公じゃ売れないよね,と。
遠藤氏:
(笑)。たしかにプロデューサーとは「どれくらいの人が堂島のことを知っているんだろう」と話してたね。
4Gamer:
シリーズファンにはおなじみのキャラクターですが,たしかに主人公と言われると……みたいなところはあるかもしれません。
齋藤氏:
人気がないわけではないと思うんですけど,憎まれ役みたいなところもありますから。「では主人公を女の子にしたらどうだろう」みたいなことも考えたのですが,それも何か違う。結局,主人公は侍だよねと。
それで,借金に苦しむ堂島を侍が借金返済の手助けをするという物語になり,それはそれとして女の子はいたほうがいいという意見があったので,堂島の娘の七海を出すことになりました。
遠藤氏:
女の子は最初から出したがってたじゃない(笑)。
齋藤氏:
いえいえ,本当に最初のころは,堂島を主人公にしたむさ苦しいゲームを考えていたんですよ。
4Gamer:
そもそも,堂島に娘がいるなんて設定ありましたっけ。
遠藤氏:
ないですよ(笑)。でも「KATANAKAMI」に登場する七海の部屋って,ふすまの奥にあるから1作目だと見えない場所ですから。
4Gamer:
当時は出てこなかっただけだと(笑)。
遠藤氏:
七海の部屋を見たら驚愕しますよ。ピンク色のドレッサー(鏡台)があって,「なにこれ?」って。
齋藤氏:
「KATANAKAMI」は,主人公の侍が堂島の借金返済の手助けをするという物語となっています。この原因の1つに,堂島が娘の七海に,南蛮渡来の品をいっぱい買ってあげたというのがありまして。
遠藤氏:
溺愛する娘への愛情が,堂島の金銭的破綻を招いてしまうという。
4Gamer:
(笑)。七海は借金のカタに連れていかれてしまいますが,割と悠々自適にやっているというか,「侍道」らしいノリがあって悲壮感はあまりなかったです。
なぜ1作目の六骨峠を舞台にしたのか気になっていましたが,始まりに堂島があったというところで納得できました。
齋藤氏:
はい。堂島が主人公なら六骨峠が舞台になるのが自然だなというところから始まって,侍を主人公にするとなってからもそのままで。マップもベースとなるものがありますし。
遠藤氏:
そのあたりはそこまで深く考えてなかったよね。「侍道」シリーズらしいところで言うなら,3つの勢力の力関係を描くほうが,最初から重視していた部分だったかなと。
4Gamer:
各勢力に武器を売って借金を返すという部分ですか。それぞれに刀を売って争いをけしかけ,自分自身で商機を作っていくという“死の商人”の要素にはしびれました。
齋藤氏:
“戦が起これば鍛冶屋が儲かる”というシステムですね。
これのベースとなるものも「堂島ローグ」の段階ですでにありました。異界に閉じ込められた堂島が,そこから脱出するためにダンジョンで拾った材料で刀を作り,3つの勢力に売りつけるという。
このあたりも,夜は異界で材料や刀を拾い集め,昼は鍛冶屋で3勢力相手に商売するという「KATANAKAMI」のゲームサイクルとして,ほぼそのまま組み込まれています。
遠藤氏:
主人公の行動によって情勢が変化するというのは「忍道」シリーズでもやっていたことですが,あらためて「KATANAKAMI」で,プレイヤー自身がゲーム世界の勢力争いに介入していくという感覚を楽しんでほしいですね。
齋藤氏:
何か行動をしてすぐにその結果が出るのではなく,じわじわとその影響が広がっていく。それによってNPCの会話が変わったり争いが起きたりという,シミュレーション的な面白さが生まれると考えています。
4Gamer:
「侍道」シリーズは基本的に1プレイの時間が短く,何度も周回して自由に振る舞ったり,複数あるエンディングを楽しんだりというプレイスタイルのゲームでした。「KATANAKAMI」はいかがでしょうか。
齋藤氏:
じっくり1つの物語を追うスタイルで,メインシナリオを追うだけでも30時間は行きますね。水増ししたものではなくしっかりとしたボリュームがあり,マルチエンディングではありませんが,プレイヤー自身で考えたり感じたりできる話にはなっています。
遠藤氏:
ストーリー分岐がないことにがっかりする人はいるかもしれないですが,“選択する楽しさ”みたいなものは「戦が起これば鍛冶屋が儲かるシステム」で満喫してほしいですね。
齋藤氏:
マルチシナリオじゃないところは,シリーズファンならどうしても「アレ?」ってなるかなとは思うんです。でも,峠の雰囲気は「侍道」そのもので,バカバカしいノリもそのままですから,安心してプレイできるかなと思います。
あとこれは,過去のシリーズ作品に関わったスタッフが制作しているので,意識せずとも再現されてしまったという部分ですが……峠の人たちは相変わらず,ちょっと変わった会話や仕草で楽しませてくれるので期待していてください。
遠藤氏:
絶対に再現しようと狙ってやってたでしょ。そうじゃないと,ああはならない(笑)。
齋藤氏:
いえいえ,そんなことはないですよ。普通なら直すようなところを,あえて残したりはしていますが(笑)。メインシナリオだけ進めていては気づかないようなこともたくさん散りばめられているので,いろんなところを見てほしいと思いますね。
クローンではなく,オリジナルを作りたい
日本のメーカーだからこそできる“和風ハクスラ”を
4Gamer:
探索の舞台となるダンジョンですが,なぜ峠ではなく異界にしたのでしょう。
齋藤氏:
本作の異世界は「辞界」というのですが,「千と千尋の神隠し」のトンネルや「となりのトトロ」のトトロの森のような不意に迷い込んでしまう感覚,日本古来の民話や伝承にある「神隠し」のような不思議な要素を入れたかったんです。
人々が暮らす地上の世界のとある場所が,魑魅魍魎が跋扈する異界につながっている。そして,夜になるとその境界である一本松が光り出す。このあたりの設定も,かなり前の段階からできていましたね。
4Gamer:
ダンジョンでは,侍のアクションや成長要素もたっぷりありますよね。最初はシンプルなゲームだったとのことですが,何がきっかけでこうなったのでしょう。
遠藤氏:
「侍が主人公なら『侍道』って名前を付けようか」となってからですね。簡単なクリック操作で戦えるようなハクスラを考えていたんですが,「侍道」という名前が付く以上は,押したり引いたりといった駆け引きの楽しさや,連続技を決めたときの爽快さがある剣戟アクションがないとおかしいよねと。
“「侍道」らしさ”みたいなことをあらためて考えたところで,ゲーム性がグッと深まった気がします。
4Gamer:
「侍道」らしさは,どういった形で組み込まれたのでしょう。
齋藤氏:
駆け引きの部分だと「攻め手」「受け手」「崩し手」という3パターンのアクション。連続技に近い要素は「極見(きわみ)」ですね。「極見」はタイミングよくガードしたり回避したりすると敵に隙ができ,攻撃ボタンを押すと強力な一撃を放ちます。さらに,タイミングよく攻撃ボタンを押すことで周囲にいる敵にも連続して「極見」を繰り出せます。
4Gamer:
三人称視点の「侍道」をクォータービューに落とし込むにあたって,どのあたりが大変でしたか。
齋藤氏:
刀の構えでしょうか。構えは9種類ありますが,クォータービューでは見た目でその違いを伝えにくいんです。このあたりは,構えごとに異なるアクションや戦闘スタイルなどを付けて差別化を図りました。
見せ方の部分は大変でしたね。アクションは「極見」や必殺アクションの「刀刻(かたなたいむ)」などの演出で画面映えするよう仕上げています。あと,クォータービューで見える背景は地面がメインになるので,峠は問題ないのですがダンジョンで視覚的に和のテイストを伝えるというのは難しかったですね。UIも和を感じられるようなデザインに作り直しました。
遠藤氏:
開発メンバーは,和風アクションならではの“チャンバラやってるよ”みたいな部分を苦労して作っていました。
いまやハクスラは珍しくないですけど,「日本のデベロッパが日本ならではの世界でハクスラを作るとこうなるのか」みたいに,一石を投じるような作品になるんじゃないかと思っています。
齋藤氏:
開発初期のころにそれこそ「ディアブロ」のような名作との比較で,「洋ゲーのハクスラっぽくていいね」と言われることがあったんですが,これが褒め言葉でもあり,また逆の意味の言葉にも感じていたんです。
クローンじゃなく,オリジナルを作りたい。和風の世界観で,避けたり当てたりといった駆け引きのある,アクション性の高いハクスラを作りたい。この意識は最初から現在まで変わらずあって,1つの形にはできたのかなと。
あらためて“チャンバラゲーム”の楽しさを知ってほしい
4Gamer:
先ほど“幻の「侍道5」プロジェクト”という話がありましたが,外伝作品とはいえ久しぶりに「侍道」復活となると,ナンバリング最新作にも期待が高まると思います。
齋藤氏:
やはり,次は正式なナンバリングを作りたいという思いはありますね。
遠藤氏:
そうは言っても,「侍道」って1作目が17年前ですよ? 現行最新作の「侍道4」だって8年前ですから,忘れ去られていますよきっと。
4Gamer:
いえいえ,忘れてませんよ(笑)。Steam版で海外ファンも増えているのではないでしょうか。
遠藤氏:
現実的な話だと,いま「侍道」みたいな表現のゲームを作るのってかなり大変なんですよね。当時ですら過激なノリの内容で,発売するに至るまでが大変でしたから。
齋藤氏:
それこそ「KATANAKAMI」でも,1作目のニュアンスが入っていることでCEROレーティングがZ(18歳以上)になりましたし。アクワイア初のCERO Z作品となりました。
遠藤氏:
やはり一般人を巻き込んでしまうところが……。1作目はCEROの発足前に出た作品で,当時は自主的に注意を促すマークを入れていましたが,現在のレーティングに当てはめるとそうなるんです。
いろいろと難しい面があるんですが,それでも「KATANAKAMI」を遊んだ人たちが「チャンバラって楽しい! 『侍道』シリーズ新作も出してほしい」みたいになってくれると嬉しいです。
4Gamer:
「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE」(PC / PS4 / Xbox One)がThe Game Awards 2019でGame of the Yearを受賞したり(関連記事),13世紀末の蒙古襲来をテーマにした大作「Ghost of Tsushima」のリリースが控えていたりと,ここにきて和風アクションの注目度が高まっていると思います。これも追い風になるかもしれませんね。
齋藤氏:
たまたまではあるんですが,制作時期は完全に重なっていますね。いい時流に乗れればと思います。
遠藤氏:
まずは「KATANAKAMI」をプレイして面白かったという方々には,ぜひ「『侍道』の続編希望」という声を届けていただきたいです。きっとスパチュンさんが,「KATANAKAMI」購入者向けにご意見箱みたいなのを作ってくれるはずなので(笑)。
4Gamer:
最後に読者や「KATANAKAMI」に注目している人たちに向けてメッセージをお願いします。
齋藤氏:
「侍道」を知らない人も楽しめるゲームに仕上がっています。まずは「寝る前にちょっと遊んでみよう」くらいのノリで,気軽に楽しんでもらえるといいですね。
マルチプレイも推しているポイントで,ネットを介してリアルタイムで協力プレイができるほか,「侍道4」のように非同期で楽しむこともできます。プレイヤー同士の対戦もできますので,1人で黙々と遊ぶのはもちろん,ぜひ殺伐とした部分にも触れていただきたいです(笑)。
「侍道」シリーズファンならおなじみの朝倉紀行さんが手掛けた楽曲も素晴らしいので,こちらも期待してください。
遠藤氏:
まず,久しぶりに和風アクションを出せることが純粋に嬉しいですね。開発スタッフも楽しんでデバッグしていましたし,遊びやすくてやりごたえのあるものに仕上がっていると思います。
ファンには「KATANAKAMI」で,あらためて「侍道」シリーズの良さを思い出してほしいですね。「侍道」シリーズを知らなかった人や初めてプレイするという人には,チャンバラゲームの面白さに目覚めるきっかけになってくれたら嬉しいです。
最近のアクワイアはRPGも手がけているので,単純なアクションだけではない,RPG要素も面白いと思っていただけるとありがたいです。
4Gamer:
「KATANAKAMI」はもちろん,久々に復活となった「侍道」シリーズの今後も楽しみにしています。ありがとうございました。
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