紹介記事
Switchで理想のカラダづくり。ゲームを楽しみながら無理なく運動できる「リングフィット アドベンチャー」先行体験レポート
フィットネス用具のようなコントローラを使用し,冒険しながら運動できる“フィットネスアドベンチャーゲーム”というなんとも気になる本作の試遊版が,発売に先駆けて4Gamer編集部にやってきた。実際に身体を動かして体験してみたので,タイトル名にもなっている「アドベンチャー」モードを中心に紹介しよう。
「リングフィット アドベンチャー」公式サイト
運動を取り入れたバトルはもちろんストーリーも独創的
“カラダで戦う”冒険に旅立ち,自分自身を鍛えよう
まずは基本のセッティングや操作方法から。本作はSwitch本体をTVモードでセットし,「リングコン」と「レッグバンド」という2つの器具それぞれにJoy-Conを装着して操作する。
右Joy-Conを装着するリングコンは,その名のとおりリング状のフィットネス器具のようなコントローラだ。バネのような反発性を持ち,元の形に戻る特殊な素材でできており,内蔵されている「力(ちから)センサー」が内側に押しこんだり外側に引っ張ったりといった動きや力加減を,Joy-Con自体のセンサーが上下左右に振ったり傾けたりといった動作を認識する。
左足の太ももにまきつけて使用するレッグバンドでは,装着した左Joy-Conの「加速度センサー」と「ジャイロセンサー」で,足踏みや屈伸,もも上げ,歩きとダッシュの違いといった下半身の動きが認識される。これら二つの器具によってプレイヤー自身の身体の動きとゲーム内のキャラクターの動きが連動するのだ。
「アドベンチャー」に挑戦する前に,まず「ウォーミングアップ」で,プレイヤーの情報を設定することに。自身の体力を推定するために年齢を入力し,「同年代と比べて自分はどれくらい運動しているか」「どれくらいハードなフィットネスを求めているか」に回答。これによって,プレイヤーに合った運動負荷を設定してくれる。
「同年代と比べて自分はどれくらい運動しているか」はこちらの4つから1つを選択する |
「どれくらいハードなフィットネスを求めているか」の選択肢も4つ |
カロリー計算の目安となる体重を入力したあとには,「サイレントモード」の設定を確認できる。これはランニングなどの運動時に行う足踏みの音や振動が気になるという際,足踏みを屈伸運動に変更するもので,「日中は大丈夫だけど,下の階の人のことを考えると夕方や夜はあまりドタバタできないなあ」という悩みを持つ,アパートやマンション住まいの人には嬉しいモードだ。
続いて,リングコンで押し込む力と引っ張る力を,レッグバンドにて軽めと速めの足踏みで足の動きをそれぞれ測り,プレイヤーのフィットネスに最適な力加減を設定。全身を大きく使ってリズミカルに行う「ダイナミックストレッチ」で身体を動かしたら,冒険へのウォーミングアップは終了だ。
フィットネスで重要となるのが“正しい姿勢で行う”ということ。本作ではウォーミングアップを含めたさまざまな場面で,ミブリさんというトレーナーキャラクターが正しい姿勢や身体の動きをガイドしてくれる。常に画面左に表示されるので,初めて挑戦するフィットネスでも安心だ。
主人公の見た目を決めるとオープニングムービーが始まる。不思議な世界で目覚めた主人公は,何やら封印が施されているらしき“輪っか”から「ここから出してくれ。このままでは世界が大変なことになる」という話しをされる。その声に従い封印を解くと現れたのは,最強の魔物「ドラゴ」。何と主人公はドラゴに騙され,輪っかに閉じ込められていた魔物を解き放ってしまったのだ。
主人公は,ドラゴを封印していた輪っかこと「リング」とともに,ドラゴが闇のオーラで世界を包もうとするのを阻止するため冒険に出ることになる。
……と,しっかり物語性があり,なにより「元凶は主人公(プレイヤー)自身!?」という幕開けや,「出会いとトレーニングは場所を選ばず!」と妙なテンションでよくしゃべるリング,運動をすればするほど燃え上がる髪の毛など,出だしから世界観や物語の展開がぶっ飛んでいるので,フィットネス抜きにいちゲームの物語としても楽しめそうだ。
アドベンチャーの進め方はステージクリア型で,マップからステージを選択しそれをクリアすることで次のステージが開放される。
山や川,沼地,そして空とさまざまあるステージは,プレイヤーがジョギング(足踏み)すると主人公がルートに沿って自動的に走り出す。リングコンをお腹に押し当て腰を左右に振り,イカダのオールを漕いで川を渡るといった,ジョギング以外の運動で進める場面もある。
リングコンは,押し込むと「空気砲」で空気を放ち,引っ張ると周りのものを吸い上げる。下に向けて空気砲を放つとジャンプでき,障害物を飛び越えたり別ルートに飛び移ったりといった場面で使用が可能だ。
ルートのあちこちには経験値が手に入る大きなコイン,ウェアやスムージーの購入に必要なお金があるので,破壊可能なオブジェクトを空気砲で撃ったり,届かない位置のものを吸い上げたりして集めよう。
スムージーは,バトル中に使用すると体力が回復したり一時的に能力が向上したりするアイテムだ |
トップス,ボトムス,シューズは,見た目が変わるだけではなく主人公の攻撃力や防御力も変化する |
ほかにも,宝箱をスクワットで開ける,腹筋に力を入れて道をふさいでいる岩を破壊するといった,フィットネスを取り入れたアクションがあり,ゲームを進めながらプレイヤー自身のさまざまな部位を鍛えられる。ランニングのフォームを保ちつつリングコンを操作するのは,体力とバランス感覚が必要となりなかなか大変だが,慣れてくるとこれがクセになる。
また,運動やコースクリアで経験値を得ると,主人公キャラクターのレベルがアップする。つまり,プレイヤー自身の肉体が鍛え上げられるのとともにゲーム内のキャラクターも強くなるというわけで,これもフィットネスの持続性につながるものとなるだろう。全体的にアクション性が高く,いちゲームとしてのやり応えも十分だ。
さらにゲーマーの魂に火を付けるのが,ステージで敵と遭遇すると始まるターン制バトルだ。もちろんバトルも“攻めるも守るもフィットネス”で,各部位を使った運動やヨガが技になった「フィットスキル」で相手を攻撃するのだが,これがゲームとしてもかなり作り込まれたものになっていた。
フィットスキルは,腕に効く運動が赤色で分類された「うで」,お腹に効く運動が黄色の「はら」,足や下半身を鍛える運動が青色の「あし」,ヨガの動きがターコイズブルーの「ヨガ」という4種の属性に分かれており,自ターンでは最大6種類セットできるフィットスキルの中から1つを選び,実際にその運動を行って敵を攻撃する。
このバトルで重要となるのが,正しい姿勢で運動すること。しっかり身体を伸ばしたり傾けたりすることで相手に与えるダメージが大きくなるのだ。この判定が絶妙で,少しバランスを崩したり動きが悪かったりするだけで攻撃力は落ちる。ちょっとでも自分に甘え,手を抜くとバレるのだ。最初に正しい姿勢でセッティングできているかにもよるが,リングコンとレッグバンドのセンサーの精度は高い。
フィットスキルはレベルが上がったり物語を進めることで種類が増える。属性のほかに単体か全体攻撃かといった違いもあるので,スキルのセットは「ステージに出現する敵との相性を鑑みつつ,自分の鍛えたい部位の運動を選ぶ」みたいな楽しみも生まれそうだ。
バトルの1つの特徴となっているのが,フィットスキル使用中のリングの応援だ。「いいよ」「素晴らしい」「自分を追い込んで」「キレッキレ!」「汗が輝いているよ。ビューティフル!」と,ジムのインストラクター風でありつつも独特のノリとテンションがあり,これを聞いていると「キツイけど辛くない! キツイけど楽しい」という気分でやり遂げられるパワーがもらえるはずだ。
敵を倒して完走し,ゴール地点にて,腰をかがめて溜めたパワーを天にめがけて放つ「Victoryポーズ」を決めたらクリア。ポーズを決める際の「ヴィークトリィー!」というリングの歓喜の叫びも必聴だ。
リザルト画面では経験値とともに,活動時間や走行距離,消費カロリー,行ったフィットネスの回数などが表示されるので,結果を確認しつつ,続けて次に進むかひと休み入れるか考えよう。
アドベンチャーには20以上のワールドが収録されており,運動負荷の設定や個人の運動量で前後するが,目安として1日30分程度のプレイで約3か月のボリュームだという。ルートを駆けているときやバトルに制限時間はないので,疲れたときは水分補給や休憩を行い,無理せず自分のペースで挑もう。
本作は“無理なくゲームを楽しみながら運動する”という部分のフォローが絶妙で,ゲームに没頭してオーバーワーク気味になったところで「そろそろ休憩しませんか?」とメッセージが出たり,アドベンチャーを終了した際のクールダウンで「今日は腕まわりを多めに鍛えたようなので上半身を中心にほぐしましょう」といった感じでそのときの運動に合わせたストレッチのメニューを組んでくれたりする。
さらに運動量や運動負荷の設定も自分好みに調整でき,フィットネスの中に苦手な動きがあればそれをボタン操作で簡略化することも可能と,この優しさに触れたら,本作を続けられるか不安という人も「最後までやりきる」という気持ちをキープして身体づくりに励めるはずだ。
「リングフィット アドベンチャー」公式サイト
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