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DMM GAMESの新作「ミストトレインガールズ」の制作者にインタビュー。新たな開発チーム発足の経緯やタイトルの魅力を聞いた
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印刷2020/08/14 18:31

インタビュー

DMM GAMESの新作「ミストトレインガールズ」の制作者にインタビュー。新たな開発チーム発足の経緯やタイトルの魅力を聞いた

 2020年7月29日に事前登録キャンペーンがスタートした「ミストトレインガールズ〜霧の世界の車窓から〜」は,EXNOAのゲームブランドであるDMM GAMESのブラウザ向け新作RPGだ。

画像集#002のサムネイル/DMM GAMESの新作「ミストトレインガールズ」の制作者にインタビュー。新たな開発チーム発足の経緯やタイトルの魅力を聞いた

 本作は,オンラインRPG「FLOWER KNIGHT GIRL」BROWSER / iOS / Android)を手掛けた“はせP”こと長谷川雄大氏が新たに立ち上げたクリエイティブチーム くまさんの第1弾タイトルとなるタクティカルコマンドRPG。人を襲う魔物が跋扈する深い霧に覆われた世界を舞台に,魅力的な美少女たちと魔導列車で旅しながら世界の謎を解くという物語が展開する。開発と運営を担当するのは,童話を題材にしたファンタジーRPG「オトギフロンティア」BROWSER / iOS / Android)でおなじみKMSだ。
 
 配信に先駆け,制作総指揮を務める長谷川氏にインタビューを行う機会を得たので,制作チーム発足の経緯やタイトルの魅力などについて聞いてみた。

“はせP”としてもおなじみ,EXNOA所属のプロデューサー / クリエイティブディレクターの長谷川雄大氏。プロデューサーを務める「FLOWER KNIGHT GIRL」のほか,クリエイティブディレクターとして「ガールズシンフォニー:Ec 〜新世界少女組曲〜(旧タイトル名:ガールズシンフォニー 〜少女交響詩〜)」や「ReBless」などの作品も手掛けている
画像集#001のサムネイル/DMM GAMESの新作「ミストトレインガールズ」の制作者にインタビュー。新たな開発チーム発足の経緯やタイトルの魅力を聞いた

「ミストトレインガールズ〜霧の世界の車窓から〜」公式サイト



「クリエイティブチーム くまさん」発足の経緯


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。ほかのタイトルの公式配信やイベントなどでは「はせP」として広く認知されていますが,あらためて自己紹介をお願いできますか。

長谷川雄大氏(以下,長谷川氏):
 EXNOAではプロデューサーやクリエイティブディレクターなどで,「FLOWER KNIGHT GIRL」ほかのさまざまなタイトル制作に携わっています。基本的にプロデューサーとして参画するときは「はせP」名義で,クリエイティブディレクターのときは本名を使っています。

4Gamer:
 今回,「ミストトレインガールズ」を制作するうえで,新たにクリエイティブチーム くまさんという制作チームを立ち上げられました。その経緯を教えてください。

長谷川氏:
 今まで関わってきたタイトルでは基本1人で作業していて,クリエイティブの監修なども1人で行うことが多かったんです。しかし,個人としてできることには限界がありますし,会社全体で見ても“チーム”として広くクリエイティブを管理できた方がいいだろうと考え,チームを立ち上げました。

4Gamer:
 チームの立上げはいつごろですか。かんなぎれいさんメロントマリさんといったクリエイターの名前もありますが,どれくらいの規模のチームなのか知りたいです。

長谷川氏:
 立ち上げは昨年(2019年)の夏ぐらいですね。今のところ私とかんなぎれい,メロントマリ,あとは“育成枠”みたいな感じの新人が2人で,全部で5人という小さいチームです。

4Gamer:
 「ミストトレインガールズ」の初報はTGS 2019でしたが,あれはチームを立ち上げたばかりのタイミングでの発表だったのですね。

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 DMM GAMESがTGS 2019の2日目に自社ブースにて実施した,新作RPG「ミストトレインガールズ〜霧の世界の車窓から〜」ステージイベントをレポートしよう。本作のプロデューサーを担当するDMM GAMESの“はせP”こと長谷川雄大氏と,開発を担当するKMSの梶原健太郎氏が本作の魅力を語った。

[2019/09/17 12:00]

長谷川氏:
 そうですね。会社とは直前まで話し合っていましたから。

4Gamer:
 では,TGS 2019での発表は,外向けだけではなく内向けにも「今後チームとしてやっていきますよ」という意思表示だったと。

長谷川氏:
 ちょっと大げさかもしれませんが,そういう面もあったかもしれません(笑)。

4Gamer:
 立上げから1年になりますが,そう考えると小規模ですよね。人数は増やしていかないんですか。

長谷川氏:
 なぜ現在も小規模なチームかというと,まずは小さいチームからスタートして実績を作り,少しずつ大きくしていきたいという考えがあるからです。
 いきなり大きなチームを作るのもどうかなと思うところもありますし,自分と考え方の合う人を集めて長くやっていきたいと考えているので,今後もいきなり大勢が加わることはないかなと思います。

4Gamer:
この日も「FLOWER KNIGHT GIRL」のプレイヤーならおなじみといった,七分丈のハーフパンツを着用したスタイルでインタビューを受けてくれた
画像集#006のサムネイル/DMM GAMESの新作「ミストトレインガールズ」の制作者にインタビュー。新たな開発チーム発足の経緯やタイトルの魅力を聞いた
 チーム名が気になりますが,なぜ“くまさん”なんでしょう。

長谷川氏:
 「FLOWER KNIGHT GIRL」でよく公式の場に姿を出すのですが,そういったイベントや配信のコメント欄などで“くまさん”と呼ばれることがありまして(笑)。
 チームを立ち上げるとき,かんなぎれいに「くまさんって名前はどう?」と聞いたところ,「僕はクマ大好きだから,その名前で行こう」と背中を押された感じですね。それでかんなぎれいは乗っちゃったみたいで,すぐにチームのロゴを仕上げてくれました(笑)。それがとても可愛くて一発OKを出しちゃいましたね。

かんなぎれい氏がデザインしたチームロゴ
画像集#028のサムネイル/DMM GAMESの新作「ミストトレインガールズ」の制作者にインタビュー。新たな開発チーム発足の経緯やタイトルの魅力を聞いた

4Gamer:
 これまで主に1人でタイトル制作に向き合っていたとのことですが,チームとして開発を行ってみていかがでしたか。

長谷川氏:
 個人ではどうしても知識や好みに偏りが出てしまいますが,別の視点を持つメンバーがいることで,あらゆる面で奥深さを出せるようになったと感じています。率直に「チームっていいな」と思いましたし,何よりディスカッションしながら進める作業は楽しく感じられました。

4Gamer:
 具体的にはどのあたりがプラスになったと感じていますか。

長谷川氏:
 個人でやっていると,どうしても自分自身との対話みたいなことになって,深く掘り下げていった結果,周りが見えなくなることがあるんですね。
 チームだと,困ったときに頼ることもできますし,対話することでさまざまなアイデアが出てくるので,本当に今はチームで動くこと自体が楽しくてしょうがないですね。新人の2人もきちんと自分の意見を言ってくれますし,毎日が刺激に溢れています。
 チーム外ではありますが,開発と運営を担当するKMSも熱意の塊で,パートナーとして受けた刺激も大きいですね。

4Gamer:
 口ぶりからチームで動くことの楽しさが伝わってきますが,やりにくいと感じたことはありませんか。

長谷川氏:
 そうですね……。強いて挙げるとしたら,複数人が携わるため,キャラクターデザインや彩色といったクオリティ面を“統一する”という部分は,1人のとき以上に入念に進める必要はありました。
 とはいえクリエイティブ関連はこだわりがあり,チームでなくても時間をかけていたところだと思うので,チームの苦労というほどではないですね。KMSにもとても良い形で開発を進めていただけて,控えめに言って“最高のチーム”になっていると思っています。

4Gamer:
 良いことずくめだったと。

長谷川氏:
 はい。いまのところ,良いところしか思いつきませんね。
 チームを立ち上げる前は,自分の思い描くイメージをほかのメンバーと共有するところで,いろいろ齟齬が出てくるのかもしれないとか,うまく意思が伝わらないとかがあるんじゃないかと懸念していたのですが,実際にやってみるとそんなことはありませんでしたし。

4Gamer:
 そんな“最高のチーム”になった要因はどこにあると思いますか。

長谷川氏:
 メンバーを募るうえで,自分の考え方と合う人に声を掛けたからだとは思っています。かんなぎれい,メロントマリの2人は長い付き合いなので,細かく説明しなくても理解してくれますから。
 私がいなくてもチームとして成り立つというか,任せておいても私が作りたいゲームに仕上げてくれるんじゃないかな? とも思います(笑)。

画像集#004のサムネイル/DMM GAMESの新作「ミストトレインガールズ」の制作者にインタビュー。新たな開発チーム発足の経緯やタイトルの魅力を聞いた


「ミストトレインガールズ」はどんなゲームに仕上がっている?


4Gamer:
 「ミストトレインガールズ」ですが,TGS 2019での発表からいままで情報がなかったため,突然の事前登録開始には脅かされました。

長谷川氏:
 2020年春のリリース予定が延期となり,それをお伝えすることもできず,楽しみにしていた皆さんには本当に申し訳ありません。世の中の状況もあってなかなか良いタイミングで情報が出せなかったというのもありますが,ゲーム制作自体はしっかり継続して行っていました。
 今回の発表は,リリース日がしっかり見えた段階で情報を出したいというところで,このタイミングになりました。

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 DMM GAMESは本日,新作タクティカルコマンドRPG「ミストトレインガールズ〜霧の世界の車窓から〜」2020年春にリリースすると発表した。本作は,新たに組織された「クリエイティブチーム くまさん」がイラスト・世界観・シナリオなどを統括するタイトルとなる。

[2019/09/13 19:18]

4Gamer:
 制作はいつごろスタートしたんですか。

長谷川氏:
 構想自体はかなり前からあったのですが,実際に動きだしたのは2018年の秋ごろだったと思います。KMSと開発について具体的な話を始め,メインシナリオをお願いした日日日(あきら)さんと川添枯美さんにストーリーについて相談しました。

4Gamer:
 楽曲制作に工藤吉三さんなどベイシスケイプのメンバーが参加しているのにも驚きました。

長谷川氏:
 ビジュアルや世界観,物語はもちろん,音楽もこだわっている部分です。
 工藤さんをはじめとしたベイシスケイプの皆さんは本当に精力的で,とても素晴らしい楽曲を提供していただけました。公式Twitterで楽曲の情報とともに事前登録開始にも触れていただいて,本当に嬉しい限りです。

4Gamer:
 著名なクリエイターが複数参加されているのを見て,「このメンバーだとけっこうしっかりしたPC向けタイトルも作れるのでは?」と思ったのですが,プラットフォームとしてブラウザを選んだ理由はどこにあるんでしょう。

長谷川氏:
画像集#008のサムネイル/DMM GAMESの新作「ミストトレインガールズ」の制作者にインタビュー。新たな開発チーム発足の経緯やタイトルの魅力を聞いた
 1人のDMM GAMESのクリエイターとして,自社のプラットフォームのメインであるブラウザで勝負したいという思いがあります。
 弊社のブラウザゲームは一般版とアダルト向けという2つのパターンで展開する作品が多いですが,その展開方法にもこだわりがありますし,どちらに対しても妥協したくないと考えています。これは信念といっても過言ではない点でもありますね。
 これは「ミストトレインガールズ」に限らずですが,もちろんPC(DMM GAMES PLAYER)版やスマートフォン向けの可能性はあります。ただ,私個人としての考えも強いところではありますが,まずは“ブラウザでDMM GAMESらしいもの”を出したいという気持ちからですね。

4Gamer:
 DMM GAMES作品のファンとしては嬉しい言葉ですね。その“ブラウザでDMM GAMESらしいもの”となる本作のテーマについて教えてください。

長谷川氏:
 “スチームパンクな世界観と学園モノの融合”です。
 コンセプトアートを作るにもなかなか難しいものがあったのですが,かんなぎれいとメロントマリに「すぐにイメージを形にしてほしい」とお願いしました。
 2人もまだチームに所属する前で,いま考えるとかなりの無茶振りだったのですが,それぞれ仕事を抱えて忙しいなかすぐに対応してくれて,希望どおりのアートを仕上げてくれました。

4Gamer:
 このあたりは,気心の知れた仲というのが大きかったんですね。

長谷川氏:
 本当にそうですね。まだ正式にチームを作る前でしたが,「チームって良いなあ」って初めて感じたときかもしれません。

4Gamer:
 ゲームの世界観や物語について教えてください。タイトル名にミスト(mist)とあるとおり,霧が重要なものとなっているようですが。

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長谷川氏:
 世界は少しずつ謎の霧に浸食されていて,人々は「このままだと人類が滅亡してしまうのかもしれない」という恐怖を感じながら生活しています。
 なぜ霧が存在しているのか,その謎を解き,霧を晴らすことがこの世界の人たちの希望であり,ゲームの大きな目的となっています。
 ストーリーを進めるごとに少しずつ謎が解明されていくという設定となっており,このあたりはシナリオ担当の日日日さんと川添枯美さんに緻密に描いてもらいました。

4Gamer:
 プレイヤーはどのような立場で物語を追っていくのでしょう。

長谷川氏:
 特鉄隊(特別鉄軌隊)と呼ばれる連合組織の隊長として世界各国から集まった学生たちを率い,魔導列車「ミストトレイン」で移動しながら霧を晴らすためその謎に挑んでいきます。
 世界の謎に触れることでプレイヤー自身が考察を楽しめるものをと考えていますが,とはいえ堅苦しくはしたくなくて。特別なメッセージ性を込めたタイトルというよりは,エンターテイメントとして楽しめる作品を目指しています。

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4Gamer:
 冒険の舞台となるイリスクラウドとはどんなところなのでしょう。

長谷川氏:
 5つの国がある大陸で,各国軍学校からの代表がミストトレインに乗車し,主人公とともに各地を冒険することになります。そのミストトレインの線路はいったいいつ,誰が敷いたのか気になるかと思いますが,こちらは物語の謎の1つとなっているので,楽しみにしていてください。

4Gamer:
 5つの国はそれぞれ異なる文化を持っているのでしょうか。

長谷川氏:
 はい。例えば物語のスタート地点であるセントイリスは,霧が薄く比較的安全な場所です。女王を元首とする君主制の国で,騎士道や礼を重んじる文化があります。実際の国を例に挙げるとすれば,イギリスが近いですね。
 ほかにも,雪に覆われた土地にある工業が盛んな軍事国家・アイゼングラートや,巫女装束のような服装をまとったケモ耳種族の国・ニシキなど,国の名前や学校の制服のデザインなどから,どんな文化を持つ国か想像しやすいようになっています。

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イギリスほかヨーロッパのターミナル駅をイメージさせるデザインのセントルイスの駅。
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同じく背景アートより,アイゼングラート(左写真)とニシキ(右写真)の街並み。レンガ造りの建物が並ぶアイゼングラートは東欧やロシア, 鳥居が印象的なニシキの街にある建物のデザインは,日本だけではなく中国などの影響も感じられる

4Gamer:
 仲間になる美少女たちは,出身国によって異なるところがあるのでしょうか。

長谷川氏:
 性格や気質が異なるだけではなく,出身国のイメージ元になっている実際の国や地域などのワードが名前として使われているので,そのあたりの違いは面白いと思います。
 外見や身に着けているものにそれらのイメージ元がモチーフとなったものがあったりもするので,お気に入りの美少女の名前を調べてみると新たな発見があると思います。
 それらはあくまでエッセンスとして取り入れているもので擬人化ではありません。本作オリジナルの登場人物として,彼女たちの魅力に触れてほしいですね。

いわゆる“ケモ耳”の種族のニシキ。稲作文化で米を中心とした食に対するこだわりが強く,鉄道の旅には欠かせない(?)弁当作りも盛んのようだ
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4Gamer:
 美少女たちを作り上げるうえでこだわった箇所があれば教えてください。

長谷川氏:
 ビジュアル面で力を入れているところは,各国の特色を表した制服のデザインですね。かんなぎれい,メロントマリの2人からもさまざまなアイデアをもらってデザインしたもので,世界観の形成にも大きな影響を与えています。
 同じ学校の生徒でも着こなし方が異なっており,そういった着崩し方からも特徴や性格の違いが感じられるようにしています。

森に囲まれた国ヴェルフォレットの学生たち。大きく分けて魔法使いとレンジャーという2つの職種があり,制服の特徴となっているローブは,魔法使いは厚手のしっかりしたもの,レンジャーは薄手の動きやすいものといったように,それぞれの用途に合った素材のものをまとっているようだ
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こちらはかんなぎれい氏,メロントマリ氏による,セントイリス軍学校とアイゼングラート軍学校の制服デザインのラフ
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同じく制服デザインのラフより,ニシキ,ヴェルフォレット,そして熱帯にある国フレイマリンの軍学校の制服。南国のフレイマリンの国民は男女問わず水着をベースとした服装で,制服も同じように肌の露出が多い
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4Gamer:
 公式サイトで公開されている動画を拝見しましたが,ホーム画面やバトル,イベントシーンなど,どの場面でもキャラクターが“すごく動いているな”というのが印象的で,こだわりを感じさせるものでした。

長谷川氏:
 とくにバトル中のスキルカットインには注目してほしいですね。
 「SSR」という高ランクのキャラクターがスキルを発動すると,アニメーションによる演出が楽しめます。これによって,バトルを含めた物語全体を,1本のアニメを観ているかのように楽しめるのではないかと。これは私自身が時間を掛けてこだわりぬいて搭載したものなので,プレイした人たちに喜んでもらえると嬉しいです。

4Gamer:
 アニメーションの演出が用意されているとのことで,キャラ1体当たりの作業工程はかなりのものになりそうですよね。

長谷川氏:
 キャラクターはさまざまな場面で動いてくれますが,実はその中に,私の想定していなかったものも多いんですよ。
 最初は動く仕様ではなかったところやここは動かせないだろうなと思った場面も,KMSの開発チームのほうで「ここも動いた方がプレイヤーに楽しんでもらえるだろう」ということを考えてくれて,動きを追加してくれていたんです。

4Gamer:
 それはすごいですね。

長谷川氏:
 はい。驚くほどのKMSの開発力が素晴らしいのはもちろんですが,何より「ゲームをより面白いものにしたい」という熱意を持って制作に取り組んでもらえていることが嬉しかったです。バトルも爽快さと手軽さに加えて奥深さもあるシステムを丁寧に作ってくれましたし,本当にありがたい限りです。

こちらはバトルのカットイン演出。バトルやイベント,ホームメニューなど,実際に“良く動く”ゲーム画面は公式サイトをチェックしてほしい
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4Gamer:
 リリース時点で何人くらいのキャラクターが登場する予定ですか。

長谷川氏:
 40人ほど登場する予定です。学校という設定があってさらにそれが5か国それぞれにあるわけですから,少なくともそれくらいは人数が揃っていないと成立しませんよね。もちろんリリース後もキャラクターは増えていきますよ。

4Gamer:
 長谷川さん個人として特別な思い入れのあるキャラクターはいますか。

長谷川氏:
 うーん……。誰か1人というのは難しいですが,メインキャラクターの1人であるヤクーツクは自分の好みが色濃く反映されているキャラクターかと思います。
 元々はお姉さんキャラだったのですが,“銀髪ロリっ子キャラ”にしてほしいと説得した経緯がありまして(笑)。無理を言った分,めちゃくちゃ可愛く仕上がったと自負しております。双子という設定もあるのですが,こちらがどうなったかはまだ秘密です。
 ちなみにですが,かんなぎれいは自身が手掛けたナビキャラクターのパディントン,メロントマリは中二病っぽい設定のルーアンがお気に入りのようですね。

左から,ヤクーツク,パディントン,ルーアン
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4Gamer:
 アニメを視聴しているかのように楽しめる作品という話がありましたが,全体的に“アニメ映え”しそうな作品だと感じました。アニメ化のようなメディアミックス展開は構想にありますか。

長谷川氏:
 具体的になにか発表できることがあるわけではありませんが,メディアミックスについては前向きです。
 ご指摘のとおり,プロジェクト自体がアニメを意識したものになっていますし,イラストやシナリオを担当しているメンバーからいっても,物語をより深く読み解けるようなライトノベルなどは展開させたいですね。

4Gamer:
 気が早いかもしれませんが,クリエイティブチーム くまさんの今後についても知りたいです。本作以外にも制作しているタイトルはあるのでしょうか。

長谷川氏:
 第2弾タイトルは開発中で,かんなぎれい主導の3弾と第4弾までの構想はあります。
 いまはなにより「ミストトレインガールズ」を作り上げ,サービス開始後もしっかり軌道に乗せることが最優先ですが,いずれは私やかんなぎれい以外のメンバーが主導で動かすタイトルも出していきたいと考えています。あとは先ほど話ましたが,ブラウザゲームへのこだわりは変わらず持ち続けたいと思います。

画像集#020のサムネイル/DMM GAMESの新作「ミストトレインガールズ」の制作者にインタビュー。新たな開発チーム発足の経緯やタイトルの魅力を聞いた

4Gamer:
 最後に,「ミストトレインガールズ」を心待ちにしている読者やファンにメッセージをお願いします。

長谷川氏:
 まず,当初の予定からリリースが遅れてしまったことを,あらためてお詫びいたします。
 想定よりお待たせすることになってしまいましたが,その分かなり良いものができたという手応えを感じています。
 プレイする人たちに楽しんでほしいという一心で,メンバーが一丸となって制作を行ってきました。気軽にプレイしていただき,本作の魅力を感じてもらえると嬉しいです。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。



 インタビューののち,シナリオを担当する日日日氏と川添枯美氏からコメントが届いたので,本稿の締めとしてそれをお届けしよう。

「キャラ設定からメインシナリオ,イベントと,シナリオに関する重要な部分に関わらせていただいています。この幻想的な世界観にユーザー様が入り込めるよう,日日日さんといろいろと相談しながら割と思い切って書いています」(川添枯美氏)

「本作ではキャラ設定やシナリオ,ボイスなどを作成してます。川添さんが築きあげた美しい世界観をさらに広げ,深める,という名目で,わりと好き放題にやってます。宇宙人を出してみたり」(日日日氏)

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「ミストトレインガールズ〜霧の世界の車窓から〜」公式サイト

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