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[TGS 2019]「ブリガンダイン ルーナジア戦記」ステージイベントをレポート。一流スタッフの相乗効果で新たなファンタジー世界が作られる
ステージにはハピネットのプロデューサーである五十嵐一開氏,脚本家の寺田憲史氏,イラストレーターの風間雷太氏,開発を担当するMATRIXのディレクターである大和田智史氏が登壇。まず五十嵐氏から,PlayStation用ソフト「ブリガンダイン グランドエディション」(以下,グランドエディション)の発売から20年を経た2020年に続編を出せることについて,喜びのコメントが語られた。
ハピネットで五十嵐氏がゲーム開発部門を立ち上げたのは6年前。「グランドエディション」を開発したハピネット子会社ハーティロビンの開発部門が2000年代前半に閉鎖されて以来,久々のゲーム開発事業の展開であり,「ルーナジア戦記」の開発がスタートしたのは,さまざまな要件が整った2017年だったという。
最初期の「ファイナルファンタジー」で活躍したものの,近年はゲームへの参加数が少ない寺田氏や,旧作とはイラストの方向性が異なる風間氏にオファーを出したのは,新しいプレイヤーへのアプローチを狙ったためとのこと。サウンドの佐藤天平氏は「グランドエディション」から続けての参加となるが,制作された38本の楽曲はすべて新曲だという。
開発をMATRIXが担当することになったのは,複数の開発スタジオに相談を持ちかけたとき,MATRIXのみが「ブリガンダインとは,最高だ!」と前のめりな姿勢を見せたことにあるという。開発スタッフの士気も高く,開発は順調に進んでいるらしい。
MCからシナリオを作るにあたっての要点を聞かれた寺田氏は,人間が持つ表と裏の両面を表現するリアリティのある演出だと語った。そういった二面性というのは,キャラクターの表現はもちろん,ゲーム内の国々にも反映されており,ステレオタイプな善悪ではなく,各国が戦争に踏み切る事情や意図などが描かれるそうだ。
本作のイラストは,風間氏の普段の絵柄からすると,重量感が強めの衣装デザインや,落ち着いた配色となっている。風間氏は,これは重厚さや高級感をテーマとしてデザインしているためであると解説。また,宗教的概念やイデオロギーをコンセプトとして,黒・白・金をベースにした配色を行っていると語った。
また,第1弾PVの冒頭に出てくる史書“ルーナジア戦記”のデザインも,風間氏が担当している。PVでは表紙に動いている部分があるが,ここには何らかの意味が込められており,ゲームをプレイすることで理解できるらしい。表紙には人物のレリーフがあることも確認できるが,デザイン段階では本自体が人間の形をしているという案もあったそうだ。
サウンドの佐藤氏は都合が合わず,今回出席できなかったとのことで,五十嵐氏が代わりに音楽面を紹介した。「ルーナジア戦記」のメインテーマ曲はオーケストラで奏でられており,4分を超える尺があるとのこと。フルで聴ける機会を考えているとのことなので,期待したい。
また,東京ゲームショウ2019のハピネットブースでは,6か国のテーマ曲を聞くことが可能だった。
戦闘曲も国ごとに異なっており,曲に対応する国を入れ替えると成立しなくなるくらい,各国のイメージを表現できている曲なのだとか。その音楽からイメージを膨らませて風間氏はキャラクターをデザインしたり,そんな風間氏のアートワークを見て寺田氏は台詞を調整したりしているそうだ。最高のクリエイターが集まったことによる相乗効果で,よりクオリティが練磨されていることがうかがえる。
終盤では,開発中のROMを用いた実機プレイが披露される……予定だったのだが,Joy-Conの反応が悪く,もしものために用意されていたリプレイデータが再生されることに。余談だが,Joy-ConのBluetooth接続は多くの来場者およびスマートフォンなどが集まるイベントでは干渉を受けやすく,複数のイベントでハプニングが起きているので,有線コントローラを使うのがベターだ。
実機プレイでは,ユニットごとの地形との相性や,複数のユニットで敵に隣接することによる包囲効果などが紹介された。また,敵のAIはハードだと“音(ね)を上げたくなるくらい”の強さにしたいとのことで,歯ごたえのあるプレイを楽しめそうだ
最後に,五十嵐氏は「ブリガンダイン」シリーズを生み出したイースリースタッフ(ハピネットの子会社だったハーティロビンの開発部門)と,長く「ブリガンダイン」というタイトルを愛してくれているファンに対して,感謝の意を述べた。五十嵐氏の熱い思いと最高のスタッフによって作られる「ブリガンダイン ルーナジア戦記」は,2020年春に発売の予定だ。
「ブリガンダイン ルーナジア戦記」公式サイト
4Gamerの東京ゲームショウ2019特設サイト
- 関連タイトル:
ブリガンダイン ルーナジア戦記
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