プレイレポート
「MISTOVER」プレイレポート。あらゆる行動がその後の展開を左右する,死と隣り合わせの緊張感に溢れたローグライクRPG
本作は開発を務めたKRAFTON自身が“随時戦略を必要とする”と謳う高難度のローグライクRPGだ。ゲーム全体に制限時間が設けられた「滅亡の時計」や,隊員が死亡すると復活できない「パーマネントデス」といった,緊張感を与えるシステムがいくつも組み込まれており,プレイヤーは常にシビアな選択肢を迫られることとなる。
ここでは本作のプレイレポートをお届けしていく。攻略に役立つ情報も記述するので,冒険の手助けになれば幸いだ。なお,今回はSwitch版でプレイしており,記事中のスクリーンショットはSwitch版で撮影したものとなっている。
「MISTOVER」公式サイト
人類の生存のため,命を懸けて戦いに臨む冒険者たちの物語
本作の舞台は,突如として発生した巨大竜巻から現れた幻獣の攻撃により滅亡に瀕した世界。人々は幻獣の発生源である巨大竜巻を調査すべく,唯一生き延びた王国・アルタに集い,命懸けの戦いに赴く。
プレイヤーはアルタの公爵家の主・ハインリッヒが結成する調査団を編成,管理し,調査に臨むこととなるが,集まった隊員はかなりの個性派揃い。修道会所属の騎士・パラディンや修道女のシスターといったオーソドックスなところから,暗殺教団出身のシャドーブレードに,極度の面倒くさがりのオンミョウジ,果てにはそそっかしい新米死神のグリムリーパーなど,生き残った人員総動員といった面々となっている。
ゲームの流れは,拠点となるアルタで準備を整え,ダンジョンの探索を進め,アルタに帰還し,次の調査の準備を進める,といったサイクルで進行する。これだけ見ると一般的なローグライクゲームと同じに思えるが,ここに本作を象徴するシステムである「滅亡の時計」が備わることで,ゲーム全体に強烈な緊張感が生み出されている。
滅亡の時計は言ってしまえば,ゲーム全体の制限時間のようなもので,23時40分からスタートする時計が,0時になった時点でプレイヤーはゲームオーバー。世界が滅亡するとともに,セーブデータも消滅してしまう。
この時計の針は,ダンジョン探索の結果により,進行,停滞,遡行するようになっており,簡単に説明すると,“くまなくダンジョンを探索すれば滅亡までの時間を先延ばしにできる”と受け取ってもらえば大丈夫だ。
■評価につながるポイント(一例)
・モンスターをすべて倒す
・宝箱をすべて開ける
・ガラクタをすべて調べる
・光花をすべて点灯させる
なお,本作のダンジョンはそれぞれ出現する敵のレベルとマップの大きさが決まっており,プレイヤーは任意でダンジョンを選択できる。そうなると,簡単なダンジョンをくまなく探索して,滅亡の時計を遡行させればいいのでは? と考える人もいると思うが,そんなに現実は甘くない。
探索する隊員のレベルと出現する敵のレベルがあまりにも乖離していると,マイナス評価の項目がなくとも時計が進行していくことを確認できた。探索するダンジョンのレベルはできるだけ隊員のレベルと合わせたほうがいいだろう。
ダンジョン探索は準備から始まる
アルタの施設を紹介
拠点となるアルタには,生き残った人々が営むさまざまな施設がある。どれも冒険に役立つ施設となっているので,1つずつ紹介していく。
■調査本部
調査本部では,新しい調査隊員の雇用ができる。雇用できる隊員は週ごとに変わり,8人がランダムで表示される。ダンジョンでは仲間が死ぬことも少なくないため,ある程度余裕を持って雇用しておこう。■訓練場
訓練場では,調査隊員の戦闘スキルの強化のほか,新しい戦闘スキルの習得,ジンクスの矯正ができる。新しいスキルを覚えさせるためには,該当のスキルを持った他の調査隊員が必要となるため,こまめに調査本部で新規隊員をチェックするといいだろう。■錬金術工房
錬金術工房では,装備の鑑定,合成,分解ができる。青色(レア)と紫色(エピック)の装備は,鑑定することで隠された力が開放されるため,使いたい装備は忘れずに鑑定しておこう。■調査団支援事務所
調査団支援事務所では,満腹度と光輝度の最大値増加やカバンスペースの拡張といった支援要請が行える。支援要請には,ダンジョンで入手できる「日誌」が必要となる。■倉庫
倉庫では,所持アイテムの確認ができる。倉庫ではアイテムを捨てられるが,ショップで売ることにデメリットはないので,いらないものは売却していくといいだろう。■ショップ
ショップでは,アイテムを購入したり,不要なアイテムや装備品を売却できる。販売されるアイテムの在庫は毎週リセットされるので,よく使う消耗品は余裕のあるときに確保しておきたい。■執務室
執務室では,ストーリーに関連するさまざまな依頼を受領できる。依頼を受け,ダンジョンで条件を達成し,報告する,といった流れでストーリーは進行していくので,こまめに確認する癖をつけておこう。■渡し場
渡し場では,エリアとダンジョンを選択し,探索に出発できる。ダンジョンの大きさや出現するモンスターのレベル,入手可能な目玉アイテムを確認できるので,状況に応じて探索する場所を選んでいこう。ダンジョンは常に死と隣り合わせ
楽観的予測を排して探索すべし
本作のローグライクパートはターン進行式で,こちらが歩いたり,宝箱を開けたりすると,敵シンボルも1歩行動する。敵に触れられる形で戦闘が始まると,陣形を崩されたり,敵に先制を取られたりするので,エンカウントするときは出来る限りこちらから接触するといいだろう。
また,職業ごとに使用できる探索スキルは,活用することで探索を有利に進められる。敵に察知されなくなるシャドーブレードの「隠れ身」や,周囲の罠を視界に表示できるオンミョウジの「罠察知」などは,生存力の向上につながりやすいのでとくにオススメの探索スキルだ。
滅亡の時計があるため,探索の目的は「敵をすべて倒す」「宝箱をすべて開ける」「がらくたをすべて調べる」「光花をすべて点灯させる」「依頼の条件を達成する」あたりになるが,もっとも優先すべきことは「生きてアルタに帰還する」ことだろう。
隊員は探索中に死んでしまうと,絶対に復活はできない。手塩に育てた隊員が死ぬショックもあるが,大幅に戦力もダウンしてしまうので,ピンチに陥ったら滅亡の時計のことは一旦忘れて,全力で逃げ帰ろう。
戦闘パートはオーソドックスなコマンド式バトル。ターンごとに区切りがあり,キャラクターのすばやさに応じた順番で行動し,敵味方全員がアクションを終えると次のターンに移行する。すばやさは戦闘中のバフやデバフに加え,敵味方共に攻撃をガードor回避に成功すると向上するため,迂闊な攻撃がピンチを招くことも少なくない。
戦闘時に気を付けたいのは,「出血」や「麻痺」といった状態異常だ。とくに行動するごとに一定のダメージを受ける出血は,隊員の死に直結しやすい。シスターやオンミョウジのスキルのほか,アイテムの包帯で治療できるので,かならず回復手段は用意しておこう。
また,ダンジョンからアルタに帰還すると,食糧や種,包帯といった消費アイテムはすべて霧に汚染されてしまう。アイテムを大量に持ち込んでしまうと,使わなかったアイテムの効果が落ちてしまうので,ある程度目算を立ててアイテムを持ち込もう。
尖りに尖ったローグライクRPG
困難に立ち向かい,心地よい達成感を味わおう
本作は発売前に行った開発者インタビューにおいて,初見クリア率は難度「やさしい」で50%程度と語られていたこともあり,気合を入れてプレイしたものの,筆者も相当な苦戦を強いられる結果となった(筆者は難度ふつうでプレイ)。そもそも本記事を書く前にオールクリアを目指してプレイし始めたものの,20時間遊んだ時点でメインパーティが半壊,クリアを一旦諦め,仕方なしにプレイレポートを書き始めた次第だ。
「MISTOVER」インタビュー。開発自らが高難度ゲームと謳う本作の特異なゲームシステムやその狙いについて聞いた
2019年10月10日にアークシステムワークスより販売されるローグライクRPG「MISTOVER」。発売まで1か月を切った本作のゲームシステムやその狙いについて,開発を務めるKRAFTONのJames Han氏とLee Woo Seok氏に話を聞いた。
本作の面白さは,高難度を乗り越えた達成感,緊張感からの解放にあるように思える。また,現状のリソースを活用して困難を打開するといったローグライクを象徴する要素も強く,ダンジョンを攻略するたびにプレイヤーとしての成長を実感できるのも面白い。
ローグライクというジャンルはどちらかと言えば玄人好みしやすいゲームが多い気がするが,本作はその中でもとくに尖っている作品に該当するだろう。ローグライクをやりつくした人はもちろん,初めてプレイするという人にも,困難に立ち向かい,心地よい達成感を味わってほしいと思う。
「MISTOVER」公式サイト
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Copyright(C)KRAFTON, Inc. All rights reserved.
Published by ARC SYSTEM WORKS.
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