インタビュー
日本の作品を見て田舎暮らしに憧れた。「小森生活」の開発会社ZORROのCEO兼プロデューサーインタビュー
プレイヤーは都会暮らしに疲れ,祖母からの不思議な手紙をきっかけに田舎暮らしを始める。
NPCとの関わりに加え,プレイヤー同士の関わり(ソーシャル要素)を重視した,この手のゲームにしては珍しいオンラインゲームだが,田舎で農作物を育て,森に入って木を切ったり,川で釣りをしたり,コスチュームを製作して着飾ったり,自分の家をデコレーションしたりと,のんびり遊べるようだ。
いかにも日本受けしそうな本作だが,いったい何がきっかけで中国のデベロッパがこのようなタイトルを開発することになったのか,本作のプロデューサーであり,開発会社ZORROのCEOでもある趙 耀宗氏にインタビューした。日本展開についても聞いてきたのでお見逃しなく。
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日本の田舎の風景に憧れを持つ中国人も多いんです
4Gamer:
よろしくお願いします。
さっそくですが,ゲームについて改めて教えてください。
オープンワールドの世界で農場生活を楽しむゲームです。野菜や花を育てて収穫したり,川で釣りを楽しんだり,森に入って動物を狩ったり,虫を採集したりですね。日本の田舎暮らしでイメージできることはだいたい体験できると思います。
日本のゲームでいうと「牧場物語」や「ぼくのなつやすみ」に近いと言えばイメージしやすいでしょうか。その2作品には特に影響を受けていますし。
ただ,シングルプレイではなくオンラインでのソーシャル要素を重視しています。友達と一緒に遊べる「ぼくのなつやすみ」というのが,わかりやすいかもしれません。
4Gamer:
中国でこういったゲームはかなり珍しいですよね。対戦ゲームがほとんどというイメージでした。
趙氏:
はい。まだ中国はカードやアクションなどの対戦型のゲームが多いですね。
ただ,私自身が「ぼくのなつやすみ」の大ファンなので,日本で親しまれているようなカジュアルな感じのゲームが作りたかったんです。
4Gamer:
「ぼくのなつやすみ」の影響ってどの辺りに受けているんでしょうか。雰囲気ですか? それともミニゲーム?
趙氏:
どちらかというと雰囲気ですね。「ぼくのなつやすみ」は主人公が夏休みの間,親戚の田舎で過ごすという物語ですが,都市部で生まれた私たちくらいの世代は田舎というものにあまり馴染みがないんです。「ぼくのなつやすみ」や同じく田舎暮らしを題材にした日本の映画を見て,「自分もそういう生活がしたい」と思っていました。
4Gamer:
「ぼくのなつやすみ」を「懐かしい」と感じる日本人は多いと思うのですが,中国の人はどう感じるのだろうと思っていたんです。やはり自分たちの文化とは違うモノとしてとらえているんですね。
趙氏:
そうですね。ですが,私を含め,中国の30代の人達は日本のアニメを見て育っているので,そうした作品の中で見る「日本の田舎の風景」に憧れを持っている人も多いんです。
「ぼくのなつやすみ」の一番素敵なところは没入感の高さです。日本の子供になり切って,あの素朴な雰囲気の夏休みを体験できます。
4Gamer:
ぼくのなつやすみの影響を受けているということは,小森生活の構想自体はだいぶ前からあったんですか。
趙氏:
2014年ごろから作りたいと思っていました。ですが,さきほどの話のように中国のゲーム市場はアクションゲームやカードゲームが主流で,こういったゲームが受け入れられる土壌がまるでなかったんです。去年あたりから,受け入れられる土壌ができてきたことを感じられたので作り始めました。
4Gamer:
個人的な意見になりますが,殴ったり殺したりといったゲームはお腹いっぱいです(笑)。
趙氏:
私もそうなんです(笑)。このゲームを開発するときに一番悩んだのは,多くのプレイヤーが「マイナスの要素」を求めてくることなんですよ。例えば,隣の野菜を盗むとか……。私の考えとは異なる方向性なので,そういう要素は入れていませんが。
4Gamer:
ああ。なんかわかります。ゲーム内に戦う相手がいることが,まだ多くのプレイヤーの前提なんですね。そしてそれ以外のモノが受け入れられるだけの土壌が中国で育っていると。
そうです。80年代生まれの人はPKのあるMMORPGなどを遊んで育っているので,そういうゲームが好きな傾向がありますが,これが90年代生まれになるとシングルプレイのゲームを好む人が多くなりますから。
中国のオタク文化に関しては80年代の人たちが世代としては最初なのだろうと思います。ですが,その年代は北京や上海などの大都市でしか,シングルプレイのコンシューマゲームは遊べなかったんです。
90年代生まれになると,そうした状況も変わって,コンシューマゲーム機で遊んでいる人も多い。またオタク文化も浸透してきて,少しネガティブなイメージが多かったものがポジティブなものに変わってきます。
4Gamer:
なるほど。なんというか趙さんにはいわゆる中国のゲームプロデューサーとは少し違う雰囲気を感じますが,以前は何をしていたのでしょうか。
趙氏:
中国のゲーム会社に入る前は日本の会社で働いていました。下請けの仕事だったのですが,大手の仕事を請けてゲームを作っていましたよ。たくさんの経験を積ませてもらいましたね。日本のシングルプレイRPGの作り方はそこで学びました。
そして中国に戻り,2012年に起業しました。初めの頃はパズルゲームなどを作っていましたね。2016年くらいに会社が軌道に乗り始め,日本の会社からも仕事をいただくようになりました。日本の会社との付き合い方や,日本のゲームの作り方を学べたあとは,すごくうまく行きましたね。
4Gamer:
34歳とお聞きしたので,起業したのが27歳のときですよね。そのくらいだと,大きな会社に入って経験を積むこともできたと思うのですが,あえて起業したのはなぜでしょう。
趙氏:
たしかに上海にはたくさんのゲーム会社があるので,入ろうと思えば入れたと思います。ですが,当時主流のゲームとは違うモノが作りたかったんです。それで仲間と一緒に起業しました。残念ながら,その人はもう別のところに行ってしまったのですけど。それもあって2回めの起業をしたのが今の会社(ZORRO)になります。
4Gamer:
やはり「何か違うモノ」が作りたかったのですね。まとっている雰囲気がアーティストという感じでしたから。
アニメーションムービーが印象的だったのですが,何か影響を受けた作品などはあるんでしょうか。
趙氏:
アニメもそうなのですが,日本の映画の影響を大きく受けているんでしょう。アニメファンではあるんですが,実は映画の方が好きなんです(笑)。
「リトル・フォレスト」「海街diary」「WOOD JOB!(ウッジョブ)〜神去なあなあ日常〜」などの影響は大きいですね。
4Gamer:
なるほど。だから「小森」という名前なんですね。
趙氏:
そうです(笑)。全体的な雰囲気だと世界観は映画の影響も大きいですね。
こだわりを妥協せず,作りたいものを作る
4Gamer:
とてもこだわりを感じるムービーでしたが,どういう工程で制作したのでしょうか。
趙氏:
オープニングのシナリオは私が書きました。そこからカットシーンを用意してもらい,それを映像に編集して作るという流れですね。ほかのゲーム会社とは違うかもしれませんが,私達がゲームを作るときはシナリオから始めるんです。ちなみに小森生活のシナリオは4年をかけて考えています。
4Gamer:
それほどこだわりをかけた物語だと,仕上げるのはとても難しくないですか。
趙氏:
オンラインゲームにするのはとても難しいですね。シングルプレイゲームならもっと簡単なはずなんですけど。
4Gamer:
開発している間に練り上げたシナリオのどこかを削ったりとかは?
趙氏:
たくさん削りましたよ(笑)。オンラインゲームだと,映画のような緊張と緩和の抑揚を描きづらいんです。だから「小森生活」は1つの壮大なストーリーではなく,エッセイのような小さな物語の集合体になっています。今日はここでこんなことが起きて,明日は別の場所で別の出来事が起きる,その積み重ねで,より世界に入り込んでいけるような作りにしています。
4Gamer:
特にオープンワールドになると,プレイヤースキルや進め方で大きな変化が出るじゃないですか。ストーリーテリングとは最も相性が悪いんじゃないかと思っているので,そのあたりは気になっています。
趙氏:
そこまで問題が生じない作りになっています。進み方が早い人も遅い人も“体験できる物語”は同じで,早い人はただそこに到達するのが早いだけです。
4Gamer:
それだけこだわりを懸けたストーリーがしっかりと描かれているようで安心しました。
シナリオもそうなのですが,このレベルのアートをゲーム全編にわたって,クオリティを維持して収めようとすると,相当な手間がかかりますよね。これは趙さんが陣頭指揮を執ってるのでしょうか?
趙氏:
私が全体を統括していますが,やはりすごく難しいですね。自分が欲しいモノを作るために,相談とリクエストの繰り返しです。何が必要なのかを伝えるために,ミーティングを何度もして自分の思いを伝えていきます。もちろん,自分の意見が必ずしも正しいわけではないので,ほかの人の意見も取り入れながら,ですが。
コンテンツや雰囲気などは大まかな方向性で指示を出してますね。逆にUIの配置などは細かく指示しています。
4Gamer:
これだけの規模をまとめるのはやはり大変そうですね。
趙氏:
2009年から一緒にゲームを作り続けているメンバーもいて,お互いのことをよく知っているので,そんなに大変ではないですよ(笑)。
4Gamer:
日本語でいうと阿吽の呼吸というやつですね。開発チームは何人くらいなのでしょうか。
趙氏:
60人ほどで,コアメンバーは10人くらいです。
最初に作り始めたときは十数人だったのですが,どんどん人が増えてきて。30人くらいまで増えたときにチームの拡大をいったんストップしました。ほかの会社に仕事をお願いしていこうと考えてたんですけど,あまりクオリティが良くなかったので,結局自分のところで集めることになりました。
4Gamer:
やはり自分でやらないと納得できないわけですね(笑)。
趙氏:
こだわりは妥協できませんからね。チームメンバーと意見が衝突するときもありますが,良い解決方法があるんですよ。自分の意見を伝え続けて,相手が折れるのを待つことです(笑)。
4Gamer:
それ,解決方法なんですか……。
趙氏:
納得してくれるまで何時間でも話します(笑)。
ゲームで知り合い,友だちになって,現実世界でも遊ぶ仲になれる
4Gamer:
「牧場物語」の影響も受けているとおっしゃっていましたが,結婚システムもあったりするんですか。
ありますよ。NPCとは結婚できないのですが,プレイヤー同士が結婚するシステムとして採用しています。
4Gamer:
NPCとの恋愛はないんですね。
趙氏:
そうですね。物語ではどちらかというと「小森生活」の世界で暮らす人々の普通の生活を描いていますから。プレイヤーの物語は提供せず,自分たちの体験が物語になるようにしています。
4Gamer:
結婚することで何かメリットがあるのでしょうか。
趙氏:
結婚するとできることも増えますよ。例えばパートナーと一緒に別荘を買うこともできますし,そこでペットを飼うこともできます。今は猫だけなんですが,正式サービス後には犬も飼えるようにする予定です。
4Gamer:
犬派としては早く犬を実装してほしいところです。牧場と言えば犬ですし!(笑)
趙氏:
私は猫派なので猫を優先しました(笑)。
4Gamer:
犬も可愛いですよ(笑)
それはさておき,モンスターと戦うMMORPGや対戦型のアクションゲームと違って,この手のゲームでオンラインのソーシャル要素というのがピンとこないんですが,いったいどういった形で取り入れているのでしょうか。
趙氏:
小森生活で目指しているのは,ゲームの中で偶然知り合って,友だちになったプレイヤーが,ゲームを遊ぶことで親睦を深め,現実世界でも遊ぶような仲になれる,そういうものです。
4Gamer:
雰囲気を大事にしてるゲームで画面に無数のプレイヤーが表示されると雰囲気を壊しそうですが,そのあたりはどうしているのでしょうか。
趙氏:
場所によって同時に入れる人数を制限する形です。例えば港だったら20人まで,村の中だと10人までといった具合ですね。
1つの大きなサーバーの下にいくつもの小部屋があるイメージです。知り合い同士なら同じ部屋に入る可能性が高くなりますし,グループを組んでいれば確実に同じ部屋で遊べます。設定することでまったく知らない人と出会うこともできるし,少し面識がある人とまた一緒遊んだりもできます。
4Gamer:
「知らない人との出会い」が大きなファクターになりそうですね。
趙氏:
おっしゃる通り,ソーシャル要素で一番重要なのは入口となる部分で,つまり「知らない人同士をどうやって友達にするか」です。
SNSやマッチングアプリなどを調査して分かったのが「たくさん人がいる場所で,人はあまり会話をしたがらない」ということでした。ですので「小森生活」では,1対1,多くても2対2で交流する場面を用意しています。
そこで,ほかのプレイヤーと相席するシステムを作りました。海沿いのレストランでは自動的にほかのプレイヤーと相席することになります。そこで少し時間を過ごせば体力が回復したり,会話をすれば友好度の属性が上がったりします。
先ほど紹介した「結婚」はソーシャル要素でいえば,後半にあたる部分です。
4Gamer:
人と出会うきっかけと,話しやすい場所を提供するわけですか。面白いシステムですね。逆に他人と一切関わらずに生活はできるんですか。
趙氏:
できなくはないですよ。海沿いのレストランでもしゃべらなければいいだけですし(笑)。あと,断じてそういう使い方を意図したものではないのですが,課金で個室みたいなものを作れるので,そこに引きこもることもできます。
4Gamer:
なるほど。課金要素の話が出たのでその流れで聞いてしまいますが,どんなものがあるんですか。
大きく分けて2種類あります。1つは利便性を提供するサービス,もう1つが服装や部屋をデコレーションするアイテムですね。ゲームを進めるために課金が必要という形にはしません。
両方とも現実世界の出来事をヒントに用意しました。例えば,歩いても行ける場所だけど,お金を払えばバスやタクシーを使うと,もっと速く目的地に到着できるといった要素ですね。これがプレイヤーに一番嫌われない課金要素だと思います。
4Gamer:
時間を買うという発想ですね。
趙氏:
もう1つのデコレーションアイテムも現実世界で「人はなぜ使いどころのないモノを購入するのか」を研究して,ゲームの中に導入しています。
4Gamer:
使いどころのないモノ(笑)。言い得て妙ですが,おっしゃることは分かります。
こういったほのぼのとした世界を描いているので,どのように課金要素と折り合いをつけるのかと思っていたんですよね。
趙氏:
そこはとくに気をつけているところです。プレイヤーに嫌がられないモノを考えました。
4Gamer:
ランキングなどはないんですか?
趙氏:
そういう概念はないですね。多くのゲームにランキングがある理由はプレイヤーが自分の力を誇示したいという思いが強いからです。
小森生活でも,もしそういったことがしたいのであれば,友達同士でやることは可能だと思います。
4Gamer:
それは,自分がどれだけトウモロコシを収穫したか,とかですか。
趙氏:
(笑)。面白いですが違います。
競う,というよりは自分を表現する方法なのですが,それは先ほども少し話したデコレーションの要素ですね。
例えば,あるプレイヤーがすごくいい時計を買ったとします。中国のオンラインゲームでは「○○が一番いい時計を買いました!」という告知が出るんですよ。「小森生活」にはそういうのはなく,友達が家に訪ねてきて,飾ってある時計を見て,気づいてくれる,そういう世界観です。
4Gamer:
家のデコレーションはどこまで細かくできるんでしょうか。
趙氏:
カスタマイズの自由度はかなり高いです。さすがに家を壁から作ることはできませんが,部屋の中は自由にデコレーションできますよ。
4Gamer:
おお,それは期待できますね。空中にモノを固定したり,アイテムを積み上げたりといったことは?
趙氏:
壁に時計を固定したり,テーブルの上に花瓶を置いたりはできます。何もない空中に浮かせたり,花瓶の上に花瓶を重ねたりはできないですね。「現実的であること」が小森生活の大事な要素なので。でも花瓶に花を飾ることはできます。
4Gamer:
なるほど。そういうところは新鮮かもしれない。自分が収穫したかぼちゃとか,花とかを飾ったりできるんですね。
趙氏:
そのアイテムにデコレーションの属性がついていれば,ですが。
4Gamer:
全部のアイテムができるわけではないんですね。あと,虫は採れたり……?
趙氏:
もちろんできます! 「ぼくのなつやすみ」好きとして,そこは譲れない部分ですから。
4Gamer:
理想的な回答で嬉しいですね。日本でリリースされたら絶対やります。
ちなみに魚釣りの要素がありますが,釣った魚は?
趙氏:
水槽に入れられます。アクアリウムみたいなのも作れますよ。
4Gamer:
ずっとそれをやってそうです。
「ウルティマ オンライン」というMMORPGがありまして,家を自由にカスタマイズできるゲームだったんですけど,それで世界でいちばん家をカスタマイズしたのが日本人だったんですよ。開発者のリチャード・ギャリオット氏もかなり驚いてました。そういった点でも「小森生活」は日本に向いていますね。
趙氏:
ありがとうございます。たしかに日本の会社の方とお話しするときも,そういった部分にとても興味を持ってもらえています。
中国でも対戦ゲーム以外を受け入れる土壌が育ってきた
4Gamer:
βテストの反響はいかがでしょうか。
趙氏:
非常に良い反応を得られています。パブリッシャのテンセントからも評価を受けるんですけど,とても高い評価でした。TapTapでのユーザーの評価も9.4と高いスコアでしたし。
4Gamer:
9.4はすごいですね。中国のユーザーにどういった部分が受け入れられたと考えていますか。
趙氏:
いちばん大きかったのは「ほかのゲームと違う」ということです。中国では本当にたくさんのゲームがリリースされていますが,「小森生活」はそのどれとも違うので。
4Gamer:
中国のユーザーにとっては“新しい体験”だったと。
趙氏:
はい。TapTapに書き込まれたユーザーレビューでは「今までになかった新しいゲーム」という評価を受けていますね。
TapTapのユーザーはコアな人が多いのですが,レビューを書くときに短く一言でしか書かないんですよ。例えば「これはアクションゲーム」「これはRPG」「課金するポイントはここ」という感じです。ところが,「小森生活」の場合はすごく長文でレビューを書いてくれるんです。長いものだと3000文字くらいありました。
4Gamer:
それだけ中国のユーザーにはインパクトを与えたのでしょうね。
そうだと思います。自分が遊びたいゲームを作ったのですが,自分と同じように「このゲームを遊びたい」と思ってくれている人が,たくさんいたんです。感動しましたね。
4Gamer:
ローンチはいつ頃を予定しているのでしょう。
趙氏:
中国では残念ながらライセンス待ち(※)の状況で,正確な時期は分かっていません。早ければ今年(2019年)の10月にライセンスを取得できて,年末にリリースできるかなと。台湾でのリリースは10月24日を予定しています。
※中国でゲームをリリースし,利益を得るためには当局の認可が必要になる
4Gamer:
ライセンスが下りなければ先に日本でやりましょう。
趙氏:
(笑)。日本市場はすごく重視しています。中国でもハイクオリティのモノが作れることを日本の人達に見せたいので,ローンチの順番を遅くしています。
4Gamer:
中国の方はみんなそうおっしゃいますが,すでにかなりのクオリティですよ。
趙氏:
グラフィックスやシステムなどの技術的にはそうかもしれませんが,ストーリーでプレイヤーに感動を与えないといけないと思っています。その部分をしっかりと,良いクオリティのモノにして日本のプレイヤーに提供したいと思っています。
4Gamer:
いちばん大事なローカライズですね。
趙氏:
そうです。日本のパブリッシャを決めて,しっかりとしたローカライズをやる予定です。
4Gamer:
なるほど。それも含めて日本だとどのくらいで遊べそうですか。
趙氏:
最短で来年(2020年)の4月〜6月になりそうかなぁ。時期的にはそこでリリースできるのが一番いいと考えています。10月にはパブリッシャを決めてリリースに向けて動き出せるのではないかなと。
4Gamer:
ちなみにどこが一番有力ですか。
趙氏:
秘密です(笑)。楽しみにしておいてください。
4Gamer:
楽しみにしておきます(笑)。
本日はありがとうございました。
――収録日2019年8月4日
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