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最大60人が入り乱れて戦う「マシュマーク」モードが披露された,「Mecha BREAK」オフラインイベントをレポート
「Mecha BREAK」は,近未来の世界を舞台に新たな資源「EIC原石」をめぐり,特殊なパイロットが操る人型メカ「メカブレイク」で戦う,オンラインSFメカアクションゲームだ。対応プラットフォームはPC(Steam)のほかに,家庭用ゲーム機でもリリースされる。正式サービスは未定で,2024年4月26日〜4月30日にPC版のクローズドβテストが行われる予定だ。
5タイプのメカを操り,多人数の戦場で生き残りを目指す近未来SFメカアクション「Mecha BREAK」,クローズドβテストを4月26日から開催
西山居(SEASUN)は本日(2024年3月22日),PC向け新作3Dメカアクション「Mecha BREAK」のクローズドβテストを4月26日から開催すると発表し,予告映像を公開した。本作は,プレイヤーが5タイプのメカを操り,変化する戦場でライバルたちと戦う多人数対戦アクションゲームだ。
「Mecha BREAK」公式サイト
クローズドβテスター募集ページ
イベントでは,最大60人が広大なフィールドに入り乱れ,PvPやPvEで戦う「マシュマーク」モードが初披露された。本稿では,招待されたメカファンが熱中プレイした,このイベントの模様をお届けしよう。
最大60人が入り乱れるPvPvE「マシュマーク」モードが初公開
イベント会場の試遊台では,クローズドαテストで登場した「ファルコン(軽量攻撃機)」「パンサー(中量格闘機)」「龍淵(中量攻撃機)」「トライセラ(超重量防御機)」「鳴神(軽量狙撃機)」「ルミナ(軽量支援機)」「インフェルノ(超重量攻撃機)」「赤霄(重量格闘機)」「アクイラ(重量狙撃機)」に加え,新機体の「スカイレイダー(軽量攻撃機)」「ハリケーン(超重量防御機)」が使用できた。
登場するメカブレイクのカッコ良さや,機体の重量感が伝わる演出の良さは前回のプレイレポートでもお伝えしたとおりだが,出撃する際はパイロットがメカブレイクに乗り込み,機動戦士ガンダムで言うところのアームレイカー的なデバイスを操作してシステムを起動。ケーブルを引きちぎるようにしてカタパルトから射出されるというシーケンスの演出も入る。さらに,キルされたときには,パイロットが機体から脱出するさまが描かれるのだから,メカファンとしてはたまらない。
各機体の性能もゲームとしての面白さとメカファンの琴線に触れるものだ。龍淵はアーマーをパージすると身軽な姿になって武装が変わり,トライセラは移動できなくなるかわりに,シールドを張って防御力がアップする。ファルコンなら変形して空を飛ぶ……といった具合でそれぞれ個性的だ。
メカらしい機動力の高さも,操作していて心地いい。多くのメカゲームでダッシュ中は継続的にリソースを消費していくが,本作ではダッシュの始動時に「EN」を使うだけで,その後はリソース消費なしでダッシュ状態が続く。キャッチコピーである「チカラ!スピード!一斉砲火!」が示すとおり,マシンの力で天地を駆ける感覚が心地いい。
新機体の概略は以下のとおり。
スカイレイダーは飛行形態「強襲フォーム」に変形できる高機動可変機で,強襲フォームでは自動攻撃するドローンを展開して継続的な攻撃ができる。ほかの可変機同様に飛行するだけならENを消費しないため,うまく戦えば敵を翻弄できそうだ。
トライセラに続く,防御型機体がハリケーンとなる。範囲攻撃の「ENブラスト砲」,囮を呼び出す「デコイドローン」,ドーム状のバリアを張る「シールドドローン」,自動攻撃する「砲台ドローン」に拡散照射の「スプリットカノン」と,持久力と対多数戦にフォーカスしており,いぶし銀の活躍ができそうだ。
会場では「マシュマーク」モードを体験する前に,マップ上にある3つのポイントを取り合って,占領時間に応じて得られるスコアで競う,6vs.6の体験プレイが行われた。
前述のとおり機体の個性が際立っているうえ,チーム内での機体被りが不可能なため,各自が自分の役割を果たす連携が求められる。また,相手が防御の堅いトライセラなら仲間と集中攻撃し,狙撃が得意な鳴神なら遮蔽物を挟むことを意識するなど,機体に応じて立ち回りを変えていくのも重要で,このあたりはヒーローシューターに近いという印象だ。
続いて,新モード「マシュマーク」の体験プレイだが,マシュマークはバトルロワイヤルとPvEが組み合わさった内容となっている。
プレイヤーは6人で小隊を編成し,10の小隊がマップに投入される。小隊はフィールドに点在する敵拠点で“拠点防衛機”であるモブと戦い,ドロップアイテムで自機を強化。やがてはほかのプレイヤー達との遭遇戦が発生し,最後まで生き残った小隊の勝ちとなる。
本作のグローバル・パブリッシング総責任者であるKelly Jin氏はマシュマークが「進化したバトルロワイヤル」であると語る。マップ面積が256平方キロとジャンルでは最大規模のものであることや,そこに散りばめられた敵拠点を利用して優位に立つ戦術,時間で拡大する嵐「EICパルスストーム」の影響,「超重量機マカルー」「空中戦艦コンスタンティン」といった巨大エネミーの出現がほかの作品と差別化した点であると言及した。
マシュマークのマップは広大で,ビルが建ち並ぶ廃墟があれば,開けた美しい海岸や険しい山々ありと,見た目と地形の両面でバラエティに富んでいる。あちこちにはCPUが守る拠点があり,これを攻略するのが当面の仕事となる。CPUは数こそ多いが戦闘力は低いため,次々と撃破できて気持ちがいい。
CPUを倒せば,メカブレイクの塗装を変える「ペイント缶」や,この試合に限って機体性能を上げる「チップ」がドロップするため,集めればバトルがより有利になっていく。チップの性能も,特定機体を強くするものや,「シールド」(機体を守る。時間で回復するバリア的な役割)容量が下がるかわりに,回復力がアップするものなどさまざま。装備できるチップの数にも限りがあるため,ドロップ運と取捨選択が重要になりそうだ。
拠点には施設があったり,「戦闘ビークル」が落ちていたりすることもある。施設は周囲の敵を探知したり,倒れた仲間をリスポーンさせたりでき,かなり重要だ。施設の配置にはランダム要素もあるようで,一発逆転が起こり得るかもしれない。
今回のプレイでは,メカブレイクが乗れる飛行機のような戦闘ビークルを確認できた。ガトリング砲装備のものと,巨大なソードとシールドを備えたものがあり,空を自由に飛べるので便利だ。モブ戦はもちろんのこと,後述するPvPでも有効で,運良く確保できれば大活躍できるだろう。
このように,チップや施設,戦闘ビークルというごほうびがあるため,マップの探索も楽しい。普段のPvPとは別の面白さがあると感じられた。
こうして探索を進めていくと,ほかの小隊と遭遇することになるが,NPCと戦っているところに乱入して漁夫の利を狙ったり,逆に遠くから狙撃機に撃たれてビックリしたりといったカオスが楽しめた。
鳴神やアクイラのデコイ系能力が輝くのも面白いところだ。あるとき仲間が敵小隊の鳴神をこっそり狙い撃ったものの無反応。「CPUなのかな?」と思ったら,実はこれがデコイで本体が襲いかかってきたりもした。個性的な能力を持つ機体によるバトルロワイヤルならではというところで,実に印象的な光景だ。
こうしたバトルを彩るのがEICストームだ。多くのバトルロワイヤルでは安全地帯が狭まっていくが,本作のEICストームは台風のようにマップ上を動き回る。EICストームの中にいると機体の耐久力が減っていくうえ,レーダーも効かないためメカブレイクと言えど危険である。
ときには複数のEICストームにマップのほぼ全域が包まれる場合もあるのだから恐ろしい。残念ながら巨大エネミーと戦うことはできなかったが,マシュマークはJin氏が言うようにメカブレイクの個性とマップの広大さで差別化が図られていると感じられた。
イベントでは,プロジェクトプロデューサーであるKris Kwok氏への合同インタビューも行われたので,その様子をお届けして本稿を締めよう。
――「Mecha BREAK」のコンセプトやテーマを教えてください。
Kris Kwok氏(以下,Kris氏):
我々は「Mecha BREAK」を通し,本当のメカを操縦している感覚を提供したいと考えています。パイロットがコクピットに入り,ディスプレイを点けて出撃するというディテールも大事ですし,人間同士の戦いと違う部分として,コピーに掲げた「チカラ!スピード!一斉砲火!」という要素に力を入れています。
チカラはスケールの大きさ,メカが建物や木にぶつかった際にこれを壊す力強さ。スピードは思ったままに操縦できる感覚。そして一斉砲火は画面を砲火が包み込む迫力ですね。
だから,「Mecha BREAK」は観戦するだけでも楽しめます。ミサイルが着弾すれば大穴が開きますし,レーザーが雑木林を撫でると炎が上がります。すべてのオブジェクトを破壊できますし,こうした演出でメカのパワーを表現しています。
――メカアクションのゲームがいろいろある中で,ヒーローシューターやバトルロワイヤルを組み合わせたのが「Mecha BREAK」の特徴ですが,こうした形式を採用した理由は?
Kris氏:
3vs.3と6vs.6はハードコアで,レベルの高いプレイヤーに向けたeスポーツ的なものになっています。3vs.3と6vs.6で立て続けに負けるようなことがあれば,ヒーローメカを操縦しているような気分も失われますから,PvE的な要素のあるマシュマークを入れた,ということです。
PvEは簡単に敵を倒せるのでプレッシャーが少ないですし,運が絡むドロップアイテムで初心者でも後半のPvPで優位に立てます。そのマシュマークも,試合が進めばEICストームで活動エリアが狭まってPvPとなります。最初はヒーロー感を味わえる遊びやすいPvE,その後にプレッシャーと運が絡むPvPへ移行するわけですね。
――プレイヤーは最終的にどのモードを目指して遊ぶべきでしょう?
Kris氏:
遊びやすいマシュマークを基礎とし,3vs.3や6vs.6で己のスキルを試して達成感を得つつ,バトルパスを進めたり,スコアやランキングを競ったりといった感じでしょうか。カジュアルに遊ぶなら3vs.3や6vs.6は必須ではないです。
――マシュマークが初披露されましたが,プレイヤーの振る舞いの中で印象に残ったものがあれば教えてください。
Kris氏:
プレイヤーの情熱は我々の予想を越えたものでした。プレイしているところを見られてうれしいですし,自分自身もプレイしたかったくらいです。印象的だったのは,最後に2人のプレイヤーが生き残った状態から,リスポーンをうまく使って数的優位を作って勝利したことですね。この動きは想定外のものでした。
あとは2人のプレイヤーが自前のゲームパッドを持ってこられていたことででしょうか。ゲームパッドに対応して良かったと思いました。個人的にメカアクションを遊ぶときはゲームパッドではなく,キーボードとマウスを使うんです。最近だと「ARMORED CORE VI」をプレイしているときも,ゲームパッドだとうまくいかなくて,キーボードを使っていたくらいですから(笑)。
――プレイヤー間の交流を促進する,ギルドのような機能はありますか?
Kris氏:
ゲーム内のコミュニティ機能は考えていません。オフラインの交流も大事ですし,ネットカフェやお家で友だち同士が集まって「Mecha BREAK」をプレイしてもらえればプロジェクトは成功であると考えています。
――開発中にプレイアブル状態になった「Mecha BREAK」をご自身で触られた際の感想を教えてください。
Kris氏:
波瀾万丈のプロジェクトだった,という感じですね。立ち上げは8年前に遡ります。当時の中国にはメカアクションゲームを実現できる人材や能力がなく,これは今も変わりません。そこでイギリスのチームに投資し,SFメカに近い世界観を持つものとして,宇宙戦艦が撃ち合うゲームを作ることにしました。
1年後に資金が尽きたうえにゲームは完成していない状態で,投資から共同開発へシフトしました。古くからの知り合いのゲームデザイナーにアドバイザーとなっていただきましたが,このプロジェクトも失敗に終わっています。これは私がプロジェクトを甘く見ていて,充分なリソースを投入しなかったことが理由です。
その後にプロジェクトを再始動しますが,プラットフォームの選定や方向性の策定がうまくいかず,2回失敗しています。ただ,メカの表現に関するブレイクスルーはたくさんありました。
最終的に,もっともいいチームを編成して2021年の11月にゼロからの再スタートを切りました。5年で4回失敗したことになりますから,この間の思い出はあまり良いものではなかったかもしれませんね。
※詳細は先日掲載したインタビューにて。メカの装甲版と骨格など,さまざまな点について細かく語られている
多くの困難を乗り越え,理想のメカゲームを目指す「Mecha BREAK」。プロジェクトプロデューサーのKris Kwok氏にその苦労や見どころを聞いた
「チカラ!スピード!一斉砲火!」をキャッチフレーズとする対戦メカアクション「Mecha BREAK」。リアルでスタイリッシュなメカ描写で話題となった本作のプロジェクトプロデューサーであるKris Kwok氏に,開発の苦労やゲームの見どころを聞いた。
――ありがとうございました。
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