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Corsair,4K60pのHDR映像を単体録画できるキャプチャデバイス「4K60 S+」や液冷化したPS4 Pro/Xbox One Sを内蔵するゲームPCを発表
近年の同社は,Elgato Systemsのゲーマー向けキャプチャデバイス部門を2018年に買収して,「Elgato Gaming」ブランドとして傘下に加えたのを皮切りに,2019年7月にはゲーマー向けBTO PCメーカー「Origin PC」を,2019年12月にはゲームパッドの専門企業であるScuf Gaming Internationalを買収するといった具合に,盛んな企業買収を行うことで欠けていた製品群を充実させる戦略をとっている。それを反映して,今回の製品発表会も,傘下に加えたブランドを改めて報道関係者に説明するといった趣向であった。
本稿では,新たに発表となった新製品を中心にレポートしよう。
Elgato Gaming:4K60 S+
4K/60fpsのHDR映像を単体録画できる
Elgato Gamingからは,新型のハイエンドビデオキャプチャユニット「4K60 S+」が登場した。世界市場における発売時期は2020年第1四半期の予定で,北米市場向けのメーカー想定売価は399.99ドル(税別)となっている。
4K60 S+の特徴は,コンパクトな筐体内にH.265/HEVCのリアルタイムエンコードが可能なハードウェアエンコーダを内蔵し,スロットに差し込んだSDカードに直接映像データを書き込むことで,PCを使うことなく単体で4K解像度/60fpsのHDR映像を録画できるという点にある。筆者が知る限り,4K/60fpsのHDR映像を単体で録画できる一般消費者向けのビデオキャプチャ製品は,本製品が初めてではないかと思う。
すでに日本語版の製品情報ページもできているので,国内市場での展開も期待できるだろう。ハイエンド相応に価格は高めであるが,現状では唯一無二の機能を備える製品だけに,国内でも需要は少なくなさそうだ。
Elgato Gamingの4K60 S+製品情報ページ
Elgato Gamingからはほかにも,実況者配信者向けのスタンド付きLEDライト「Key Light Air」も発表となった。米国ではすでに注文が可能となっており,直販価格は129.99ドル(税別)である。
80基の高輝度LEDを平面状に並べたフラットなLEDライトで,最大1400ルーメンもの明るい光を放てるのが特徴だ。また,PCやスマートフォンと接続することで,明るさ調整や色温度を2900〜7000Kの間で調整することも可能である。
付属のスタンドは,60〜88cmの間で高さ調整が可能で,台座部分をはずして別売りのクランプに付け替えることで,机にしっかり固定することもできる。
Elgato GamingのKey Light Air製品情報ページ
Origin PC:BIG O
液冷化したPS4 Pro/Xbox One Sを組み込んだゲームPC
ゲームPC部門であるOrigin PCブランドからは,キューブ型のデスクトップPCケース内に,液冷仕様のPCと液冷化したPlayStation 4 Pro(以下,PS4 Pro)またはXbox One S All-Digital Edition(以下,Xbox One S)を組み込んで,PCとゲーム機の機能を同時に使えるというBTOゲームPC「BIG O 2020 Edition」(以下,BIG O)が登場した。
北米市場ではすでに注文が可能となっており,BTO最小構成価格は2499ドル(税別)である。
残念ながら,Corsairの展示ブースに置かれていたBIG Oのデモ機は,ゲーム機部分を組み込んでいない状態だったが,ゲーム機を組み込む場合,キューブ筐体を前面から見て左側がPC部分,右側にゲーム機部分が置かれるとのことだった。
要は,ゲームPC内にゲーム機を無理矢理組み込んだだけなので,PC側からゲーム機を制御するといったことはできないようだ。PCとゲーム機側で同時にゲームをプレイするというデモも披露していたが,同時に表示するにはディスプレイも2台必要になる(※画面分割表示ができるディスプレイなら1台でも可能)。
場所をとらないとか,液冷化により動作音が静かといった実用面の利点はあるだろうが,基本的にはロマン重視のPCと言うべきだろう。
Origin PCのBIG O製品情報ページ
Corsair Gaming:フルキーボード「K95」の改良版と Corsair初の空冷CPUクーラーが登場
本家であるCorsairからは,ゲーマー向けキーボードのハイエンドモデルとなる「K95
ベースとなっているのは,2017年に国内発売となった「K95
また,K95 RGB PLATINUM XTは,メインキー左側に並ぶ6個の「Macro Key」が,Elgato Gaming製の外付けキーパッド「Stream Deck」と同じ機能を利用できるのも見どころであるという。
Stream Deckのように,キートップにアイコン画像を表示する機能はさすがにないのだが,Elgato Gaming製のキャプチャ用ソフトウェアや,PCのアプリケーションを操作するボタンとして,Macro Keysを利用できるわけだ。
CorsairのK95 RGB PLATINUM XT製品情報ページ
Corsairからはもう1つ,空冷タイプのCPUクーラー「A500
A500は,高さ169mmの大型ヒートシンクを挟み込むように,Corsair製の120mm径ファン「ML120」を2基取り付けたCPUクーラーだ。特徴は取り付けのしやすさと,空冷ファンの高さを調整できる機構にあるという。
Corsair製のメモリモジュールもそうだが,最近では大型のヒートシンクを装備した背丈の高いメモリモジュールが珍しくなくなっている。しかし,大型ヒートシンクをマザーボードに取り付けると,メモリモジュールが取り付けられなくなることも多い。そこでA500では,空冷ファンの設置位置を上方向に変えられるようになっており,メモリモジュールと干渉しない位置まで動かせる仕組みを取り入れたわけだ。
Corsair製のメモリモジュールを使ってPCを自作してみようと考えている人は,CPUクーラーにA500を選んでおくと,干渉の心配なくメモリを取り付けられるだろう。
CorsairのA500製品情報ページ
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