プレイレポート
「ブルプロ」の新クラス“ビートパフォーマー”を先行体験。ギターをかき鳴らしてアンプを響かせる,回復&バフの専門家
ビートパフォーマーの存在は,1月に配信された「ブルプロ通信#14」でシルエットのみ公開されていた(その輪郭から「なんかギターっぽいもの持ってるぞ」とは思ってはいた)。
2023年8月に実装された「ブリッツランサー」以来の新クラスということで,気になっていた人も多いだろう。
今回は実装に先駆けて,ビートパフォーマーを先行体験し,気になる手触り感やタクティカルスキルなどを確認してきた。なお,仕様は「実装時に変更される可能性がある」ことはご留意いただきたい。
「ビートパフォーマー」特設サイト
「ブルプロ通信 #16」YouTube
ビートパフォーマーの基本性能
ビートパフォーマーは,RPGでは珍しく「ギター」を使って戦うクラスだ。サポート色が強く,得意とするのも中〜遠距離での戦闘のため,ソロよりもパーティで活躍しやすいと言える。
戦闘中はギターで演奏し,味方に回復やバフをばら撒き,エネミーには音波で攻撃したり,状態異常やデバフを付与したりする。
攻撃スキルをきちんと備えているが,スキルセットがあくまでサポート寄りなため,集団戦ではダメージ以外で貢献すべきだろう。
大きな特徴は,ベースアクションなどを利用して設置できる専用オブジェクト「アンプ」の存在だ。設置済みのアンプに通常攻撃・スキルをヒットさせると“アクションの効果を拡散”できる(※)。
※アンプは「設置した当人(ビートパフォーマー)のみ干渉可能」。ほかのクラスのアクションではアンプに干渉することはできない
つまり,アンプを用いて効果を拡大することで,遠くの味方を範囲回復できたり,遠くの敵に範囲攻撃できたりするわけだ。
アンプで拡散した効果をヒットさせると,専用のクラスゲージ「ヒートゲージ」が増加する。このゲージが最大になると,攻撃やスキルが強化されるモード「ハイスピリット」を発動できるようになる。
中・遠距離向けのサポート系となると,既存のクラス「ブラストアーチャー」との差異については考えるべきだろう。
端的に言うと,ブラストアーチャーは「攻撃とデバフ」に優れており,ビートパフォーマーは「回復とバフ」に優れている。そもそも,これまではヒーラー役の選択肢がブラストアーチャーしかなかっただけに,新たな選択肢というだけで歓迎か。集団戦の事情も変わるだろう。
13種類あるタクティカルスキルの分類は,攻撃系が4種,回復系が2種,バフ系が5種,デバフ系が2種となる。最低限の攻撃能力は有しているが,やはり回復&バフに特化していると見ておくほうがいい。
気になる衣装については,先に紹介しておこう。
画像でも使用しているビートパフォーマーの衣装は,クラス実装日に同時開催されるマンスリーイベントで入手できる。色合いも含め,全体的にクールな仕上がりとなっているが,キャラクターが女性タイプのときは肩出しの大胆なスタイルで,エネルギッシュな印象を受ける。
ビートパフォーマーの動きともよく合っている衣装なので,イベント期間中にぜひとも入手しておきたいところだ。
実際のプレイフィールは?
現時点で気になるのは,やはりアンプの使い勝手だろう。アンプはベースアクション「ジェネレートアンプ」で設置でき,設置可能距離もかなり長めだ。さらにアクション使用後のインターバルが1秒と非常に短く,こまめな置き直しにも対応している。
設置されたアンプの持続時間は,ジェネレートアンプのスキルレベルがG1のときは30秒,G3のときは60秒まで伸びる。
なお,アンプは1人あたり1つしか出せず,新たなアンプを出した瞬間に既存のアンプが消失する。他者が出したアンプにも干渉できない。できたらできたで愉快な絵面になりそうだが,音楽性の違いでパーティ解散といった事態を踏まえると,安パイな仕様である。
アンプはアクション効果を拡散させる機能を備えるが,拡散には2種類のルールがある。1つめは,スキルに連動してアンプからも効果が拡散されるパターン。もう1つは,通常攻撃やスキルから射出される“音波がアンプにヒットしたとき”に効果が拡散されるパターンだ。
例えば,通常攻撃のベースアクション「ソウルコンボ」では,1〜3段目の近接攻撃はアンプに当てずとも連動し,自動で拡散攻撃が発動する。しかし,4段目の音波攻撃はアンプに当てないと拡散しない。
アンプは自身が出したものならロックオンできるので,当てること自体は難しくないが,アクションごとに活用法が異なるわけだ。
さらにアンプの仕様として「自身の発動効果」と「アンプの拡散効果」は別々のものとして扱われる。これがまた重要である。
前述のソウルコンボの4段目を例にすると,エネミーに攻撃するとき,音波攻撃の軌道上にアンプがあれば,“キャラの攻撃とアンプの攻撃,計2種類のダメージを別々に与える”のである。
ダメージを求めづらいサポート型と言えど,この仕様を活用してきっちり重複ヒットさせていけば,ダメージをそれなりに稼げる。このほか,味方に“1回のスキルで2回分の回復”を与えることもできる。
ビートパフォーマー使いには,敵味方の立ち位置やアンプの設置位置。これらを見通して動くための視野が求められる。
続いて,クラス専用ゲージ「ヒートゲージ」と,それを最大までためたときに発動できる「ハイスピリット」を解説しよう。
ヒートゲージは前述したとおり,アンプの拡散効果をヒットさせると充填される。そして,ゲージ最大時に通常攻撃を長押しするとハイスピリットが発動。持続時間はおおよそ80秒と長めだ(ジェネレートアンプのスキルレベルがG4のときの体感)。
このゲージは1回の戦闘が終わったあとでも,かなり長いあいだ消滅することがない。そのため,移動時間が長いタイプのミッションでも,ボスに備えてヒートゲージをためておける。
ハイスピリット状態では,大半のアクション効果が強化される。
強化の方向性は範囲・効果量などさまざまだが,「まったく異なる効果を追加する」といった特性はなく,どれも性能を底上げするものだ。ゆえに,ハイスピリット状態のときだけは立ち回りが変わる,といったこともない。良くも悪くも操作や知識の負担にはならない。
あえて比較するなら,通常時のDPSはブラストアーチャーのほうが高そうな気がするが,ハイスピリット状態ならビートパフォーマーのほうがDPSが高い……気がした。といった体感である。
ULTスキル「カデンツァ」は,ビートパフォーマーを使用するうえで明確な強みを感じられるアクションだ。
カデンツァは効果範囲内に対して,「エネミーにダメージを与え」「味方を回復し」「与ダメージアップ・中,ダメージダウン・小のバフも付与する」という盛られまくった性能で,アンプも連動する。
ピンチのときに使えばパーティ全体を一気に回復でき,バフ効果時間も30秒と長いため,味方の与ダメージを大幅に引き上げられる。
まさに起死回生のワンアクションと言うにふさわしい。
実際にプレイして感じたのは,やはりというか「パーティで連携すれば強いが,ソロプレイでは相当厳しい」ということだ。
集団戦なら,前衛がしっかりとヘイト(敵視)を引いてくれれば,アンプを使って前線に攻撃・回復をばら撒ける。ダメージ上昇バフなどに関しても,前衛にはアンプからの拡散効果で,後衛には自身からの発動効果で与えるなど,位置取り次第でスピーディにバフをまける。
自身+アンプという2つのスキル範囲。この優位性を生かして戦うことがパーティプレイにおける要となるため,立ち回りをしっかりと追求すれば間違いなく活躍できるクラスだと思えた。
一方でだ。前衛がいないときや,ソロ戦闘はかなり厳しい。ビートパフォーマーは前提として,アンプの拡散効果を中心に戦うため,敵味方の立ち位置が変わるたびにアンプの置き直しが必要になる。
アンプは1秒間隔で置き直しできるとはいえ,動作はそれなりに重く,この作業自体も手数のロスではある。またロックオンを使うのであれば,まずはロックオンを外し,次に置く場所を決めて,アンプを設置し直し,それからまたロックオンするといった操作が求められる。
こうした動きは性能うんぬんではなく,パーティプレイではやりがいを感じられるアドリブに思えるだろうが,サクサクと進めたいソロプレイにおいては煩雑に感じるものだった。
ソロでは遠方のエネミーの近くにアンプを置いて攻撃し,敵が近寄ってきたらアンプを近くに置き直して戦う,というのが基本サイクルとなる。だが,絶妙な距離感を調整するときに“近寄ってくるまでの待ち時間”が発生すると,戦闘のテンポが損なわれてしまう。
このあたりは慣れによって解決できる部分かもしれないが,同時に,戦法に慣れるまでは戦いづらさを感じる部分とも評せる。
今回のテストキャラクターはLV70だったため,ゲーム進行の全段階で厳しいとまでは言えず,序盤に関してはまあ快適かもしれない。
ただ,上記の手間は置いといて,基本性能という面から踏まえても,現状の高難度をソロでどうこうするのは厳しそうに感じた。
なによりだ。パーティにしろ,ソロにしろ,ビートパフォーマーは単純に“使いこなすには相当な習熟が必要”だと感じた。というのも,ほかのクラスと比べて,見る場所がめちゃくちゃ多いのだ。
アンプの設置位置はもちろん,アクションのたびにアンプと対象の最適な距離を測り,拡散効果がヒットするかどうかを考慮する。バフを使うときは,自身と味方とアンプの距離関係も見なくてはならない。
ほかのクラスが基本,エネミーと(自身を含めた)味方を見て戦うのに対して,ビートパフォーマーはアンプの存在により,見る場所,考慮することが2つも3つも増えている。それこそ音楽のように「全体がきっちりかみ合わないと最高の演奏にならない」といった感覚になる。
それだけに,最高のプレイを求めたときの快感はこれまでのクラスとは比較にならない。この高難度っぷりは操作のしがいがあるし,「異世界で最高難度のクラスをカッコよく使いこなしてパーティでチヤホヤされたい(ついでにソロプレイはドM仕様がいい)」という一文がなにかの琴線に触れる人なら,まず間違いなくブッ刺さるクラスである。
タクティカルスキル紹介
タクティカルスキルで注目すべきポイントは,「音波を射出するもの」「自身とアンプを中心に発動するもの」「アンプを設置するもの」「アンプと関係がないもの」という4種の区分けがある点だ。
音波の射出系はインターバルが短めで,アンプに命中させると効果が拡散し,高範囲に影響を及ぼす。自身&アンプで発動系は,高性能だがインターバルもモーションも長めである。アンプの設置系,アンプと無関係のスキルはその行動方法自体が利点と言える。
以降,ダメージやバフに関する細かな値までは紹介しないが,以上の傾向を踏まえてスキル説明を見ていってほしい。
■攻撃系スキル(4種)
〇バインドロック
使い勝手のよい攻撃スキル。アンプを用いれば遠距離+広範囲に拘束効果を付与できるのが便利。最大3回入力(スキルレベルG3以降)でそれなりの火力になり,アンプの拡散攻撃による多重ヒットも狙える。
〇ブレイクダウン
唯一の物理攻撃スキル。高ダメージの近接2段攻撃。ソロプレイではかなりお世話になりそう。攻撃範囲がせまいため,パーティ戦では使いどころが限られる。ちなみにアンプを叩いても追加効果はない。
〇オーディアグレス
アンプを設置し,追加入力で継続ダメージエリアを展開する。タクティカルアビリティβ時は引き寄せ効果も付加され,バインドロックと合わせれば,集敵後に拘束する流れを遠距離かつ1人で行える。
追加入力時はインターバルが10秒ほど増えるので,状況に応じて使い分ける必要がある。G2以降,インターバルが2秒ほど短縮。
〇ブレイキングビート
アンプ連動型のメイン火力スキル。モーションが重めで,被撃により行動を中断させられるので使用時は注意したい。アンプ発のダメージは高いが,自身発のダメージは低いので,なるべくアンプ経由の遠距離活用を心がけよう。G2以降,インターバルが5秒ほど短縮。
■回復系スキル(2種)
〇リバーブヒール
回復系のなかで最もインターバルが短く,チャージすることで回復量を増加できるシンプルな治癒アクション。アンプにヒットさせると範囲回復になる。G3以降,インターバルが3秒ほど短縮。
〇ハルシオンノート
5段階の演奏アクションを行い,1段階ごとに自身とアンプの周囲を回復する。スキルボタンの追加入力で,追加の回復エリアが発生。ラストの回復エリアにはHP継続回復が付与される。
動作が重いぶん,回復量は圧倒的で,ULTスキルと同様に“とっておきの回復技”といったイメージ。インターバルは1段目を出したタイミングからカウントされる。G3以降,インターバルが3秒ほど短縮。
■バフ系スキル(5種)
〇メディカルコード
被ダメージを減らし,与回復量をアップさせるバフを付与。α時は回復効果が付与されるが,インターバルが長くなる。β時はバフエリア展開となり利便性が向上。G2以降,インターバルが5秒ほど短縮。
〇ブレイブノート
与ダメージアップのバフ。β時は範囲バフを当てたエネミーにダメージを与えるようになり,アンプの2重ヒットでそれなりの火力になる。ソロプレイで役立ちそう。G2以降,インターバルが3秒ほど短縮。
〇ルーターズソング
4段階の演奏アクションを行い,与ダメージアップと被ダメージダウンのバフを付与。インターバルとモーションは長いが,パーティ全体の攻撃・守備を向上させられるため,サポート技としては強力。
〇ソリッドゲイン
アンプを設置し,範囲内の味方にスーパーアーマーと被ダメージダウンのバフを付与。けっこうなビックリ性能である。バフの効果時間はG3以降で15秒ほど。G2以降,インターバルが5秒ほど短縮。
〇スピリットチャージ
自身のみ対象のバフで,ヒートゲージをためやすくなる。αで回復系,βで攻撃系に派生する。G3時にインターバルが約35秒に,G4時に効果時間が約30秒になる。βを採用してアタッカーになるのも一案か。
■デバフ系スキル(2種)
〇スタンウェーブ
音波を射出してスタン状態を付与する。G4時はスタン持続時間がかなり長くなり,拘束を与えるバインドロックと合わせれば,エネミーを長時間にわたって足止めできる。G3以降,インターバルが5秒ほど短縮。
〇カームララバイ
アンプを設置し,エネミーをスリープ状態にする。スリープは被撃時に解除されるが,簡単に敵を無力化できるので使いどころは多そう。G2以降,インターバルが3秒ほど短縮。β時はさらに5秒ほど短縮。
■クラスアビリティ
〇リサージェンス(クラス共有)
G1:味方の救護に成功した時,その味方に被ダメージダウン・小付与
G2:被ダメージダウン効果強化
G3:被ダメージダウン効果強化
〇エキサイトライブ
G1:ヒートゲージの上昇量増加
G2:ヒートゲージの上昇量さらに増加
G3:ヒートゲージの上昇量さらに増加
〇コンフォーティング
G1:演奏スキル使用中,自身にHP継続回復付与
G2:HP継続回復効果強化
G3:HP継続回復効果強化
〇オルタナティブスタイル
G1:ハイスピリット状態中,ベースアクション・ソウルコンボの下方向派生が,ヒットした味方のHPを回復する音波発射に変化する。アンプにヒットすると回復エリア展開
G2:HP回復量増加
G3:HP回復量増加
〇ロックサーフェス
G1:演奏スキル使用中,自身にスーパーアーマー付与
G2:演奏スキル使用中の効果に被ダメージダウン・小追加
G3:演奏スキル使用中の被ダメージダウン効果強化
〇アグレッサーモード(クラス共有)
G1:自身が攻撃系のタクティカルスキルを装備している場合に,自身に与ダメージアップ・小を付与する。攻撃系のタクティカルスキルの数が多いほど与ダメージアップの効果が強化される
G2:与ダメージアップ効果強化
G3:与ダメージアップ効果強化
以上が,新クラス「ビートパフォーマー」の紹介となる。
個性が際立っているぶん扱いは難しいものの,これまでのクラスとはまた異なる使い勝手とあり,キャラクターを巧みに操作するのが好きという人ほど,唯一無二の相棒クラスになるだろう。
実装は4月24日のアップデートにて。追加された際は,ブルプロの世界で思う存分ギターをかき鳴らしてみてほしい。
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