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“JRPGへのラブレター”と題された「Cris Tales」の開発者にメールインタビュー。そのテーマや開発の経緯などを聞いた
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印刷2021/07/20 10:00

インタビュー

“JRPGへのラブレター”と題された「Cris Tales」の開発者にメールインタビュー。そのテーマや開発の経緯などを聞いた

 Modus Gamesは,Dreams UncorporatedとSYCKの共同開発による新作タイトル「Cris Tales」PC / PS5 / Xbox Series X / PS4 / Xbox One / Nintendo Switch)を2021年7月20日に発売する。

画像集#001のサムネイル/“JRPGへのラブレター”と題された「Cris Tales」の開発者にメールインタビュー。そのテーマや開発の経緯などを聞いた

 本作は,時空を操る能力を持った主人公の少女「クリスベル」が,未来を思い通りにしようと企む魔女「タイム・エンペラス」の野望を食い止める姿を描くRPGだ。
 クリスベルが持つ過去,現在,未来を行き来できる能力を使ったゲームシステムや手描きで表現されたセル画風のアニメーションが特徴的なタイトルとなっている。

画像集#002のサムネイル/“JRPGへのラブレター”と題された「Cris Tales」の開発者にメールインタビュー。そのテーマや開発の経緯などを聞いた

 また,開発チームが本作を“JRPGへのラブレター”と形容しているように,さまざまな日本産のRPGに大きなインスピレーションを受けているという。

 今回4Gamerは,発売直前のタイミングで本作のエグゼクティブプロデューサーであるDerek Neal氏にメールインタビューを実施。「Cris Tales」開発の経緯やテーマ,インスピレーションを受けたタイトルなどを聞いた。

「Cris Tales」エグゼクティブプロデューサー Derek Neal
画像集#003のサムネイル/“JRPGへのラブレター”と題された「Cris Tales」の開発者にメールインタビュー。そのテーマや開発の経緯などを聞いた

4Gamer:
 まず,Dreams Uncorporatedという会社についてお聞きします。どのような経歴のメンバーがどのような思いで立ち上げたのでしょうか。

Derek Neal氏(以下,Neal氏):
 Dreams Uncorporatedのメンバーは全員,新進気鋭で活気あふれるコロンビアのゲーム開発を経験しています。素晴らしいゲームを作りながら,コロンビアの文化や伝統についての知識を広めることを目的に立ち上げました。
 「Cris Tales」に登場する人々,場所,物などは一見空想上のものに見えますが,実はほとんどがコロンビアに実在するものをモデルに作られています。

4Gamer:
 「Cris Tales」開発のきっかけや経緯を聞かせてください。

Neal氏:
 「クロノ・トリガー」などの古典的なRPGをプレイしたときに,私たちが感じた魅力を再現し,その感覚を新しい世代に伝えたいという願望がきっかけになりました。

画像集#004のサムネイル/“JRPGへのラブレター”と題された「Cris Tales」の開発者にメールインタビュー。そのテーマや開発の経緯などを聞いた

4Gamer:
 開発期間と開発の規模を教えてください。

Neal氏:
 試作期間をどう数えるかにもよりますが,開発期間はおよそ3年です。メインチームのメンバーは徐々に人数が増え,最終的に20名を超えました。このほかにもコンシューマ機版をサポートするチームが複数あります。

4Gamer:
 セル画風に描かれる幻想的で温かみのあるグラフィックスが目を引きますが,これらはどのようなコンセプトを掲げて作り上げていったのでしょうか。

Neal氏:
 アートはすべて手描きで作られ,それを伝統的なスタイルでアニメ化しています。私たちがゲームを制作しながら抱いた感情の動きを,ファンの皆さんにも味わっていただければと思い作り上げました。

画像集#005のサムネイル/“JRPGへのラブレター”と題された「Cris Tales」の開発者にメールインタビュー。そのテーマや開発の経緯などを聞いた

4Gamer:
「Cris Tales」の物語で描かれるテーマについて教えてください。

Neal氏:
 ゲームの中には,死,戦争,難民,偏見,病気などといった,非常に深刻なテーマがたくさん出てきます。これは,明るく鮮やかなアートスタイルとは意図的に対照をなすものです。

4Gamer:
 日本での反響はいかがですか。

Neal氏:
 日本のファンの皆様からの反響に圧倒されています。その期待に応えたい……願わくばそれ以上のものをお届けしたい,と心から思っています。日本でRPGを発売する試みは初めてですが,多くのことを学び,最善を尽くしたと思っています。これからも改善を続けていきたいです!

4Gamer:
 本作は“JRPGへのラブレター”と題されています。バトルの“攻撃や防御に合わせてタイミングよくボタンを押す”というシステムには「スーパーマリオRPG」の影響が見られましたが,そのほかにインスピレーションを受けたタイトルがあれば教えてください。

Neal氏:
 はい,タイミングよくボタンを押すシステムは,「スーパーマリオRPG」や「ペーパーマリオ」などに影響を受けています。
 そのほかにも,ほかのゲームからインスピレーションを受けた要素があります。例えば,タイムトラベルのテーマは「クロノ・トリガー」から影響を受けていますし,「ファイナルファンタジーIV」「ファイナルファンタジーVI」や「ゼノギアス」,「ブレイブリーデフォルト」などからも影響を受けています。ゲームの中にはイースターエッグも隠されてますよ。

画像集#006のサムネイル/“JRPGへのラブレター”と題された「Cris Tales」の開発者にメールインタビュー。そのテーマや開発の経緯などを聞いた

4Gamer:
 “JRPG”を題材にしたゲームとして,特にこだわった部分はどこですか。

Neal氏:
 最もこだわったのは,全世界にまたがる世界を救う壮大なクエストを構築することでした。もちろん,NPC,クエスト,お店,宿屋,乗り物,ターン制の戦闘など,トラディショナルな要素もすべて盛り込みたいと思っていました。

4Gamer:
 「Cris Tales」は,主人公のクリスベルが持つ過去・現在・未来を同時に見られる能力がカギになっています。物語やバトルにおいて,これらの要素がプレイにどのような影響を及ぼすのか聞かせてください。

Neal氏:
 この能力は,ゲームを通して使うのはもちろんですが,戦闘中にも使えます。また,クリスベルはキャラクターやオブジェクトを過去や未来に送ることができますが,この能力がストーリーを進めるうえで重要になります。過去や現在の状況を変えれば,現在や未来を違う方向に進められるのです。

画像集#007のサムネイル/“JRPGへのラブレター”と題された「Cris Tales」の開発者にメールインタビュー。そのテーマや開発の経緯などを聞いた

4Gamer:
 開発において苦労した点をお聞かせください。

Neal氏:
 予想できる答えかもしれませんが,新型コロナウイルスの流行が開発の足かせになりました。オフィスは閉鎖され,仕事のリモート化を余儀なくされたからです。このような環境において,ゲームの開発を続けることはとても大変でした。

4Gamer:
 日本のユーザーに対して特に注目してほしいポイントや発売に向けたメッセージをお願いします。

Neal氏:
 日本でRPGをリリースするのは初めてですが,最善を尽くしたと思っています。本作を楽しんでくださることを願っています。今後も日本のファンの皆さんに喜んでいただけるよう,素晴らしいゲーム作りに取り組んでいきたいと思います。

画像集#008のサムネイル/“JRPGへのラブレター”と題された「Cris Tales」の開発者にメールインタビュー。そのテーマや開発の経緯などを聞いた

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