インタビュー
「ウォッチドッグス レギオン」クリエイティブディレクターインタビュー。プレイヤーが“誰にでもなれる”ゲームシステムが,唯一無二の体験を提供する
2019年10月6日に行われた「UBIDAY2019」では,本作のステージも実施。そこに登壇したUbisoft Toronto Studioのクリエイティブディレクター,クリント・ホッキング氏が,本作の開発経緯やその内容について語ってくれた。
「ウォッチドッグス レギオン」をホッキング氏が紹介したUBIDAY2019ステージをレポート。「アサクリ シンジケート」との関係は?
2019年10月6日,東京・ベルサール秋葉原で開催されたUBIDAY2019から,「UBIch」出張特番の「ススムの部屋」で行われた,「ウォッチドッグス レギオン」ステージイベントの模様をお届けしよう。このステージには,クリエイティブディレクターを務めるUbisoft Torontoスタジオのクリント・ホッキング氏が登壇した。
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。「ウォッチドッグス レギオン」では,街にいるキャラクターの誰もがプレイヤーキャラクターになれるという,独創性の高いゲームシステムが導入されていますが,このような内容に至った経緯からお聞かせください。
クリント・ホッキング氏(以下,ホッキング氏):
1作目の「ウォッチドッグス」を2012年のE3で発表したときに,ゲームに登場する新聞記者のキャラクターのプロフィールをお見せしたのですが,そこでその人物が普段どんな生活をしていて,どんな人生を送っているのかということを垣間見ることができたんです。
本作のアイデアのきっかけはそこから得ました。彼ら1人1人の人生や生活をプレイヤー自身が体験できて,さらにはそうしたキャラクター同士で相互に影響を与えられるようなことができたら面白いのではないかと考え,ゲームシステムに落とし込みました。
4Gamer:
正直,シリーズとは別の新作といっても過言ではないぐらいの斬新なシステムですよね。
確かにそうですね(笑)。とはいえ,ウォッチドッグスというシリーズの根本にある大きなテーマに変わりはなく,人々の自由や正義,関わり合い,社会性,テクノロジーの進化といったところは本作でも取り上げていて,ゲームをプレイしてみれば,一貫したシリーズだということが分かると思います。
4Gamer:
本作の舞台をロンドンに選んだ理由を教えてください。
ホッキング氏:
舞台となる都市に関しては,企画段階でかなり協議を重ねました。前2作と同様にアメリカの都市という案もありましたが,本作はこれまで以上に現実味を帯びた問題に触れていて,そうした問題は世界中で起きています。そこでアメリカ以外の国で考え,いくつかの候補の中から,多種多様な人種や国籍が集まっているインターナショナルな都市としてロンドンを選んだんです。
また“誰にでもなれる”というゲームシステムを実現するにおいてもその部分は重要で,多国籍のほうがより楽しくなるのではないかと考えました。
4Gamer:
プレイヤーキャラクターが特別な誰かではないので,ゲームの導入部がどんなものになるのかすごく気になるのですが……。
ホッキング氏:
そこの具体的な展開について言及するのは,今は止めておきます。というのも,導入部分は開発陣もすごくこだわりを持って作っていて,そこを体験したからこそ,たくさんのキャラクターでプレイできる意味が理解できるので,ぜひ発売を楽しみにしていてください。
4Gamer:
そんなストーリーを踏まえて,プレイヤーの敵となるのは一体どんな存在なんですか?
ホッキング氏:
本作には主要となるストーリーが5つありまして,そこには私設軍隊やAI技術の推進組織,犯罪集団といった,異なる5つの組織が登場しています。進行によって敵となる存在も異なるので,それぞれの視点からストーリーを楽しんでみてください。敵の詳細につきましては,この年末にお知らせする予定ですので,少しだけお待ちいただければと思います。
4Gamer:
UBIDAY2019でのデモンストレーションでは,プレイヤーキャラクターが追い詰められたときに無理をして死んでしまうと,2度と生き返らないと言っていました。プレイスタイルとしては,キャラクターが死んでしまったとしても,どんどん入れ替えて進めていくのか,それともキャラクターを大事にしながら進めていくのか,どちらなのでしょうか?
ゲームでは1つのチームに20人のキャラクターを加入できます。キャラクターはそれぞれ強化する要素がありますが,それらは1人につき数時間で最大まで強化できるような設計になっています。そのことを踏まえて,キャラクターを使い捨てにするか,大事にして進めていくかはプレイヤーにゆだねています。
もしキャラクターが死ななかったとしても,拘束されたり負傷したりしてしまうと,復帰までに長い時間がかかってしまいます。そういったところから,20人のチームのうち5〜6人をメインのキャラクターとして使って,残りは控えとするというのが,進め方として一般的になるのではないでしょうか。
4Gamer:
ちなみに,街にいる人は全員スカウトできるのですか?
ホッキング氏:
オープンワールドに存在する人物は,基本的に全員キャラクターとしてプレイできるようにしています。ただしストーリーに絡んでくる数人の重要人物はプレイすることはできません。
4Gamer:
開発におけるキャラクターのデータ管理はものすごく大変そうですね。
ホッキング氏:
確かに開発は大変です。とくにキャラクターについては,全員が性格や能力,動きのアニメーションなども異なるように生成をしていて,同じキャラクターは存在しません。もし友達同士で,たまたま同じ見た目と名前のキャラクターを選んで進めたとしても,カットシーンが異なったり,そこでの動きなども違ったりするので,プレイヤー全員が自分だけの体験ができるようにしています。
4Gamer:
キャラクターは固定ではなく,ゲーム中で生成されるんですね。
ホッキング氏:
はい,本作のキャラクターは,Censusという情報のもとに生成されています。現実のロンドンの人種や職業,出身地や性別などといった公的な情報をゲームに組み込んでいて,それを元にキャラクターが生成されるんです。例えば体格がいい人は公園で日々トレーニングしているとか,そういう情報をもとに現実味のあるキャラクターを生成します。
4Gamer:
ゲーム全体のデザインについて,すごくクールで格好いい部分と,可愛くてポップな部分とを両立させた見た目になっている印象を受けたのですが,どういったコンセプトなのでしょうか。
ホッキング氏:
ゲーム全体のテーマとして,1作目はシリアスでハードなイメージで,2作目はより遊びの要素が強い明るいイメージでしたが,3作目となる本作ではその両方をバランスよく取り入れたデザインを目指しました。舞台がロンドンということで,イギリスの“戦いにおける強い精神”なども盛り込んでいます。
また豚やドクロのマスクなどのデザインのインスピレーションは,モンティ・パイソンやデビッド・ボウイなど,'70〜'80年代カルチャーに影響を与えた存在から得ているほかに,シリアスな問題に対してジョークで風刺をするような方向性を意図したものですね。
4Gamer:
最後に,来年3月の発売に向けて,本作に期待しているファンへ一言いただければと思います。
ホッキング氏:
これまでお話ししたように,本作は“誰にでもなれる”というテーマのもとにゲームデザインを構築していて,個人のプレイスタイルやアイデンティティを人々に発信できるようなゲーム要素をたくさん用意しています。ゲーム本編をプレイしたら,プレイヤー同士や本作を知らない方にも,その楽しさをシェアしていただければ嬉しいです。
4Gamer:
ありがとうございました。
「ウォッチドッグス レギオン」公式サイト
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(C)2020 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved. Watch Dogs Legion ®, the Watch Dogs Legion ® logo, Ubisoft, and the Ubisoft logo are registered or unregistered trademarks of Ubisoft Entertainment in the U.S.and/or other countries.
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