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印刷2023/07/13 12:00

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毎朝,ポケモンの寝顔を見るのが楽しみになる! 「Pokémon Sleep」を自然の中でキャンプして体験してきた

 ポケモンは2023年7月11日と12日,7月下旬にリリースを予定しているスマートフォンアプリ「Pokémon Sleep」iOS/Android)のメディア向け先行体験会を,新潟県のキャンプ施設「Snow Peak HEADQUARTERS Campfield」で実施した。毎日の睡眠と,ポケモンを組み合わせたアプリはいったいどんな体験をもたらすのか,お伝えしていこう。

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睡眠状態を計測して,毎朝ポケモンたちの寝顔を記録


 本作は,朝起きるのが楽しみになる,睡眠ゲームアプリだ。開発しているのは「はねろ!コイキング」iOS/Android)を手がけたSELECT BUTTON。本作が発表されたのは2019年のことで,もう5年以上開発しているという。
 睡眠でアプリというと,健康状態を改善するようなものをイメージするかもしれないが,本作はあくまで計測データを使ったゲーム。継続的に使用することで,自分の睡眠リズムを知ることはできるが,睡眠に関する諸問題を解決するものではないので,その点は誤解しないでほしい。毎日の睡眠に,ちょっとした楽しさをプラスしてくれるアプリである。

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 では具体的に何ができるかというと,主に

  • 自分が眠っている間の睡眠状態を測定する
  • その結果によってさまざまポケモンの寝顔が見られる

の2点だ。

 舞台となるのは,カビゴンのいる小さな島。プレイヤーはこの島で,ポケモンの睡眠生態を研究しているネロリ博士とともに,ポケモンの寝顔を研究することになる。この島のいたるところに生息しているカビゴンたちは,ポケモンたちを引き寄せ,ねむりに誘う「ねむけパワー」という不思議な力を持っている。
 そこでプレイヤーは,ネロリ博士が開発した「睡眠シンクロ装置」を使って,自分の睡眠とカビゴンの睡眠を同期。ねむけパワーを増幅させて,さまざまなポケモンたちを集めるのだ。

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 要は,プレイヤーが寝て起きると,睡眠状態によってカビゴンのまわりにポケモンが集まり,いろいろな寝顔を見せてくれるというわけである。集まるポケモンは,カビゴンの育ち具合を示す「エナジー」と,プレイヤーの睡眠時間を示す「睡眠スコア」を掛け合わせて算出するねむけパワー,そしてその日の睡眠タイプが「うとうと」「すやすや」「ぐっすり」のどれだったかで決まる。ねむけパワーが大きいほど,たくさんのポケモンたちが集まるので,珍しい寝顔を見るにはしっかり眠ることが重要だ。

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 では,どうやって睡眠を計測するかというと,スマホを枕元に置くだけ。計測画面をつけっぱなしにした状態で,充電しながらスマホを裏返しにして置いておくと,スマホの加速度センサーを使って睡眠状態を計測する。寝ている間のプレイヤーの動きから,睡眠の深さを「うとうと」「すやすや」「ぐっすり」の3段階に分け,それぞれがどの程度の時間だったかを記録するのだ。
 加速度センサーを使っているため,枕の隣,シーツの上などにスマホを配置することが望ましい。小物を置く硬いヘッドボードなどは,動きが伝わらず測定できないのでNGだ。

「Pokémon GO」用の周辺機器である「Pokémon GO Plus +」でも,睡眠計測が可能。これを使うと,Pokémon GOでポケストップを回すとPokémon Sleepできのみが手に入るなどの特典も用意されている
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 また,寝る前に計測を始めた時間と,起きて規則を終了した時間で,その日の睡眠はいつだったのか,どれぐらいの長さだったのかも記録される。睡眠スコアを決めるのは,この規則性と睡眠時間だ。毎日,規則的な時間に,かつ長い時間(8時間半以上)眠ると,スコアが高くなる。
 加速度センサーでの計測では精度に限界があることから,スコアの計算に睡眠の深さ(質)は含まれていない。また,本作の監修をしている医学博士の柳沢正史氏に相談して,間違いなく健康に良い「長い時間寝ること」と「規則正しく寝ること」の2点に絞っているという。当然,徹夜をすればスコアはゼロだ。測定は1日2回まで可能なので,昼寝をして睡眠時間をカバーすることはできる(ただし,1度の睡眠は1時間半以上でないと,計測されない)。
 環境音の録音・再生機能も用意されていて,睡眠をさまたげる音が鳴ったり,寝言を言ったりしたのを,起きてから確認することも可能だ。

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 ねむけパワーを高めるもう1つの要素であるエナジーは,主に日中に行うカビゴンの育成要素だ。プレイヤーは毎週月曜日にフィールドを移動し,その週で育てるカビゴンを決定する。カビゴンにきのみをあげたり,食材を使って料理を作り,朝・昼・晩と食べさせてあげたりすると,エナジーが溜まっていく。カビゴンたちはそれぞれ,好みのきのみや料理が異なるので,好きなものをあげるほど溜まるエナジーも増える。
 毎週違うカビゴンを育てる都合上,週の後半になるほど育ったカビゴンでねむけパワーを生み出せるので,そのぶんポケモンが集まり,珍しい寝顔を見られる可能性も高い。

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 きのみや食材を集めるのは,プレイヤーが編成する「おてつだいポケモン」のチームだ。カビゴンに誘われてやってきたポケモンの寝顔をリサーチした後,おやつをあげて仲良くなれば,おてつだいポケモンとして仲間になってくれる。おてつだいポケモンは,日中ゲームをプレイしていなくても,きのみを拾ってカビゴンにあげてくれるので,朝と夜しか本作を触らないプレイスタイルでも楽しめるようになっている。

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 本作のリリース時点で登場するポケモンは,100種類以上だ。それぞれに複数の寝顔が用意されていて,いろいろな姿を見せてくれる。その日の睡眠のタイプによって,集まるポケモンの傾向は決まっていて,例えば「ぐっすり」の割合が高い日の場合,みずタイプやじめんタイプのポケモンがやってくる。プレイヤーのゲーム的な目的は,すべてのポケモンのすべての寝顔を記録することだ。
 なお,今のところ登場するポケモンは「ポケットモンスター 赤・緑」と「「ポケットモンスター 金・銀」が中心となっているが,アップデートで新しいポケモンの追加も予定しているという。


真夏のキャンプで人はぐっすり眠れるのか


 そんなPokémon Sleepの先行体験の場所に選ばれたのが,新潟県のキャンプ施設「Snow Peak HEADQUARTERS Campfield」だ。小高い丘陵地帯に作られた,一面に緑の草原が広がるキャンプフィールドを持ち,さらに温泉や宿泊プラン用の建物も用意された,さまざまなキャンプ利用者に対応する素敵な施設である。丘の上にあるので,外の光が入らず,夜は真っ暗な中での夜空が楽しめる。1年を通して営業しており,冬には雪中キャンプにも対応しているそうだ。

Snow Peak HEADQUARTERS Campfield。正直,プライベートで来たかったぐらい良い施設だった
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 本作の世界観に合わせ,この自然の中でテントを張って,虫の鳴く声や風の音に耳を傾け,ぐっすりと眠りについて睡眠状態を計測し,ポケモンの寝顔を見ようというのが,今回の体験会の趣旨である。東京駅から,新潟県の燕三条駅まで新幹線に乗ること約2時間。都会の喧噪を離れての体験会なんて,楽しみすぎる。さすがポケモンさん,粋なことをするなぁ,などと思っていたのだが……。

メディア陣が宿泊したテント
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 クッッッソ暑い!!!

 皆さんご存じのとおり,ここ数日は酷暑である。いくら夜はある程度涼しくなるとはいえ,夏のキャンプはとても暑い。しかも,運悪く体験会の夜は雨が予想されていたため,残念ながら星空が楽しめず,何より雨が入らないようにテントを閉め切らなければならない。風通しを遮った真夏のテントはサウナの如し,ひたすらジメジメして暑いのだ。
 自然の中,夏の夜ともなれば,就寝時間には虫とカエルの大合唱。それはそれで趣はあるものの,睡眠という観点で考えれば,寝付くのを阻害する要素ではある。しかも,雨が降ればテントにぶつかる雨粒がけっこうな音を出すので,眠りも妨げられてしまう。

 いやいや,キャンプ体験はとても楽しいし,施設は良いし,こんな豪華なセッティングをしていただいて大変嬉しいんですけども,これはぐっすりスリープできる環境ではないのでは!? そんなことを思いながら就寝の準備をした参加者は,筆者だけではないはずだ。とはいえ,アプリの性質上,眠らないことには何も始まらないので,どうにか寝る努力をしなければ。うーん,不安すぎるけど,おやすみなさい……。

硬い地面では計測に支障が出るので,アウトドア用のエアーマットの上に,広げられる寝袋を敷布団として設置し,スマホを頭の横に置いて就寝した
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キャンプと言えば焚火。じっと見つめているとうとうとしてきたので,これなら眠れるのではとテントに入ったが,暑すぎて一発で眠気が覚めた
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 翌朝。ピーチクパーチクとしか言いようがない,四方八方から飛び交う鳥達の鳴き声……いや騒音で目が覚めた。締め切ったテント内は外よりも遥かに暑く,虫刺され対策で長袖を着ていたこともあり,汗だくだ。

 いや,待て。朝? この状況で,朝? ずっと寝てたってこと!?
 枕元のスマホを操作すると,時刻は5:57。計測を終了してみると,睡眠時間は8時間55分らしい。睡眠スコアで高得点を取るには8時間半の睡眠が必要なので,時間的にはばっちりだ。

 続いて睡眠の詳細を見てみると,寝付くまでにかかった時間はなんと5分。暑いとか言いながら即,寝落ちしているのが分かる。さらに驚いたのが睡眠の深さで,「うとうと」なのは睡眠全体のわずか1%,たったの5分しかない。計測に失敗したのかと思ったら,ほかの時間は「すやすや」と「ぐっすり」を行き来していて,ちゃんと計れている様子。そのうち「ぐっすり」は61%,5時間26分と圧倒的だ。

 つまりですね。筆者はこの真夏の灼熱のテント内で,長時間ぐっすりと眠っていたことになる。あまりのどこでも眠れる体質に,正直,自分でもちょっと引いたが,計測によってデータとして見える状態になってしまったので,これはもう認めるしかない。筆者がこの場で,一番カビゴンに近い人類である。

 ちなみに,体験会には25名ほどのメディアが集まっていたが,ねむけパワーが最も高かったのは筆者だった。ですよね。「暑くてなかなか寝付けなくて,データを見ると1時間もゴロゴロしてたみたいです」という他媒体に対して,5分という圧倒的なスピードを見せつけることしかできない。

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 さて,そんな筆者の睡眠で集まってくれたポケモンは5匹。ゼニガメ,ピチュー,ピチュー,ウソッキー,ウソハチだ。なんだか偏っているが,チュートリアルとして登場したゼニガメ以外は,どうもランダムでこうなっているらしい。ピチューはそれぞれ寝顔が違っていて,意図せず同じポケモンの寝顔データを複数記録できてしまった。ウソッキーは,寝ているのか起きているのか,見た目でまったく分からないのが面白い。

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 Pokémon Sleepをゲームとして見ると,やはり毎日欠かさず行う睡眠という行為に,楽しみを付加してくれるというのが最大のポイントだろう。手軽な操作をしておくだけで,毎朝どのポケモンが来て,どんな寝顔を見せてくれるのかを考えると,朝起きるのがいつもより少し楽しみになるはずだ。
 配信時期は7月下旬で,サービス形態はアプリ内課金ありの基本無料となっている。課金要素はプレイの補助のほか,睡眠計測ツールとしての利便性を高めるサブスクリプションが予定されているという。

 また,ポケモンセンターでは,Pokémon Sleepの関連グッズとして,ポケモン達の寝顔にフィーチャーした商品が展開される。体験会ではサンプルが展示されていたが,とても可愛かったので,こちらもぜひチェックしよう。

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「Pokémon Sleep」公式サイト

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