レビュー
遅れてきたRX 6700“無印”のミドルクラス市場における立ち位置は?
玄人志向 RD-RX6700-E10GB/DF
AMDのミドルクラスGPU「Radeon RX 6700」(以下,RX 6700)を搭載したグラフィックスカード「RD-RX6700-E10GB/DF」が玄人志向から登場した。これまで,Radeon RX 6700シリーズでは,「Radeon RX 6700 XT」(以下,RX 6700 XT)搭載カードが2021年3月から販売されているものの,RX 6700“無印”版はまったく音沙汰がなく,国内販売が始まったのは,2022年7月になってからだ。
今回,RD-RX6700-E10GB/DFを試用する機会を得たので,RX 6700はゲーマーにとって選択肢となり得るGPUなのか,その実力を確かめてみたい。
RX 6700 XTの9割の規模
メモリ帯域幅は最大で1065GB/sを誇る
まずは,GPUであるRX 6700の仕様を確認していこう。RX 6700は,上位モデルであるRX 6700 XTと同様に,RDNA 2アーキテクチャ世代の「Navi 22」コアを採用したGPUだ。そのため,7nmプロセスルールで製造され,336mm2のダイサイズに,約172億個のトランジスタを有している点は,RX 6700 XTと変わらない。
- 16×4×10×2×2=2560
一方,RX 6700では,Shader Engineが2基ある点は変わらないが,そのうちの1基でCUを4基削減しており,CU総数は36基となっている。そのため,RX 6700におけるシェーダプロセッサの総数は,以下のとおり2304基だ。これはRX 6700 XTの90%の規模にあたる。
- 16×4×9×2×2=2304
RDNA 2世代なので,もちろんRX 6700も,リアルタイムレイトレーシング処理を担う「Ray Accelerator」(以下,RA)を備える。RAの数は36基で,やはり40基のRX 6700 XTと比べて90%の規模だ。一方,RDNA 2世代の新しいキャッシュシステムである「Infinity Cache」は,容量80MBを実装している。容量96MBだったRX 6700から16MB分減少したので,約83%の規模になった。
そのほか,ベースクロックは1941MHzと,RX 6700 XTから400MHzほど低く,ゲームクロックも2174MHzとRX 6700 XTから250MHz低く抑えられている。なお,ブースト最大クロックは2450MHzで,こちらはRX 6700 XTよりも131MHz低い。
ちなみに,RD-RX6700-E10GB/DFのブースト最大クロックは2495MHzであり,リファレンス仕様から45MHz引き上げられたクロックアップモデルとなっている。
グラフィックスメモリにGDDR6メモリを採用している点も,RX 6700 XTから変わっていないが,その容量は,10GBに抑えられている。メモリクロックが16GHz相当である点もRX 6700 XTと同じだが,メモリインタフェースは160bitに抑えられているため,メモリバス帯域幅は320GB/sとなる。これはRX 6700 XT比で83%ほどの規模であり,競合製品の「GeForce RTX 3060 Ti」(以下,RTX 3060 Ti)の448GB/sと比べると,差がかなりある。AMDによると,Infinity Cacheを加味した場合,RX 6700のメモリ帯域幅は最大1065GB/sとなるので,RX 6700がRTX 3060 Tiを大きく上回るという。
そんなRX 6700の主なスペックを,RX 6700 XTと下位モデルの「Radeon RX 6600 XT」(以下,RX 6600 XT),それにRTX 3060 Tiと並べたものが表1となる。
カードサイズは実測で約230mm
クロックアップに合わせて供給電力も強化
それでは,RD-RX6700-E10GB/DFのカードそのものを見ていこう。
カードサイズは実測約230mm。比較対象に用いたRTX 3060 Ti Founders Editionが約241mmなのに比べると,若干短い。重量も実測で約558gと,比較的軽めだ。
このGPUクーラーには,GPUコアの負荷が低い状態,いわゆるアイドル時に,ファンの回転を停止する機能もあった。
カードを横から覗き込むと,6mm径のヒートパイプを3本組み合わせているのが確認できる。メモリチップや電源部にも,ヒートシンクが密接しているのが分かる。なお,電源部は,裏面から察するに6フェーズ構成のようで,このクラスでは十分な仕様と言っていい。
なお,映像出力インタフェースは,DisplayPort 1.4a出力×3にHDMI 2.1 Type A出力×1で,最近のグラフィックスカードでは一般的な構成だ。
RTX 3060 Tiに対して優位に立てるか?
ドライバは最新の22.7.1を使用
それではテスト環境に話を移そう。
今回は比較対象として,表1に掲載したRX 6700 XTとRX 6600 XT,それにRTX 3060 Tiの3種類を用意した。RX 6700の性能は,上位モデルや下位モデルとどの程度の差があるのか確認して,競合製品との立ち位置を明確にしようというわけだ。なお,RD-RX6700-E10GB/DFおよびRX 6600 XT搭載モデルの「Radeon RX 6600 XT GAMING X 8GB」は,いずれもクロックアップモデルであるため,MSIのオーバークロックツールである「Afterburner」(Version 4.6.4)を用いてリファレンスにまで下げて使用している。
グラフィックスドライバには,Radeonシリーズが「AMD Software Adrenalin 22.7.1」で,GeForceシリーズが「GeForce 516.94 Driver」。ともに,テスト時に最新バージョンとなるものだ。それ以外のテスト環境は表2のとおり。
CPU | Ryzen 9 5950X(16C32T,定格クロック3.4GHz, |
---|---|
マザーボード | MSI MEG X570 ACE(AMD X570, |
メインメモリ | G.Skill F4-3200C16D-16GIS |
グラフィックスカード | 玄人志向 RD-RX6700-E10GB/DF (Radeon RX 6700,グラフィックスメモリ容量10GB) |
Radeon RX 6700 XTリファレンスカード |
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MSI Radeon RX 6600 XT GAMING X 8GB (Radeon RX 6600 XT,グラフィックスメモリ容量8GB) |
|
GeForce RTX 3060 Ti Founders Edition (グラフィックスメモリ容量8GB) |
|
ストレージ | Samsung Electronics SSD 850 |
電源ユニット | Corsair CMPSU |
OS | 64bit版Windows 10 Pro(Build 19044.1889) |
チップセットドライバ | AMD Chipset Drivers 4.06 |
グラフィックスドライバ | Radeon:AMD Software |
GeForce: |
テスト内容は,4Gamerのベンチマークレギュレーション25に準拠している。ただし,RX 6700は,リアルタイムレイトレーシングに対応しているため,「3DMark」(Version 2.22.7359)において,「Port Royal」と「DirectX Raytracing Feature test」の2つを追加している。
解像度は,RX 6700 XTが1440pでのゲームプレイを想定していたことから,その下位モデルであるRX 6700は,1920×1080ドット,2560×1440ドット,それに3840×2160ドットの3つを選択している。
RX 6700 XTの9割ほどの性能
RTX 3060 Tiには届かない場面が多い
それでは,3DMarkの結果から順に見ていこう。グラフ1は「Fire Strike」の総合スコアをまとめたものだ。
RX 6700のスコアは,RX 6700 XTの84〜91%程度といったといころ。RX 6700におけるシェーダプロセッサの規模がRX 6700 XTの9割程度であり,動作クロックもやや低めに抑えられていることを加味すれば,妥当な結果と言えよう。
RX 6700と,下位モデルであるRX 6600 XTとの差は7〜13%程度あり,上位モデルとしての面目を保っている。なお,RTX 3060 Ti比で見ると,RX 6700はFire Strike“無印”こそ上回っているものの,Fire Strike Extremeで逆転を許しており,Fire Strike Ultraでは約4%の差を付けられてしまっている。
続いてグラフ2は,Fire Strikeの総合スコアから「Graphics score」を抜き出したものとなる。
RX 6700はRX 6700 XTの84〜88%程度と,おおむね総合スコアを踏襲した形になっており,RX 6600 XTとの差も8〜11%程度と似たようなものだ。Fire Strike UltraでRTX 3060 Tiに逆転されるのも総合スコアと同様だが,それ以外では1〜2%程度の差を付けている点は評価できよう。
Fire Strikeからソフトウェアベースの物理演算テスト結果を「CPU score」として抜き出したのがグラフ3だ。すべてのテストにおいてCPUを統一しているため,スコアもきれいに横並びとなるはずだが,RTX 3060 Tiが若干高めだ。Radeonシリーズのほうが,グラフィックスドライバによるCPU負荷が高めなのかもしれない。
GPUとCPU両方の性能が効いてくる「Combined test」の結果をまとめたものがグラフ4だ。
ここでは,RX 6700がRX 6700 XTの84〜94%程度と,若干だが差を詰めている点は見どころと言えよう。RX 6600 XTとの差も12〜30%程度にまで広がっている。その半面,RTX 3060 Tiには7〜9%程度低く,差が広がってしまった。
DirectX 12のテストとなる「Time Spy」の結果を見てみよう。グラフ5は総合スコアをまとめたものだ。
ここでは,RX 6700がRX 6700 XTの93〜94%程度となり,Fire Strikeに比べて肉薄している点は評価できよう。RX 6600 XTとの差も,11〜12%程度と若干広がっている。だが,RTX 3060 Tiには,5〜10%程度引き離されている点は残念だ。DirectX 12では,RTX 3060 Tiに軍配が挙がる。
続くグラフ6はTime SpyのGPUテスト結果,グラフ7はCPUテストの結果となる。
まず,GPUのテスト結果からだが,ここでもRX 6700は,RX 6700 XTの92〜93%程度まで差を詰めている。RX 6600 XTに13〜14%程度の差を付けるものの,RTX 3060 Tiには,やはり届いていない。
一方,CPUテストの結果は,CPUが同一なのでスコアもほぼ並んでいる。RX 6700のTime Spy Extremeが若干低めだが,このあたりは誤差の範囲内と言っていいだろう。
リアルタイムレイトレーシングの性能を計るPort Royalの結果がグラフ8だ。
ここでもRX 6700は,RX 6700 XT比で約92%の性能があり,RX 6600 XTに約12%の差を付ける。しかし,RTX 3060 Tiには約37%も引き離されてしまっている。ほかのRX 6000シリーズと同様に,RX 6700のレイトレーシング性能もやはりそれほど期待できなさそうだ。
さて,もうひとつのレイトレーシングテストであるDirectX Raytracing Feature testの結果が,グラフ9となる。
ここでは,RTX 3060 Tiとの差がより顕著となり,RX 6700はRTX 3060 Tiの半分にも達していない。だが,RX 6700 XTとの差は約93%である点や,RX 6600 XTに約18%の差を付けている点は,Port Royalと似た傾向だ。
3DMarkの結果を踏まえたうえで,実際のゲームではどうなのだろうか。グラフ10〜12は「Far Cry 6」の結果となる。
まず,3840×2160ドット以外の解像度に注目すると,RX 6700の平均フレームレートは,RX 6700 XTの85〜90%程度で,3DMarkと似た傾向だ。ところが,3840×2160ドットになると,RX 6700の平均フレームレートは,RX 6700 XTの半分以下と大きく落ち込んでいる。RTX 3060 Tiも,3840×2160ドットでは振るわないことを踏まえると,Far Cry 6での4K解像度においては,グラフィックスメモリ容量10GBでは足りないということなのだろう。
なお,2560×1440ドット以下では,RX 6700がRTX 3060 Tiを上回っている点は特筆に値する。
続いて,「バイオハザード ヴィレッジ」の結果がグラフ13〜15となる。
RX 6700の平均フレームレートは,RX 6700 XTの90〜97%程度と,かなり差を詰めている。ただ,1パーセンタイルフレームレートを見ると,RX 6700はRX 6700 XTの89〜91%程度であり,3DMarkやFar Cry 6の傾向と変わらない。一方で,RX 6600 XT比で見た平均フレームレートは,1〜6%程度上回った。解像度が高くなるにつれて差が広がるのは,メモリバス帯域幅とメモリ容量の差が表れた格好だ。
RTX 3060 Ti比では,1920×1080ドットこそ平均フレームレートで上回るものの,それ以外の解像度では10〜16%程度も低く,差を付けられている。
「Call of Duty: Warzone」(※グラフ内ではCoD Warzone)の結果がグラフ16〜18だ。
ここではRX 6700の結果が良好で,平均フレームレートはRX 6700 XTの95〜96%程度,RTX 3060 Tiには2〜14%程度もの差を付けた。
とくにRX 6700は,3840×2160ドットでも1パーセンタイルフレームレートが60fpsを超えており,RX 6600 XTに実力差を見せ付けている。1920×1080ドットでは,RX 6700は平均フレームレートが200fpsを超え,1パーセンタイルフレームレートも160fpsを上回るなど,ゲームの快適性は申し分ない。
続いては,「Fortnite」の結果をグラフ19〜21に示す。
ここでもRX 6700の平均フレームレートは,RX 6700 XTの92〜96%程度あり,上位モデルに迫る性能を発揮している。RX 6700とRX 6600 XTとの平均フレームレートにおける差は7〜11%程度だ。
一方で,RTX 3060 Tiに対しては11〜26%程度も差を付けられてしまっており,1パーセンタイルフレームレートでも15〜30%程度離されてしまっている。
グラフ22〜24が「Borderlands 3」の結果だ。
Borderlands 3において,RX 6700の平均フレームレートは,RX 6700 XTの88〜93%程度となり,9割前後といった性能なのは3DMarkなどと変わらない。その一方で,RX 6700とRX 6600 XTとの差は,平均フレームレートで4〜6%程度しかなく,あまり引き離せていない。
RX 6700とRTX 3060 Tiの平均フレームレートの差は10〜28%程度あり,とくに高解像度となるに連れて差が広がっている。
グラフ25は,「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」(以下,FFXIV暁月のフィナーレ ベンチ)の総合スコアをまとめたものだ。
RX 6700のスコアは,RX 6700 XTの88〜99%程度と,1920×1080ドットでRX 6700 XTにあと少しまで迫っている点は目を見張るものがある。一方,RX 6700とRX 6600 XTとの差は5〜16%程度あり,高解像度になるにつれて差は広がっている。
また,同ベンチマークはGeForceシリーズへの最適化が進んでいるため,Radeonシリーズは不利な戦いを強いられがちだが,RX 6700も例に漏れず,RTX 3060 Tiに6〜32%程度もの差を付けられている。とはいえRX 6700は,2560×1440ドットで,スクウェア・エニックスが示す指標で最高評価とするスコア1万5000を上回っているので,1440pでも快適なプレイを実現できそうだ。
そんなFFXIV暁月のフィナーレ ベンチにおける平均フレームレートと最小フレームレートをまとめたものがグラフ26〜28だ。
平均フレームレートは,おおむね総合スコアを踏襲した形となっており,RX 6700はRX 6700 XTの89〜99%程度といったところ。。一方,最小フレームレートはCPU性能の影響が大きいため,4製品とも近い結果で並んでいる。
グラフ29〜31には,「Project CARS 3」の結果をまとめている。
RX 6700の平均フレームレートは,RX 6700 XTの約85%で,あまり振るわない。RX 6600 XTとの平均フレームレートの差も5〜14%程度しかなく,RTX 3060 Tiに対しては,22〜44%程度も引き離されてしまっている。最小フレームレートも,RX 6700はRX 6700 XTの75〜84%程度でパッとしないものだ。動作クロックの低さが,RX 6700足を引っ張ったのではないだろうか。
消費電力は173W程度と低め
RTX 3060 Tiとの差は35Wほど
さて,RX 6700のBoard Powerは175Wと,RX 6700 XTから55W低い。その半面,RX 6600 XTからは15W高くなっている。それでは,RX 6700の実際の消費電力はどの程度なのだろうか。
今回もNVIDIAが開発した消費電力計測ツール「PCAT」(Power Capture Analysis Tool)を用いて,グラフィックスカード自体の消費電力を計測してみたい。なお,3DMarkのTime Spyにおいて,消費電力が高くなる傾向にあるGraphics test 2実行中を選んで測定している。
その結果をグラフ32に示そう。
この結果を見ると,RX 6700とRX 6600 XTが170W前後で推移しているのに対して,RX 6700 XTとRTX 3060 Tiは200W以上と,大きく2グループに分かれている。
そこで,グラフ32の測定結果から,分かりやすくなるように中央値を求めたものがグラフ33となる。
RX 6700の消費電力は約173Wで,RX 6700 XTから約38Wも低くなっている点は評価できよう。RX 6600 XTからは約7Wほど増えてしまっているものの,RTX 3060 Tiには35Wほどの差を付けているので,性能に対する消費電力の低さは素直に称賛できそうだ。
さらに,ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を用いて,システム全体の最大消費電力のみを計測した結果も見てみよう。
テストにあたっては,Windowsの電源プランを「バランス」に設定。さらに,ゲーム用途を想定し,無操作時にもディスプレイ出力が無効化されないよう指定したうえで,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点をタイトルごとの実行時,OSの起動後30分放置した時点を「アイドル時」としている。
その結果がグラフ34だ。
ここでも,RX 6700の消費電力は,各アプリケーション実行時で,RX 6700 XTから29〜58W程度低く,RX 6600 XTとの差も6〜13W程度だ。RTX 3060 TiとRX 6700との差も27〜78W程度あり,ここでもRX 6700における消費電力の低さが確認できる。
最後に,GPU-Zを用いて計測したGPU温度も確認しておきたい。ここでは,温度約24℃の室内で,テストシステムをPCケースに組み込まず,いわゆるバラックに置いた状態から,3DMarkの30分間連続実行時を「高負荷時」として,アイドル時ともども,GPU-Zから温度を取得することにした。
GPUによって,温度センサーの位置や取得方法が異なっていることは想像に難くなく,またそれぞれファンの制御方法が違うため,同列に並べての評価にあまり意味はないことはお断りしておく。
それを踏まえた結果はグラフ35のとおり。
RX 6700は,高負荷時で87℃と高めだが,消費電力がそれほど高くないことを考慮すると,RD-RX6700-E10GB/DFのファン設定が冷却性能より静音性を重視しているためだろう。なお,アイドル時の温度が少々高めなのは,ファンの回転が停止するためだ。
最後に筆者の主観であることを踏まえたうえで,RX 6700の動作音について述べておくと,かなり静かな印象を受けた。少なくとも,RX 6700 XTリファレンスカードより静かなのは間違いない。
価格は実売で6万6000〜7万8000円前後
RX 6700にとってRX 6650 XTがネック
以上のテスト結果から,RX 6700の性能はRX 6700 XTの9割程度で,RX 6600 XTの1.1〜1.2倍程度とまとめられる。RD-RX6700-E10GB/DFの実勢価格には幅があるものの,おおむね6万6000〜7万8000円程度だ。RX 6700 XT搭載モデルが6万5000〜9万7000円程度であるのに比べると,購入しやい価格だ。
ただ,RX 6600 XT搭載カードが,4万7000〜6万7000円で販売されていることに加えて,今回は用意できなかったが,RX 6700 XTとRX 6600 XTとの間にはすでに「Radeon RX 6650 XT」(以下,RX 6650 XT)がある。RX 6700にとっては,このRX 6650 XTがネックとなり得る。非常に狭い性能レンジに,似たような性能のGPUが並ぶわけで,その中で見たRX 6700の立ち位置は,かなり難しい。
おそらくはそれが原因で,国内においてRX 6700採用製品があまり広がらないのではないだろうか。AMDは,このあたりをしっかり考えて,ラインナップを用意してほしいところだ。
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玄人志向のRD-RX6700-E10GB/DF製品情報ページ
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