プレイレポート
本日配信の「蒼き翼のシュバリエ」プレイレポート。円卓の生徒達と共に魔王に立ち向かう正統派ダンジョンRPGの魅力を再確認
本作は,同社から発売された「円卓の生徒」(PC/Xbox 360/PSP)をリメイクしたもので,キャラクターデザインやイベントスチルの刷新,新要素の追加や一部ゲームシステムの変更などが施されている。本稿では,序盤のプレイレポートをお届けしよう。
「蒼き翼のシュバリエ」公式サイト
円卓の生徒達との絆を育み,強大な魔王に立ち向かえ
プレイヤーは,かつて仲間と共に魔王に挑み,戦いに敗れた光の騎士エクス(名前・性別を変更可能)。その戦いから100年が経ち,ただ一人転生したエクスは,再び魔王に挑むため,次代の勇者である「円卓の生徒」を育成することになる。
魅了の力を持つ,魔王の「オーマの波動」を受けた者は,自分の意思とは無関係に魔王の手先となってしまう。かつての戦いで苦しめられ,敗北の原因となった「オーマの波動」に対抗する方法はただ一つ,生徒達と強い絆で結ばれることだ。
円卓の生徒とは,エクスと運命で結ばれた者のこと。騎士に憧れ,自分の将来に悩むサウル。エルフの巫女で,真面目さゆえに責務の重さに苦しむエルサ。ポジティブで信心深いロロン。誇り高き王女のルーミ。タフな大食漢のバーゴ。飄々とした自称トレジャーハンターのポポログ……と,序盤だけでも個性的なメンバーが揃っている。
今回のリメイクにあたっては,「キャラクターカスタマイズ」機能と,新たなキャラクターグラフィックスが追加されている。
キャラクターカスタマイズは,これまで固定だった生徒達のメインクラスや外見を変更できる機能。自由に転職や特性値(能力値)の振り分けを行えるので,本来はファイターであるサウルやバーゴをウィザードやヒーラーにするなど,いろいろと試してみるのも面白いだろう。
新しいキャラクターグラフィックスは,甲冑に身を包んだ前衛用と,魔法使い風の後衛用の2種類が用意されている。ストーリーやゲーム展開に影響を与えることはなく,もちろん旧版のものも収録されているので,キャラクターのイメージや気分に合わせて変えてみよう。
また本作には,同じ世界観を持つ「新釈・剣の街の異邦人 〜黒の宮殿〜」が丸ごと収録されているのも大きな特徴となっている。どちらのタイトルからプレイするかはプレイヤーの自由で,これ1本で2つのダンジョンRPGをたっぷり満喫できるというわけだ。
「蒼き翼のシュバリエ」には,生徒達を率いて「新釈・剣の街の異邦人 〜黒の宮殿〜」の敵と戦う新コンテンツも収録されているので,上述のキャラクターカスタマイズと合わせて,旧版を遊んだプレイヤーも新鮮な気持ちで楽しめるだろう。
トラップにエサを仕掛け,稼げるモンスターとバトルする
本作の基本的なゲームシステムは,最大6人でパーティを組んで3Dダンジョンを探索し,コマンド選択&ターン制の戦闘を行うというオーソドックスなもの。オートマッピングやミニマップのほか,すでに行ったことのある地点へ自動で移動する機能もあるので,初心者でも安心してプレイできるだろう。
プレイにメリハリを付けてくれるのが「トラップエンカウント」システムだ。本作ではダンジョンを歩いていると,ランダムでモンスターと遭遇する。しかし,これらを倒しても,経験値こそもらえるが,装備やお金はあまり手に入らない。そこで,マップに点在する「トラップポイント」を活用するのだ。
トラップポイントにエサとなる食べ物を仕掛け,しばらく待つと,宝箱を持ったモンスターが登場。これを倒せば,装備やお金が確実に入手できる。同じトラップポイントでも,高ランクの食べ物を置くと強いモンスターが出現し,倒せればより良い装備がドロップする。実力と相談しながら,罠に使う食べ物を選ぼう。
もちろん,モンスター達もやられっぱなしではなく,一定ターンが過ぎると宝箱を持ち去ってしまう。そうなる前にリーダーを倒せば阻止できるが,群れの中のどのモンスターがリーダーなのかは,攻撃するまで分からない。そのため,通常の戦闘とは立ち回りが変わってくるのが面白い。
リーダーを見つけるためには,群れのモンスターに満遍なく攻撃しなければならず,もしリーダーが後列にいたりすると,戦闘はさらにスリリングになる。武器には「S」「M」「L」の射程があり,射程が短い武器だと,後列にいるモンスターに攻撃が届かないことがあるためだ。射程が長い弓などを用意したり,攻撃魔法を駆使したりして,逃げられる前にリーダーを倒そう。
宝箱からは,装備品が「鈍器」「靴」「お守り」といった未鑑定状態で出現する。そのままでは使えず,エクスが鑑定呪文を使うか,ダンジョンから脱出すると真の姿が明らかになる。同じ未鑑定名のアイテムでも,鑑定してみると,大したことのない品だったり,強力な品だったりとその正体はさまざまで,ドキドキしてしまう。
あちこちのトラップポイントをオート移動で渡り歩いて食べ物を仕掛け,現れたモンスターを倒しつつ,ドロップした未鑑定品の正体に思いを馳せる……というプレイスタイルは,携帯機であるPS Vitaと相性抜群。ゴロゴロと寝転んでプレイしながら,未鑑定品が溜まっていくのを眺めるのは,実に楽しい。
生徒達に感情移入できる「面談」と「ソウルランク」
生徒達の個性を掘り下げ,プレイヤーに“先生”の気分を味わわせてくれるのが「面談」システムだ。ロンドエールの自室で行える面談では,生徒達と対話や食事をすることで,絆を深めていくことができる。
生徒達にはエクスとの絆を表す「ソウルゲージ」が存在しており,これが一定値に達すると「ソウルランク」が上がる。ソウルランクが高いと,戦闘でもらえる経験値が多くなるうえ,エクスと生徒達が団結して使う「ユニオンスキル」のリソースである「ユニオンスキルポイント」の上限値も高くなっていく仕組みだ。
ユニオンスキルの効果は,敵の防御力を無視する攻撃を放ったり,こちらの魔法を強化したり,最大の問題となる「オーマの波動」を無効化したりと,強力なものばかり。ユニオンスキルポイントは戦闘することで溜まっていくが,上限値が高いに越したことはないので,来たるべき決戦に備えて生徒達との絆を深めておこう。
ソウルゲージは,一緒に戦闘したり,イベント中の会話で良い選択肢を選んだりすることでも少しずつ溜まっていくが,生徒と食事をすれば効率よく上げられる。生徒の好物をあげれば,効果は抜群だ。プロフィールをしっかりとチェックし,いろいろなものを食べさせてみて,好みを調べよう。
自立した大人に憧れるサウルの好物がミルクや甘い物だったり,童女のように見えるロロンが実は成人していて,お酒に目がなかったり……と,意外な一面を見せてくれる。王女であるルーミに,あえて粗末な「クズ野菜」を出してみたりと,イタズラしてみるのもいいだろう。
生徒にあげる食べ物は,お店で購入するほか,ドロップした素材を加工しても手に入る。「エルサのために野菜料理を作ってあげよう」とか,「ロロンにお酒,バーゴには肉を用意して,サウルは甘い物好きだったから,お店で買い込んでおこう……」といった具合に,先生の気分(?)に浸ることができる。
逆に,バトルで大ダメージを受けたり,戦闘不能になったりすると,ソウルゲージはわずかに下がってしまう。生徒の信頼を得るためには采配も大切というわけで,無理をさせるのは禁物だ。
ソウルゲージが最大値まで溜まると,面談でソウルレベルを上げられる。このとき,それぞれが抱えている悩みや,戦いに向けての決意を語ってくれたりするので,ますます生徒達を好きになること間違いなしだ。
ソウルレベルが5に達すると「サブクラス」を設定できるようになる。これまでの能力はそのままに,サブクラスに設定したクラスのスキルや魔法も習得できるようになるので,戦力もアップするのだ。前衛クラスの生徒にヒーラーやウィザードのサブクラスを付けて,マルチに活躍できるようにしたり,魔法のスペシャリストを作ったりと,さまざまな組み合わせを試してみよう。
王道のダンジョンRPGの楽しさをそのままに,トラップエンカウントやユニオンスキルでバトルに変化を加えた「蒼き翼のシュバリエ」。面談と食事によって,キャラクターへの思い入れが深まるだけでなく,戦闘でも有利になるのは面白いところだ。主人公の“先生”という立ち位置も絶妙で,個性派揃いの生徒達と絆を深めていく面白さも色あせていない。
上述のとおり,「新釈・剣の街の異邦人 〜黒の宮殿〜」も収録されており,ボリュームも十分。PS Vitaでどっぷりと楽しめる作品を求めている人に,ぜひオススメしたいゲームだ。
「蒼き翼のシュバリエ」公式サイト
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蒼き翼のシュバリエ
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(C)EXPERIENCE
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