プレイレポート
「Nintendo Labo:VR Kit」を親子でプレイ。子どもも安心して遊べるVRを作って遊んで改造する!
第4弾となるVR Kitでは,どんな新しい驚きや楽しい体験が待っているのか。Nintendo Laboの醍醐味である「つくる」ところから,じっくりと紹介していこう。
「Nintendo Labo Toy-Con 04: VR Kit」公式サイト
「Nintendo Labo」は作るところから楽しい!
Nintendo Laboの楽しみは3段階あり,その最初が「つくる」楽しみだ。VR Kitに同梱されている6つのToy-Conの総製作時間は7時間以上(10歳の子どもが製作した場合の目安)。工作としてはそれなりに長時間だが,毎回この時間が筆者も子どもも楽しみでならない。
Nintendo Laboの作り方はとてもシンプルで明快だ。同梱ソフトの「つくる」動画に沿って,ダンボールシートのパーツを順番に手で外していく。作る際は,ハサミやのり,セロテープといった道具を一切必要としないのも特徴のひとつで,パッケージを開けたらすぐに作り始めることが可能だ。また,パーツの折り方といった基本的な操作も,動画で丁寧に説明してくれるので,小さな子どもでも作りやすい。
今回は親子で交代してToy-Conを作り上げていった。一枚のダンボールが立体的になり,次第にコントローラの形になっていく「つくる」過程に,毎回感動を覚える。この設計のすばらしさには,「これ設計した人,神だよね! 神!」と,興奮気味にはしゃぐ小学生の言葉に合わせて,深く頷くほどだ。
最初に完成させたのは,VR Kitの要となるToy-Con「VRゴーグル」だ。これだけでも十分に遊べるのだが,あとから作る5つのToy-Conに,このVRゴーグルを組み合わせることで,さらに未知の体験と面白さが広がっていく。
「なに,これ!? ちょっとすごいんだけど」
製作はまだまだ続くが,せっかく「VRゴーグル」ができたので,さっそく装着してみる息子。Nintendo Laboでロボットになった少年はバーチャル・リアリティの世界へ旅立った。
「うわああああ,すごおおおおい!」
「ボールがっ」
「エイエイッ」
「いくぞー!あれ?」
子どもの反応はとてもわかりやすい。前後左右を見回しながら,ものすごく興奮しているのがありありと感じられる。筆者は仕事柄VRヘッドセットやVRゲームを体験してきたが,小学生の子どもにはまだ早いと思い,これまでほとんど体験させてこなかった。待ちに待ったVRということで,そのインパクトはとても大きかったようだ。
一通り遊んだあと,興奮したおももちで,「……なにこれ!? ちょっとすごいんだけど!」と,今見てきた世界をうれしそうに語ってくれた。バーチャル・リアリティの世界へと足を一歩踏み入れた,新しい体験の瞬間だった。
今回,すべてのToy-Conを1日では作り切れなかったので,あらためて別の日に近所のお友達を呼んで,一緒に作ってみることにした。遊びに来た中学1年生の男子はNintendo Laboは初体験だったが,すぐに「つくる」楽しさにハマり,画面を見ながら黙々と作り始めていた。
実際に作ってみると,Joy-Conにある「モーションIRマーカー」や「加速度センサー」「ジャイロセンサー」などが,Toy-Conのどこの部分で使われているかを理解しやすかった。
たとえば,そのひとつがNintendo Switchのコンローラ「Joy-Con」に搭載されているセンサーを使った操作性だ。Toy-Conを製作している際,いくつかのパーツに白いシールを貼った。このシールは「再帰性反射材シート」というもので,光を反射させ明るくする機能があり,交通標識などにも用いられている。シールを貼った位置をIRカメラが読み取り,距離や角度などを測っているという仕組みだ。
小学生も中学生もママさんも,みんなで「あそぶ」!
VR Kitでは,6種類のToy-Conを作成することができる。このうちVRゴーグルを除いたToy-Conでは,それぞれ2種類のゲームやあそびが用意されている。どれも楽しいのだが,とくに子ども達が目を付け,最も興奮して遊んでいたのが,「バズーカToy-Con」だ。その名の通り,大きめのバズーカで,息子いわく「持った時の武器感がある!」ということで,満足度も高いようだ。
リロードを行う動きもリアルで,臨場感の高さも良い。曰く「スコアが出るから燃える!」とのこと。次々と敵を撃っていく爽快さとあいまって,まさにスカっとするゲームに仕上がっている。
一方,主婦層に人気だったのは「トリToy-Con」だ。はねを広げた白鳥のような外観も愛らしく,部屋に飾るだけでもかわいらしい。
筆者もこのトリToy-Conが大好きだ。優雅に空を飛ぶ体験にしばし現実を忘れて楽しむことができる。ここに悩みはない。あるのは広大な空,そして共に飛ぶ仲間(トリ)達。
「空,きれいね〜。ああ,旅に出たいなぁ」
パタパタと飛んでいると,間近に迫った原稿の締切や,今夜の晩御飯を作らなければいけないこと,子どものテストの成績といった心配事が,実に些細な悩みに思えてくる。「風Toy-Con」と併用することで,足元から顔に向かって風が吹き,空を飛んでいるイメージにより近くなる。
実は筆者は,学生時代にスカイダイビングをやっていたので,実際に上空を身一つでダイブした経験がある。その風圧に比べるとだいぶ穏やかではあるが,その時の気持ちよさを彷彿させるリアルさが,確かにここにはあった。
さらに,ダンボール製ならではの遊びとして,Toy-Conに色をぬったり,シールを貼ったりといったアレンジを自由に行える。ダンボールキットは別途購入もできるので,万が一壊れたりした場合にも安心だ。
自分でオリジナルのVRゲームを作れる「Toy-ConガレージVR」
そして,Nintendo Laboの3つめのお楽しみが,「わかる」だ。わかるとは,つまり,VR Kitの仕組みを知ること。そして,ゲームがどんなふうに作られているか,その秘密を紐解いていくことだ。自分が遊んでいるゲームのプログラムを見ることなんて,なかなかできないものだが,VR Kitはそれを可能にしてくれた。
その秘密が,「Toy-ConガレージVR」にある。今回のVR Kitには,サンプルのミニゲームがなんと64個も収録されている。そして,このサンプルゲームはすべて「Toy-ConガレージVR」でプログラムを見られるだけでなく,さらにアレンジして自分で改造することが可能なのだ!
これまで「Toy-Conガレージ」を使って,自分たちでオリジナルゲームや作品を作ってきた筆者と息子だが,今回はVRということもあり,まずはサンプルゲームをプレイし,そのプログラムがどうなっているかを確認することにした。
「Toy-ConガレージVR」に少し慣れてきたところで,自分達で一から作ってみることにした。動画を見ながら,まずはキャラクターを作成。「Toy-ConガレージVR」では,画面にキャラクターを置けるようになったので,作れるゲームの幅がグンと広がったのがうれしい。アクションはもちろん,アドベンチャーやRPGも作れそうだ。
プログラミングが大好きな息子だが,VRゲームに挑戦するのは初めて。ものすごく真剣な表情で考えながら作り始めた。きっと,彼の頭の中にはこのキャラクターが飛んだり跳ねたりしているイメージが浮かんでいるのだろう。そして,それをどう表現していくかは,本人のがんばり次第だ。
仕事柄,さまざまなスマートトイは遊びつくしてきた筆者だが,Nintendo Laboは毎回新鮮な驚きを与えてくれる。自分の子どもが作ったVRゲームを遊べる日が来るなんて,こんなワクワクする体験を家庭用ゲーム機の中でできるなんて……ファミコン,いや,カラーテレビゲーム15の時代からテレビゲームを遊んできた世代としては,まさに感無量だ!
と,今回も思いのたけを語りまくったが,VR Kitについて,ざっくりまとめておこう。
1.子供から大人まで,手軽で楽しいバーチャル・リアリティ体験ができる!
2.ダンボールから,魔法みたいにToy-Conを作りあげていく楽しさはNintendo Laboの真骨頂!
3.「Toy-ConガレージVR」で,誰でもVRゲームの開発者になれる!
どの要素も捨てがたいが,とくに3つめのVRゲーム製作は,たっぷり時間をかけてもっといろいろと作ってみたいと思う。また,全国のユーザーの中には,すごい作品を作っている人もいるのでは……と期待もしている。
今回は,子どもの下校後の時間を少しずつ使って製作を進めたが。Toy-Conを全部作るのは,それなりに時間がかかるので,休日のまとまった時間に作るのがおすすめだ。今年のゴールデンウイークは最大10連休ということで,一気に作るいい機会かもしれない。
本作は,親子で楽しみたい家族はもちろん,大人でも十分……いや十二分に楽しめるはずだ。ぜひ,VR Kitで新たな体験を楽しんでみてほしい。
「Nintendo Labo Toy-Con 04: VR Kit」公式サイト
- 関連タイトル:
Nintendo Labo Toy-Con 04: VR Kit
- 関連タイトル:
Nintendo Labo Toy-Con 04: VR Kit ちょびっと版
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(C)2019 Nintendo
(C)2019 Nintendo
- Nintendo Labo (ニンテンドー ラボ) Toy-Con 04: VR Kit -Switch
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- 発売日:2019/04/12
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