Microsoft，クラウドゲームサービス「Project xCloud」のβ版をPCおよびiOS向けに2021年春公開予定

　Microsoftは北米時間の2020年12月9日，Xboxの情報サイトXbox Wireをアップデートし，「Project xCloud」のβ版をPCおよびiOS向けに，2021年春公開すると発表した。PC版はアプリとブラウザ経由で，またiOS版はブラウザ経由のみの提供になるようだ。

Players Drive Record Engagement as Xbox Expands Cloud Gaming to More Devices in 2021

「Project xCloud」公式ページ

　12月5日に掲載したプレイレポートでお伝えしたように，Microsoftのクラウドゲームサービスである「Project xCloud」は，Xbox Game Pass Ultimate会員向けのサービスとして欧米を中心とした22か国ですでに提供が始まっており，現在，100以上のタイトルがAndroid搭載のスマートフォンやタブレットでプレイできる。日本では，11月18日からプレビュープログラムが始まっている。

　Microsoft GamingのCVP（Corporate Vice President）を務めるJerret West氏の名前で掲載されたXbox Wireの記事によれば，Xbox Series XおよびXbox Series Sの発売を受けて，Xboxコミュニティは現在，大きく盛り上がっており，この11月，Xboxのプレイヤーは合計で3800作以上のタイトルをプレイし，総プレイ時間は数十億時間を超えたという。
　この勢いのまま，Xboxの世界を新たなプレイヤーに拡大するため，2021年春にPCおよびiOS向けの「xCloud」を提供することになった旨が述べられている。

　詳細については今のところ明らかになっていないが，Xboxのエコシステムに10億以上のデバイスを追加することで，あらゆるプレイヤーにシームレスなゲーム体験を提供できるとしており，例えば「Minecraft Dungeons」をXboxでプレイするフレンドのゲームに，iPhoneのタッチ操作で参加したり，ミーティングの合間にSurface Proで「Destiny 2」の世界に飛び込んだりできると書かれている。会議中にゲームをすることの是非はともかく，Microsoftはクラウドゲームサービスについてかなり大きなビジョンを描いており，PCおよびiOSへの拡大はその最初のステップとして位置づけているようだ。

　「GeForce NOW」や「PlayStation Now」はすでに国内展開しているし，Googleの「Stadia」に続いてAmazonの「Luna」，そしてFacebookがクラウドゲームサービス参入の意向を示すなど，ここへ来て動きが加速している印象だ。「Project xCloud」の今後の発表に期待したい。