連載
マフィア梶田の二次元が来い!:第448回「ラストイデアの令和に轟くクトゥルフの呼び声」
ところで,元号が切り替わる今年5月以降を何かしらを立ち上げる節目にすれば,「〜からもう何年」というふうに計算しやすくなりますよね。5月以降に発売された新作ゲームとか,人気シリーズになればそれ以降の「〜周年」企画の周知がめっちゃ楽なのではないでしょうか。俺もなにかやってみようかしらね?
「RADIO 4Gamer Tap(仮)」の第112回では,スクウェア・エニックスより配信予定の「ラストイデア」(iOS / Android)を特集。ゲストとしてプロデューサーの大槻林太郎氏とディレクターの野久保公朗氏をお招きし,ゲームの魅力をご紹介いただきつつ,実際に遊んできました。
王道ファンタジーと本格的なハクスラが融合した本作。スマホならではの手軽さと高い中毒性が両立しており,止め時に困りそうなタイトルに仕上がっています。最高レアリティの武器防具をガチャではなくドロップで入手できるのが,まさしく本作の醍醐味。ガッチガチのハクスラをスマホで遊びたいという人は要注目です!
「ラストイデア」公式サイト
本作,正確には原典のクトゥルフ神話そのものというよりも,それを題材にした同名のTRPGをベースにしたゲームであるとのこと。なので,ゲーム内のシステムもその影響が強いです。
代表的なのが,「SAN値」という呼び方でお馴染みの「正気度」でしょうか。特定の状況で減少していき,低下するとさまざまなデメリットが発生します。また,私立探偵である主人公のスキルが「目星」やら「心理学」といった用語で表現されていて,ポイントを割り振ることで成長させていけるんですね。「話術」を伸ばせば会話での交渉が上手くいきやすくなりますし,「調査」を伸ばせば頑丈な錠前もピッキングで開けられるようになります。プレイヤーそれぞれの個性に合わせた攻略法を模索できるのが特徴です。
例えば俺の場合はゲーム序盤から「筋力」に極振りしまして,早い段階でMAXにしてしまいました。おかげで揉めごとに強くなったり,道具が無ければ起動できない仕掛けを腕力だけで無理やり動かしたり,“力こそパワー”というスタイルでウッホウッホとイキりながら,冒涜的な存在が見え隠れする怪事件の真相に迫りつつあります。
アドベンチャーゲームとしては極めて硬派というか,古典的とも言える作りになっており,探偵らしく探索や会話といった情報収集を繰り返してストーリーを進めていく形ですね。派手なアクションシーンやら,ホラーゲームらしい“いかにも”な恐怖演出は薄く,会話の端々や調査で発見した痕跡から滲み出す“不明瞭なおぞましさ”に,まさしくクトゥルフ神話特有の魅力が出ています。
ただし,実写と見紛うようなキャラクターがバンバン登場する近年のタイトルと比較すると,本作のグラフィックスは決してレベルが高いとは言えません。また,マップが狭く,NPC同士の会話パターンが少ないなど,粗削りなところもありますが,そのへんは御愛嬌。クトゥルフ神話への理解と愛情を感じる雰囲気作りで上手くカバーしています。
PS4版「コール・オブ・クトゥルフ」をより深く楽しむための6つのトリビア。すべての探索者とキーパーに贈る,先行インプレッションを掲載
海外では2018年10月に発売されたアドベンチャーゲーム「Call of Cthulhu: The Official Video Game」(PC / PS4 / Xbox One)の日本語版,「コール・オブ・クトゥルフ」(PS4)が,オーイズミ・アミュージオより2019年3月28日に発売となる。本稿ではその内容を紹介するとともに,その背景である「クトゥルフ神話」について解説する。
上記の記事でも森瀬氏が語っていますが,クトゥルフ神話のトリビアを知っていればニヤニヤできるゲームであると同時に,「クトゥルフ神話に興味がある」というビギナーが,その雰囲気を存分に味わえる入門作としてもオススメできるタイトルだと感じました。ぜひこの機会に,コズミック・ホラーの深遠なる世界に触れてみてはいかがでしょうか。
キーワード
(C) 2019 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
(C) 2019 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.