ニュース
Intel,「Comet Lake」版ノートPC向け第10世代Coreプロセッサ「Core i7-10710U」などを発表。薄型ノートPCも6コアの時代に
Intelの第9世代Coreプロセッサには,TDP 15Wクラスや7Wクラスの製品がなかったため,開発コードネーム「Kaby Lake Refresh」こと第8世代Coreプロセッサの低消費電力版が使われ続けていたが,Comet Lakeはこれを置き換える製品となるわけだ。
ラインナップはTDP 15Wの「Comet Lake-U」が4製品,TDP 7Wの「Comet Lake-Y」が4製品となっている。主なスペックは表1と表2のとおり。
第10世代Coreプロセッサとは言うものの,Comet Lakeは8月1日に発表となった開発コードネーム「Ice Lake」とは異なっており,実態はKaby Lake Refreshの低消費電力版と大した違いはない。
たとえば,Ice Lakeは,新しい10nm製造プロセスを用いる「Sunny Cove」マイクロアーキテクチャを採用しているが,Comet Lakeは既存の14nm製造プロセスのままだ。また,Ice Lakeの統合型グラフィックス機能は,Intelの言う第11世代のGPUとなっているのだが,Comet Lakeは第8世代Coreプロセッサと同じ世代のGPUを採用しているといった具合である。
それでは,Comet Lakeの何が新しいのかと言うと,冒頭で触れたTDP 15WのCPUでは初の6コア12スレッド対応や,Wi-Fi 6ことIEEE 802.11axへの対応,Thunderbolt 3への対応といったあたりだ。加えて,Comet Lake-Uと組み合わせるチップセットとして,Wi-Fi 6やThunderbolt 3対応の新しい「Intel 400」シリーズが登場する。
Intelでは,前世代のKaby Lake Refreshと比較して,Comet Lakeでは全般的な処理性能で最大16%,MicrosoftのOfficeスイートである「Office 365」における処理性能では最大41%向上すると主張しており,相応の性能向上は果たしているようだ。
スペックからして,Comet Lakeは,ゲーマー向けノートPCで積極的に使われるような製品ではない。しかし,Razerのゲーマー向け薄型ノートPCである「Razer Blade Stealth」シリーズのような製品は,Comet Lakeを採用する新機種にモデルチェンジを行う可能性はありそうだ。
Intel日本語公式Webサイト
- 関連タイトル:
第10世代Core(Ice Lake,Comet Lake)
- この記事のURL: