連載
俺のコラボカフェ:Menu 013 「パラッパラッパー」,ニワトリ先生のシーフードケーキを美味しく再現
4Gamerをご覧の皆さん,こんにちは。クッキングエンターテイナーの大西哲也です。
私の故郷である北海道はまだまだ冬本番という感じですが,東京には春の足音が聞こえてきおり,ワクワクしますね。春といえば多くの花が咲くわけですが,今回はそんな春の花々のようなデザインも魅力の「パラッパラッパー」について語ってみたいと思います。
「パラッパラッパー」は国内累計出荷本数が148万本を記録した,リズムアクションゲームの礎を作った作品です。20年以上も前に発売されたゲームですが,かわいくポップなデザインで強烈な個性を持ったキャラクター,ボタン操作でラップを紡いでいく小気味よさなど,その独創的な要素はいまだ色褪せていません。
プレイしたことがある人は同意してくれると思いますが,「ニワトリ先生」が出てくるステージは,判定がシビアでフレーズも難しく,難度がかなり高かったと記憶しています。今思えば,中学生の私が初めてぶつかった人生の壁だったかもしれません。何度もコントローラを投げ捨てそうにもなりましたが,根性で乗り越えました。あの経験があったからこそ,社会の荒波にも飲み込まれることなく,今まで生きてこられたと言えるでしょう(しみじみ)。
さて,あの時ニワトリ先生が作っていた料理を覚えていますか? なんて聞いておきながら私はすっかり忘れていたのですが,「シーフードケーキ」なるものでした。作り方は,卵と粉を混ぜる→バターを入れる→オーブンで焼く→エビ,アサリ,スズキをトッピング→できあがり
というものでした。「見たこともないケーキを作っているのよ」と先生は言っていましたが,そのまま作ったら……。しかも「安くチープがモットー」とも言っていますが,スズキは中々の高級魚です。
本当にこのまま作っていいものかと頭を抱えましたが,材料と工程をよく考えて再構築してみると,我々にも馴染みのある,とあるメニューにかなり近いことに気づきました。そうです「伊達巻」です。
伊達巻は魚介のすり身に卵と調味液を混ぜてオーブンで焼き上げる料理です。砂糖やみりんでかなり甘く仕上がるので「シーフードケーキ」とも呼べるのではないでしょうか。お正月の定番料理の一つですが,ちゃんと作った伊達巻はいつ食べてもいいと思うほど美味しいです。おせちの中でも人気ですしね。
魚を捌いてすり身にしてと,かなり手間のかかるメニューですが,ニワトリ先生のステージと同じように根性で乗り切れるはずです。材料に使う魚介もなるべくオリジナルに近いものを用意してみました。それでは,作っていきましょう。I gotta believe!
■材料
スズキ(白身魚) 80g
むきエビ 50g
むきホタテ 30g
卵 6個
砂糖 100g
酒 大さじ1
みりん 大さじ1
薄口醤油 小さじ1
実食
工程はケーキとほど遠いと思うかもしれませんが,見た目は「ロールケーキ」に近いです。ふんわりと甘い匂いもしますし,早速食べてみましょう。
はんぺんを使うレシピもありますが,すり身から作ると旨味が段違いです。お菓子としても,おかずとしても,酒のつまみとしても非常に優秀な味といえるでよう。まさに「COOL!」な一品です。
実はすり身を完成させるだけで1時間くらいかかり(とくにすり鉢での作業がキツかった)すっかりヘトヘトになりましたが,その努力が報われるうまさですね。おせちだけにしておくのはもったいないので,これからは2か月に1回は作って,お正月気分をしょっちゅう味わいたいと思います。
前回のマーボーカレーが好評だったので,今回も本格的なメニューに挑戦してみましたが,いかがでしたでしょうか? 実際に作った人は「#俺のコラボカフェ」「#COCOCORO」といったハッシュタグをつけてSNSに投稿してくれると嬉しいです。あわせて,感想や作ってほしいメニューなどの意見もどうぞ。なお今回は,「COCOCOROチャンネル」でこの伊達巻を作る動画公開はお休みさせていただきます。ですので,このページのレシピを見て挑戦してください。それでは,またお会いしましょう!
■■大西哲也(クッキングエンターテイナー)■■
あるときは,東京都,西調布にある「料理うまいBAR COCOCORO」のシェフ,またあるときは,「COCOCOROチャンネル」のYouTuber,しかしてその実体は……,料理を通じて多くの人を喜ばせたいと日々奮闘する,クッキングエンターテイナーだ! パラッパラッパーにハマったシェフは,その後「beatmania」や「リズム天国」をプレイし,リズムゲームにはまったそうです。その影響で音楽にものめり込み,バンド活動にもつながったということで,パラッパラッパーは人生を変えたゲームだったのかもしれません。
※次回の掲載は2020年3月28日を予定しています
キーワード
(C)2006, 2017 Sony Interactive Entertainment Inc. (C)Rodney A.Greenblat/Interlink
(C)Sony Computer Entertainment Inc. (C)Rodney A.Greenblat/Interlink