プレイレポート
Switch版「Panty Party」のプレイレポート。パンツを操り,パンツを倒せ! レッツ,パーリィ!
本作は台湾のインディーズデベロッパ・Animu Gameが開発し,2017年にPC版がSteamとDMM GAMESで配信開始となったタイトルだが,今回のNintendo Switch版では新たにテーマソングが作られ,最大4人での対戦プレイや,対戦モードでのみ使用可能な新パンツが2体(2枚と言うべきか?)追加されている。
パンツ丸出しだけど超健全! パンツからいろんな物を出して悪を討て!
さて,この「Panty Party」,エッチなゲームだと思っている人が多いのではないかと思うが,実はヒーローモノや魔法少女モノのノリをコメディタッチで描いた感じで,エッチな要素はまったくない。「で,でも,ちょっとくらいはエッチな要素もあるんでしょ?」という人には,肩をポンと叩いて,静かに首を横に振るレベルだ。
物語の導入は,こうだ。ある朝,遅刻しそうになって急いでいた女子高生・夢理花(ゆりか)が,道で1枚のパンツとぶつかってしまう。パンツは「私が見えるの!?」としゃべり出し,夢理花はパンツに変身できる「愛の戦士」だと告げられる。
ワケが分からないまま,夢理花はいつの間にかパンツ姿となり,襲い来るパンツたちと戦うことに。しゃべるパンツと夢理花は,ほかの「愛の戦士」たちと合流しつつ,「パンツしか愛せなくなる」というヤバめの洗脳で人類を侵略しようとする悪しきパンツたちに立ち向かう……というストーリーだ。
白昼夢寸前のストーリーは序盤から情報量が多すぎてブッ飛んでいるが,会話の合間に入るバトルパートは基本的に「よく分からんが,また悪いパンツが来たから倒せばいいんだな!」の繰り返しなので,ある意味,分かりやすい。
モードは,「ストーリー」「アーケード」「対戦」の3つがあり,ゲームシステムは共通だ。自機となるパンツを操作して,自分以外のパンツを殲滅すると勝利となる。ストーリーモードは全20ステージで,各ステージで条件を満たすと,新たなパンツがアンロックされていく。
各パンツは,ダッシュ,ジャンプ(浮遊),左右への回避といったアクションは共通だが,パンツごとに武器が異なるため,パンツによって戦い方が大きく変化する。
また,攻撃をヒットさせることで「情熱」ゲージが上昇し,ゲージが満タンになると「情熱モード」を発動できる。情熱モード中は攻撃力や防御力の上昇,リロード速度のアップなど,パンツごとに異なる強化効果が得られ,情熱モード時のみに使用可能になる攻撃手段も存在する。
主人公である夢理花はバランス型の装備で扱いやすいので,ストーリーモード中に新たなパンツを手に入れても,構わず夢理花で突き進むこともできる。
ゲームのジャンルとしては,アクションシューティングやTPSといったあたりになるだろうか(TPSといっても,サード・パーソン・シューターというよりは,Tonderu-Panty-Shooterといった感じだが)。
ただ,パンツによっては格闘攻撃や日本刀による近接攻撃もできるため,純粋なシューターとはまた微妙に異なる。筆者がこれまでに遊んだゲームで最もプレイ感覚が近いのは,「アーマード・コア」かもしれない。
各パンツはA・Y・Xボタンにそれぞれ攻撃手段が設定されており,手段によってはリロードタイムが存在するため,同じ攻撃をひたすら連射,ということはやりづらくなっている。
また,攻撃が連続ヒットすると,くらった側は「Guard」と表示され,一定時間無敵となる。見た目がパンツなので分かりにくいが,これは格闘ゲームでいうダウン状態のようなもの。ダウン時に起き上がりを待って近接攻撃をくらわせようとすると,大抵,カウンターをもらうため,延々と一方的に攻撃し続けることはできない。
ただ,敵も自分も全員パンツなので,モーションの判別が難しく,アクションを見てからの回避は難しい。相当にやり込んだ者同士なら,相手の動き出しで何の攻撃かを判断することも可能かもしれないが,このゲームでそんな動きをされたら,それはそれで怖い気もする。
ストーリーモードをクリアしたら,アーケードモードと対戦モードでパンツの腕前を磨こう!
先述の通りストーリーモードは20ステージあるが,1ステージが短いので,数時間もあればクリア可能だ。難度もイージーからハードまで用意されているので,「難しくてクリアできない」「簡単すぎる」ということもないだろう。
一方,アーケードモードでは,枝分かれしたコースのゴールまで辿り着くと,ちょっとしたおまけイベントを見ることができる。基本的にストーリーモードと同様,パンツとの連戦なので,慣れたパンツで挑むもよし,新たなパンツの試しがてらに連戦を楽しむもよし,だ。
対戦モードは,最大4人のオフライン対戦が可能だ。大人になるとなかなか機会はないが,たまたま友人と宅飲みになったりしたときに「おう,ちょっとパンパろうぜ」と,聞いたことのないフレーズで対戦に誘うと,最高にクール。あまりにもロックな内容に「最近のゲームはスゲェな」と,ほろ酔い気味だった友人の目も少年の輝きを取り戻すかもしれない。
そんな話の分かる友人はいないよ……と悲しい目をしている人も大丈夫。対戦モードはCPUパンツ1〜3枚を相手にすることも可能で,CPUの動きは,各パンツの扱い方の参考にもなる。適当に選んだCPUパンツが思いも寄らぬ苛烈な攻撃をしてきて,「こっ,このパンツ……できる!」と意外な発見をすることも。パンツから3連ミサイルが飛び出して追尾し始めたり,空中に浮かんだ無数のミニパンツから集中砲火を受けたりしたときは,目を疑ったものだ。
対戦モードでのみ使える機能として「オートロック」があり,ボタンを押すだけで,敵パンツが今どこにいるかがすぐに分かるようになっている。地形に隠れたりする戦法などに影響があるためか,この機能は任意でオン/オフが可能だ。
不満点を挙げるとすれば,キーコンフィグがないことだろうか。ダッシュは左スティック押し込みなのだが,押し込んでいる間しかダッシュしないタイプなので,こまめにダッシュを使おうとすると,操作的になかなか厳しいものがある。ほかのボタンへの割り当てや,ボタンを1回押せば,あとは離してもダッシュが継続するタイプだとやりやすかったなぁと感じた。
「Panty Party」は,「パンツしか愛せなくなる」という洗脳で人類を侵略しようとする悪しきパンツたちに立ち向かうストーリーだが,Nintendo Switch版から追加されたテーマソング「パンティパーティー」を聴いていると,マジで洗脳されそうになって困る。過去,ゲーム業界ではいくつもの“電波ソング”と呼ばれる迷曲が生まれてきたが,筆者の中で,この曲は近年久々のヒットだ。
しかもこの曲,AmazonやiTunesを始め,主要な音楽配信サイトは網羅しているのでは……というくらいに,さまざまなところで配信されている(関連リンク)。
ゲーム中ではタイトル画面などで流れるのだが,次第にこの曲なしではいられない体になってきた筆者はフラフラと購入し,聴きながら原稿執筆していた。聴けば聴くほど知能が下がりそうな曲調と歌詞,絶妙に力の抜けたボーカルが,悪魔的な中毒性を生んでいる。パンティ パーリー パーリ パンティ〜……パーパパパーパーパーパー……パーパパパーパーパーパー……し〜ま〜パ〜ン……や,やめろォ……この歌詞……何も……何も意味がないィィッ……!
昨今,バトルロイヤル系のゲームが人気だが,「Panty Party」も,それ系の続編とかアリなんじゃないかと思わせてくれる。「みんなパンツ」というだけで,こんなにも殺伐としないというのは素晴らしい大発見だ。
さらに,パンツの見た目・性能・カラーをいろいろとカスタマイズできたり,ハクスラ系の1人用モードなんかがあったりすると,さらにおもしろくなりそうだなーと,続編への期待は高まるばかりだ。なんなら今度はパンツからブラにして,「ブラジャーブラザーズ」とかでもいいぞ。
というわけで,パンツを操作してパンツを蹴散らすゲーム「Panty Party」は最高なので,Nintendo Switchを持っている人はぜひパーパパパーパーパーパー!(洗脳完了)
「Panty Party」公式サイト
- 関連タイトル:
Panty Party
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