インタビュー
「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」プロデューサー&アニメ監督インタビュー。さまざまなプラットフォームに進出する「YU-NO」と,新展開に向かうアニメ版の見どころについて聞いた
一方で,現在放送中の同アニメが,8月から佳境となる「異世界編」に突入する。新展開の異世界編が始まるタイミングで,MAGES.の総合プロデューサーの浅田 誠氏とアニメ監督の平川哲生氏に,アニメ化までの苦労と見どころについて聞いてみることにした。
「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」公式サイト
TVアニメ「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」公式サイト
伝説のゲーム「YU-NO」とはどんなゲームなのか
数々の名作を手掛けた故・菅野ひろゆき氏(ペンネームは剣乃ゆきひろ)によって世に送り出されたアドベンチャーゲームが「YU-NO」である。この作品は1996年にPC版,翌年にセガサターン版が発売され,多くのユーザーから熱い支持を受けてきた。
「YU-NO」が初めて世に登場した1990年代中頃は,ビデオゲーム制作が次第に大掛かりなものとなり,大人数で作ることが当たり前になってきていた時代である。そんな中,少人数でも作れる数少ないゲームジャンルがアドベンチャーゲームだ。個人の才能が活かせるアドベンチャーゲームには,さまざまな才能ある人達が集まったが,「YU-NO」はそういう場で生み出された作品の1つだった。
本作ではルートの分岐した並列世界を渡り歩き,複雑に絡み合った謎を解きほぐしながら進んでいく。並列世界の移動はリフレクターデバイスという特殊な装置で行うが,そのルートの分岐と移動は,“A.D.M.S.”(以下,アダムスシステム)と呼ばれるゲームシステムで管理されている。プレイヤーは世界の分岐を目で確認しながら,持っている宝玉の数だけポイントを作り,そこに瞬時に移動することが可能だ。
優れたゲームシステムによって,重層的に存在する並列世界を描き出したところに「YU-NO」の真価がある。この独自性に当時の多くのユーザーは衝撃を受け,アドベンチャーゲームの新たな可能性を感じたのではないかと筆者は思う。
しかし特殊なゲームシステムを持つゆえに,類似の作品は存在せず,ほかの媒体とメディアミックス展開することも難しかった。原作の登場から20年以上が経った今,リメイク版の制作とアニメ化が実現したのは,奇跡的なことと言えるのかもしれない。
Switch版に続き,Steamでもリリースされるリメイク版「YU-NO」
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。
最初に,お二人の簡単な自己紹介からお願いします。
浅田 誠氏(以下,浅田氏):
「YU-NO」総合プロデューサー,MAGES.の浅田です。
平川哲生氏(以下,平川氏):
「YU-NO」のアニメの監督をしています,平川です。
4Gamer:
2014年の冬コミで,初めてゲームのリメイクとアニメ制作を含めた「YU-NO」の新規プロジェクトが発表されました。それから早くも5年経ったわけですが,リメイク版の「YU-NO」の現状についてお話をうかがいたいと思います。
リメイク版は7割くらい作ったところでクオリティ的に不安だなと思い,全面的に作り直しました。そんな経緯もあって,なんとかユーザーさんに満足できる形にして,届けることができたかなと思っています。
3月に発売されたSwitch版に関しては,今までよりもだいぶ遊びやすくしています。ヒント機能が付いていますので,同じ場所に何度も行かずに済むようになりました。迷って行ったり来たりするところにも「YU-NO」の面白さがあるので,そこはどうしたらいいのかだいぶ悩みました。しかし,今の時代のユーザーさんは時間の制約がある中で遊んでいただいていると思うので,そこを考慮しました。以前と比べて,10時間以上は早く終わると思います。
4Gamer:
10月にはSteamでの配信も予定されていますね。
浅田氏:
今のところは日本語版と英語版だけですが,評判が良ければほかの言語にローカライズするかもしれません。
4Gamer:
アドベンチャーゲームのローカライズは,ほかのゲームジャンルと比べてもとくに大変だと思いますが。
浅田氏:
移植に関しては,アドベンチャーゲームが一番お金がかかるんじゃないかと思います。翻訳する文章量があまりにも多いですからね。しかも「YU-NO」のテキストは,普通のアドベンチャーの4本分くらいあるんですよ。声優さんのしゃべるところも多いですし。だから簡単に「ローカライズします」とは言えないんですよね。
平川氏:
その点では,アニメはアドベンチャーゲームほど言語の問題がありません。世界各国の方に見ていただいているので,アニメから入って,ゲームに興味を持ってくれる人もいるのかな,と思います。
浅田氏:
ローカライズするとき,日本と海外とでは規制の差があるんですよ。たとえば海外では,ユーノの幼少期の絵とか,幼女に関する表現の規制が厳しいですね。また中国では,小さなレギュレーションが重なって独特の規制になっています。意外に規制が厳しい中,なんとか発売にこぎつけることができました。
連続2クールを前提とした「YU-NO」のアニメ化
4Gamer:
リメイク版の開発と同時期に進行したという「YU-NO」のアニメ化ですが,いつ頃決まったのでしょうか。
浅田氏:
「YU-NO」のリメイクをすると決めた時点で,アニメを同時にやるということは決まっていました。しかしゲームが完成して実際にアニメが放映されるまでには,ずいぶん時間がかかりましたね。リメイクを発表してから,もう5年も経っていますし。
アニメ化に際してはいろいろな会社さんとお話をしましたが,今のご時世,アニメは1クールじゃないと厳しいと言われてきました。1クールなら,1〜2年前くらいに実現できていたと思います。しかし結果的には,2クールきっちり作れる環境ができて良かったなと。
4Gamer:
連続して2クールでの放送が,譲れないラインだったということですか。
浅田氏:
分割で2クールという案もあったんですが,それは嫌だったんですね。「YU-NO」はルートが複雑に分岐しているので,各話の放送が1週間空くだけで分かりにくくなるんですよ。本来このアニメは,一気に見たほうが分かりやすいんです。もし分割2クールにして,間が3か月も空いてしまうと,ストーリーのつながりが分からなくなってしまいます。だからうちが出した条件が,続けて2クールやることでした。
4Gamer:
具体的にアニメ化の話が動き始めたのはいつでしたか。
浅田氏:
2017年の春くらいでしょうか。最初の顔合わせがそのくらいだったと思います。そこからけっこう時間がかかりました。シナリオが決まって,動き出すまでに半年くらいかかっています。
「YU-NO」を取り上げた東 浩紀さんの本も読んでいましたし,伝説のゲームだということはお話をいただく前から知っていました。僕はサターン版しかやっていなかったので,アニメ化のお話を聞いてからPC版をプレイしました。そこから半年くらい空いて,「本当にやるのかな?」と思っていたときに,また連絡が来たという感じです。
4Gamer:
いざアニメ化というお話が来たときにどう思いましたか。
平川氏:
正直に言って「荷が重い」と思いましたね(笑)。脚本家を始めとして,アニメ業界には「YU-NO」を好きな人が多いんですよ。アニメスタジオのホワイトフォックスの社長もその一人なんですが,「どういうふうにやるの?」と聞かれました。まったくそのとおりで,本当にどうやるのか悩みましたね。
少し前の時代を表現するのは,ゲームでもアニメでも難しい
4Gamer:
アニメ化にあたって,浅田さんは何か要望を出されましたか。
浅田氏:
基本的には,アニメ制作の方にお任せする方針でした。こちらはあくまでゲーム会社で,アニメと近しい場所にはいるんですけど,ゲームとアニメでは表現できる範囲が全然違います。だから,シナリオにはあまり口を出さずにおこうと。こちらの要望としては,原作の話を大きく逸れることがないように,ということだけお伝えしました。
平川氏:
実際に,あまり細かい要望はなかったと思います。例えば時代を現代にして,基本設定だけを活かしてオリジナルアニメにするような方法もあったと思うんです。でも,それはさすがに「YU-NO」とは言いがたいかなと。
浅田氏:
現代だと「YU-NO」である意味がなくなってしまいますよね。ただアニメ化に際して,少し前の時代を描くのは意外に難しいんだな,と思いました。「YU-NO」が最初に発売されたのは1996年ですが,その時代にこのクルマや交通標識があったのかとか,ミスがないようにしないといけないですから。もっと昔の話だと,そもそもみんな覚えていないので,まだいいんですけど。
平川氏:
ありものの素材をそのまま使って描くと,そういうミスが起こりやすいですね。
浅田氏:
ゲームのリメイクをするときにも全部の絵を変えたので,同じような苦労がありました。街並みを描くときに「この時代にパラボラアンテナはあったかな?」とか,いろいろなことを考えながらやっていました。
平川氏:
モブ(群衆のシーン)を描くときに,何気なくスマホを描いちゃってたりするんですよね。そのほかに,ストーカーという言葉が当時使われていたかどうかとか,そういうところも気になりました。
4Gamer:
その言葉がいつから使われていたか,あとから調べてもなかなか分からなかったりしますよね。そのほかにも,使う言葉で問題になったところはありましたか?
浅田氏:
ゲームで結城が主人公のことを「オヤビン」と呼ぶんですが,「これって本当に使いますか?」という質問が来たことがあります。菅野さんの残したシナリオなので,そのままでいけて良かったんですけど。
平川氏:
脚本家の方は「今の人に通じるのかな?」と思ったようですね。
浅田氏:
今の人には「20年前はこんな呼び方があったんだ」と思われてしまうかもしれないですね。しかし20年前でも「オヤビン」とは普通は呼ばなかったです。いったい何年前のアニメなんだと(笑)。
4Gamer:
自分の記憶では,「オヤビン」という呼び方を聞いたのは「ど根性ガエル」(※1970年代の漫画,アニメ)が最初だったと思います。
平川氏:
僕は逆に「キャラが立ってるな」と思いましたけどね。今はこんな言い方をする人はいないなと。やっぱり「オヤビン」でよかったと思います。
ゲームとアニメ,表現方法の違いと時間の密度
4Gamer:
ゲームとアニメでは媒体が違うので,お互いにそこは苦労されたところだと思います。
浅田氏:
アニメは1話あたり24分,2クールだと計26話なので,見せる時間が限られてくるじゃないですか。その時間だと,ゲームではへたをするとプロローグだけで終わってしまいます。こちらとしては「アニメはどうやって終わらせるんだろう?」と思っていました。
平川氏:
最初に原作のテキストをもらったんですが,印刷しようとしたら6000枚以上になってしまいました。これは会社でやったら怒られるやつだと(笑)。
浅田氏:
「YU-NO」の第1話の絵コンテを見たときに,けっこう駆け足だなと思いましたね。ずいぶん詰め込んでいるので,尺は本当に大丈夫かなと。実際にアニメで見たら,こんな感じになるのかと納得しましたけれど。
平川氏:
最初の1話で,視聴者に次を見たいと思わせる“引き”が欲しいですからね。雷が落ちて終わり,ということも考えましたが,それでは引きになっていません。やっぱりユーノが出てくるプロローグのところまでは行きたいなと。そう思って,どうしたら詰められるのか考えました。
浅田氏:
1話でやりきるか,それとも初回だけ1時間にするかというのは,ちょくちょく話し合っていましたね。
平川氏:
「オープニングはなくてもいいですか?」とか。脚本は何度も書き直しました。
浅田氏:
その話をしていたのは,まだ放送時期や局も決まっていない時期でした。連続2クールなのか,分割なのかさえ決まっていませんでしたし。
平川氏:
やってみると,何とか1話に収まったかなと。2話以降は少し落ち着いたペースになりましたけれど。
複数のルートをつなげるために,オリジナルエピソードが必要だった
4Gamer:
「YU-NO」は特定の時間軸に戻ることができる,アダムスシステムが特徴です。ゲームならではのシステムですが,これをアニメのシナリオに落とし込むのは大変だったのではないでしょうか。
平川氏:
確かに一番悩んだのは,アダムスシステムをどうするのか,というところですね。あのシステムは,プレイヤーならではの視点じゃないですか。ゲームのプレイヤーは流れを俯瞰して見ていますが,アニメのたくやは違います。アニメのシナリオでは,主人公はオンタイムで感情を持って動いていて,そこにはプレイヤーがいません。
だからアニメでは,プレイヤーの代わりに視聴者を使うことにしました。視聴者はそれまでの放送を見ているので,その流れを覚えているという前提で進めています。一度見ているから,「そこまでは繰り返さないでいいでしょう」とショートカットできる。ゲームとは違うやり方ですが,そうしないと尺に収まらないんです。
4Gamer:
ゲームで遊ぶプレイヤーは,時間軸を行ったり来たりします。1つの流れを追っているわけではないので,まとめるのが難しいですよね。
平川氏:
シリーズ構成をするにあたって,ゲームにあるイベントを可能な限りやるというのをコンセプトにしています。しかしそのままではストーリーがつながらないので,つなげるためにどうしてもオリジナルイベントが必要になります。原作のさまざまなルートに行くために,いかにオリジナルイベントを入れていくか。そこは苦労したところですね。
4Gamer:
ゲームの異世界編は現世編のようにルートが分岐しないので,そのぶんは楽だったのではないでしょうか。
平川氏:
ただ,主人公のたくやが異世界に行く動機がなかったので,そこは困りました。ゲーム版では,ゲームの都合で異世界に行っているので。
4Gamer:
目の前で消えた謎の少女や,父親を追っていったとも考えられますが,少し動機が薄いですね。
浅田氏:
当時,打ち合わせの議題にそのことが出ていたのを覚えています。「たくやが異世界に行く動機がないのでどうしましょうか」と。そう言われてみると,確かにないんですよね。ゲームではアダムスが光って,扉が現れるから行くわけだし(笑)。
平川氏:
一介の学生が,いきなり「異世界に行くぞ,探検するぞ」とはならないですよね。アニメでは,ゲームのように宝玉を集めたから行く,というのでは動機が弱いかなと。
しかしあまり変な改変をするのも嫌だったので,設定を活かして動機が作れないかと考えました。そこで神奈編を現代のラストにして,神奈を助けるために異世界に行く,ということにしました。神奈は超念石がないと生きていけないのですが,この世界では超念石を結晶化できない。だから異世界で超念石を取ってきて,戻ってきて神奈を助けるというわけです。
4Gamer:
そのほかに,シナリオで悩んだところはありますか。
平川氏:
ゲームではいろいろな人に恋をしますが,それをそのままアニメにはできないところですね。みんな好きだというわけにはいかないですから。
浅田氏:
ルートのあるゲームのアニメ化は,どうしてもそこが難しいですね。
平川氏:
だからといって,「監督が澪が好きだから,そこだけたっぷり描きます」というのもまずいし,たくやが澪が大好きだという設定にしちゃうと,神奈はどうなるんだとなってしまいます。
4Gamer:
ゲームだと,ルートが変わったので心は切り替えました,でいいんですけどね(笑)。
平川氏:
アニメだとそうはいかないので,そのへんのバランスの取り方に苦労しました。だから亜由美さんは,あくまでお母さんという立ち位置にしています。
曖昧なところが多い原作の設定
4Gamer:
アニメ化にあたって,原作の「YU-NO」という作品について,あらためて感じたことはありましたか。
「YU-NO」はゲームの中で細かく設定があるように見えますけど,意外に決まっていないな,と思いました。アニメ化にあたって細かいところをいろいろ紐解いていくと,裏設定がなくて分からないことがたくさんあります。
例えばゲームで出てくるリフレクターデバイスは,実際にはどのくらいの大きさなのか描かれていません。ポケットに入るくらいなのか,もっと大きいのか。だから,どうやって持ち歩いているのか分からないんです。またリフレクターと一緒に鏡が出てくるんですが,これはゲーム中で使われないので,何の役に立つか分からない。
4Gamer:
時間軸を戻ったときの様子も,ゲームでは曖昧に描かれているような気がします。
浅田氏:
リフレクターで戻るときに,実際にどのように消えて,どのように出現するのかが不明です。突然,何もないところからバンと戻ってくるのかどうか。ゲームだと気軽に,「宝玉のところまで戻るか」で済みますけれど(笑)。
平川氏:
アニメでは,たくやが“カオスの矯正”で強制的に戻るときは,原作どおりにみんなの見ている前で消えます。リフレクターで戻るときは説明されていないので,見ていないときに戻るようにしました。
浅田氏:
戻る前にたくやが傷を負っていたら,そのまま戻るのか,傷を受ける前の状態で戻るのかも分かりません。アイテムを引き続き持っていることは確かなんですけど。
4Gamer:
そういうところは,タイムリープものの悩ましいところです。ゲーム版「YU-NO」の場合,主人公の記憶が戻っているかどうかも微妙ですよね。
原作には,記憶喪失になっていないとおかしい描写もあるんですよ。ただ場所によっては,記憶を受け継いでいるんじゃないかというところもあります。
4Gamer:
ゲームの場合は,同じテキストをうまく使い回していますからね。遊んでいるほうは,それほど不自然に思わないんですが。
平川氏:
アニメにするには,そのあたりを細かく見て設定を作らないといけません。でも視聴者にはそれを気づかせないようにして,そのまま見てほしいという気持ちもあります。
浅田氏:
アニメでどのように解釈して表現するかということは,監督にお任せしました。こちらは答えられる限りの質問に答える,ということで。
平川氏:
設定が決まっていなくて,こちらが解釈できる範囲が広いというところも,「YU-NO」の魅力だと思います。巨大な構想を抱えながら,志半ばというか,その設定のすべてが使われているわけではないところが,とても美しいなと。カルト的な人気のある作品には,どこかそういうところがあるんだと思います。
新キャラクターが登場する異世界編
アニメでは舞台が変わって,いよいよゲーム後半の異世界編に突入します。話数の限られている中で,異世界編をどのように描かれたのか教えてください。
平川氏:
異世界編は,原作の菅野さんがすでに亡くなられていることもあって,分からないことが多かったです。ゲームの中の情報だけでは説明できないので,異世界を描くとき,どうしてもオリジナル要素の追加が必要になりました。
4Gamer:
異世界は現実世界とは違うので,視聴者が当たり前の共通認識を持っているわけではないですからね。
平川氏:
例えば異世界では何を食べて生きているのかとか,帝都がどんなところなのかとか,アニメではゲーム以上にちゃんと描かないといけません。街並みとか城も出てきますが,ゲームには特定の絵しかないんですよ。アニメでは街の人も同時に出てくるので,細かいところまで作ります。そうすると,どうしてもオリジナル要素の追加が必要になるので,それだったら新キャラを最初から入れていこう,ということになりました。
4Gamer:
異世界編ではセーレスというキャラクターが最初に出てきますが,彼女はしゃべらないですからね。
平川氏:
原作であまり出番がなかったサラというキャラクターは,かなり出番を増やしました。声優さんもノリノリでやってもらえて面白かったです。
4Gamer:
そうやって異世界編が膨れ上がると,残りの話数を考えたときに尺の不安がありませんでしたか。
平川氏:
ゲーム版の異世界編は長く感じるかもしれませんが,長い部分は主に設定の説明なんです。絵で説明できるところも多いので,そこはアニメならショートカットできます。だから尺は十分足りていて,むしろストーリーを膨らませたくらいですね。
原作の内包する壮大な世界を,アニメならではの手法で描く
平川氏:
ゲームでは,異世界編の最後は密室劇になるんですよ。スケールの大きな話ではあるんですが,描写としては狭い世界になっていきます。ゲームでは,そこをあまり細かく描かないところがいいんですけど,アニメだとそうはいきません。むしろ広げるべきところだろうと。だから,たくさんのキャラクターをしっかり描いて,空間的な広さを映像的に表現していきました。
4Gamer:
アニメの異世界編は,原作と比べるとだいぶ展開や印象が変わりそうですね。
平川氏:
そうですね。例えば採掘場のシーンは,大規模な群衆劇になっています。原作では採掘場で地震がありましたが,キャラクター達の行動で物語が動く形にしました。新キャラも物語も増えて,大きなお話になっています。
4Gamer:
原作で描き切れなかった部分を描いた,といったところなのでしょうか。
平川氏:
オリジナル要素を入れたかったわけではなく,ストーリーの流れから,原作を超えて描かざるを得ないところがあったという感じです。例えば,「YU-NO」のムック本だけで使われているイラストを,アニメで取り込んで使っていたりします。原作者が亡くなられていて,直接お聞きできないので,こうしたかっただろうという方向を志していこうと考えました。
浅田氏:
原作を知っている人が見たら,びっくりすると思いますよ。楽しみにしていてください。
4Gamer:
それでは最後に,「YU-NO」のファンに向けてメッセージをお願いします。
平川氏:
アニメの異世界編は,ゲームをやっている人も驚くような内容になっていると思います。気に入っていただけたら,Blu-ray BOXのほうもよろしくお願いします。またアニメを見ていただいたら,ぜひゲームのほうもやってほしいですね。このエピソードは原作にあったんだ,なかったんだ,という楽しみ方ができると思います。
浅田氏:
5年前くらいから企画を進めて,リメイク版の「YU-NO」を発売し,ようやくアニメが放映されるところまで来ました。版権の譲渡を受けてから,自分がやれることは全部やれたかなと。「YU-NO」でこれだけ大きなことができるのは,これが本当に最後だと思います。アニメ,リメイク版のゲームのどちらも,よろしくお願いします。
4Gamer:
ありがとうございました。
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