Super Evil Megacorpが
iOS および
Android 向けに展開しているMOBA
「Vainglory」 。その
PC /
Mac 版のアーリーアクセスがSteamにて開始されたので,PC版をプレイしたインプレッションをお届けしよう。大きな画面で見やすくなり,キーボード対応で遊びやすくなったうえに,iOS/Android版(以下,モバイル版)とのアカウント連携も可能なのだ。
画面の見やすさと操作性が向上。グラフィックスの美しさも,より堪能できる
「Vainglory」は,日本では2015年からスマホ向けにサービスされているMOBA。コアゲーマーでも遊び応えのある練り込まれたゲームシステムと,美しいグラフィックスが大きな特徴だ。早い段階からiOS版とAndroid版の対戦を実現し,ユーザー層の拡大に注力してきた本作だが,2019年2月14日に待望のPC/Mac版のアーリーアクセスがSteamで開始された。
PC/Mac版はモバイル版とのクロスプラットフォームとなっており,すべてのプレイヤーが同じ土俵で対戦できる。モバイル版のアカウントを使ってPC/Mac版で遊ぶことも可能で,集めたヒーローやスキンなどをそのまま引き継げるのも嬉しいところだ。
今回はPCでプレイしたが,まず驚かされたのが画面の
“広さ” だ。モバイル版は,画面左下のバーチャルパッドでヒーローを動かし,右にあるボタンでアビリティ(スキル)を使うという方式で,操作中は指で隠れてしまうぶん,画面が狭く感じられる。
一方,PC版はマウスでヒーローを操作し,Q/W/Eキーでアビリティを使うという操作方法になっており,アイテムの使用やショップ画面の展開などにショートカットキーが用意されている。移動と攻撃はマウスの左右どちらのボタンにも指定でき,ショートカットを使わずにプレイすることも可能だ。モバイル版と違って常に画面全体を見渡せるので,周囲の状況を把握するのに大いに役立つだろう。
「Vainglory」のモバイル版(上段)とPC版(下段)。どちらも同じグウェンを使っているが,画面はPC版のほうが広く感じられる
PC版では,アビリティやアイテムのそれぞれにショートカットキーが設定されている。キーコンフィグを変えられないのが気になるところだが,今後の対応を期待したい
プレイアビリティに直結する点ではないのだが,PC版はモバイル版以上にカメラを近づけることが可能で,グラフィックスの美しさを堪能できる。とくに面白く感じられたのがヒーロー達のアニメーションだ。
バロンがバズーカやミサイルをドカドカと撃ちまくり,グランプジョーが敵を丸呑みにするといった攻撃モーションはもちろん,テレポートでベースへ帰還する際の動きもそれぞれに異なっている。例えば,飲んだくれのリンゴは手にしたヒョウタンから酒をあおり,英雄然としたイェーツはアメコミヒーローのように大ジャンプし,獣のフォートレスは丸まって寝てしまうなど,キャラクターの個性が強く表れており,見ているだけで楽しい。
カメラを引けば,画面の大きさと相まって状況把握に役立つだろう(上段)。またPC版では,モバイル版以上にカメラを近づけられる(下段)
戦いを彩るヒロイン達,グウェン(左)とマレン(右)。かなり細かいところまで作り込まれていることが分かる
ベースへテレポートする際のモーションもPC版ならじっくり眺められる。フォートレスは丸まって寝てしまい(左),イェーツはスーパーヒーローばりに大ジャンプでベースへ帰還する(右)
もともと本作はグラフィックスにも力を入れており,Super Evil MegacorpのCOO兼エグゼクティブディレクターの
クリスチャン・セガストラル氏 も4Gamerのインタビューで「PCで出せるほどのレベルにある」と語っている。モバイル版をプレイした人も,PC版の練習モードやBOT戦などでヒーロー達をアップにし,グラフィックスやアニメーションをじっくりと眺めてみてほしい。
関連記事
2016/08/30 12:01
前述のとおり,PC版でもモバイル版と同じアカウントが使用できる。すでに本作のアカウントを持っていれば,PC版のログイン時にモバイル版と同じメールアドレスとパスワードを入力するだけで,特別な手続きや新たなIDの作成は不要だ。SteamのPC/Mac版をダウンロードすると,ヒーローのトニー用スキン
「スチームナイト・トニー」 をもらえるので,この機会にしっかり手に入れておこう。
SteamのPC/Mac版をダウンロードすると,トニーと「スチームナイト・トニー」のスキンをもらえる
画面中央のメカっぽいヒーローがスチームナイトのスキンを使ったトニー。パンチと挑発を得意とする格闘戦士だ
今回,両方を遊び比べてみて,腰を据えてじっくりプレイしたいときはPC/Mac版を,移動中などのちょっとした空き時間にはモバイル版をといったように,自由なスタイルで遊べることのメリットを実感することができた。
現在最新の「バージョン4.0」では,PCのMOBAで主流となっている5対5が主要モードに据えられており,「Vainglory」の世界が大きな変革を迎えている。先に行われたPC対モバイルのエキシビションマッチではモバイル側が圧勝したそうだが,定評のあるMOBAをPCやMacでも遊べるとなれば新たなプレイヤー層の参入もあるだろう。クロスプラットフォーム対戦時の公平性と合わせ,Super Evil Megacorpの舵取りには今後も注目したい。