インタビュー
苦節3年,いよいよエオルゼアに傘が登場。アップデート盛りだくさんな「ファイナルファンタジーXIV」パッチ5.2直前,吉田直樹氏インタビュー
今回のパッチ5.2では,メインストーリー「漆黒のヴィランズ」が早くも完結に向けて大きく動き出す。そして,バトルコンテンツに「希望の園エデン:共鳴編」や「ルビーウェポン破壊作戦」が実装されるほか,装備強化コンテンツが新たに登場する。
このほか,開発に3年もかかったという「傘」が追加されたり,船釣りができる新コンテンツ「オーシャンフィッシング」が登場したりと,遊びの幅が更に広がるアップデートとなっている。
今回も,ボリューム満点なアップデート内容について,本作のプロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏(以下,吉田氏)にインタビューしてきたので,プレイヤーにはぜひ一読してもらいたい。
パッチ5.2「追憶の凶星」特設サイト
「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ」公式サイト
「漆黒のヴィランズ」完結に向けて物語が動き出す
「イシュガルド復興」にはランキングが追加
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。まずは,パッチ5.2で展開される物語について聞かせてください。前回のパッチでは,第一世界の住人たちが自立していく様子や,暁の賢人たちが原初世界へ戻るための話が展開されました。
吉田氏:
パッチ5.1で,第一世界のいわゆる一般市民のエピローグは済んだと思っています。ですので,第一世界の今後などは彼らに任せて,ここからは暁の賢人たちが原初世界に戻る方法や,アシエンの脅威について本格的に展開していきます。ちなみに,パッチ5.2と5.3が「漆黒のヴィランズ」完結編のパート1とパート2になるようなイメージです。
4Gamer:
え!? もう完結編なんですか。今までの感じだとパッチ5.3あたりから,完結に向けて動き出すといったイメージでした。
吉田氏:
今回のパッチからかなり核心に踏み込んでいきます。ボリュームも大きいので,メインシナリオを楽しむぞという人は,じっくり時間を取って,推察しながら遊んでもらえればと思っています。
4Gamer:
では,今回のパッチタイトル「追憶の凶星」についても教えてください。イラストにはダラガブのようなものも映っていますし,やはり「凶星」とはダラガブのことを指しているんでしょうか。
吉田氏:
「凶星」という単語1つ取っても,登場人物によって捉え方は変わりますよね。例えば,光の戦士のように第七霊災を生き抜いた人からすると,ダラガブのイメージが最も強いでしょうし,古代人やアシエンたちにとっては終末のアーモロートで描かれたように,世界の終末に見た流星だと思います。これ以上はネタバレになってしまうので,あまり深く言えませんが,パッチタイトルはかなり踏み込んでいますし,今回もメインシナリオは本当に良くできているので,じっくり楽しんでほしいです。
4Gamer:
楽しみにしています。
今回のパッチでアップデートが入る「イシュガルド復興」についても聞いてみたいのですが,前回のパッチ5.1では,用意された復興段階まであっという間に終わってしまって,共同復興作業や,そもそも復興に参加できなかったという人もいました。
吉田氏:
コンセプトがリアルタイム制のコンテンツなので,今回も100%全員が参加できますか? と聞かれると,そうではないケースもでてくると思います。今回は全員平等に手繋ぎで復興という考え方はしていないので,頑張った人たちがいたら,その分復興は早くなります。
ただ,前回は序章でもあり,混雑することを予想できていなかったのは我々のミスです。復興ゲージが溜まってから共同復興作業が始まるまで,ある程度長めに時間を取って,みんなが集まって参加できるようにしたんですが……逆の問題を生んでしまいました。
4Gamer:
別のワールドからも人が集まってしまって,すごい混雑でしたね……。あまりに人が多すぎて,蒼天街に入ることすら難しかったです。
吉田氏:
一番良くなかったのは,その復興ゲージを上げるために頑張った人たちが,例えば共同復興作業は8時間後ですって言われて、「いや,もうその時間は無理だよ」となってしまったり,そもそも混雑で入れなくなってしまったことです。ですので,今回は復興に貢献した人たちが参加できるように,ゲージが溜まってから大体30分ぐらいで共同復興作業が発生するようにしました。また,序章であるパッチ5.1にくらべ復興段階が相当多いので,全部は無理でも結構な数に参加することが可能だと思っています。
4Gamer:
今回からランキングも公開されますよね。ランキング上位を目指すプレイヤーの勢いによって,復興スピードも結構変わりそうな予感がします。
吉田氏:
そうですね。パッチ5.2の初動から始めてしまうと,プレイヤーの皆さんも大変だと思うので,イシュガルド復興とそれに伴うランキングは3週間空けたパッチ5.21からスタートにする予定です。
4Gamer:
ちなみに,そのランキングはどのような評価基準になっているんでしょうか。
吉田氏:
復興に際して納品するアイテムの格と,その品質をポイント化しますが,最終的な決め手になるのは量でしょうね。今回からは,クラフター向けに高難易度レシピが入ります。今までだと,★の数が多いほど高難度のレシピという感じでしたが,システム的に「これは高難易度レシピです」と区分されるようになります。
4Gamer:
それは具体的にどう難しいんですか。製作に必要な要求ステータスが高いとか?
吉田氏:
それはもちろん。製作装備を極めている方向けのレシピになります。製作中は,ほぼ1ターンごとに状態が変わるようなハプニングが起こるので,それに合わせて都度最適なアクションを選択する,という遊びです。その分,マクロでは対処できないので高難易度レシピなのです。
4Gamer:
なんだかメモを取ったり,電卓とか用意したほうが良さそうな気もします。
吉田氏:
さすがにそこまでするのは大変だと思うので,今回はスキルシミュレーターを用意しました。ゲームの中で「この状態でこのアクションを使えば,こういう結果になる」ということはチェックできるので,一通り試してみてから製作を進めてもらえればと思います。
4Gamer:
もはや別の遊びですね。
吉田氏:
完全にクラフター上級者向けです。ただ,これがバトル系の新式のレシピになるとかではないので安心してください。イシュガルド復興のランキングとかに関わるような物なので,ランキング上位を目指す人に挑戦していただきたいです。
4Gamer:
ちなみに,パッチ5.21でイシュガルド復興は完結するんでしょうか。
吉田氏:
いいえ,まだまだ続きます。今回は復興段階がかなり多いので,頑張って復興してあげてください。先ほども話したように,リアルタイム制の遊びですから,一度復興し終わると,もう元には戻らない不可逆な作りになっています。ぜひ,途中途中でスクリーンショットを保存してもらえると嬉しいです。
4Gamer:
わかりました。
ギャザラー&クラフター関係でもう1つ教えていただきたいのが,「スカイスチールツール」についてです。主道具を育成していくコンテンツとのことですが,どういう流れになるんでしょうか。
吉田氏:
イシュガルド地方に伝わる名工たちが使っていた道具の設計図が見つかったので,復興してみないか? というストーリーで,やることは割とシンプルです。
4Gamer:
レリックウェポンのようにあっち行ってこいとか,こっち行ってこいとか,そういうイメージでした(笑)。
吉田氏:
ギャザラーとクラフターではクラス数が多いですから,さすがにそこまでは……(笑)。ベースになるクラフターアイテムと,アップグレードするための素材を両方揃えてNPCに渡すと主道具を強化してくれます。今回のパッチでは,主道具のベース作りと,2段階強化するところまで実装して,その先は今後のパッチで続いていきます。
4Gamer:
性能的にはどれぐらい使える物になるんでしょう。今後登場する主道具と両立するんですか。
吉田氏:
育成してもらえればそれなりに使える性能になるので,好きな方を選んでもらえれば良いと思います。新式の主道具にマテリア禁断するのが大変という人には,主道具の育成をコツコツやってもらいたいですね。最終的にはより高性能になりますので,頂点を目指す方も視野には入れておいてください。
装備強化コンテンツ「セイブ・ザ・クイーン」が登場
4Gamer:
パッチ5.21では,装備強化コンテンツも始まりますね。
はい。「セイブ・ザ・クイーン」というシリーズ名で,パッチ5.25からスタートします。今までのコンテンツとはちょっとタイプが違うので,詳しく説明させて下さい。
まずストーリーは,帝国に支配されている「シタデル・ボズヤ」という地域を奪還したいというレジスタンスが現れ,東方連合を通じて光の戦士に「ボズヤ奪還を手助けして欲しい」と依頼してくるところから始まります。彼らは,ボズヤ奪還のためには民衆の心を1つにする必要があると考え,古の女王親衛隊が用いた「グンヒルドの剣」をシンボルとして復活させることにしました。光の戦士達は,ボズヤ奪還のためにレジスタンス活動をしつつ,リワードとして「グンヒルドの剣」に連なる武器がもらえる,というのが大筋の内容となっています。
4Gamer:
シタデル・ボズヤと言えば,「旧FFXIV」の頃から結構名前が出ている地名ですよね。シドの父親であるミドが蒸発させてしまった地域で,最近だとガンブレイカーのジョブクエストにも名前が登場していました。
吉田氏:
シドが亡命してくるきっかけになった事件でもありますね。その辺りのストーリーも回収していきますので,興味がある人ならそれも注目のポイントになるかなと思います。
今回は導入編として,かなりボリュームのあるストーリーを用意しています。バトルをするシチュエーションも用意していますが,基本はソロでクリアできるので,ご自身のペースで進めてもらえれば良いかなと。このストーリーが終わればベースになる武器がもらえて,1度クリアすれば他のジョブも比較的簡単にもらえるようになっています。
4Gamer:
昔のゾディアックウェポンのように,基本はソロで進められるような感じなんでしょうか。
吉田氏:
第1弾に関してはそうです。次のアップデートが入るパッチ5.35では,今までにないタイプのフィールド型コンテンツも加わります。
ただ,前回のエウレカウェポンを実装した際,僕らは装備強化コンテンツとフィールド型コンテンツを一緒にプレイしていただいた方が,結果楽だろうと思って作ったんですが,「昔みたいに,ソロで自分の進行に合わせてコツコツやりたかった」というご意見も多くいただきました。しかし,元に戻すにしても,結局は「輝きを溜めてこい」とか「アイテムを取ってこい」というパターンにしかならないので,今回はストーリーが終わったら,フィールド型コンテンツで装備強化を行う方法と,別のコンテンツで強化素材を集めるという2つの方法を用意することにしました。
4Gamer:
なるほど。好きな遊び方で装備強化を進められるということですね。ちなみに,そのフィールド型コンテンツというのは,パッチごとに新しいフィールドが加わる,エウレカのような感じですか。
吉田氏:
必ずしもフィールドとは限りません。例えば,バルデシオンアーセナルみたいなものも加える予定で,ゲーム体験が毎パッチ変わるようになっています。いずれにせよ,今お話ししている内容はパッチ5.3Xになりますので,詳しいことは別の機会にお伝えしようかと思っています。
4Gamer:
バルデシオンアーセナルは絶妙な難度で,プレイヤーからもかなり好評なコンテンツでした。
吉田氏:
高難度多人数コンテンツで,スペシャルアクションを使いながら攻略するのが好評だったので,良いところは今後も踏襲していくつもりです。
クロニクルクエスト「ウェルリト戦役」が実装
第1弾は「ルビーウェポン破壊作戦」
4Gamer:
新たな討伐・討滅戦として「ルビーウェポン破壊作戦」が追加されます。名前からして気になるのが「FFVII」との関係性です。
吉田氏:
まぁ,たしかに意識しているかと言われると,してないわけではないのですが……。
原作を深く考えていたわけではなくて,「ウェルリト戦役」では帝国サイドやガイウスの掘り下げを行っていこうと考えているんです。ガイウスは,エオルゼアに進出してきた後の逸話はけっこうあるんですが,それ以外はあまり語られていないんですよね。
4Gamer:
たしかに,言われてみればそうですね。それを語るきっかけになるのが「ルビーウェポン破壊作戦」と。
吉田氏:
パッチ5.1のラストで,帝都ガレマルドに侵入したエスティニアンが謎の兵器を発見しましたよね? その情報からガイウスは「アルテマウェポン」の研究がまだ続いていたことを知り,光の戦士とタッグを組んで動き出します。
4Gamer:
第1弾が「ルビーウェポン」ということは,続くシリーズでは他のウェポンも登場するんでしょうか。
吉田氏:
開発名称が「ウェポンシリーズ」となっていますから,その辺りは期待して下さい。ちなみに,「ルビーウェポン」は他の極よりちょっと難しくなっています。
4Gamer:
おお,それは楽しみです。今回も報酬は武器ですか?
吉田氏:
武器です。新式装備を用意出来ない人は,ここで武器を取ってからレイドに行くのもアリかと思います。
レベル1から船釣りを楽しめる
「オーシャンフィッシング」が登場
4Gamer:
釣り好きとしては気になるのが,「オーシャンフィッシング」の実装です。
吉田氏:
運営から丸6年経ちますし,そろそろ空気のように存在するコンテンツがあっても良いなと思いまして,ようやく実装できました。
4Gamer:
空気のように存在……と,言いますと?
吉田氏:
例えばですが,現実でも船釣りは毎日行われていますが,釣りをしない人にとっては,あってもなくても一緒ですよね。それと同じように,そこにあることが大事だと思っているんです。
4Gamer:
たしかに,漁師以外にはほぼ関係ないですし,やることを強制するコンテンツではないわけですね。
吉田氏:
はい。気が向いたときや,やりたい人だけが遊べれば良い,あることが重要という位置づけです。
4Gamer:
コンテンツ自体はカジュアルに参加できるものなんでしょうか。
吉田氏:
漁師レベル1から参加できます。リムサ・ロミンサの港から,現実時間で2時間おきに船が出港する仕組みになっていて,今回のパッチでは航路Aと航路Bの2種類を用意しています。
4Gamer:
乗船する際は,時間までに港に集まる感じでしょうか。それとも,コンテンツファインダーでポチっと参加申請できたりとか。
吉田氏:
現地に行ってもらう必要があります。出航15分前からが受付時間で,NPCに話しかけると出航を待つ状態になります。ただ,1隻当たり最大24人で回しているので,24人集まったらその状態ですぐ出航できるようにしてあります。受付人数が24人を超えた場合は,次の船の出航にエントリーされます。勘違いされそうですが,2時間おきに24人限定というわけではなくて,船が何隻も用意されていると思って下さい。
4Gamer:
受付さえすれば必ず乗れるという感じですね。では,乗船時間はどれぐらいになるんでしょうか。
吉田氏:
約30分です。漁場に着くと,船長が「さぁ,釣れ!」と言うので,そこから一斉に釣りを開始して,一定時間が経つと次の漁場へ行くといった感じです。釣れる魚の中にはイベントトリガーになっている奴もいるので,それを誰かが釣ると爆釣タイムになって,めちゃくちゃ釣れまくるなんてこともあります。最後まで行くと,釣果がポイントとして出るような遊びになっています。
4Gamer:
面白そうですね。ちなみに,1度乗船したら最後まで退出できないんでしょうか。
吉田氏:
議論の結果,途中で退出できるようにはしてあります。一度乗ったら降りられないという方が余情はあると思うし,それが良いという人もいるとは思うのですが,本当にそうすると,一回やってみた以降,たぶん皆さんやらなくなるんです……。
4Gamer:
たしかに……。30分って夢中になればあっという間な気もしますけど,何回もやるかって言われると(苦笑)。
吉田氏:
トークンがたくさんもらえるわけでもないですし,シャキ待ちに使えるわけでもないので,ここに縛りを入れちゃうと,いずれどなたも乗らなくなってしまいます。であれば,一瞬で退出できるようにしたほうが良いと考えました。途中退出にペナルティがあるわけではないですが,最後まで行かないと釣果のポイント精算はされません。でも釣った魚と経験値は,都度計算されますので,不利益にはならないです。
4Gamer:
今の話だけ聞くと,かなりカジュアルなコンテンツのようにも感じるんですが,個人的に気になるのは新しいヌシがいるかどうかです。
吉田氏:
もちろん,天候に左右されるような魚や,釣れる海域,時間が限定された上級者向けの魚もいます。
4Gamer:
また釣るのが難しそうですね。
吉田氏:
それはあくまで上級者の楽しみ方ですね(笑)。レベリングや,カジュアルにも楽しめますし,「とりあえず釣りをする」というのがベースコンセプトなので,いろんな人に利用してもらいたいと思っています。
今回は航路が2つですが,今後のパッチで増やしていく予定です。新生エリアではフライングマウントや,水中を泳ぐことができないので,海側からエオルゼアを見られるのはこのコンテンツが初めてだと思います。景色が良いので,スクリーンショット映えすると思いますし,そのために船に乗ってもらうのも全然かまいません。
あと,今回はそこまでのハプニング要素を入れていませんが,今後は乗っている人全員で巨大な魚を1匹釣り上げるイベントとか,漁師用の新しい遊びを作っていきたいなと考えています。
4Gamer:
期待して待ちます。そういえば,少し話題が変わりますが,漁師と言えばパッチ5.1のイシュガルド復興に参加することができませんでした。今回は何かしら復興を手伝えるようになるんでしょうか。
吉田氏:
今回から漁師もイシュガルド復興に参加できます。リニューアルされるディアデム諸島がギャザラー専用となっているので,そこで雲海釣りをしてもらって,釣れた魚を納品してください。
苦節3年。いよいよエオルゼアに傘が登場
4Gamer:
本題に入ります。「傘」が実装されると聞いたんですが,どういったものなんでしょう?
吉田氏:
ちょっと長い話になってしまうんですが,3年ぐらい前からずっと「雨が降ったらロールプレイとして傘をさして歩きたい」というリクエストをもらっていたんです。なぜ実装までこんなに時間がかかったのかというと,「FFXIV」はアーマリーシステムがベースになっているので,必ず武器か主道具が装備されている状態を前提に,ゲームデザインとか,システムが設定されています。これはもう「旧FFXIV」の時からでして,「すっぴん」という状態が作れないんです……。
それで,傘をさせるようにしようと考えた時に,「じゃあ武器を消すのか?」「バトルをする時に傘を閉じて切り替えるのか?」という話になったんですが,とてもじゃないですが制御できなくて。あとは,バトルアクションのメモリを使っている時に,どこに傘を入れるのか,全ジョブに傘のメモリを用意するのかとか。じゃあいっそのことアンブレラってジョブにするか?(苦笑) とか……試行錯誤の連続だったんです。
4Gamer:
予想以上に大変だったことだけは分かります(笑)
吉田氏:
担当の林(リードアイテムデザイナー 林 洋介氏)が,仕様を切ってはプログラマーにダメだと言われ,それを何度も繰り返して,ついにミニオンとマウントのメモリを使って,傘をさせるようにしました。アクションリストに「傘をさす」というものを増やしたので,どの傘をさすか選べるようになります。
4Gamer:
なるほど,ミニオンやマウントを「呼び出す」ような感じなんですか。
吉田氏:
そうですね。武器は非表示になって,マウントやミニオンも呼べないんですが,傘をさして歩いたり走ったりできるようになります。ただ,意外と開発が難しくて,傘をさしている下は雨が降っても濡れないようにしなくちゃいけないので,ギリギリまで作業をしています。
4Gamer:
そういった細かい調整もたしかに必要ですね。
吉田氏:
けっこう複雑なことをやっているんです。例えば,雨が降っていても傘から下は自キャラが濡れないようにしますが,その状態で水に入ると,足元は濡れなきゃいけない……。フィールドやマップには,「軒下」という判定をデータとして埋め込んであるので,軒下にいれば雨に濡れない,といったように制御しています。しかし,傘はキャラクターに紐づくデータですし,当然傘をさして移動できるようにするため,リアルタイムの計算が必要になります。雨自体は3D空間座標に2Dで描画しつつ,中の空間計算は3Dだったり,けっこうテクニカルなことをやっているんです。傘は簡単に見えてすごいコストがかかったのですが,これもロールプレイの一環になる,と粘り強く作業をしてくれました。
4Gamer:
ちなみに,傘をさしながらエモートはできるんでしょうか?
吉田氏:
対応しているエモートとしていないエモートがあります。この辺りも,今後地道に増やしていくと思います。
4Gamer:
またスクリーンショット映えしてくれると良いですよね。
吉田氏:
そうですね。雨が降ってきたから,みんなが傘さしはじめたっていう絵が出たら良いなって思います。
4Gamer:
分かりました。それでは最後に,アップデートを楽しみにしている読者に向けてコメントをお願いします。
吉田氏:
今回もとてつもなく巨大なメジャーアップデートになっています。バトルやギャザラー&クラフターなど,あらゆる方向に対して新しい遊びを加えていきますし,シナリオのボリュームも破格になっています。
今日のインタビューでは話しきれませんでしたが,蛮族デイリーや「希望の園エデン:共鳴編」なども加わりますし,いろんな遊び方を楽しんでもらえるパッチになっていると思います。
ちょうど新年度に向かうタイミングですし,学生さんは春休みも来ると思いますので,「FFXIV」を遊んでもらうには良い時期だと思います。ぜひ既存のプレイヤーさんは「漆黒のヴィランズ」のラストに向かって,衝撃の展開を楽しんでもらって,新規のプレイヤーさんはこれだけ遊べる物がある状態なので,じっくり楽しんでもらいたいです。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
―――2020年1月24日収録
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