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スタフォニ2ndでALKALOID,Valkyrie,UNDEAD,紅月が魅せた最高の景色。「あんスタ!!Starry Symphony」2nd初日公演レポート
「あんさんぶるスターズ!!」の声優ライブイベント「Starry Symphony -the dead of night-」(以下,スタフォニ)が,2024年2月10日と11日の2日間,都内の有明アリーナにて開催された。「スタフォニ」と名付けられた本公演は,「あんスタ!!」の出演声優によるライブで,2018年から2021年までは「あんさんぶるスターズ!Starry Stage」(通称,スタステ)として全3公演が行われていた。そして2023年9月にライブタイトルを新たに,1stライブ「Starry Symphony -the first light-」が開催されている。
スタフォニ2ndライブでは,「ALKALOID」「Valkyrie」「UNDEAD」「紅月」の4ユニットが出演し,生バンドによる演奏と熱いパフォーマンスが披露された。本稿では,初日公演の模様をレポートしていこう。
生演奏・生歌唱ならではの迫力と
豪華絢爛なステージ&演出に感嘆
重厚なオープニングBGMと映像に続き,会場中央のステージに登場したのは「ALKALOID」(梶原岳人,天﨑滉平,重松千晴,中澤まさとも)。天城一彩が「みんなの光で,この会場中を僕たちの色に染め上げてほしいよ!」と投げかけると,観客は割れんばかりの拍手と歓声で応える。
1曲目「VERMILION」では,歌詞のとおり赤と黒の色合いが印象的なセットと照明のなかで歌われ,早くも観客の心を掴んでみせた。頬にスートのマークが入った4人が向かい合い,お互いの目をしっかりと合わせて賢明に歌う姿に胸が熱くなる。
間髪入れず,次は「紅月」(梅原裕一郎,神尾晋一郎,神永圭佑)の「月光奇譚」へ。蓮巳敬人が「燦然と輝く月のように,俺たちがこの有明アリーナを照らそう。みんなの声を聴かせてくれ!」と叫び,舞台はがらりと色を変える。“和”や伝統を重んじる紅月としては珍しく“洋”のイメージにフィーチャーした楽曲だが,そうしたジャンル分けなど意味がないと思えるほど堂々と佇む3人の姿にただ見入ってしまう。
開幕からたった2曲で圧倒されてしまうところだが,まだ早い。次に登場したのは“帝王”「Valkyrie」(高橋広樹,大須賀 純)である。斎宮 宗が「今宵は僕たちの作る芸術的で美しい世界を堪能するといいのだよ。ついてきたまえ!」と高らかに宣言,歌うは「迷宮電子回廊」だ。
パフォーマンスするアイドルによって大きく雰囲気の変わる「スタフォニ」だが,彼らのステージはまさに“信仰”と呼びたくなる熱気に満ちている。また,演出の規模と豪華さに驚かされっぱなしの「スタフォニ」において,これを生歌唱と生演奏で再現する,演者と生バンドのパフォーマンス力にも感嘆するほかない。
続いて登場した「UNDEAD」(増田俊樹,細貝 圭,小野友樹,羽多野 渉)は,朔間 零が「宴は始まったばかりじゃが,準備運動はできたかのう?」と,のんびりとしながらも挑戦的なセリフを口にし,続いて「さあ,存分に楽しもうぞ」と「Savage Love Affair」を披露。そのカリスマあふれる存在感と燃えたぎるようなエネルギーで,会場の空気を一気に掌握してみせた。だがしかし,その佇まいにはまだ余裕があるように見えるのが彼らの恐ろしいところだ。
この日に出演する全「ユニット」が一周したところで,次はどうくる? と思いきや,ステージにランタンを持った人々が現れた。中央に浮かぶは2つの影。「Valkyrie」で「礼賛歌」である。暗いステージを照らす無数の明かりは客席へと広がり,まさに“建国”としか言いようのない迫力と一体感に満ちていた。変わっての「Acanthe」では,唯一無二の芸術家2人による掛け合いがあまりにも美しく,自然と涙が溢れてきた。
そんな空気を塗り替えるように,尺八の音色が響く。舞台に腰掛けたスタイルで登場した「紅月」が,大きな月を背に「夜空、然りとて鵲は」を熱唱。軽やかでありながら気品に溢れ,なんとも“粋”すぎるサウンドと演出だ。次の「紅月いろは唄」では,扇を片手に舞い踊り,ハレの陽気さで会場中を盛り上げる。この歌では刀や太鼓,ダンサーによるアクロバットも飛び出し,まさにお祭りのような高揚感に包まれた。
休む暇など与えない,とばかりに登場した「UNDEAD」が「FORBIDDEN RAIN」を熱唱しつつトロッコへ。ただでさえ怒涛の展開で観客はみんな息も絶え絶え(?)な状態だったはずだが,容赦がない……! 4人は会場中央のステージに集まると,次は「Resurrection of Soul」。高くせり上がった舞台から放たれる熱量と骨太なサウンドが,全観客を酔わせた。
代わって登場した「ALKALOID」は,吹き出す炎の柱に負けじと熱く「Hysteric Humanoid」を披露。ベテラン「ユニット」に決して引けを取らないエネルギーとハーモニーで,フロアを色とりどりの光で染め上げてみせた。そうして生まれた熱を手のひらに集め,慈しむように歌われた「Living on the edge」。落ち着いたリズムながら,心は深く揺さぶられるようなエモーショナルなひとときとなった。
ここで,白を基調としたお揃いのシックな衣装に着替えたキャストたちがステージに集結した。あっという間の前半終了を驚くとともに,先ほどまでのステージとは打って変わって親しみのあるトークを繰り広げる。そして,ここまでに素晴らしい演奏を披露してくれたバンドメンバーを再びステージに招き,全員で「One With One」を熱唱。
この楽曲の間,キャスト全員を乗せたステージが高く上がり,アリーナ席の上を通って後方へ。この巨大な移動式ステージは前回の「スタフォニ」でも登場したものだが,まさにあらゆる座席からキャストをより近くで感じられるものとなっており,ファンを喜ばせた。
後半戦では特別企画と称し,ソロ曲メドレーが披露された。ハイキックもバッチリ決まった「ENGRAVE LIVES」,拳を上げてトロッコから熱唱した「SOLID SOUL」,歌い終わったあとの笑顔のギャップがすごい「夢見るアーキテクチャ」。そして,会場が燃えるような“紅”に染まった「紅返礼歌」,サウンドも歌もストレートに響いた「BURNING BODY」,心が洗われるような爽やかさに満ちた「Starlight of Faith」では,ソロパート前半のキャストたちも歌を重ねた。
続いて披露されたのは,「UNDEAD」と「紅月」による「PERFECTLY-IMPERFECT」! これはFUSION UNITシリーズとしてリリースされた,2組のユニットによる特別な楽曲だ。今回のライブのサプライズについてはいろいろな可能性が考えられたとは思うが,こうきたか! という驚きがあった。キャスト全員歌唱による生演奏の本曲とは,なんという贅沢か。
ソロ曲メドレー後半は,高らかに始まりを宣言した「誠心決風録」,美しさと力強いヴォーカルで魅了した「Raise the Velvet」,さすがともいうべき貫禄で圧倒した「Amor Vincit Omnia」。そして,包み込むような優しさが広がった「SURF ON SMILE」,キュート……いや,“ラブい”が過ぎていた「I LOVE “LOVE”♡」,クールな表情に秘めた熱さを感じさせた「Unpredictable Reincarnation」(熱狂する颯馬も必見),ほかの追随を許さぬ存在感を示した「Fiery Scream」へと続き,圧巻のステージを締めくくった。
本編の最終盤は,出演した4ユニットが1曲ずつ披露する形となった。まずは「Valkyrie」の「麗しのナイチンゲール」,「ALKALOID」の「Believe 4 leaves」,「紅月」の「金色千夜夢舞台」,そして「UNDEAD」で「Melody in the Dark」。どのユニットも「1曲選ぶならこれ!」と挙げるファンも少なくないであろう,各組を代表するような名ナンバーだ。それぞれが持つ魅力を最大限に発揮し,観客も最大限に熱狂する素晴らしい曲たちだった。
そしてラストを飾ったのは,全員歌唱による「Surprising Thanks!!」。朗らかでハッピーな空気の中,鳴り止まない拍手を残していったんの幕となった。
アンコールでは,期待に膨らみまくった空気が,切り裂くような悲鳴とともに一気に爆発した。朔間 零,蓮巳敬人,大神晃牙,鬼龍紅郎によるユニット「デッドマンズ」の登場である。
4人は「ROCK ROAR」を熱唱,それぞれが所属するユニットとはまったく異なる表情と魅力で観客の視線を釘付けにした。メンバー的にくるだろうと予想していた人は多いだろうが,なんという熱量だろうか。現在は正規に活躍していないユニットながら,いまだ揺るぎない人気を誇る「デッドマンズ」らしい熱狂ぶりである。本公演のもうひとつの主役ともいうべきユニットの,圧巻のステージであった。
そしてラストは,お馴染みの全員歌唱による「BRAND NEW STARS!!」。どこまでも楽しく忘れがたい,最高の景色を見る人全員に届け,すべての演目が幕となった。
また,今回もライブ2日目には,2024年6月にシリーズ第3弾となる「Starry Symphony -the midnight sun-」(出演:fine ,Eden,Ra*bits,Knights,MaM,ALKALOID,Crazy:B/さいたまスーパーアリーナにて開催)が発表された。「スタフォニ」としては過去最大規模となる次の公演は,一体どのようなものになるのだろうか。
筆者個人のつぶやきになるが,それにしても「あんスタ!!」は,本当に大きなコンテンツになったと思う。支えるファンが増え,できることも格段に増えたが,それでも変わらないのは「とにかくファンを喜ばせたい」というまっすぐな想いだ。この先,「スタフォニ」はもちろん,コンテンツ自体がどこまで成長していくのかが1ファンとして本当に楽しみだ。
ある程度“覚悟”をしていてすら驚かされることもあるのだから,「あんスタ!!」は本当に怖いコンテンツだな……とも思いつつ,次の展開でもまた,見たことのない景色を見せてくれるのを期待したいと思う。
Ensemble Stars!!
Cast Live Starry Symphony -the dead of night-
公演概要
■開催日時
2024年2月10日(土)
2024年2月11日(日)
■会場
有明アリーナ
■出演者
<ALKALOID>
梶原 岳人(天城 一彩役),天﨑 滉平(白鳥 藍良役),重松 千晴(礼瀬 マヨイ役),中澤 まさとも(風早 巽役)
<Valkyrie>
高橋 広樹(斎宮 宗役),大須賀 純(影片 みか役)
<UNDEAD>
増田 俊樹(朔間 零役),細貝 圭(羽風 薫役),小野 友樹(大神 晃牙役),羽多野 渉(乙狩 アドニス役)
<紅月>
梅原 裕一郎(蓮巳 敬人役),神尾 晋一郎(鬼龍 紅郎役),神永 圭佑(神崎 颯馬役)
【シークレット】
<デッドマンズ>
増田 俊樹(朔間 零役),小野 友樹(大神 晃牙役),梅原 裕一郎(蓮巳 敬人役),神尾 晋一郎(鬼龍 紅郎役)
■【2月10日(土)公演】セットリスト
01.VERMILION/ALKALOID
02.月光奇譚/紅月
03.迷宮電子回廊/Valkyrie
04.Savage Love Affair/UNDEAD
05.礼賛歌/Valkyrie
06.Acanthe/Valkyrie
07.夜空、然りとて鵲は/紅月
08.紅月いろは唄/紅月
09.FORBIDDEN RAIN/UNDEAD
10.Resurrection of Soul/UNDEAD
11.Hysteric Humanoid/ALKALOID
12.Living on the edge/ALKALOID
13.One With One
14a.ENGRAVE LIVES/小野友樹
14b.SOLID SOUL/梶原岳人
14c.夢見るアーキテクチャ/大須賀純
14d.紅返礼歌/神尾晋一郎
14e.BURNING BODY/羽多野渉
14f.Starlight of Faith/中澤まさとも
15.PERFECTLY-IMPERFECT/UNDEAD、紅月
16a.誠心決風録/神永圭佑
16b.Raise the Velvet/重松千晴
16c.Amor Vincit Omnia/高橋広樹
16d.SURF ON SMILE/細貝圭
16e.I LOVE “LOVE”♡/天﨑滉平
16f.Unpredictable Reincarnation/梅原裕一郎
16g.Fiery Scream/増田俊樹
17.麗しのナイチンゲール/Valkyrie
18.Believe 4 leaves/ALKALOID
19.金色千夜夢舞台/紅月
20.Melody in the Dark/UNDEAD
21.Surprising Thanks!!
[Encore]
22.ROCK ROAR/デッドマンズ
23.BRAND NEW STARS!!
「あんさんぶるスターズ!!Starry Symphony」公式サイト
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