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パンキッシュなヒーローが戦う新作「リボルバーズエイト」発表会レポート。キーマン2人へのインタビューも掲載
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印刷2018/10/12 22:27

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パンキッシュなヒーローが戦う新作「リボルバーズエイト」発表会レポート。キーマン2人へのインタビューも掲載

 セガゲームスは2018年10月10日,今冬配信予定のスマートフォン向け新作ゲーム「リボルバーズエイト」iOS / Android)の制作発表会を,東京・秋葉原のUDXシアターにて開催した。
 この発表会には,プロデューサーを務めるセガゲームスの菊池正義氏とキャラクター原案を手がけたゲームクリエイターの五十嵐孝司氏が登壇し,本作の概要や制作秘話などを披露した。本稿では,その模様をお伝えしよう。

 なお記事後半には,菊池氏と五十嵐氏へのインタビューも掲載しているので,ぜひ合わせてご一読を。

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「リボルバーズエイト」公式サイト



 「リボルバーズエイト」(以下,「リボハチ」)は,前述したキャラクター原案の五十嵐氏に加えて,キャラクターデザインにRyota-H氏,音楽プロデューサーに土屋駿輔氏と光田康典氏を起用したストラテジーゲーム。内容は,古今東西のおとぎ話の世界を舞台に,パンキッシュなヒーロー達が戦うというもの。
 そのコンセプトは,ストラテジーゲームのだいご味である「狙った戦術がハマったときの快感」をより多くの人に体験してもらうことで,それを実現するためにより分かりやすく,より遊びやすいゲームを目指したとのこと。

菊池正義氏
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 「リボハチ」の大きなポイントは,ヒーローそれぞれのキャラクター性である。
 各ヒーローは原作となる童話やおとぎ話の一般的なイメージとは異なるキャラクター設定となっており,例えばシンデレラはバイクを愛するアイドルだが,日雇いなので毎日深夜0時までに契約を更新しなければならない。金太郎は何でもできる天才で,新たにホストクラブの経営を始めた。そして「アルプスの少女ハイジ」のクララは,ゼーゼマン家の技術力と財力を結集して完成させた変形式の車椅子型パワードスーツを駆使して戦う……といった次第である。

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舞台となる「イマーゴ」はすべての物語の故郷という設定で,その中には物語それぞれが独自進化を遂げたステージが配置される
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 ゲームのルールは,1vs.1で,3分以内に敵陣に配置されたタワーをより多く破壊したプレイヤーの勝ちというシンプルなもの。各プレイヤーは事前に8枚のカードで構成したデッキを用い,時間経過に応じて溜まっていくインクをコストとして消費し,ヒーローを含むユニットを召喚して敵のタワーやユニットを攻撃したり,自陣のタワーを守ったりする。

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 カードには「ヒーロー」「建物」「ミニオン」「魔法」の4種類があり,プレイヤーが構成したデッキは,自動的に3つのタイプに判別され,どのような戦い方が向いているかというアドバイスがなされる。例えば「強襲タイプ」であれば,盾役を前面に配置しつつ,アタッカーを追随させて敵陣に深く切り込んでいく戦い方が向いている。そして「反攻デッキ」は敵の隙を突いて攻撃するカウンター攻撃が得意,「砲撃デッキ」は遠距離攻撃できるヒーローを中心とし,そのヒーローをいかにして守るかが勝利のへのカギとなる。

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 各ヒーローが使うスキルも,「リボハチ」の大きなポイントの一つだ。スキルは2種類あり,デッキ構成時にリーダーとして設定したヒーローは,「スペシャルスキル」を発動できる。このスキルは強力だが,1試合中に一度だけしか使えないため,どのタイミング使うかが重要となる。また試合中,相手がどのヒーローをリーダーにしているかは分からなくなっているというのも,駆け引きの重要な要素となっている。
 もう一つの「ノーマルスキル」は,召喚中ヒーローの一人のスキルを30秒に1回発動できるというもの。ヒーローごとにノーマルスキルの効果が異なるので,局面に応じて誰のスキルを使うか選択する必要がある。

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 「リボハチ」には,シングルプレイのストーリーパートも用意されている。進行はクエストクリア型で,基本的な戦術やユニットの特性などを学べるチュートリアル的な存在となっている。これらのストーリーには,本作の大きな流れを描くメインストーリーと,ヒーローごとのものが用意されるとのことだ。

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 発表会の後半には,菊池氏と五十嵐氏によるトークセッションが行われた。菊池氏によると,「リボハチ」の企画がスタートしたのは3年ほど前に行われた,クリエイターが集まる新年会だったとのこと。五十嵐氏が以前から練っていた「リボハチ」の原型となる構想を見せられた菊池氏は,その場で「一緒にゲームを作りましょう」とオファーしたという。五十嵐氏も,「(菊池氏に)魅力的なキャラクターといっていただけて嬉しかったことを覚えています」と当時を振り返っていた。

五十嵐孝司氏
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 また五十嵐氏は,ヒーローの設定を作るにあたり「原作をしっかり読み込み,そのイメージを大切にしつつ,突っ込みどころには突っ込んでいく」ことにこだわったという。
 例えばシンデレラは,深夜0時に魔法が切れるところから日雇いのアイドルというアイデアが生まれ,彼女と契約するカボチャの魔女はそのプロデューサーという関係性が生まれていったとのこと。なおシンデレラのバイクは,中に入っているネズミを動力とする“ネズミ駆動”だ。

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 金太郎は,原作だと力が強く優しい子どもが大人になって鬼を退治した,というシンプルな設定。そのため可愛く描かれるか,面白く描かれるかのどちらかのケースが多いため,五十嵐氏は「何とか格好よくできないか」と考えたという。同時に,「どこかで反抗期もあっただろう」とも考えたとのことで,前掛けにあたる部分を大きく開ける衣装にするなど,一般的な金太郎のイメージとは正反対のデザインにしたそうだ。
 そんな金太郎と対になるクマは,中に鎧武者姿の金太郎の父親が入っているという設定。ゲーム中ではそれが分かるようなモーションもあるという。

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 浦島太郎は,「お爺さんとお婆さんを出したい」という五十嵐氏の要望を,周囲からの反対を退けて実現したもの。また乙姫の「時間の経過をなぜ黙っているのか」「なぜ玉手箱を持たせたのか」という不可解な行動に,五十嵐氏は「これだけもてなしているのだから,浦島太郎はずっと竜宮城にいてくれると考えていた」「恋心を抱いていた浦島太郎から『年下が好み』といわれたので,玉手箱で歳を取らせて自分が年下になった」との解釈を披露していた。
 ゲーム中では,この解釈をベースにしたストーリーが浦島太郎側,乙姫側それぞれから描かれるとのこと。ちなみに浦島太郎は,玉手箱により一瞬でお爺さんになったため,若者言葉を使うそうだ。

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 裸の王様については,「見えない布といっても,触れば分かるだろう」というところから,自分の肉体を周囲に見せびらかしたいキャラクターとなった。ゲーム中では服を着ている前提で話してはいるものの,盛り上がったベルトや“裸一貫”と書かれたマントなど突っ込みどころ満載となっている。
 またラプンツェルは,塔の中で生活している内にニートになったという設定。ゲームや漫画などに詳しく,よく見るとセガサターンのコントローラーを持っている。五十嵐氏は「ハードを出していたメーカーでないと絶対にできないこと。ぜひやってみたかった」と語っていた。また「ラプンツェル“が”塔」というコンセプトのデザインとなっており。帽子は塔の屋根型となっている。

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「リボハチ」のクローズドβテスト情報もアナウンスされた
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 発表会の最後では,五十嵐氏が「ずっと温めていたキャラクター達を,こうして皆さんに披露することができて嬉しい」とし,「ゴシックホラーや恋愛ものなどもやっていますが,このくらいぶっ飛んだことも考えられるんだぞ,ということを見せていきたいので,ぜひ面白さを味わっていただきたいです」とコメント。
 そして菊池氏が,「自分の戦術が狙いどおりにハマったときの痛快な気持ちを,より多くの方に体験していただけるようゲームをデザインし,キャラクターを練り上げました。ここからはプレイヤーの皆さんと作り上げたいと考えています」と語って発表会を締めくくった。

 その後は実際に「リボハチ」を体験するコーナーも設けられた。非常に短い時間だったため,相手と自分が召喚したユニットの相性や,どのタイミングでスキルを発動させれば効果的なのかといった点までは分からなかったのだが,強襲,反攻,砲撃のデッキタイプを選ぶだけでもデッキ編成が可能となっており,操作もほかのスマホ向けストラテジーゲームをプレイした経験があればすぐに馴染めそうなものだったので,「とりあえず触ってみたい」「難しいことを考える前に,まず遊んでみたい」という人にとっても,とっつきやすい内容になっていると感じた。

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 また本作の大きな特徴となるスペシャルスキルの演出や,3Dモデルで表現されるキャラクターのモーションは相当に凝った仕上がりとなっており,非常に画面映えがする。画面の大きな端末,可能であればタブレットでプレイしたほうが,本作の魅力がより伝わるのではないかとも感じた。

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発表会後,菊池氏と五十嵐氏にインタビュー


 発表会終了後,菊池氏と五十嵐氏に話を聞く機会を得たので,以下にその内容をお伝えしよう。

4Gamer:
 お二人が出会う以前から,五十嵐さんは「リボハチ」の構想を練っていたとのことですが,そもそもおとぎ話や童話をモチーフにしようという発想はどこから生まれたのでしょうか。

五十嵐孝司氏(以下,五十嵐氏):
 僕の会社であるアートプレイを立ち上げたとき,そんなに大きな会社ではないので,まずはスマホゲームを作ろうという話になったんです。さらに設定を作っていく中で,初めて手がけるタイトルだから,世間一般に認知度の高いものをモチーフにしたほうがいいだろうと考えました。
 ただ,おとぎ話の世界をそのままゲームにすれば面白くなるわけではありません。そこで,おとぎ話の内容をきちんと汲み取った上で,「ここ,おかしいよね」と皆が疑問に思うような部分を膨らませ,現代的なリメイクを施したらいいんじゃないかと。

五十嵐孝司氏
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4Gamer:
 プロジェクトのスタートは3年ほど前とのことですが,これまでのあいだに他社から童話モチーフのスマホゲームが登場しました。そのとき,率直にどう感じましたか。

五十嵐氏:
 「ああ,やられたな」とは思いましたけれど,作家性が僕とは全然違いましたから。あと,お爺さんお婆さんはあまり出ていなかったし(笑)。目指しているところが違うので,何とかなるだろうと。

4Gamer:
 五十嵐さんの構想は,相当捻ったものになっていますよね。

五十嵐氏:
 僕の中では,全然捻っていないんですよ。でも周りからは捻っているといわれるので,きっとそうなんでしょうね……。

4Gamer:
 そうした五十嵐さんの構想に対して,菊池さんがもっとも魅力的だと感じた部分を教えてください。

菊池正義氏(以下,菊池氏):
 キャラクターのアレンジやリメイクの仕方です。実際に動くものを見つつ,今日,発表会でやったように五十嵐さんから「このキャラはこういう設定なので,こういう造型で,こう動く」と説明してもらったんです。

菊池正義氏
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五十嵐氏:
 普通,初対面の人にあんな説明しないですよね(笑)。

菊池氏:
 でも楽しかったですよ(笑)。こんなに見せてくれるのかと思いました。
 ともあれ,おとぎ話や童話は歴史があり誰でも知っているものなので,さまざまな形でモチーフに使われますけれども,これならほかにはないものが作れるだろうと。また,僕自身が魅力的だと思えるキャラクターのゲームになるだろうとも考えました。

4Gamer:
 ジャンルは,最初からストラテジーにしようと考えていたのでしょうか。

菊池氏:
 当初,五十嵐さんは違うジャンルでいこうと考えていたんですよね。それで何度かスクラップ&ビルドを繰り返したんですが,半年くらい経ってストラテジーにしようと。

五十嵐氏:
 最初から決めていたのは,一般的なカードゲームによくある「相性によって,出した瞬間に負けたと分かる」ようなものにはしたくないということでした。試合中,戦術的に何かをすることで一発逆転を狙えるようなゲームしたいと考えていたんです。

4Gamer:
 その結果,ストラテジーが最適だという結論になったわけですか。
 ただスマホ向けストラテジーというと,すでに世界的な定番タイトルも存在します。どのように差別化を図ろうと考えたのでしょうか。

菊池氏:
 やはりキャラクターのもたらす部分が大きくなるだろうと考えました。そこから派生してバトルの爽快なハマりポイントが生まれたり,シングルプレイのチュートリアル的な部分をキャラクター経緯で伝えることが可能になったりするだろうと。単に絵柄としてだけでなく,システムに絡むことで,ナラティブにキャラクターを描けるわけです。
 もう一つはスキルです。対戦ゲームは,バランスを取り過ぎてしまうと膠着状態が生まれやすくなりますが,そこにいい感じの落としどころとして機能するスキルを作れないかと考えました。今ちょうど,守るよりも攻めたほうがいいバランスになりつつありますが,そこは実際にプレイヤーの皆さんの動向を見つつ詰めていくことになります。

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4Gamer:
 ジャンル的に,覚えることが多い,ゲームの展開が速いのでついていけなそうといった理由から苦手意識を持つ人もいるでしょう。「キャラクターに惹かれてやってみたけど難しい」という人に向けた配慮はありますか。

菊池氏:
 そうした方がいることを踏まえて,デッキタイプを大きく3つに分けたり,シングルプレイで順を追ってゲームのセオリーを学べるようにしたりしています。何かと忙しい対戦中や,NPCを相手にしたトレーニングモードではなかなか確認できないことも,「なるほど,こういうことなのか」と理解していただけるように設計しています。さらに,そういった要素をアップデートで追加していきたいとも考えています。

4Gamer:
 配信開始時には,キャラクターは何体くらいいるのでしょうか。

菊池氏:
 ヒーローが20種類,ミニオンと魔法,建物が20種類の計40種類でスタートします。

4Gamer:
 その後のアップデートでヒーローを追加する予定はありますか。

菊池氏:
 毎月のアップデートで1〜2体追加していければとは考えていますが,ゲーム内の動向次第ですね。どんなデッキが流行って,そのカウンターとして何を出せばいいのかといったところをデータで確認しつつ,何を追加すればいいのか考えていきます。

4Gamer:
 メインストーリーや各ヒーローのストーリーは,チュートリアル的な内容でしょうか。

菊池氏:
 チュートリアル色が強い部分もありますが,きちんとお話として作っています。例えば,はだかの王様だと最初のクエストで使い方を教えたあとは,王様自体の話が進んでいきます。

4Gamer:
 ちなみに追加されるヒーローの原案も,五十嵐さんが手がけるのでしょうか。

五十嵐氏:
 もちろんです。僕の当初の構想では,一つの物語から一人のキャラクターを出そうと考えていたのですが,「対にしたほうがより魅力的になるキャラクターもいる」という提案を受けてキャラクターを増やしています。また繰り返しですが,僕としてはお爺さんお婆さんをもっと出したいですし,誰も知らないようなお話を紹介することにも取り組みたいです。実際,ほとんど誰も知らないけれど,僕の大好きな話があるんですよ。

4Gamer:
 そういったお話のジャンルが,童話以外に広がる可能性はありますか。

五十嵐氏:
 基本的には,おとぎ話や童話だけです。「子どもでも知っている,子どもの頃から知っている」というのがキーワードです。

4Gamer:
 世界のありとあらゆる国や地域の童話がモチーフになり得ると。

五十嵐氏:
 そうです。結構調べたのですが,どんな国や地域にも必ずといっていいほど童話はありますから。ただ最初はやはり有名どころから順にやっていくことになります。
 アートプレイの社長は中国出身なので,「中国の童話ってどんなのがあるの?」と聞いてみたら,「三国志演義」と返ってきたときにはどうしようかと思いましたけどね(笑)。「中国の子どもは皆,三国志が大好き」って,それは分かるけど……。

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菊池氏:
 中国からは西遊記を採用したんですよね。「リボハチ」の孫悟空はちょっとヒールな感じなので,社内の中国や台湾出身のスタッフに「このイメージで大丈夫か」と確認を取りました。

五十嵐氏:
 もともと僕が考えていたのは,すごく猿寄りだったんですけれど,中国の方にはすごく不評でした。理由を聞いたら,孫悟空は中国だと日本における織田信長のような格好いい存在なんだそうです。「信長を格好悪く描かれたら嫌でしょう」と言われたんですが,僕個人は時と場合によるかな。

菊池氏:
 孫悟空が悪役なのはいいんだけど,格好悪いのはダメなんですよね。そういうことを聞くと,国によっていろんな考え方があって面白いです。

4Gamer:
 日本だと,信長が女の子になっても怒るどころか喜ぶ人がたくさんいますからね。

五十嵐氏:
 ただ「リボハチ」では,キャラクターの性別を変えることはやらないつもりです。もし男性キャラが女性化したとしたら,「五十嵐は相当ネタに困っている」と思ってください。
 だから今回は,男性キャラ率が非常に高いんですよね。しかも半裸が多い。狙ったわけじゃないんですけどね……。

4Gamer:
 そこは女性プレイヤーへのアピールポイントということで。

五十嵐氏:
 確かに,「リボハチ」でストラテジーゲームを初めて遊んだアートプレイの女性スタッフもそこが魅力の一つだといっていましたし,またスキルがあることで分かりやすかったともいっていました。

菊池氏:
 王様やアラジンは女性スタッフの受けがいいですね。

五十嵐氏:
 王様は女性向けなんですか?

菊池氏:
 何かハマるところがあるみたいですよ。

五十嵐氏:
 王様のデザインは,ボディビルダーの写真を資料にして「この筋肉で」とお願いしたんですよ。

4Gamer:
 ヒーローの3Dモデルは,きちんと頭身モデルになっていますよね。デフォルメモデルと迷ったりはしなかったのでしょうか。

五十嵐氏:
 僕が最初に作ったサンプルでは,デフォルメモデルでした。それを菊池さんに見てもらったところ,きちんと頭身があったほうがいいという話になったんです。

菊池氏:
 もっと大きくしても大丈夫だろうという判断から,可能なかぎりイラストに近づけた頭身にしようと。

4Gamer:
 実際にゲームをプレイしましたが,手足の動きがダイナミックでいいですよね。

五十嵐氏:
 僕も最初に見たときは「さすがセガさん,隙がない」と思いました。モデルもそうですがモーションがすごくて,とくにクララの車椅子が変形するところは圧巻でした。半分冗談で「完全変形でお願いします」といったら,本当に完全変形して。

菊池氏:
 あれは二段変形しますからね。

五十嵐氏:
 王様のスキルも,敵キャラのヘイトだけでなく,プレイヤーの注目を集めるくらいすごいモーションですからね。「ここまでやるんだ」という力の入れ方が半端ない。すごく感動しました。

4Gamer:
 見ているだけで楽しいので,非常に配信向きのタイトルだと思いました。そういった部分にも注目しつつ,今後の展開に期待しています。本日はありがとうございました。

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