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発売迫るPS4版「プロ野球スピリッツ2019」をプレイ。グラフィックス向上や新システムで,より選手の個性が感じられる作品になった
前作「プロ野球スピリッツ2015」から4年ぶりとなるシリーズ最新作のデモ版を,初展開となるPlayStation 4版でプレイする機会を得たので,その感想とオススメしたいポイントをお伝えしよう。
「プロ野球スピリッツ2019」公式サイト
グラフィックス向上や新システムで
試合はよりリアルに,選手の個性も強くなった
まずは,PS4で高画質となったことでより美麗になったグラフィックスと,選手の“人間らしさ”が増した試合時の演出について。前作に続き3Dフォトスキャン技術で立体的に再現された選手モデルは,各選手の顔やフォームはもちろん,顔のシワや髪の毛の揺れ,ユニフォームにヘルメット,グラブにエルボーガードといった用具の質感など,どれをとってもその再現度はかなり高い。選手の表情やユニフォームは試合の「REPLAY」の際にスローかつアップ目に見られるので,自身の好プレイを眺めつつ確認してみよう。
最も驚かされたのが,選手の額に浮かぶ汗の表現だ。連打を浴びて失点したときやロングイニングを投げ切った際など,場面によって汗の量が変わるのがかなりリアルで,試合への没入感も高めてくれる。
ほんのり汗を浮かべながらもピンチをしのいだ投手を,イニング終わりに野手がグラブで「ポンッ」とねぎらうシーンや,汗だくになりながら1試合を投げ切りチームの仲間に祝福されているシーンがクローズアップされると,「よく頑張った!」という気持ちが沸く。野球好きにはたまらないものがあるので,ぜひ注目してほしいポイントだ。
選手だけではなく,球場の再現度もかなり高い。フェンスやフィールドの質感,歓喜に沸くスタンドの観客たち,周りの建物といった球場外の風景,さらにベンチの中まで細かく描かれており,なかなかのこだわりが感じられる。ヒットやファインプレーなど演出のいくつかは,実際に球場で流れる効果音が使われているので,視覚的にも聴覚的にも球場にいる感覚が味わえるだろう。
球場で注目してほしいのが,リアルタイムでの光源計算による光と影の表現だ。照明塔が設置されている場所や太陽の角度,雲の位置などによって光の当たり方や影の落ち方が違い,それが状況に合わせて変化していく。
例えば天候の設定を[風:あり][天気:くもり]でデーゲームを行うと,雲の流れによってほんのり暗くなったと思ったら,イニングをまたぐとまた明るくなった……みたいな変化があって面白い。屋外球場でのナイトゲームにて夕暮れから夜へと移り変わるところや,日が落ちたあとにこんこんと輝く照明塔も,試合への没入感や臨場感を増してくれるだろう。
基本的な操作方法はそのままに,ピッチングの面白さをより向上させたのが,タイミングよくボタンを2度押しする投球システムの新たな仕様となる「新・投球カーソル」だ。
これまでの2度押しでの投球は,投手のフォームやコントロールによってタイミングがバラバラで,さらに“ベストピッチを狙ったが失敗=すっぽ抜けの大失投”になるという,難度が高いものだった。それが本作ではタイミングの取り方は統一され,失敗した際も大きな失投になる確率が格段に減ったのだ。
投球カーソルのサイズは,各選手ともに持ち球の個別のコントロールによって大きさが異なる。スタミナ切れやランナーを許したとき,ピンチに強い/弱いといった部分でも変わるので,状況によって異なる駆け引きも生まれるのだ。
また,投手のコントロールの違いが分かりやすくなったため「コントロールは不安定だが,荒れ球含みで剛速球で押す」や「あまり球威はないが四隅を突く絶妙なコントロールで打ち取る」といった,投手のタイプ別でのピッチングを楽しめるところも魅力だ。
試合をよりリアルなものにしているのが「選手個別AI」だ。これは共同通信デジタルが独自に収集した昨年1年間の実績データをもとに,選手(昨年度成績がないルーキーや新外国人などを除く)の場面別での傾向がAI化されたもので,打撃や盗塁の積極性などと合わせて選手の個性がより際立たせている。
投手であればカウント別でのストレートを投げる割合,打者であれば得意と苦手なコースに対右投手と左投手それぞれの打球方向,さらにセーフティーバントへの意識などが可視化されており,野球のデータ好きな人であれば眺めているだけでも楽しめる。かくいう筆者も,「プロスピ」や「パワプロ」を購入したときはまず各チームの選手能力をチェックするデータ好き人間なので,同じ嗜好のプレイヤーにオススメしたい。
オリジナルのプロ野球選手が作れる新モード「甲子園スピリッツ」も紹介しよう。「プロスピ」シリーズおなじみの「スピリッツ」モードのリニューアル版となる「甲子園スピリッツ」には,「1年チャレンジ」「大会チャレンジ」「練習チャレンジ」という3つのチャレンジが用意されている。
高校2年生の夏から始まり,3年夏の甲子園出場を目指す「1年チャレンジ」は,物語を読み進めながら練習と試合を行い,選手を育てていくチャレンジだ。チームメイトやマネージャーといった多くの登場人物との交流やさまざまなイベントなどがあり,「パワプロ」シリーズの「サクセス」モードさながらに,シナリオを楽しみながらじっくりと選手育成が行える。
3年生の夏が舞台の「大会チャレンジ」では,カード選択による練習を行い,高校最後の大会を勝ち進んでドラフト指名されることでより良い選手が作成できる。「1年チャレンジ」より短時間で育成できるので,ゲームプレイに慣れている人にオススメのチャレンジだ。
「練習チャレンジ」は,限られたターン内のカード練習のみで選手を育成するチャレンジで,「大会チャレンジ」よりも短い時間で選手が育成できる。かなり運に左右されるが,成長ポイントがたくさん手に入るようになる「ハリキリレベル」を上げ,チームメイトやライバルとのイベントを活用することで選手能力の底上げも可能だ。
年俸制が導入されたシーズンオフの契約交渉や,観客動員率によって球団資金が変化するといった新要素が追加された「ペナントレース」,試合のほかに選手間の交流やプライベートの部分も重視された「スタープレイヤー」など,おなじみのモードもより遊びの部分が進化している。
今回はプレイできなかったが,実際の試合をもとにしたシナリオが毎日配信されるという「プロ野球速報プレイ」や,好きな選手を集めて夢のチームを作り,全国のプレイヤーと対戦する「ドリームリーグ」,実際の試合結果をもとに週に一度更新される「LIVE能力」など,オンライン要素も充実されているとのことで,こちらも楽しみだ。
ルーキーや今シーズンから一軍で顔を見るようになった若手,近年は不調が続いていた選手などは基本的に初期能力が低い。そんな選手達が活躍したときに,「LIVE能力」の更新による能力で試合が楽しめるというのは野球ファンにとってかなり嬉しいポイントだ。気になる野球ゲームファンは,実際のプロ野球の後半戦を楽しみつつ,よりリアルにそして遊びやすくなった「プロスピ」最新作をプレイしてみよう。
「プロ野球スピリッツ2019」公式サイト
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一般社団法人 日本野球機構承認 プロ野球フランチャイズ球場公認 ゲーム内に再現された球場内看板は、原則として2018年プロ野球ペナントシーズン中のデータを基に制作しています。(C)Konami Digital Entertainment
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