PCとPlayStation 4(以下,PS4),PlayStation 3(以下,PS3),Xbox One,Xbox 360,Nintendo Switch,Android端末のすべてに対応するというアーケードスティック「
Arcade Stick F300 Elite」(以下,F300 Elite)を,中国の周辺機器メーカーであるMAYFLASHが東京ゲームショウ2018の会場で展示中だ。
F300 Elite。公称サイズは未公開だが,比較的コンパクトだ。なお,ヘッドセット接続端子を搭載しないため,ボイスチャットには対応しない
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よく知られているとおり,PS4には「本体に差さっているコントローラがSony Interactive Entertainmentの認証を受けたものなのか」をチェックする機構があり,非認証のデバイスは起動中の定期的なチェックで弾かれることになる。これが,ゲームプラットフォームを横断的に広くサポートする入力デバイスがあまり登場しない理由だったりするのだが,ではF300 Eliteはどのようにこの問題を回避しているのかというと,「
認証にのみ『DUALSHOCK 4』を使う」という,ある意味古典的な手法であった。
認証にDUALSHOCK 4を使っている例
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F300 Eliteの本体正面向かって背面側にあるUSB Type-A端子
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F300 EliteはUSB Type-A端子を搭載しており,PS4でのプレイ中はそこにDUALSHOCK 4を差しっぱなしにしておくことで,認証の問題をクリアにしてしまう。「PS4対応アーケードスティック」としてはかなりグレーだが,そこを押し切ってくるのはさすがチャイナパワーといったところだろうか。
また,MAYFLASHによると,Xbox OneとXbox 360でも純正コントローラをワイヤードでつなぐことにより,認証周りの問題を回避できるとのことだ。
なお,搭載するスティックとボタンスイッチはいずれも三和電子製。6本のビスで留まっている底面カバーを開けることでメンテナンスや交換が可能だった。
本体底面カバーを開けたところ
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利用時の本体左奥にいろいろスイッチやボタンがあるのはHORI製アーケードスティックに似ている。ここでXInput&Nintendo SwitchモードとDirectInput&PS3モードを切り換えたり,スティックをアナログスティック互換にするかD-Pad互換にするかを切り換えたり,連射を有効にしたりできるのもHORI製アーケードスティックとよく似ており,怒られたりしないのか他人事ながら心配になった。
切り替えスイッチ群と,[Turbo]ボタン,[Select/Share/Back]ボタン,[PS/Home]ボタンを搭載する。[Turbo]ボタンと[Select/Share/Back]ボタンの同時押しでDUALSHOCK 4のタッチパッドボタンとしても利用できるという
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いろいろ大丈夫なのかな……と思っていたら,3か月ほど前から1万980円(税込)にて
Amazon.co.jpで販売が始まっている(※リンクはAmazonアソシエイト,以下同)と聞いて驚いたが,たしかに便利な気配だ。対戦が有利になるチート機能があるわけでもないので,広くさまざまなゲームプラットフォームで使えるアーケードスティックを探しているなら検討に値するかもしれない。
ブースにはもっと危ない製品や便利そうな製品も
F500
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MAYFLASHのブースには,ほかにもいくつか製品が並んでいた。「
Universal Arcade FightStick F500」(以下,F500)は筐体サイズもHORI製アーケードスティックに似たタイプで,対応ゲームプラットフォームはF300 Eliteと同じだ。
ヘッドセット接続端子を搭載し,ボイスチャットに対応するだけでなく,別売りの振動バンドを接続するとフォースフィードバックにも対応するという多機能になっている一方,スティックとボタンスイッチは中国メーカー製になっている。こちらは
Amazon.co.jpでかなり前から販売を行っているとのことだった。
ヘッドセットや純正ゲームパッド接続用のインタフェースを本体正面向かって左手前側に搭載する(左)。中央は別売りの振動ユニットで,右のように手首に巻いて使う
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F500の内部構造(左 ※MAYFLASHの要望により一部にモザイクを入れています)。三和電子製などのパーツへ簡単に交換できる。右は本体天板部正面向かって左奥のスイッチおよびボタン類
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DUALSHOCK 4にMagic Packを取り付けた状態。背面で手前に見える2ボタンがマクロ操作用だ
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次に紹介するのは,「DUALSHOCK 4にマクロ機能を追加する製品」こと「
Magic Pack PS4 Controller Encoder」(以下,Magic Pack)だ。
これは,DUALSHOCK 4に固定したうえで,Magic Packとスマートフォンを連携させると,DUALSHOCK 4の操作をマクロとして登録,編集できるというものである。登録したマクロはMagic Pack背面の2ボタンとDUALSHOCK 4上にあるタッチパッド部の4ボタン,計6ボタンとして登録,活用できるという。
スマートフォン上から利用できるツールはすでに日本語化を果たしていた。合計6ボタンに対して(左),遅延などを含む,細かなマクロを設定できるそうだ(中央)。右はトリガーの調整画面だが,アナログスティックの“遊び”の範囲を指定する機能も確認できた
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DUALSHOCK 4の操作を乗っ取る,気持ちいいくらいのチートツールなのでお勧めはしないが,MAYFLASHでは現在,国内販売に向けて準備中で,スマートフォンと連携させるための技術適合証明も取得予定とのことだった。
Magic PackはLEDインジケータを搭載(左)。中央と右はMagic Pack単体だ。背面側に操作用とは異なる丸いボタンが3つ見えるが,これらはプロファイルと音量,トレブル(Treble,サウンドの高域)を調整するためのものという
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Magic NS
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最後に「
Magic NS」は,Nintendo SwitchでDUALSHOCK 4もしくはDUALSHOCK 3,Wii U Controller,Xbox Wireless Controller,アーケードスティックを利用できるようにするというUSBアダプターである。ゲームパッドはワイヤードとワイヤレスのどちらでも利用できるとのことなので,使い方次第ではかなり便利だろう。
こちらは
Amazon.co.jpでの販売が開始済みで,国内価格は3499円(税込)となっている。
Magic NSの接続イメージ。写真左手前に見えるのは製品ボックスだ
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