プレイレポート
[TGS 2018]海外で高評価なインディーズゲーム「Night in the Woods」の日本語版をプレイ。翻訳の品質は高そうだ
Infinite Fallが開発したNight in the Woodsは,Kickstarterでのクラウドファンディング(関連リンク)で成功を収めたあと,2017年に正式リリースされたアクションアドベンチャーゲームだ(関連記事)。可愛らしいグラフィックスと,さまざまな社会問題をも扱うストーリーが評価され,Indie Game Festival 2018では大賞にあたるSeumas McNally Grand Prizeに輝いている。
翻訳の品質にも注目しつつ会場で遊んできたので,プレイレポートをお届けしよう。
本作の舞台は,かつて炭鉱で栄えた田舎町・ポッサムスプリング。主人公は,大学を中退して故郷の田舎町へ帰ってきたネコの「メイ」だ。これまで町の経済を支えてきた鉱山が閉鎖されたことによって,その雰囲気は,以前とはガラッと変わってしまっていた。そんな町での,メイと友人,知人達との交流や,メイがとある“謎”に遭遇する一連の出来事を描いたタイトルである。
本作では会話の中でエゲツない言葉が飛び出すこともあるが,ポップでダウナーなビジュアルと落ち着きのあるBGMのおかげで嫌味が薄まっている。そこは本作の大きな特徴である。
アクションや探索の要素にも力が入っており,さまざまな場面に謎解きやマップギミックを活用したアクションが取り込まれている。そして,それがしっかりとキャラクターへの感情移入度を高めるためのギミックとして機能しているのも面白い。
たとえば,知らない人に突然買い物を頼まれるシーンでは,プレイヤーもメイと同様に「面倒くせえな」と思うはず。
しようがないから自販機に行くと,わざわざマウスで指先と手を操作してジュースを取り出すアクションが必要になる。メイの「かったるいな」という気持ちが,そういった形でプレイヤーにも伝わるようになっているのだ。
3段ジャンプで高台に登ったり,ロープを渡ったりするアクションも |
ストーリーや雰囲気を重視する作品だけに,気になるのは日本語翻訳のクオリティだろう。今回の試遊範囲は第1章の1日目までだったが,遊べた範囲では「最初から日本語で書かれていたのではないか」と思えるほど,違和感なく読み進めることができた。終始やる気のないメイの小憎たらしい言動や,そんなメイに対応する地元の人々のちょっとした気遣いまで「ああ,慣れ親しんだ田舎ってこんな雰囲気だよね」という細かいニュアンスを,見事に伝えてくれている。
夜警に出ていた警官が,森を抜けてきたメイと出会った時の“顔見知り感”が,田舎町っぽくていい |
田舎へと帰ってきたメイが,森を抜けてなんとか実家に帰り着いたところで今回の試遊は終了。ごく序盤だが,日本語版の品質を確かめるには十分な内容だったといえよう。
Night in the Woodsの日本語版は,2019年にリリース予定。日本語版でポッサムスプリングの町を訪れることのできる日を,楽しみにしておこう。
ストーリーが進むと,メイが手帳にこれまでの出来事をメモすることがある。ここには重要な情報も含まれているので,しっかりとチェックしておきたい |
メイの家にはギターがあり,調べるとミニゲーム……というにはあまりにクオリティの高いリズムゲームが楽しめる |
インディーズゲームの小部屋:Room#524「Night in the Woods」
「インディーズゲームの小部屋」の第524回は,Infinite Fallが開発した「Night in the Woods」を紹介する。本作は,大学を中退して故郷の町に戻ってきた主人公が,家族や友人と交流しつつ,町に隠された秘密に迫っていくというアドベンチャーゲーム。モラトリアムやうつ病,貧困など,重い社会問題に切り込んだストーリーが特徴だ。
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「Night in the Woods」公式サイト(日本語版)
4Gamerの東京ゲームショウ2018特設ページ
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